例えば鉛筆の家凸から始まるラブストーリーとか(本編完結)   作:マクバ

5 / 8
正直小説のタイトルが全てで完全な1発ネタだったので、ここからはもう書くとしたら、定番のネタで行こうかなって思います。
一応前回の続きで。
あとヒロインちゃんは出てきません。この小説トワラクだし、勝敗見えてる三角関係は面白くないので(面白く書けないとも言う)


花火大会
始まりはいつも向こうから


 この前の天音永遠襲撃事件から幾日か過ぎ、もうすぐ学校も始まる頃、それは来た。

 

 鉛筆騎士王:やっほー! 楽郎君! 今度の日曜空いてる? あ、午後っていうか夕方からでいいんだけど。

 

 サンラク:空いてない。今埋まった。腹痛になる。

 

 鉛筆騎士王:空いてるのね。んじゃ○○駅に15:40分に集合で。

 

 サンラク:いやだから空いてないって。家から出れない呪いにかかるから。

 

 鉛筆騎士王:そんなの聖女ちゃんに祓ってもらいな。という訳でヨロシクっー! 

 

 俺の話は一切聞かずにこれだ。ここからは先は何送っても完全に無視されている。そして今度の日曜なんて言い方してるけどそれは明日だ。いや予定はない。ないんだが……

 

「あいつに呼ばれると基本ろくな事にならないからな」

 

 前回も……いや思い出すのはよそう。前回のパスタの件を思い出して思わず顔を赤らめたが、いくらスーパーカリスマモデル天音永遠とはいえ、あのペンシルゴンだぞ? ドキドキしたら負けだ! 

 だがリアルで只の高校生が現役のモデルにだな、こうあんなのをされると、意識せざるを得ないというか……そういうVRのギャルゲーだと思えば……いやあれはどう足掻いてもリアルで、実際に起きたことでそれだけは変えられない。

 

 と誰に、何のためにしてるのか分からない言い訳をしていると、自室の扉の前が急に慌ただしくなった。まさか……

 

「お兄ちゃん! 開けるよ!」

 

 俺が返事をする前に瑠美は扉を叩き壊す勢いで開けた。

 

「あの俺まだ何も言ってないよ」

 

「お兄ちゃんの返事はどうでもいいの!」

 

 俺の部屋なのに俺の返事がどうでもいい訳ないんですけど……そんな俺のリアクションは放っておいて、瑠美は嫌にハイテンションなまま口を開いた。

 

「聞いたよ! トワ様から! 明日出かけるんでしょ! 着ていく服私が選ぶから!」

 

「あのな、俺は行くなんて返事してないんだよ」

 

 恐らくはトワから連絡が来たのだろう。あの魔王は俺を逃がさないために瑠美を使ったのだ。やはり俺に安息の地はない。

 

「トワ様にお誘い受けたら、返事は、はいかイエスしかないに決まってるでしょ!」

 

 それだけ言うと邪教徒と化した妹は、あぁでもない、こうでもないとタンスを漁りながら言い始めた。

 

「あのなぁ……もういいや」

 

 諦めた俺は大人しくゲームをすることにした。俺がゲーム終えた時に、何を着ることになるか教えてくれ。

 結局俺は瑠美が決めた服で明日出かけることになった。まぁまだ暑いし、7分丈の黒いスラックスに、白の半袖Tシャツと、その上に水色のシャツを羽織って足元はサンダルだ。絶対これでいけだそうで、別になんでもいいと思うんだがなぁ。え? ジャージで行ったら殺す? またまたぁ〜。まぁジャージで行ったらトワに延々とバカにされそうだな。

 

 という訳で次の日、午前中はゲームに時間を費やし、トワから指定された駅に向かうことにした。服装は当然のことながら昨日瑠美が決めた服だ。あいつはバイトで家に居なかったが、仮に着ていかなければとんでもない目にあっていたことだろう。邪教徒め。いや真に責めるべきは魔王本人か? 

 

 

 おっと、もう着いたか。結構近かったな。一応集合よりは少し早く来たけど、どこで待つかな。あんまり人の多い所だとトワが芸能人であることを痛感しそうだし。っていうか思ったより人が多いな? それに浴衣の人も結構いるな。もしかして……

 そこまで考えた時、聞きなれた声が俺を呼んだ。

 

「らくろーう君!」

 

 声のした方へ振り返ると、そこに居たのは天音永遠だった。といっても帽子とサングラスで変装はしているが。

 

「悪い。俺の方が遅かったか?」

 

「時間より早いから問題ないよ。仕事が思ったより早く終わってね」

 

 この前の時もそうだがトワが妙に素直だ。傍若無人の大魔王、ペンシルゴンとは別人に見えてくる。いやそこまで見越しての罠かもしれん、決して油断はするな。相手はスーパーカリスマモデルとして活動している魔王だぞ? 純情な男子高校生を騙す演技くらいなんてことないはずだ。

