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「おお ていとく! 死んでしまうとは なにごとだ!」
また俺は茶髪の少女と向かい合って座っていた。
何だろう? 大井に魚雷を振りかぶられてからの記憶がない。
「勘弁してくれ。俺はまだ死んでないだろ」
あの程度で死んでいるようではこれから先やっていけない気がする。
「うーん。まあ実際の所、昏睡状態だし……」
それは俺がここにいるからなのではなかろうか?
「では、復活させましょう。クローン蘇生、狩人の夢、
「おい、ロクなものが一つもないぞ! ザオリクはないの?」
「残念、MPが足りない。復活の呪文はメモっておいた?」
あの士官学校のどこに神父がいたというのだろうか。
「ま、冗談だよ。さっきも言ったけど提督気絶してるだけだから起こせばいいんだよ。それに私のMPは無限だしね」
ドヤ顔で腰に手を当て胸を張る少女はどこからか魚雷を取り出した
「おいちょっと待てそれで俺をどうするつもりだ?」
「何って、ザオリク(物理)だよ?」
凶器を振り下ろそうとするザオリクなど見たことがない。ザラキの間違いではないだろうか? 確かに夢の中での
「まあ、ずっとここで私と暮らすのも悪くないとか思ってるんじゃない? どうなの? あの時ファーストキスをイッチバン可愛い私に奪われた気分は? ドキドキしたんじゃないの?」
「めちゃくちゃイライラした」
「めちゃくちゃムラムラしちゃったか~。しょうがないね、イッチバンの私だもんね」
聞いちゃいねーや。とにかくこんなところにいつまでもいられない。
「でも、イッチバンのお姉ちゃんは妹達にもちゃんと優しいのです。わたしだけで独り占めしちゃ悪いよね」
お前……妹いんのかよ。できれば会いたくないな
「ああそうそう、もし私の妹にあったらよろしくね。ちょっと個性的で手が付けられないことがあることもあるかもだけど、みんな提督のどんな役にでも立ちたいと思っているし何よりみんな提督の事愛してるんだよ。だから……どうか
少女はいつもより少し真剣な声で俺に向かって頭を下げた
「白露からのお願いだよ」
そして、白露と名乗る少女は俺に向かって魚雷を投げつけた
「ん? うーん……」
知らない天井……俺は……ええっと確か魚雷で……
「ああ、良かった。目が覚めたんだね」
目が覚めると俺はベッドに寝かされていた。恐らく医務室か何かだろう。そして黒髪の少女が俺が目を覚ましたのを見て微笑んでいた……寝ている俺にまたがる形でだが。
「目を覚まして安心したよ提督。てっきりこのまま目を覚まさないかと思って判断を早まるところだったよ」
「……俺の上にまたがってどんな判断をしようとしていたのか教えてもらおうか?」
まず状況を確認しよう、こちらも判断を早まってはいけない。もしかしたら何か大きな勘違いをしているのかもしれない。
例えば、目の前の少女が俺の上着を羽織っていたとしても、俺の顔が何かになめられたようにべたべたしていても、俺の腕に歯形がついていたとしても、俺のズボンが半分脱がされかけていたとしても、それはひょっとしたら不慮の事故ってやつかもしれない。
たとえどう考えても目の前の少女にこれから何か公にできないようなことをされようとしていたとしか考えられない状態だったとしても確認は大事なのである。
「何、大したことじゃないよ。ただ、あともう少し提督が目覚めるのが遅かったら僕自身が建造ドックになっているところだったよ。イヤー危なかったね」
十二分に大したことだった。というか何で襲う側がまるで被害者みたいな言い方ができるんだこいつ……。
「まあ、いいさ。僕が気絶した君をここまで運んできたんだよ。そのお礼位するべきなんじゃないかな」
「そうだったのか、ありがとうな。よければその図々しい態度と俺の上にまたがるのをやめてもらっていいかな?」
「何を言ってるんだい? 君が悪いんだよ提督、他の提督たちより適性の高い君を艦娘である僕に此処まで運ばせるなんてとんだ生殺しだよ。路上で建造を始めなかった僕をほめてほしいくらいだよ」
「……本音は?」
「……僕だってやっぱり初めてはベッドの上がいいかなって」
なんだこいつ……モラルがなさすぎる上にはじめから俺を助けようなんて気持ちがみじんもないじゃないか。こんな初めて会ったやつに本人の承諾もなく事を始めようとする艦娘もいるなんて世も末だなこりゃ。
「と、言うわけでさっそく続きをしようか。大丈夫だよ十連回せば一回くらいは成功するよ」
だから大丈夫じゃないって、後それ最悪俺が死ぬじゃないか!!
「はい、
「わー、準備いいじゃん♡……じゃねーから!!」
「ちょっと提督暴れないでよ。パンツが脱がせにくいじゃないか!」
「助けて──!!! 変態に犯される!!!」
「提督! どうしましたか!?」
俺の声を聞いた大淀が医務室に飛び込んできた。
「……何してるんですか? 時雨さん?」
大淀は冷ややかな目で俺の服を脱がそうとする少女を睨みつける。
「いや、違うんだよ。目を覚ました提督がいきなり発情して僕を襲ってきたんだ。僕はただ献身的な看病をしていただけだよ」
この状況を見てそんな戯言を信じる奴などいないと思うが、こいつの事がなんとなくわかってきた。
「……時雨?」
「そう、時雨だよ。白露型2番艦時雨……これからよろしくね、提督」
白露型……ああ、あいつの妹か……
もしかしてあの白露が俺に深々と頭を下げてきたのはこの変態の面倒を見てやってくれという意味だったのだろうか。
だとしたら……あいつめ、呪ってやる。