副業持ちの艦娘達   作:maple sugar

7 / 35
デトスト始めて4日目ですが今だに「時雨」の事を「ときう」って読んでるのに慣れません

誤字修正していただいた方ありがとうございます


ドラマチックは突然に

 CASE1 扶桑

 

「あの……大丈夫?」

 

 俺は雨が上がったばかりのすべりやすい床で思いっきり滑り水たまりに頭から突っ込んだ艦娘の手を引いて起こした。

 

「あ……ありがとうございます。大丈夫ですこのくらいいつもの事です」

 

 これがいつもの事なのか……。

 

「それに今日はいい日ですよ。だってこうして抱き起していただける殿方に出会えたんですから。明日はきっと雪でも降るのね。ああ、申し遅れました。私、扶桑と申します」

 

「あ、ああ……よろしく」

 

「……あの、もしかして私の事をもしかしてご存じないのですか?」

 

「え? なんのこと?」

 

「皆が噂しているんです。私には関わるなと……」

 

 うーん。それはひどい話だ。

 

「きっと私、昔からいつも欠陥とか不幸だとか言われている事が原因だと思います。ですから私に近づいては不幸が移るとうわさされているのでしょう」

 

 いや、そんな話は聞いたことがないな。でもそれはひどい話だ、確証もないのにそんなうわさを流すなんて。いったいどこの誰の仕業だろうか? 

 

「昔からこの体質はひどかったのですが両親を早くに亡くしてからさらにひどくなって……私の手の中にあるものはどんどん失っていくのです。後に残されたのはたった一人の妹だけ……もう人生に見切りをつけて妹ともども首を────」

 

「あー! あー! ストップ! ストォォォップ!! 大丈夫だって! いいことあるって!」

 

 これ以上聞いてられない。俺は思わず扶桑の手を握る。冷た! なんだよこれ! 冷え性ってレベルじゃねぇぞ! 実はもう死んでるとかじゃないよな? 

 

「あぁ、温かい。人の手のぬくもりを感じられたのはいつぶりかしら。徴兵の資料が届いて死ぬ場所すら選べないのかと悲観していたところでしたが……。あの……出会ったばかりでこんなことをお願いするのもおかしな話ですが……その……抱きしめていただけないでしょうか?」

 

「ああ、うん。これでいい?」

 

「あ、あ、ああぁぁぁぁ。心の底から湧き上がってくるこの感覚。これが……幸せなの?」

 

 なんか最初の目的を忘れているような気がするけれど……ん? 

 

「山城ドロップキィィック!!!」

 

 俺が扶桑を抱きしめていると扶桑と同じ格好をした艦娘にドロップキックをお見舞いされた。顔面にドロップキックを食らった俺はそのままきれいに3メートルほどぶっ飛ぶ。

 

「姉様に触れるなんて100万年早いのよ!」

 

 ……噂の原因がわかった気がするが言わないでおこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 CASE2

「イヤー悪いね。奢ってもらっちゃって」

 

「いいよ。ちょうど誰かとしゃべりたい気分だったんだ」

 

 彼女は北上。ちょうど空いていた席に座ったら彼女と隣になったので話しかけてみたら、みたらし団子を奢る話になった。

 

 何だろうかこのつかみどころのない感じは。

 

「フーン最近来た噂の新人提督ってのはあなたの事だったんだねぇ。イヤーお会いできて光栄だよー」

 

 なんだと? こんなに目立たないようにひっそりと暮らしてきた俺が噂になっているとな? 

 

「俺のことそんなに噂になってるの?」

 

「そりゃーそーだよ。歴代でも稀にみる高適性の提督が現れたんだから」

 

 うーん。そんなことで噂になられても困るんだよな。

 

「艦娘は女の子だからね噂とか敏感なんだよ。そーゆーのを広めるのが生きがいみたいな子もいるし、ちょっとでも何かしたらすぐに」

 

「すぐに?」

 

「干される」

 

「提督やめるわ」

 

「じょ、冗談だよー。ジョーク、ジョーク」

 

「ホントに?」

 

「ホントホント、北上様ウソツカナイ。ああ、でも教官にセクハラしてる提督がいるって聞いたなぁ」

 

何だそいつは。教官にセクハラとは最低な奴だな。鹿島ちゃんにも注意するよう言っておかなくては

 

「そういえばさ、北上さんはここに来る前何してたの?」

 

「うーん。簡単に言うと宇宙関係のお仕事って言えばいいかな?」

 

「NASAとか?」

 

「いやーちょっと違うかな。こー何というか……バシュン! バシュン! って感じでさ」

 

「ふーん。アベンジャーズ的な?」

 

「いやもっと秘密裏にだよ」

 

「……それもしかして秘密を知ったらパシャっとやって記憶消したりする仕事?」

 

「……なんで知ってんの? あれ結構秘匿性高い組織なんだけど」

 

「昔、教えてもらったことあるんだよ。確か中学時代に仲良くなった女の子にな」

 

「はぁ~あ。案外組織の秘匿性もガバガバじゃん。ダメだこりゃ」

 

「でも、記憶消されずにこっち来てるってことはなんかやってるの?」

 

「まあね。ちょっといろいろあってさ……。ねぇ、あのさ貴方提督になるんでしょ? 私の事つれてってよ。提督が私の事情知ってるんだったら色々動きやすいし。いいでしょ?」

 

「ああ、もちろんいいぞ。寧ろそっちを重点的にやってもらってもかまわないから……」

 

その時後ろからとんでもない威圧感を感じた。後ろを向きたくても体が動かないのだ。

 

「ねぇ、誰の許可を取って北上さんとしゃべっているのかしら?」

 

「あ、大井っち」

 

「よし、ちょっと待て落ち着け。俺が悪かったからその魚雷を下ろせ」

 

「北上さんの貴重な5分36秒を奪った罪を償う方法はひとつ……それは────死だ」

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。