中二病少年が本物に出会う話   作:うみうどん

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十三話 集いし魔法少女

 あの後、僕の中でとある1つの答えを導き出していた。それは美国織莉子の目的は鹿目まどかなのでは無いのかと、思ったのだ。

 前に暁美さんは鹿目さんが最悪の魔女になってしまい、それを阻止すべく時間逆行を繰り返していると言っていた。

 

 そして未来視を持つ美国さんはその未来を見てしまったのでは無いだろうか? そうすると辻褄があうような気がして仕方がない。

 そして、彼女は僕に宣戦布告をして去って行った。学校に強襲をかけるか……流石に僕一人では全校生徒を助けるのは不可能だ。

 しかし、協力者を集めれば或いは……。

 

 そんな訳で僕は休日返上で風見野に来ていた。

 

 最初はおばあちゃんの協力も煽ぐ事を視野に入れていたが、おばあちゃん曰く「ガキの喧嘩にゃ私は首を突っ込まないよ」と言っていた。

 いや結構命がけなんで協力してくれたって良いじゃ無いか……。見た目だけなら中学校に潜入してもおかしくない容姿をしてるのにどうしてこうも非協力的なんだ。

 

 ちなみにおばあちゃんは御年80歳近い癖して、見た目だけはそこら辺の若い連中と同じようにお肌ピッチピッチの20歳以下にしか見えない。

 本人曰く合気道の応用で生体エネルギーをちょっくら弄って若さを保っているだけと話していた。合気道すごい(脳死)。

 

 おっと話が逸れてしまった。

 風見野に来た理由は美国織莉子の事を佐倉さんに伝える為だ。

 前に別れる際、いつもだったらここに居るというメモを渡してくれていたので、僕はその場所に向かった。

 

 僕はいろんな機械音が交錯し、光をチカチカと放つゲームセンターの中へ入っていく、そして一際大きなダンスゲームでリズムよくステップを踏んでいる佐倉さんを見つける。横でゆまちゃんがキラキラした目で佐倉さんを見ていた。可愛い。

 だが今日はゆまちゃんを愛でるために来たわけでは無い。

 

「おっ、ましろじゃねぇか」

「あ! お兄ちゃん!」

「久し振り、佐倉さん、ゆまちゃん」

 

 僕はゆまちゃんの頭を撫でながら、佐倉さんを見る。

 どうやら僕の視線の意図に気づいたようで、彼女もコクリとうなづいた。

 

「織莉子の存在が分かった、そして協力を仰ぎたい」

 

 ──ー

 

 僕の目の前に集まる少女たちは稀代の英傑達……というわけではなく、魔法少女達だった。

 

「まさか……ましろも関係者だったとはな……ようマミ」

「ええ、久し振りね佐倉さん」

「……で、なんで私たちはこんな所に呼ばれたわけ?」

 

 メンツは巴さん、佐倉さん、ゆまちゃん、暁美さん、そして白女に行って捕まえてきた浅古さんだ。

 佐倉さんが魔法少女だったのは少々驚きではあるが、まあ不思議ではない。それよりか巴さんとどうやら知り合いのようだった。

 

 僕は彼女達に今回の件を喋っていく。暁美さんは織莉子の名前を知っていたようで、「やはり」とうなづいていた。

 

 浅古さんに至ってはまさかの美国さんと友人関係だという。友達という言葉を使ったら何故かめちゃくちゃ起こり始めたが、浅古さんもここ最近の美国さんの挙動が怪しかったらしく、自分一人で少し探っていたらしい。

 浅古さんは僕がウルと呼んでいた彼女の名前まで調べていて、ウルの名前は呉キリカだという事が分かった。

 

 巴さんは呉キリカという名前に聞き覚えがあるらしく、もしかしたら同学年の生徒かもしれないとこぼしていた。

 

「……まさか美国がね……ここ最近休んでいたから怪しいとは思っていたのよ」

 

 ここで今まで口を閉ざしていた佐倉さんが僕の方に来て肩を叩く。

 

