槌の勇者が大王様   作:血糊

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しばらくはカービィとワドルディ、たまにナオフミさんが感想返信に走ることになります。

カービィ「よろしくねー。ところで今回はたまにようつべの『星のカービィ実況』とかで、僕のコピーのファイヤとかドラゴストームとかに使われてる編集の効果音になってる人のネタ使うよー。見ても自己責任だからね?」

ワドルディ「よろしくお願いします。ギャラクティックナイトのネットでの別名はガラクタナイトや椎茸だけど、バルフレイナイトは焼き椎茸って呼ばれてるみたいです。それと皆さん、いつも誤字報告ありがとうございます!」



 と、こんな感じです。


番外後編 ギャラクティックナイトと災厄の波

 「…………………………」

 

 

 フィトリアは呆然としていた。

 

 魔方陣はいらないことまでやりやがってくれた。

 

 ワインレッドに染められた空、地平線の彼方から怒涛の勢いで迫ってくる波の魔物達。これから起こるのは血を血で洗う血みどろの戦いに違いないと思えるほどの、禍々しい光景。

 

 だが、宇宙を知るものならば、魔物達の向かう先に佇む一人の戦士を見たとたんに、その予想は打ち砕かれるであろう。

 

 フィトリア一人で対応できる程度の弱さの魔物達、そしてそのフィトリアでさえも圧倒する戦士。この先の展開など容易に想像できる。

 

 

 そう――魔方陣は至近距離に居たギャラクティックナイトすらも転送してしまったのだ!

 

 

 「いやあああああああああああああああああああああああああ!!!?」

 

 

 なぜだ。あの魔方陣は中に誰か入っていてもパーティでないのなら転送されるはずはない。

 

 なのにどうして目の前に居てはいけない奴が居るんだ。何でだ。ふざけるな私を殺す気か。

 

 そんな気持ちすら上回ってフィトリアの口から出るのは化け物を間近で見たよう女の子の絶叫だった。

 

 

 「まるで化け物でも見るような目を私に向けるな」

 

 「だって化け物じゃん!」

 

 「誰が化け物だ。私は銀河最強の戦士、ギャラクティックナイトだ!」

 

 「ぎゃらなんとかなんてフィトリア知らないもん! フィトリアから離れろ化け物!」

 

 「だーかーらー誰が化け物だ! 私は断じて化け物ではない!」

 

 「うそつきー! 生首でもないくせに一等身のチビモンスターめー!」

 

 「誰がチビだと小娘ェ!」

 

 「うるさい低身長! バーカバーカ!」

 

 「うるせぇ精神年齢小学生以下のチビが! バカアホおたんこなす!」

 

 

 戦場にて低レベルの喧嘩が勃発。ここに居るのはもはやフィロリアルの女王と銀河最強の戦士ではなく、天使みたいな小学生と武器を持った幼稚園児である。

 

 二人の、ビシッと指を指し合いながらの語彙力が壊滅した罵詈雑言のマシンガンは止まることを知らないんじゃないかと思うほどに弾が切れる様子はない。

 

 だが忘れるな。今のフィトリアはHP10しかない。

 

 

 「バカって言った方がバカだもゴフゥッ!?(-5ダメージ!)」

 

 「うわ!?」

 

 「そういやフィトリア死に掛けてたんだった……」

 

 

 子供の口喧嘩に残りの気力を使いきったフィトリアはその間に倒れこむ。

 

 アホか……と呆れられても仕方ないのだが、むしろ今回の場合は怒鳴られる方だろう。

 

 なぜなら、無駄な口喧嘩の間にも魔物達はこちらに近づいてきているのだから。

 

 あと三十秒後には接触する速さで突っ込んでくる魔物達に、絶望しかない。

 

 

 「ああ……終わった」

 

 

 目の前には精神年齢小学生以下のクソチビ災厄が居るのに、目の前に沢山の魔物が迫ってきているのに、自分はこうやってただ地面に倒れ伏している。

 

 自分のアホさ加減に呆れる気力も、もうなかった。

 

 しかし、そのときである。

 

 

 「どうしてそこでやめるんだ、そこで!! もう少し頑張ってみろよ!」

 

 

 災厄が、突然そうフィトリアに向けて怒鳴る。

 

 

 「諦めたらそこで終わりだろう! 周りのこと思えよ、応援してる人たちのこと思ってみろ! 諦めたらそこで終わりなんだぞ? ずっとやってみろよ! 必ず目標を達成できる! だからこそNever Give Up!!」

 

 

 (……はぁ?)

 

 

 応援してる奴なんでお前しか居ないだろ。

 

 言う人が言えば、フィトリアの心にもちゃんと響いたかもしれないが、生憎と言ってるのはコイツである。

 

 災厄はその謎の激励? を続ける。

 

 

 「もっと熱くなれよ、熱い血燃やしてけよ! 人間熱くなった時が本当の自分に出会えるんだ!!」

 

 (いやフィトリアは人じゃないし、鳥だし……ん?)

 

 

 激励を続ける災厄のランスの先に、赤い蝶が止まった。

 

 その途端、なんと災厄は霧散した!

 

 

 (えっ!?)

