副業持ちの艦娘達   作:maple sugar

27 / 35
改装設計図が欲しい・・・(血涙)

誤字訂正してくださった方、お気に入り登録してくださった方ありがとうございます。


卒業できると思ったかダボが!!

「とうとう、あなたにも卒業が近づいてきましたね」

 

 いつもの様に講義を受ける俺に突然そんなことを言い始める鹿島教官。

 

 そうか……俺もそろそろ卒業か。

 

 それにしてもここに来てから色々あったなぁ、いやホントに。他の提督たちよりもかなり奇天烈な経験をしているのではないだろうか? 

 

 叢雲に大井に……時雨の事。とりあえず時雨は一安心なのだろうか? 後は俺がここを出るまで大人しくしててくれればもうそれで安心できると思うのだが……

 

「何安心したような顔をしているのですか!!」

 

「え? 何? どうしたの?」

 

 俺はそんなことを考えていると鹿島教官に怒られる。

 

「まさか、貴方はこのまま卒業できると思っているのですか?」

 

 え? 違うの? もうこんなとこおさらばして、僻地ではぐれた深海棲艦狩りながら生活する物語がスタートするんじゃないの? 

 

「きちんと提督になるには卒業試験としてこれから試験官として来てくださる提督との演習に勝っていただきます」

 

 なるほど先輩提督に勝てと……うん、もうダメだ。俺は一生ここから出られないらしい。

 

「安心してください。新人のあなたに対してそこまで本物の編成で挑むわけがないでしょう」

 

 まあ、それもそうか。しかし、考えてみたら俺のもとに来てくれる艦娘は何人いただろうか? 

 

「ですからあなたにはまず、その試験官の方に挨拶に行っていただきます。失礼のないようにしてくださいね!!」

 

 なんかヤバい奴が来るらしい.……とりあえず逃げるか。

 

 

 

 

 

 

 しかし、一刻も早くここを出たい俺は仕方なくその先輩提督といわれる人の元へ向かう。

 

 俺は普段は絶対に入らない場所にある扉の前に立つ。心なしか少し緊張してきた。

 

 俺はとりあえず扉をノックする。

 

「入りたまえ」

 

 女性の声だった、しかもかなり若い感じのまだ20代前半なのではないかという声だった。

 

 その年でこうして試験官としてくるということはもしかしたらかなりすごい提督なのかもしれないという勝手な想像をしながらドアを開いた。

 

「貴様やめるのじゃ! わしは体まで許したわけではないぞ!」

 

「ああ、新人の子かい? ちょっと待っててくれ。今、新人の艦娘の性能テストをしているんだ」

 

 今俺が目の当たりにしているのは提督の恰好をした変態が艦娘を強姦している現場だった。

 

 しかも、襲われている方の艦娘の声を聞いたことがある。確か、若葉の姉の……初春だったか。

 

「失礼しました」

 

