オリジナル展開、3D2Y編に入りまーーーす。
これから、原作のワノ国編の展開も気にしつつの投稿になるので、執筆ペースが落ちると思いますが、それでもどうかよろしくお願いします!
執筆の励みになるので感想、喜びそうなご評価よろしくどうぞ!
老いた獅子
"麦わらのルフィ"、"冥王"シルバーズ・レイリー。
そして、"
ルーキー海賊2人と伝説の海賊によるマリンフォード襲撃と16点鐘事件から数ヶ月が経過した。
マリンフォード頂上戦争、そして再度のマリンフォード襲撃によって世間を大いに賑わせたサンジとルフィだが、数ヶ月経った今は行方をくらませており、2人の行方を知っているのは極僅かの少数───親しい間柄の者達のみである。
ただ、世間から姿を消した今でも、話題の中心に挙がるのがサンジとルフィだ。
寧ろ世間からしたら───いや、世間からだけではなく海軍と世界政府にとって、行方をくらませた今はまだ嵐の前の静けさでしかなく、2人が───麦わらの一味がまた再び姿を現した時、嵐の到来となるのではないかと、強く警戒されている。
そして、海軍と世界政府のその予想は正しく、サンジとルフィ───麦わらの一味の者達は全員が、また再び集結する
麦わらの一味が全員揃って再び姿を見せるのを、全世界が待ちわびている。
※※※
場所は"
本来なら人間が暮らしていないはずの島なのだが、その島には3人の男が───いや、
「
そのもう1人の男とは、"革命軍"の幹部候補の1人で、ルフィの兄の1人───サボである。
サンジ達がルスカイナ島での修業を開始してから数ヶ月、何故かサボまで一緒に滞在しているようだ。
サンジがサボの本職の方を心配しているも、反政府組織に所属している人物に対して心配するのも微妙なところではある。
「ドラゴンさんにはしばらく…半年くらいはルフィと一緒にいるって、ちゃんと許可貰ってあるから大丈夫だ。まあその分、戻ったら休みなしで動かないといけないだろうけどな」
どうやら可愛い弟を心配するあまり、エースが自身の失態によってルフィの寿命を縮ませてしまった事がきっかけで過保護になったように、サボも記憶を失っていた10年分を取り戻す為にルフィには相当甘くなり、そばを離れたくないようだ。
ちなみに、エースも共にルスカイナ島に滞在しようとしていたらしいが、サボが赤髪のシャンクスとの約束だからと赤髪海賊団の下へと送り届けたようである。
そして、サボは一旦革命軍の本部にまで戻り、総司令官───ルフィの父親であるドラゴンに許可を貰って、ルスカイナ島にやって来たのであった。
革命軍は暇なのかとサンジが思ってしまったのは仕方ない。
「それに、ここにいたら超美味い飯食えるし」
ただ、ルフィのそばにいたいと思う気持ちには劣るが、サンジに胃袋を掴まれたのも大きな要因のようだ。
「俺は早く
サンジが、自身の料理があらぬ方向に成長、進化しているのではないかと不安になるのも当然だろう。
前回の人生のように、女性に対する免疫力が落ちる事はないだろうと考えていたが、これは適度に女ヶ島に足を踏み入れたり、もしくは単独行動で航海したりして女性に対する免疫力を維持しておく必要があるのではないかとサンジは懸念する。
その上、サボにとってサンジの料理がここに滞在している理由の一つとなっているように、もしかしたらサンジの料理目当てでここまでやって来る存在が───サンジはそのような存在に
レディが大好きなサンジにとって、男ばかりが寄りついてくるこの状況は由々しき事態なのだ。
しかもその者が女ヶ島を訪れ、"海賊女帝"ボア・ハンコックに場所を聞けば教えて貰える可能性は高い。
『麦わら屋の定期健診だ』
その後のルフィの体に異常が見られないかを確かめる為、医者としての経過観察だと言えば、その者───"死の外科医"トラファルガー・ローはほぼ間違いなくルスカイナ島へ案内して貰えるだろう。その際は間違いなくハンコックも嬉々としてルスカイナ島を訪れる───ルフィに会いにやって来るのが容易に想像できてしまう。
だが、ローがそこまでして
何せ、女ヶ島から去る際に能力を駆使してサンジを連れ去ろうとしたローなのである。否定などできるはずもない。おにぎりにどれだけ胃袋を掴まれているのだろうか…。
「さて…それじゃあ、おれらも始めるとするか!」