 

 俺がそんなことを考えているのを知ってか知らずかトワは

 

「なーに黙ってるのかなぁ。楽 郎 君」

 

 そんなことをいいながらこちらの顔を下から覗き込むようにして見てきた。思わず俺はその場から飛び退く。

 

「なんで逃げるのさ」

 

「あんな近く来られたら飛び退くに決まってるだろ」

 

 いやビックリしたよ。ホントに。パーソナルスペース狭すぎません? うちの学校の女子とかメチャメチャ広いよ? 最近話す斎賀さんとか特に、ちょっと距離詰まることあったら一瞬で飛び退くからね。俺はゴキブリか何かか? 

 

「今他の娘のこと考えたね?」

 

「うぉっ!? エスパーか?」

 

 ちょっと考えただけじゃん。こわっ! これが女の勘ってやつか……

 

「ま、そんなのはどうでもいいんだ。どう?」

 

 果たしてこれはなんのどう? なのか。順当に行けばファッションだろう。首から上はマスクと帽子だから分からないし、他のことならもっと分からない。いやファッションも分からないんだけどね! ダメじゃん!? 

 変な思考に入りかけたのを修正して、トワの服装を見る。

 上は肩が出るタイプの白いシャツに、薄手のベージュのカーディガン、下はジーンズと赤いスニーカーである。

 

「どうって言われてもなぁ、似合ってるぞ」

 

「私が自分に合わない服着るわけないでしょ。聞きたいのはそうじゃなくてさぁ……」

 

 うーん。これは選択肢ー!! 選択肢をくれ!! 外れたらピザ留学は勘弁で! 

 

「ってもなぁ。まぁキレイだぞ。横にいるのが恥ずかしくなるくらいには」

 

 当たり前である。相手はスーパーカリスマモデルだぞ。正直高校生なら誰が横に立っても釣り合わないと思うが。

 

「まぁいいでしょう。ピザ留学は無しにしてあげるよ」

 

「そりゃあどうも。んで今日は何すんだ?」

 

 多分褒められてはいないが、ギリギリセーフだったらしい。お許しの言葉を頂戴出来るくらいには。

 

「そうそう。見れば分かると思うけど、今日花火大会なんだよね。一緒に見ようと思って」

 

「なるほどねー。それで今日か」

 

「うん。ちょっと仕事終わりに間に合うか微妙でさぁ。前日に連絡しちゃったんだよね」

 

 まぁモデル業は普通のサラリーマンとは違うしそんなものだろう。むしろそれでパパっとキメてこれるのがすごい。

 

「それで浴衣ではないのか」

 

 俺がそう言うとトワはニヤリと口角を上げて

 

「なになに? 着てきて欲しかったの?」

 

「まぁ多少は……あんま服に気を使わない人間が言うのもなんだけど」

 

 俺が語気を弱めながら言うと、トワは今度は声を出して笑った。

 

「浴衣って着るの手間かかるし、移動も大変だからねぇ。仕事終わりじゃ流石に無理だねぇ。それともお姉さんの浴衣姿見たかったの?」

 

 トワが少し意地悪げにそう聞いてきた。あんまやられっぱなしでもなぁ……そう思って俺は

 

「まぁな。トワの私服姿は妹の雑誌でも何でも幾らでも見れるけど、浴衣は違うからな。少し興味あったわ」

 

 となるべく平静を装って言った。正直こんなフレーズをリアルで言うことはないと思っていたし、そのせいか心臓の音はとてつもなく大きくなっているように感じたからだ。ただやられっぱなしは性にあわない。トワが赤面するくらいのセリフを言ってやろうと思って頑張ってみたが、トワの反応は……

 

「君にしては珍しく素直だね。ちょっと顔を赤らめてるのが残念だけど、意外と純情ってことで納得してあげるよ」

 

 そう言い放つとトワは、さぁ行こうと歩き始めた。俺は慌てて後を追おうとしたが、帽子とサングラスの間にある耳が少し赤くなっているのを見て、思わず俺はニヤリと笑った。

 

「髪を耳にかけてたのは失敗だったな」

 

 走ってトワに追いつき、肩を叩きながらそう言った。花火会場は多分人の流れの先にあるだろう。俺は後で自分が悶絶するのを承知で、ここまでの小っ恥ずかしいセリフを忘れたい思いと、トワからの反論を聞かないようにするためにトワの手を取って走って行った。

 

「今日は動ける格好にしといてよかったよ」

 

 横でそんな声が聞こえた。

 

 




恋愛描写はキャラ崩壊しちゃうよね。元からしてるとはいわない。細かいセリフ回しとかも誤字報告してくれても構わないです(そんなんで修正できるレベルじゃない)

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