 俺はそっとドアを閉めるとその場を後にした。お願いだからこの人が試験官じゃありませんように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やぁ、やぁ、やぁ、君が新しく提督になる子だね。そうだね、きっとそうに決まってるさ。だって君の制服は士官学校の物だし、私の方にももうすでに君のデータベースはそろってるんだ。ほら、君の資料だよ、すごいよね君の個人情報丸わかりじゃないか、だから君の名前が「叔目 是手(おめ つなで)」君ということもわかっているよ。これから君の事をなれなれしく「おめ君」と呼ぶことになってしまうけれど構わないよね。フフフ、これが先輩の特権というものさ。おっと、名前を名乗る必要があるかな? 私は「海督 手提(かいてい てさげ)」気軽に てさげん と読んでくれればいいよ。しかし君のような優秀な提督予備軍の子にはもうすでに私の名前くらいわかってるんじゃないかな。失礼したよ、なんせもうすでに私のこの重巡クラスの艦娘達にも負けず劣らずのこの巨乳にちゃんと名札を付けているわけだからね。ああ、そうだ私としたことが本当に失礼したよ、君みたいな健全な男の子からすれば名前なんかより私のスリーサイズが気になるというものだよね。でも、残念ながら僕と君はまだそういった関係じゃないからお姉さんともう少し親密な関係になってからにしような。でも、私としてもスタイル抜群の艦娘には負けてないと思うんだ。うちのエース級重巡の高雄型なんて頭のおかしいくらいにスタイルがいいもんさ。私も何度も私自ら整備を担当しようとしたのにみんな恥ずかしがっちゃうんだ。可愛いものだろ? そのくらい私は艦娘を愛しているのさ。彼女たちは女の子なんだよちゃんと愛されるべきだと思うんだよ、それが出来るのがきっと提督の力なんだと思うんだ。知っているかい? 適性のある提督たちは艦娘の存在にほとんど違和感を持たないんだよ。普通の人達からすれば彼女たちの存在は人間の姿を模した何かということなんだろうね。彼らは少し彼女たちを受け入れるのに少し時間がかかるのだろう。でも、彼らの事を責めるわけではないさ、おかしいのは私達の方なんだ。いきなりこの世にあらわれた人間のまねごとをする彼女たちの事をこんなにも普通に愛してしまえるのはきっと私達の方がおかしいんだろうね。でも私の話をここまで聞いてくれた君には、どうしてこんなにお喋りするのがヘタクソなグラマラスボディのおねぇさん提督が君の前に現われたのかという説明をしないといけないよね。事の始まりは私が気持ちよくお昼寝をしていた時の事なんだがね、突然たくさんの上司が総入れ替えになって皆がてんやわんやしている時にその渦中から逃れていた私にあのファッキン糞上司からお告げがあってね。本当にひどい上司なんだよ、屋上ですやすや寝ていたところに突然封筒を叩き付けたわけだからね。私は初めは封筒の中身を見た時はお見合い写真なのかと思ったわけだ。当然だよね、渡された封筒の中に男の人の写真入っていれば健全、容姿端麗、有眠有給で働く私のような女の子ならみなそう思うものさ。でも、よくよく話を聞いてみたら新しい階級になった私への新しい任務というじゃないか。私は緊急事態だと思ったものだよなんといったって私の艦娘達が私を執務に戻すための怒号の声を子守唄にお昼寝するという私の数少ない楽しみの一つを邪魔してまで新しい任務を私に届けてくれたんだ。そしたら、君も聞いての通り私に君が提督になるにふさわしい人間かどうかテストしろということだったんだわけだね。いやはや、本当につくづくひどい上司だよ、君も見てもらって分かるように私はコミュ障陰キャの人間不信なんだ。そんな私が性欲満載の新人の提督のもとに行けばこんな私では断れずにそれはもうどこぞの薄い本みたいに君にこの場で押し倒されて乱暴されちゃうというところまで矮小な私の脳みそで考えてしまったわけだ。まあ、そういう時には責任取ってもらって一緒に良い鎮守府を作っていこうというお話になるからこれはこれでハッピーエンドといえるよね。でもそんな私としては君がとても健全な男の子でよかったよ、それとももしかして幼女主義の男の子なのかな? まあ、そんなことはどちらでもいいんだ、そういったことは君の艦娘達とやってくれたまえよ。 いやぁ、それにしても後輩が増えるのは嬉しいものだよ。なんせ私もかなり最近入った新参者でね、といってももう2,3年たつわけだがそれでも元帥殿に比べれば死ぬほど新参さ。でもいくら君が未来ある可愛い後輩だからといって手加減するわけにはいかないからね。それはもう死ぬほど頑張ってくれたまえ」

 

 

「一言でお願いします。先輩」

 

「KILL YOU」

 

 うーん、会話が出来ない。

 

 どうやら、この人が俺の先輩提督であり俺の卒業試験官らしい。もう少しまともな奴はいなかったのか? 

