楽園と地獄の狭間より輝く龍出づる
その龍は全ての大地に不幸をあたえ
全ての大空に不幸をあたえ
全ての生命を根だやすだろう
やがて夜空の星星は消え
「――あ、相棒! 大変です、緊急事態です!」
受付嬢が慌てた様子で『君』を呼んでいる。側にいたオトモは突然の声で驚いてしまい、バランスを崩し椅子から転げ落ちた。重力に従い落っこち、ぶみゃあ、と痛そうに鳴く。
「あの、淵源の孤島に――新たなアン・イシュワルダの個体が発見、並び新大陸へ輝龍ミオガルナが飛来する可能性アリ、と古龍観測所より報告が!」
その名を聞き、勢いよく立ち上がる。
前者は忘れるはずのない相手。後者は……名前だけは記憶にある古龍。その存在を信じる狩人は少なく、ただのおとぎ話、架空のものだと一笑に付すものもいる。
だが、『君』は知っている。この新大陸において、あり得ないという事こそがあり得ないのだと。
導きの地。あらゆる環境を凝縮した、多種多様なモンスターが住まう狩人にとって夢のような場所。そこへ辿り着き、見、聞き、調べてきた経験がある。それだけでなく、別の世界からこちらへと来たモンスターを討伐するという偉業。
また――『新大陸の白き風』、『導きの青い星』。調査団の象徴として呼称されるほどの腕前を持つ類まれな狩人である『君』だからこそ、今回のクエストを一人と一匹で受注しても良い、と判断されたのだと団長は語る。
「かつてミオガルナを狩った経験のあるハンター達もこちらへと向かっているらしいが……到着を待つ猶予は我々にはない。一刻も早くミオガルナ、及びにアン・イシュワルダは狩らねばならない存在だ」
世界を揺るがす力を持つ二頭を同時に相手をし、どちらも討伐せねばならない。このクエストは一度きりであり、このクエストの失敗は、即ち……いいや、始まる前からそんなことを考える狩人はいない。
「速やかに準備を整えてくれ、我々も全力で支援を行う」
ばたん、とボックスを開く。使い慣れた武器を携え、最も信頼する防具を身に纏い、装衣を選び、狩りに欠かせないアイテムの最終確認も忘れず。
なぁおん、と君の隣のオトモが鳴く。狩人を補助する道具のメンテニングを済ませたようだ。
「ミオガルナ、古代の言語では『最後の星』と称される古龍……。いいえ、最後に残るのはミオガルナではありません! 我らが導きの青い星は不滅です!」
ぐ、と受付嬢の手に力がこもる。
「――信じてますよ、相棒!」
出航する為の全ての準備が整ったことを知らせる角笛が調査拠点に響き渡る。
――さあ、狩りを始めよう。
――ふあ……なんじゃこの夢。今からレーシェンを狩りに行くってのに縁起でもない……。もしかしてエンシェントだったりするのか? うーんこわこわ。
どうやら先ほどまでの描写は斬竜が見た夢だった……ようだ。
だから。
誰も知らぬ孤島で、三頭の古龍が争い、死力を尽くし――全てが生き絶え、島もろとも海に沈み、鱗や牙、爪が流され、水で削られ、浜辺に打ち上げられ、人の手によって拾われ、売られ、誰かの手に辿り着き、そして刀へと姿形を変える運命があったとしても――。
きっと、関係のないことなのだ。
明けましてこれ鬼滅じゃなくてモンハンじゃねーか!鬼滅要素ないじゃーん!
なんで三頭になってるのかって?古龍食べる古龍君が乱入してきただけだよ!