「……ありがとな、ましろ。アンタを信用して良かった。今度はこっちが恩返しさせてくれ」

「キョーコ……」

「ああ、ゆま。お前を魔法少女にした織莉子にオトシマエつけさせてやる」

「うん、ごめんなさいってしてもらう!」

 

 ……まさかとは思うが……ゆまちゃんまでも魔法少女なのか。

 こんな小さな子供を命がけの世界に放り込むなど……大きな運命をその小さな背中にのしかかっているのだ。ゆまちゃんは見たところ小学生だろう。

 

 ぴょんぴょんとはねるゆまちゃんの髪がふわっと浮いた瞬間僕はとんでも無いものを見てしまった。

 額の方にひどい火傷の跡、あれはタバコの火を押し付けられた時に出来る代物だ。僕は手を握りこむ。人間というのは時に、魔女よりも恐ろしい化け物になる。恐らく、虐待させれていたのだろう。

 そこを佐倉さんが拾ったというわけか……。

 

「……ましろさん」

 

 暁美さんが小声で僕に話しかけてくる。

 

「美国織莉子と呉キリカ……この時間逆行の中で一回だけその二人に会ったことがあるわ。目的はまどかの殺害よ。まさか……この時間軸でも」

「大丈夫だ、今回はこれだけの魔法少女がいる。前の時は少なかったじゃないのか?」

「ええ、巴さんと佐倉さん、後はあの子だけね」

「今回は僕を入れて六人もいる、心配するな。大丈夫だ」

 

 やはり、彼女達の目的は鹿目まどかの殺害だったか。

 となると、学校のみんなを助けながら鹿目さんを確実に護らなければならない。

 

「みんな、今から作戦を伝える」

 

 僕の作戦はこうだ、基本三人のペアで別れる。暁美さんによると、前の時間軸では魔女を駆使して学校のみんなを殺害しながら見滝原に攻めてきたらしい。

 今回も同じ作戦なのかは分かりはしないが基本その方針で進めていくことにした。

 

 佐倉さん、ゆまちゃん、浅古さんの三人で美国織莉子と呉キリカの探索および確保。

 僕、暁美さん、巴さんの三人で学校に湧いて出てくる魔女の殲滅。

 

「名前は……そうだな……佐倉さん側が薔薇の騎士(ローゼン・リッター)、僕たちが黒旗軍(ブラック・フラッグ・フォース)と言ったところか……」

「却下」

「え」

 

 浅古さんに僕の考えたカッコいい名前を即却下された。

 浅古さん? 名前は大切ですよ? 

 

「長いし恥ずかしい」

「……私もちょっと遠慮したいわ」

「私もそういうのは柄じゃねぇからな」

 

 なんてこった。ボロクソである。

 え? 僕の感性がおかしいの? 普通にかっこいいと思うんですけど……ちょっと、長いことに目を瞑ればさ、ほら、もしかしたら魔法少女の間でめちゃくちゃ噂になるかもよ? 

 ほら、ゆまちゃんも……だめだお子様には難しかったようで頭をひねっている。

 くそう。

 

「……私は良いと思うのだけれど……」

「巴さんっ!」

 

 女神がそこにいた。僕の感性を理解して共感してくれる彼女こそ女神に違いない。決めたぞ、僕は明日から巴さんを崇拝する。巴神と呼ばせてくれ。

 

「私はピュエラ・マギ・ホーリー・セクステットって名前を考えて……」

「ほう……? やるな」

 

 直訳すると魔法少女の聖なる六人組と言うわけか……ごめん、僕、魔法少女じゃないんだわ。それだったら僕を退けてピュエラ・マギ・ホーリー・クインテットの方が良いと思うのだけれど……。

 

「誰かこの二人を止めてちょうだい」

「無理だな」

「無理ね」

「……? ローゼン? ブラック? ピュエラ?」

 

 こうして僕と巴さんの名前論議が今、始まったばかりである。

 

 




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