 

 というか、なんか話の中で俺が名前よりもスリーサイズを気にする変態みたいになってる気がするがきっと気のせいだろう。

 

 しかし、そうか……鹿島先生が仲間を集めさせたのはそういった意味合いがあったのか。しかし、ここまで来たらやるしかない早くこんな所から脱出しよう。

 

「しかし、新人の子にセクハラするっていうのはどうなんです?」

 

「敬語なんて使わなくていいよ、君と私はほとんど同い年じゃないか。それにセクハラじゃないよ、君は本当にエッチだなぁ。これは一種の体調のチェックだよ、これは大事なことだよ。艦娘のむくみ一つ筋肉の緊張一つ見逃したらダメなんだ」

 

 俺の目にはおっぱい揉んでるように見えたんだが? 

 

「おっぱいのむくみをチェックしてたのさ」

 

「あんたほんとに提督かよ」

 

 因みに、その揉まれていた初春は真っ白になって椅子に寝かされていた。これからの彼女の事を思うと何というか……いや、彼女は若葉の姉なのだきっと強く生きてくれるだろう。

 

「私は彼女たちを不思議なくらいに愛しているからね。君もそうじゃないかい?」

 

「うん、でもそれは艦娘にセクハラすることの免罪符にはならないよね?」

 

「そんなこと言う子には、卒業試験はうちの精鋭にします」

 

 気分次第で編成を変えないでほしい。ほんとに何でこんな奴が提督やってるの? いやマジでさ。いやこんな奴だからできるのか? 

 

「とはいっても本当は私はまだ君の試験官が出来るほどの階級じゃなかったんだ。でもなぜかお上の連中が総辞職してね。仕方なく私が出てきたのさ、そしたら私も晴れて出世というわけさ」

 

「ふ~ん、そうなんですか」

 

 うん、なんでだろうね。俺知らないぞ、うん。

 

「だから……そうだね。私は実はこの士官学校から新たにうちの鎮守府に受け入れてあげようと思ってね。その子達と戦ってもらおうと思うんだ。そっちの方が面白くないかい? いや、フェアといった方がいいかな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで? どんな編成だったの?」

 

 何故かさっき話されたばかりの事がもうすでに皆に広まっており俺が帰った時には全員が俺の部屋に集合していた。

 

「あ、因みに伝えたのは青葉です」

 

 知ってるよ。他の奴だったらびっくりだよ。まあ、そんなことはいい。俺はありのままの事を伝えた。

 

 叢雲は固まってしまった。それを聞いていた他のみんなも固まってしまう。

 

 なんせあの戦艦様がいたのだ。しかもあの長門型である。航空巡洋艦? とかいうのもいるらしい。

 

 そして自分たちの戦力を見返す。

 

「ええっと。もしかして青葉が最大火力ですか?」

 

「そうだな。重巡お前しかいないからな」

 

「「「「……」」」」

 

 皆がしばらく黙ってしまった。

 

「本当にこのままやるの?」

 

「マジムリゲー、引きこもるわ」

 

「このままいくのは由良も難しいと思います」

 

 でも、このままでは俺とここの艦娘達は一生ここから出られない。どうする? 

 

「仕方ないわね、うちの方でコネを使ってみるわ。あっ、その試験官の名前教えてくれないかしら? 証拠隠滅のために閑職に飛ばすなり辞職させるなり消すなりするわね」

 

「あ、青葉が書類の偽造しますね」

 

「叢雲ダメだよ。こういう時はこの北上様に任せた方がいいよ、機密が漏れた時の処理は私達の専門だから」

 

 何でもうすでに皆俺がもうダメという事前提で話を進めているのか。全くここで諦めるような子に育てた覚えはないぞ。

 

「逆に十分な戦力もないのに戦うなんて無策な馬鹿に育てた覚えもないのだけれど?」

 

 心を読むな心を! 