 

 

 緋色の燐光を撒き散らしながら、残った赤い蝶が宙に飛び上がる。

 

 そして、それは唐突に起こった。

 

 

 「だからこそ、もっと――」

 

 

 災厄の声が聞こえた、気がした。

 

 蝶が迫ってきていた魔物達に突撃すると共にカッ! と眩い光を放った。

 

 

 「熱くなれよおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」

 

 「お前ソレに繋げたかっただけなんかーーーい!」

 

 

 純白の翼を真紅の蝶の羽に変えた災厄の、ランスではなく剣が巨大化し、魔物達を一気になぎ払うのと同時、フィトリアの渾身のツッコミが炸裂した。

 

 緋色の軌跡を残しながら戦場を飛び回る災厄……否、黄泉返りし極蝶は魔物の頭を切り飛ばし、胴体を切り刻み、血雨の中を掻い潜りながら牛型の巨大魔物の心臓を一突き。

 

 ……その姿は、戦場を駆ける美しき蝶騎士と称するに相応しい。

 

 先程まで、ふざけていたあの姿とは似ても似つかない……いや、これこそが彼の本来の姿なのだろう。

 

 

 (おふざけとシリアスの温度差が激しすぎて風邪引きそう)

 

 

 いや風邪までは引かないだろう、と流石のフィトリアも考え直す。

 

 というか戦場を駆ける美しき蝶騎士という言葉は、今の極蝶のボイスを完全にシャットアウトされてたらの話だ。

 

 

 「ヒャハハハッ、たぁーのっしィッ!」

 

 

 狂ったような笑い声を上げながらぶった切り続ける極蝶は蝶騎士よりも狂戦士の方が似合っている。

 

 バイオレンス的風景としか今の惨状を説明できないくらいにヤバイことになっている。後の愛の狩人も軽いトラウマになるんじゃないかと思うくらいの事になっているとでも言えばいいだろうか。

 

 

 (ねえコイツが全部の災厄の波に立ち向かえばいいんじゃないの!?)

 

 

 まさにその通りである。

 

 で、そうこうしているうちに波のボスが登場。そして瞬殺。

 

 そして災厄の波は収まった。

 

 

 「大丈夫ですかフィトリアさまー」

 

 「ありがとう……」

 

 

 配下のフィロリアルがフィトリアを治療していると、熱くなれよぉぉぉ形態から戻った災厄が近づいてきた。

 

 波を代わりに収めてくれたことには感謝しているものの、その分強さが身にしみてよく分かったフィトリアは警戒するが、災厄はそれを意に介する様子はない。

 

 

 「……死んではいなかったようだな」

 

 「おかげさまで、一命を取り留められた……感謝はしている。けど、だからって歓迎するつもりはない」

 

 「だろうな。私は聞きたいことがあったから来たんだ」

 

 「聞きたいこと?」

 

 「単刀直入に言おう。どうやったらそなたのような人間になれる?」

 

 

 …………何を言っているのだろうか。こいつは。

 

 人になれる? 何故? 最も慣れた体型の方が戦いやすいはずじゃないのか?

 

 

 「なんで貴方は人になりたいの?」

 

 「人間の住む下界のスイーツ食べたいから」

 

 

 …………何を言っているのだろうか。こいつは。(2回目)

 

 

 「…………」

 

 「今まで私は宇宙のあらゆる星のスイーツを食べ歩いてきた。そして、この四霊星のスイーツはチキュウと呼ばれていた星で作られるスイーツと同じくらい絶品だとガイドブックで読んだ」

 

 「………………」

 

 「だがチキュウは、ここから何光年という圧倒的に遠いところに位置している。行くのには私でも結構時間が掛かる。でも私は早く美味しいスイーツが食べたい」

 

 「……………………」

 

 「だから、同じくらい美味しいのがあるっていう、ここで妥協した」

 

 

 言っている事は分かるが、言っていることが分からない。

 

 

 

 「あ、あなた……そんなことの為に?」

 

 「そんなこととはなんだ、そんなこととは。私にとっては大切な娯楽なんだぞ」

 

 

 震え声で言うフィトリアに災厄、いやギャラクティックナイトはムッとした様子で言い返す。

 

 娯楽でこいつはこんな所に来たという事実にフィトリアは絶句するしかなかった。

 

 

 (んな理由で世界滅ぼせる化け物きて堪るかぁっ!?)

 

 

 理由があんまりにも意外すぎる。んなファンシーな理由でなんでこんな最悪の存在が来るんだ。

 

 もう思いっきり突っ込みたい。けど、フィトリアはそれをこらえて、平静を保つ。

 

 

 「……お金は?」

 

 「結構あるけどやはりここでは通貨が違うだろう?」

 

 「うん、両替所はある。場所は?」

 

 「この星は小さい。だから、頑張れば10分で全体を回りきれるな」

 

 

 それほぼ瞬間移動だろ。

 

 勇者の転移スキルを力で叩き潰しているえげつなさに半分フィトリアは引いた。

 

 

 「言語は」

 

 「色んな星回ったから知ってるな。ホログラムスターと同じ言語が使われている」

 

 「ここに来たのはさっきで初めてじゃないってこと!?」

 

 「いや、初めてだ。上から見て確認した」

 

 「……いや、もういい。これ以上突っ込むのは面倒。ここの事についてはどれくらい知ってる?」

 

 「災厄の波というのを終わらせたらスイーツが美味しくなる」

 

 

 つまり全然知らないということだ。

 

 フィトリアは頭痛がしてくるのをこらえて、話を続ける。

 

 

 「そう……じゃあ、フィトリアの知る限りの事は教える。でも、災厄の波を収めるのに手伝って欲しい」

 

 「波? もしかしてさっきのか」

 

 「そう。詳しい事はこれから話すから……」

 

 

 これは結構骨が折れるぞ……と思いながらも、波を攻略する重要なキーとなりえるスイーツ好きの戦士を、フィトリアは全身全霊で説得するのに努めた。




実は漫画読んでなかったんですよね私……(毛糸時代~スタアラまでのゲームと角川の大体の小説のみ)

本来は身に覚えのある気配(デデデの存在の事)がしたから気になったという理由でしたが、感想でギャラクティックナイトがスイーツ好きだったと知ったので採用させていただきました。
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