中二病少年が本物に出会う話   作:うみうどん

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二十一話 探索に行こう

 僕は自室で、一人で着替えていた。

 僕も前々から少し思っていたことがあった、魔法少女は専用の衣装を纏って戦っているのに、僕と来たら私服か見滝原の制服でずっと戦っている事に気付いたのだ。それに、前、キリカに制服を破られてからは予備の制服でなんとかやりくりしていた。

 制服だけでもかなりお金がかかるので、これはなんとかしないといけないと思ったのだ。

 

 そこで思いついたのが僕専用の戦闘衣。

 

 道着でも良いと思ったが、やはりここは僕好みのカッコいい奴にしたいと思ったのだ。

 破れた制服は、そのまま白いマントのように改造して上から羽織り、下には前に服屋で見つけた銀英伝の銀河帝国サイドの軍服のような服がなぜか置いてあったので衝動買いをしてしまったのを着る。

 

 ふむ、どこからどう見てもあのラインハルトのような格好になっている。カッコいい。

 戦う時はマントは邪魔になるだろうがそんな事は気にしてられない、だってあったほうがカッコいいじゃん。

 

 姿鏡の前に立ち、手には白い手袋をはめる。

 やばい、ニヤニヤしてしまう。だって憧れのラインハルトに姿だけでも近づけたのだ、こんなの嬉しくないわけがない。

 参ったな、今度、自由惑星同盟のほうの軍服もなんとかしてみるか。

 

 こうして僕が姿鏡の前でクルクルしてた時だった。

 

「おーいましろー、今日もホオズキに……うわ」

 

 なぜこの人はノックもしないで僕の部屋に入ってくるのだろうか? 幸せな気持ちから一気に絶望へと叩き落とされた気分だ、ソウルジェムが濁りそうになる。いや、持ってませんけど。

 

 とにもかくにも、おばあちゃんの方ならまだ救いはあったかもしれない。何だかんだ言ったって家族なんだ、家族の暖かいエピソードに加えられ、照れながらやめてくれよって言えるかもしれない。

 

 しかし、今、僕の目の前に立っている女は何だ? 家族でも親戚でもない。内弟子という繋がりがなかったらただの赤の他人である。

 死にたい。ものすっごく死にたい。

 

 ここで僕が取れる行動はかなり絞られてくる。

 

 1、「お、おい! 何勝手に入ってんだよ!」と慌てふためきながら泣く。

 2、「どうかしたか?」と、クールガイに振舞いながら泣く。

 3、「勝手に入ってきて悪い子だな」と、乙女ゲームに出てくるキャラのように振舞いながら泣く。

 4、この場で重大な犯罪を犯し、何事もなかったかのようにリセットして、刑務所で泣く。

 

 だめだ、どれを取っても泣いてしまう。

 それほど心が傷ついた。どんな攻撃よりこれが一番キツイだろう……。

 

「ま、まあ、結構似合ってるじゃん」

「……なに!? 本当か!」

 

 良かった! 似合ってないからうわって言われたのかと思った! 

 似合っているのなら全くもって問題ない! 

 

「よし! 今日もホオズキに行くからな! 飯は大目に作ってあるから友達でも誘って食ってくれ! じゃあな!」

 

 こうして僕は自室を飛び出しホオズキへ向かう。

 気分はすごく良くなったので、これならなんでも出来そうだ。

 

「……あのままの格好で行っちゃった……補導されなきゃいいけど……よし! 知らない! 織莉子誘ってご飯食べよ!」

 

 ────

 

 さて、電車を乗り継いでホオズキまでやってきたわけだが、なんか僕が電車に乗った瞬間乗客がざわめいた。

 まあ、大体の原因は分かっている。このような格好をして電車に乗ったからだろう。

 ……流石に電車に乗る時は脱いでおくべきだった。あの時は何故か似合っていると言われたお陰で謎のテンションになりこの格好でここまで来てしまったのだ。

 冷静にならなくてもすごく恥ずかしい。

 

 取り敢えず、マントだけは脱いでおく。

 多分補導される確率が上がるだけでリスクしかなかった。なんで僕はアレでイケるだなんて思ってしまったのだろうか? 数時間前に戻って僕をボコボコにしたい。

 

「ま、ましろくん?」

「え? ああ、穂香さんか……」

 

 急に声をかけられたのでビックリした。

 穂香さんはどうやら魔法少女姿になって街のパトロールをしているようだ。

 

「こんな時間に大変だな」

「いやいや〜、ましろくんも多分同じでしょ?」

「いや、僕はちょっとした人探しの途中でな」

「人探し?」

 

 僕はあの日あった少女のことを話す。

 穂香さんも会っているので、あの後あのヴァイスに出会ったかどうかを聞いておいた。

 しかし、あれ以来姿も見ていないようで、ここ最近はホオズキでは見かけてないと話していた。

 ふむ、ほかの街に行ったのか……それとも潜伏しているのか……。

 

「まあ、いいか。穂香さん、パトロールを手伝おう」

「え!? 悪いよそんな……」

「いいさ、二人だったら何かと勝手が効くし、お互い助けられるだろ?」

「うーん……だったらお願いしちゃおっかな?」

「ああ、お任せあれ」

 

 僕は胸に手を置いてニッコリと微笑む。

 穂香さんの方も太陽のような眩しい笑顔を返してくれた。

 さて……ここから長い夜の始まりだ。魔女を探す傍、ヴァイスの居場所を突き止める! 

 

「でも……なんでましろくんはそんな格好を?」

「……聞かないでくれ……」

 

 黒歴史が1つ増えた瞬間であった。

 




遅くなってすみません。
アーマードコアの新作匂わせに嬉しすぎて涙を流して遅れました。

誤字とかありましたら教えてくれると幸いです。

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