 

 しかし、こうなれば期日までに戦力を増やす必要があるな。そうでないとあの試験官の先輩の命が危ないぞ。

 

「戦力の増強ですか……」

 

 しかし、今更誰かを受け入れる事なんてできるだろうか? 特にこう……重巡クラスの人をだな。

 

「誰か知り合いいないの青葉?」

 

「うう、私にそれを頼みますか……。まあ、その……いないわけではないのですが、航空巡洋艦が二人ほど」

 

 何だよ、誰かいるのかよ。ゴシップにしか興味のないお前にそんな知り合いがいたとはな。

 

「いいじゃないか、航空巡洋艦。うちの戦力になってくれるなら願ったりかなったりだな」

 

 しかし、青葉はあまり良い顔をしていない。むしろ何故かあまり気の進まないようだ。

 

「その人は時雨さんの資料を集めてもらった人なんです」

 

 ん? どういうことだ? 

 

「あの……実は先日提督の元に持ってきた資料は私が手に入れたものではありません。自分だけで調査出来る範囲には限界がありますし、大本営のセキュリティーは思ったより厳重でした」

 

 まあ、さすがに大本営といったところだろう。青葉の技術にも限界はあったようだ。いや、発展途上といった方がいいだろうか? 

 

「そもそもセキュリティーの穴とか以前にそもそも今どき紙の資料しか存在してないのがおかしいんですよ!」

 

「じゃあ、どうやったんだよ?」

 

「簡単ですよ。ああいった場所にネット上からではなく直で侵入できる……まあ、何といいますか工作員のような役割が出来る方に協力を依頼したんです。ですから今まで言っていなかったのですが、ここに来てから知り合った私の情報提供者がいるんですよ」

 

 なるほど、つまりそいつらにどうにか続きの調査をお願いするわけだな。しかも、大本営からこれを持ってこれるほどの技術がある。きっと青葉よりも信頼できるんじゃないか?

 

「じゃあ、お前から顔つなぎをしてくれればそれで済むんじゃないか?」

 

「それが出来れば苦労しないんですよねぇ」

 

 おいおい、どういうことだ? 

 

「ああ、えっと、違うんですよ。ただその……ちょっともめ事がありまして、ちょっと会いにくいといいますか会いたくないといいますか」

 

 だってまさか、こんなことになるとは思わなかったじゃないですか!! と最後には逆切れをかます始末。

 

「実は初めてあったはずなのに何故か無性に腹が立つとか言われてなぜか殴られましてね」

 

 青葉は目からハイライトを落としながら自分の頬をさする。

 

「ふーんそうか。それで何やったんだ?」

 

「何で私が何かやった事が前提何ですか! ホントに初対面だったんですよ!」

 

 うーん、きっと前世でなんかしたんだろうな。悪いことはするもんじゃないね。

 

「ですから……司令官に行っていただいてもよろしいですか?」

 

 何で俺なんだよ。大体俺が関われるような奴じゃないだろ

 

「大丈夫ですよ。相手は艦娘ですから司令官ならすぐに打ち解けられますよ」

 

「何を根拠にそんなことを……」

 

 青葉が言うように彼女はここに来る前は軍で暗殺や工作員の仕事をしていたらしく、艦娘と発覚してからそのままここに来たらしい。

 

「まあ、このご時世ですから艦娘の方が稼げるんですよ」

 

 正直、お前の話を聞いてる限りそいつに会いたいっていう気持ちが一ミリもわかないんだけど。

 

「それじゃあ、お願いしますね」

 

 こちらの返事も聞かずにそのまま話を進め始めた。

 

「大丈夫です。私から顔つなぎをすると問答無用で殴り飛ばされますがここはうちの妹を使いましょう」

 

「相手は元軍人なんだろ? 流石に衣笠ちゃんがかわいそうだろ、お前が行けよ」

 

「私は殴られてもいいというんですか!?」

 

 すったもんだあったがとりあえず次のアクションは決まったな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。