だが、悪い奴ではないことだけは確かだ。それしかまだデデデは分からない。
その後、最初会った時よりも妙に機嫌が良くなったナオフミに色々と教えてもらった。
本人の冤罪の件については巧妙に隠されていたが、聖武器という物らしいそれについての事も教えてもらった。
それで、武器の石の所に素材を入れられるらしい。
「素材……」
デデデは後ろのパンパンになった袋を見る。
あの中には今日一日で集めた謎生物……この世界では魔物と呼ばれている奴の残骸が詰め込まれている。そして隣には鳥もどきの臓器と鱗とか。
「アレを全部詰め込めと」
「全部入れなくても、一つ入れられればいい。残りは防具の素材として使えたりするから」
「防具……いらんな」
「いやいるだろ怪我したらどうすんだ」
「その前に叩けばいいわい」
「んな、狩られる前に狩れみたいな……まあお前ならできるだろうな」
「デデデおじさんなら大体の奴はひっとあんどあうぇい?でどうにか出来るんじゃないでしょうか」
「ワシのことをまるで分かったかのように言うな。あと何故ヒット&アウェイにはてなが付いてる? 意味がよく分からない言葉は使うな」
「はーい」
ラフタリアは早くも近所のちょっと力の強い子供的な感じの認識になり始めている。
とりあえず、素材を色々入れてみることにした。
「ワルキューレの槌、ハーピーハンマー、タナトスハンマー、大妖の槌……なんかいっぱい出てきたぞい」
「そっち、なんか凄いの出てるな」
「スキル? みょるにる、ってなんだ」
「…………!? それ何の素材で出てきた」
「ワルキューレの槌の、勇者の十字架だな」
「俺にもくれないか」
「余ってるし、いいぞ。他のも持ってるだけ無駄だしな」
ちなみに勇者の十字架というのは、間違ってデデデが荒れた墓地に入り込んでしまい、突然出てきた幽霊に襲われて、倒した時にドロップしたものだ。
ちなみに、デデデは知る由もないが、その墓地は遥か昔に戦死した七星勇者が埋葬されていて、あの時出てきた幽霊は全て、その七星勇者の英霊である。
話を戻して、みょるにるという単語に何故か反応したナオフミは素材を即座に欲したが、一体どこに欲しがる要素があるのだろうか。北欧神話を知らないデデデには全く分からなかった。
その十字架をを持って戦っていた勇者の意思が手に取るように分かるそれを、何の躊躇もなく盾に吸わせたナオフミは、結構興奮している。
「俺のレベルでも解放出来てる……スヴェルシールドか。火属性光属性を含む攻撃は全て無効、これは結構使えそうだ」
「へー」
「残りの奴も入れたが、ほとんどは解放されなかったな……」
「何? ワシは全部出たが」
「……強くてニューゲームなんだろうな、羨ましい」
「強くてニューゲーム?」
強くてニューゲームって何だろうか? とデデデは首を傾げる。
ゲームならピンク玉がよく知っていると思うが……何分、デデデのしたことのあるゲームは某配管工と大乱闘シリーズだけである。
ハクスラ系のゲームを知らないデデデにはその言葉は通用しないのだ。
その後、黙々と素材を武器に入れ続けた結果、手持ちの素材は大分減った。解放された武器だが、ナオフミは一桁程度で、デデデは全て解放された。
「こんなもんか」
「ふむふむ……助かったぞい」
「どういたしまして。あ、残りの奴要らないなら」
「荷物が重すぎるし、全部もってけ」
「ありがとう」
残りの機能を教えてもらった後、三人は眠りにつくことにした。番はナオフミがするようだ。
☆そして朝……★
久しぶりの野宿にも関わらず、ぐっすり寝ていたデデデが起きた時には、二人はもう居なかった。
朝に強いのだろうか……まだ眠いデデデは、立った一夜の出会いを振り返る。
そこでふと気づいた。
「……あいつらの事、名前以外なんにも分からなかったわい」
「あれ、デデデは?」
「大王様なら、いないよ? まだ一日くらいかな」
「え、ほんと? どこにいるのかな」
「さあ?」
「まあデデデのことだし、死にはしないか。でも、あんまり遅いようだったらそのうちメタナイトのハルバードで探そうか」
「ポップスターに居ない前提なの?」
「いいや、これから一週間、ポップスターを探索する。暇な奴でいいから収集をかけて欲しいな」
「分かった、僕に任せて。でも、あまり無理しちゃ駄目だよ――カービィ」