「クエエエェェェェェェ!!!!」
「ぐえっ!?」
けたたましい鳥の鳴き声が聞こえた直後、デデデは地面に叩きつけられた衝撃で目を覚ました。
……多分。
(何か土臭いし暗いぞ)
何か湿ったものに首まで突っ込んでいる感触がする。なんだこれは。しかもこれ既視感あるぞ。
とにかくデデデは手足をバタバタと動かす。首から上は別になんとも無いが、ちょっと首が痛くなってきた。
だが、この首の痛みが、デデデの数年前の記憶を引き出す鍵となった。
(あっ……そうだ、あの時……異空間の崩壊に巻き込まれて、寸前でランディアたちに助けられたんだった。それで乗せられたままプププランドに帰ってきて、その最中でランディアの背中から落ちたんだった……)
同行していたピンク玉、仮面騎士、バンダナワドルディは普通に倒れていただけだったが、デデデだけは頭が垂直に地面に突き刺さっていた。
多分、今も同じ状態なのだろう。だが、飛竜のランディアではなく、フレイアはただの飛べないダチョウもどきだ。まあまあフレイアの背中は高いものの、自由落下で地面に頭が突き刺さるとは思えない。
ならばなぜか? そこまで賢いとはいえないデデデの頭でも、一つの可能性が浮かび上がる。
(もしかして、フレイアは他のと違って飛べるのか?)
あの山に入るときまで、フレイアはデデデの頭の上でよくシャドウボクシングみたいなことをしていたが、時々まるで飛ぼうとでもするかのように翼をパタパタと動かしながら、ぴょんぴょん跳ねていた。
結構高いところを飛んでいたのならありえる……
そう考えていると、そろそろ眩暈がしてきた。
(あーちょっとまずい)
逆さまに刺さってた為に、頭に上ってきていた血が溜まってきて不味いことになってきたので、推察を中断して、デデデは地面に手を付き、力いっぱい押す。
ぐぐ、ぐぐぐ……と埋まった頭が少しずつ抜けていく。そして、唐突にポンッ! と音を立てて一気に引っこ抜けた。その勢いにつられて、尻餅どころか上半身ももれなく倒れた。
デデデは強い眩暈のする頭を押さえながら、起き上がった。その時だった。
「うう、くらくらするわい……」
「大丈夫です、ファスト・ヒール」
「ああ、ちょっと楽になった……」
……ん?
「えっ!?」
忍者みたいな黒装束を着た女が隣にしゃがみ込んでいて、デデデの頭に手をかざしていた。その掌には柔らかい緑色の魔方陣がある。
「誰だぞい!?」
「メルロマルクの秘密警護部隊の『影』です。槌の勇者様」
その女はにこりと笑って、デデデにそう言った。
「……あなたはだれ?」
目の前に突然現れた、まるで夜空を星型に切り取ったようなゲート。そこから現れたとある存在にフィトリアは警戒を露にして問いかける。
「……」
「貴方の気配はあまりにも強い。この世界に、何の用なの?」
「……」
「答えて。貴方は存在自体が危険すぎる。答えないなら、ここでフィトリアが排除する」
「……わ、たし」
「わたし?」
純白の羽に濃い桃色の一頭身の体。両手にはランスと盾。その顔には十字の隙間のある仮面を付けたそれは、マゼンタ色の瞳でフィトリアを見据えた。
「私はギャラクティックナイト。この世界を、滅ぼしに来た」