「今日こそ勝つぜ」
「昨日もそれ言ってたけどな」
ルフィがレイリーの指導を受けているなか、サボがいるのであればと、サンジの武装色の覇気の修業はサボが見てくれている。武装色の覇気に関しては、サボの力は冥王ですら舌を巻く程のようで、サボにとっても教えながらサンジと戦えるのもあり、お互いにプラスになっているようだ。
毎日美味しい料理を味わえるのだから、それくらいするのは当然だろう。
そして、過酷な島でのマンツーマン指導は、サンジとルフィの実力を飛躍的に上昇させている。
「つっても、サンジの成長速度は凄いからな…」
練度はまだまだだが、それでもサンジの武装色の覇気は次の段階へと足を踏み入れており、サボが敗北を喫する日も近いのではないかと予測されているようだ。
「それ言ったらルフィもだけどよ…お前ら、本当にどうなってんだ?」
そんなサンジに触発されたのか、ルフィの成長度合いもレイリーの予想を遥かに上回っているらしく、日に日に厳しさが増しているらしい。
あのルフィが毎日へとへとになる姿など、サンジもこれまで見た記憶がないだろう。だが、サンジの料理を食べれば翌日には全快しており、いったいどんな体の構造をしているのか───いや、この場合はサンジの攻めの料理のおかげというべきだろうか…。
ルフィもサンジもまだまだ育ち盛りだ。攻めの料理による肉体改造は目に見える形ではっきりと効果が見られているのである。
スタミナは確実に増し、身長も少し伸び、筋力も増しており、ルフィにとって改善すべき点であった"ギア
今回のルフィの修業の第一目的は覇気の習得ではあるが、当然ながら基礎戦闘力の増強も課題の1つ。特に、ルフィの場合はゴム人間だからこそ耐えられているだけで、それでも体に負担のかかる戦法を駆使してこれまで戦ってきたのもあり、これからはその負担を減らす為───戦法のリスク軽減や体力増強も重要事項だ。
だからこそ、サンジの料理はルフィにとって必要不可欠で、ルフィの急成長に大きく一役買っている。
「無駄口叩いてねェで、さっさと始めようぜ」
「おう、そうだな」
仲間達全員が血眼になり頑張っている姿を想像し、サンジもルフィも厳しい修業に精を出す。
「あ」
「おい、やる気出てきたとこでいったい何だってんだよ!?」
しかし、やる気に満ち溢れていたサンジの勢いを、ふと何かを思い出したサボが遮ってしまう。
その表情は本当にうっかりしていたといわんばかりで、しかもばつが悪い表情だ。
「わりーわりー。ただ、おれとした事がかなり大切な事をうっかり伝え忘れてたのを今になって思い出しちまって…サンジは"
「は?…いきなり何だよ…知ってるし、知らねェ方がおかしい超ビッグネームじゃねェか。今では生きてるかも死んでるかも謎…大海賊時代の幕開けと共に消え去った、海賊王世代の大海賊」
海賊王ロジャー、白ひげと渡り合った大海賊。海賊王世代の四皇ともいえる伝説の存在だ。
そして、サンジの前回の人生にて、麦わらの一味と死闘を繰り広げた強敵である。サンジが生きてるかも死んでるかも謎と口にしたのは、金獅子が
ただ、その金獅子がいったいどうしたのか───いや、この流れからして、サンジはすぐにサボが言わんとしている事を理解する。
「金獅子が
「さすがだな」
「しかもうっかり伝え忘れてたって事は、もうそれなりに時間が経っているってか?」
「…悪い」
記憶を取り戻し、ルフィ達と再会できた事に舞い上がってしまっていたのもその要因だろう。
ただ、サンジが気になるのはその金獅子の名が出てきたこのタイミングだ。前回の人生で、麦わらの一味はスリラーバーグにて七武海のゲッコー・モリア、バーソロミュー・くまと死闘を繰り広げ、どうにか脅威を退けた麦わらの一味はスリラーバーグをあとにし、そしてシャボンディ諸島に向かう航路の途中にて金獅子と出会し、
だが、サボの話を聞く限りでは金獅子が復活───再び姿を現したのは数ヶ月前で頂上戦争後。どうやら、麦わらの一味とも衝突していないようだ。
いったいどうなっているのかとサンジは疑問視する。過去に戻り、過去を変えてしまった影響なのか───それにより、時間の流れが変わってしまったのか───時間のしっぺ返しかとサンジは感じずにはいられない。
