さすが柱。さす柱。俺の攻撃を避けたりいなしたりしてダメージ殆ど受けてないわ。人間の技術の勝利ですねクォレは。鬼はパワーでゴリ押す奴しかいないのか全く。人間を見習え!
「炎の呼吸――」
炎柱、煉獄杏寿郎が構える。成る程、これが型ってやつか。
「伍ノ型、炎虎!」
…………なにあれかっちょいー!
炎がブワーってなって、虎になって一撃を――でも本当に燃えてるわけじゃない。彼の燃えるような闘気が虎のように見えているだけ。
うん、男心をくすぐる良い技だ。ディノバルドポイント1つ贈呈したい。でも致命傷にはしたくないんだよね!
体を捻って真正面から受けるのは避けつつ、尾を咥えて力を溜める。飛びかかるようにして切り掛かった煉獄の足はまだ地面についていない。回避行動は取れないだろう。
溜め込んだ力を解放、一閃! 全力の峰打ちだ!
……避けられた。まじか。
俺の振るった尾をほんの一瞬だけ足場に使い、叩きつける速度よりも速く後ろへと跳んだ。なんてダイナミックな受け身。本当に人間なのかこの人……?
やはり同じ技術の高みに昇らないとまともなバトルにすらならないのだろうか? イヤ、ソレハオカシイという声がした気がするが無視。
えーと、呼吸ってどうすればいいんだろ。ひっひっふーはラマーズ法だし。
まあ適当に何かやってみるかー!
「くっ!」
任務終わりに焼き芋を買い、次の任務へと向かう道すがら食べていこうとしたらこれだ。俺の声を聞きつけてこれは俺の元へ現れたのだろう……さつまいもを食べるとついわっしょいと声が出てしまうのがいけないのか?
目の前にいるのは、鬼の気配がするが鬼ではない奇怪な生物。なぜか背中の棘の合間にすっぽりと嵌まっている珍妙な壺がとても気になるが、それを狙う隙など微塵も与えられない。
全身を硬い鱗で覆っているために刀は通らない。刀の通りの良さそうな目や関節部分に狙いを定めて一撃を放つも、当たる直前で体をずらし攻撃を避けてくる。野性の勘、というものだろう。
「ゴルルル……ごぽグルル……」
命をかけた綱渡りを何度繰り返したかは数えたくない。一瞬とも数時間とも感じられる死合の中、唸り声に混じって妙な声が聞こえてきた。聞き間違いなどではない、あの生物の口から漏れ出ている音だ。
何をしようとしているのか分からないが、きっと良いことではないのは確かだ。
「スゥウウウ……ごぼ、ごば、ごぼぼ……」
……嗚呼。それの正体が声ではないと気付いた時の絶望を、なんと表すべきなのだろうか。
「――よもや!」
まさか、と冷や汗が頬を伝う。
刀はまともに通らず、体力は無尽蔵。しかも時間をかけるほどに強くなっていく。そして今、自分の炎の呼吸を真似ようとして新たな呼吸を編み出そうとしている。
――だからこそ、こいつを野放しにする訳にはいかない。
「炎の呼吸、奥義――」
――燼滅の呼吸 壱ノ型
呼吸を整えろ。最高の状態を保てるように。
刀を構えろ。最大の一撃を振るえるように。
「玖ノ型、煉獄――!」
――廻転・斬竜気刃!
互いの全力が、交差した。
戦闘に熱中しすぎて斎賀くんの声が聞こえていない2人。斎賀くんかわいそう
そして技同士のぶつかった余波で壺は壊れました。明日、新しい壺が届く事でしょう……。
『燼滅の呼吸』
溶岩が爆ぜる用な呼吸音が特徴。燼滅とついているが燼滅刃の動きだけじゃなく、ディノバルドくんオリジナルムーブかましてくるようになる。
常中が出来るようになったらどうなるのかオラわくわくすっぞ!
『壱ノ型 廻転・斬竜気刃』
見た目はよくある回転斬りだが、ただの回転斬りではないのだ!
すいませんこれ気刃斬りなんですよ。
呼吸による身体能力向上により気刃斬りI〜III→気刃大回転斬りが出来るようになってしまった。やばい
もちろん練気ゲージの色も変わる。やったね!
〜ディノバルドこそこそ噂話〜
最近、岩柱が不思議な歌を聴いたらしいですよ。