そして、このタイミングで金獅子が出てきた変化は、前回の人生の記憶という大きなアドバンテージがまったく効果を発揮しなくなってしまっている。
「金獅子は海賊王のライバルの1人だった。その金獅子が、白ひげが死に、エースが生き残ったタイミングで姿を現したんだ…その狙いは明白」
「…エースか」
かつてのライバルの息子であり、同じく海賊王ロジャーのライバルだった白ひげが命を賭して守り抜いたエース。
金獅子は、そのエースを殺し、そしてロジャー、白ひげ亡き大海賊時代の覇者になろうとしているのではなかろうか。
その手始めとして、金獅子は新世界にて白ひげ傘下の海賊団のいくつかを潰し、再び姿を現したようだ。
「つっても、エースは赤髪のシャンクスの保護下にある。いくら金獅子でもおいそれと手は出せねェんじゃ…いや、待て!エースを殺す為に、ルフィを狙ってくる可能性もあるって事か!?」
「恐らく…な。ルフィがエースを助ける為にマリンフォードに乗り込んだように、逆もまた然り…まだ大きな動きを見せてはないし、絶対にそうとは言えないが可能性は高い」
「確かにな…つーか、サボ!そんな大切な事を忘れてるなんてバカか!?」
ごもっとも。ルフィと共に過ごせる毎日が楽しすぎて忘れていたなど、どれだけ羽目を外していたのだろうか…。
「ほ、ホントすまん。おれが半年くらいルフィのそばにいる許可貰ったのもいざって時の為に」
「それを忘れてたんじゃ意味ねェだろうがッ!!」
伝説の大海賊に狙われる可能性がある状況など笑えない。サンジが怒るのも当然だ。
だが、金獅子が復活し数ヶ月。ルスカイナにいる限りは、ルフィを見つけ出される可能性も低いだろうが、相手が来るのをわざわざ待つのもどうなのかとサンジは思案する。
「サボ、どうにか革命軍の力使って金獅子の動きを探れねェか?」
「やるだけやってみるが…金獅子は空飛ぶ海賊とも呼ばれてるからな。見つけ出すのは困難を極めるぞ」
「それでも…頼む。金獅子の狙いがルフィとエースなのかも定かではないが、用心に越したことはねェしな」
サボのうっかりな伝え忘れから、その日のサンジとサボの修業は中断となり、急ぎで革命軍の本拠地に戻ったサボは、金獅子の動向を探り始めることとなった。
ただ、それから数日後───事態は急変する。やはりこれも時間のしっぺ返しなのだろうか…。
「金獅子が…
「ああ。人工空島…天候を科学する作られた小さな空島で、風の赴くままに世界中を空を漂っている空島だ。って、おいどうしたんだよ…顔真っ青だけど大丈夫か!?」
それを聞き、顔面蒼白となるサンジ。
その理由は、ウェザリアに
※※※
頂上戦争から数ヶ月───マリンフォードの復旧作業も急ピッチで進んでいるなか、そのマリンフォードに姿を現したかつての伝説。
「くっ、このタイミングで再び現れるか…
「この20年…今までいったいどこに隠れておった」
センゴクとガープの視線の先には空に浮かされた複数の軍艦、そして空飛ぶ海賊船が一隻。
かつて、このマリンフォードで死闘を繰り広げた存在───"金獅子"のシキが、この地に───そして、海賊王ロジャー、白ひげ亡き大海賊時代に舞い戻ったのである。
「ジハハハハ!こいつは警告だ…センゴク、ガープ」
腕を振り下ろすと同時に、浮かべていた複数の軍艦を次々と落下させる金獅子は高らかな笑い声を上げマリンフォードをあとにした。
「大人しく過去の伝説として存在し続けていればよかったものをッ!!」
金獅子に対し悪態を吐くガープ。その表情は、実に忌々し気な様子だ。
ただでさえ、インペルダウンからの集団脱獄で世界は混沌と化しているというのに、そこに"金獅子"まで現れるなど───世界はこれからいったいどうなるのか…。
だが、その伝説を葬り去るのが、故郷が
攻めの料理を習得しているサンジがそばにおり、食材には困らない島での修業。
当然ながら、ルフィも原作以上に成長します。
そしてオリジナル展開のSTRONG WORLD編。一応、尾田先生が言っていたように、原作の合間の出来事として…矛盾点はあるでしょうが、そういうことで話は進めてきます。
サンジの前回の人生では、金獅子が出てきたのはスリラーバーグ~シャボンディ諸島の間になってます。
今思えば、STRONG WORLDでのナミはヒロイン力高かったなぁ。