戦う炎の料理人   作:ドミネーター常守

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ルフィ、ゾロ、サンジ。麦わらの一味三強の2年間についてふと考えてみたところ…。

・ルフィ
師匠、冥王レイリー。環境、過酷。ただ、ハンコックという公式嫁がたまに来てる?来てなかったとしても毎日海賊女帝に常に想われている。

・ゾロ
師匠、鷹の目。環境、過酷…微妙。ペローナという可愛い子が手当て、看病してくれる。

・サンジ
師匠、イワンコフ?新人類(ニューカマー)拳法の師範達?環境、過酷度MAXの地獄。寝た瞬間に男としての尊厳を奪われる可能性大。

師範達が弱いわけではないけど、師匠からして差がありすぎじゃないか?寧ろ、あの環境であそこまで成長したサンジを誉めるべきじゃないかと思ったり、癒しするないサンジが憐れすぎて泣けてくる。



新しい世代

 

 

 改めて、強くなったからこそ理解できるものがある。

 

 今、サンジとルフィの目の前には世界最強の海賊"白ひげ"エドワード・ニューゲートが立っており、初めて目にする生ける伝説を前にサンジは喉を鳴らした。

 

 サンジが四皇を目にするのは()()()()()()()()()()

 

 前回の人生で同じく四皇の"ビッグ・マム"を目にしているのだ。その経験もあってか、決して恐れという感情を白ひげに対して抱いているわけではない。

 

 ただ、ビッグ・マムとは違う王者としての風格、貫禄に、サンジはある種の感動を覚えているのだ。

 

 だが、サンジが感動を覚えていることなど露知らず、戦地に降り立った脱獄囚の1人であるクロコダイルによる襲撃から白ひげを助けたルフィが宣言する。

 もっとも、白ひげに助けなど必要なかっただろうが…。

 

「海賊王になるのはおれだ!!」

 

 世界最強の海賊"白ひげ"に物怖じすることなく啖呵を切る己の船長には苦笑を禁じ得ないようだが、それでこそ未来の海賊王だと、世界最強の海賊と未来の海賊王が揃って並ぶ姿をその目に焼き付けるのである。

 

「ハナッタレが…足引っ張るんじゃねェぞ!!」

「サンジもいるんだ!だから必ずエースを助け出す!!」

「へっ、頼ってくれんのは嬉しいが…ルフィ、白ひげの前であんまり俺のことを持ち上げんじゃねェよ。

 拍子抜けだとか言われたらさすがにショックだからな」

 

 男から何を言われようとも、況してや大海賊から弱いと言われたところで、まだまだ弱いという自覚のあるサンジはそれほどショックを受けることもないだろう。

 

 ただ、強くなった今、まだまだ上がいるという伝説を前にした今、それでも───強者達が蠢く領域に片足でも踏み込めていたらと、サンジは強く思うのである。

 

「サンジ、行くぞ!!」

「了解だ、船長!!」

 

 新たな時代を背負うであろう若き海賊達が、死地へと飛び込んで行く。

 

 

 

 

※※※

 

 

 

 

 戦場を駆ける黒足と麦わらに襲い掛かってくる海軍の猛者達。しかし、そんな猛者達を抜群のコンビネーションで次々と打ち倒し、サンジとルフィは先へ先へと進む。

 

 エニエス・ロビーでバスターコールを経験し、あの時よりも強くなったルフィと、二度目の人生アドバンテージと猛特訓により急激な成長を遂げたサンジを前に、もはや海軍本部の大佐程度では相手になるはずもないのだ。

 

 ただ、この戦場にいるのは大佐だけではない。寧ろ、大佐以上の強さを持った者達がゴロゴロと存在している。

 

「お前を捕まえねェと()()()がうるさくてうるさくて仕方なくてねえー…麦わらのルフィ、それから黒足」

 

 この戦場にて誰よりも煌めくその存在がサンジとルフィへと牙を剥く。

 

「いきなり大将かよ!?

 ルフィそのまま進めッ!!」

「わかった!!」

 

 どこまでもサンジを信頼しているルフィは迷うことなくその言葉に従い、臆することなく前に進む。進む先は義兄エースのもとだ。

 

「道は俺が切り開く!

【"武装"小悪魔風脚(プティ・ディアブルジャンブ)十字切り(シャトー)】」

「!?黒足…この短期間で覇気を使いこなせるようになったってのかぃー?まさかそんなこと」

 

 黄猿が放ったレーザービームと、サンジが放った漆黒の嵐脚───十字の形をした黒い斬撃がぶつかり合い大爆発が発生する。

 

「う、うおぉぉ!大将黄猿の攻撃を止めやがった!!」

「何者だッあの金髪は!?」

「麦わらのルフィの部下か!?」

 

 驚きの声が上がる一方で、海軍側は白ひげ側に予想外の戦力が投入されたことに動揺を隠せずにいた。

 そのおかげで士気の上がる白ひげ陣営。

 

「なかなかやるじゃねーかよい、エースの弟の仲間は」

 

 白ひげ海賊団No.2の"不死鳥のマルコ"すらも、サンジに対して舌を巻いている。

 

 ただ、自ら黄猿の相手を買って出たサンジではあるが、まだ自分が黄猿に勝つことは無理であることにも気付いており、武装色と見聞色の覇気を駆使しつつ戦いながらも、長くは持たないだろうと、心の中で強者へと助けを求めていた。

 

「エースの弟の仲間!コイツは俺に任せてお前はエースの弟のとこに行けッ!!」

 

 すると、青い炎を纏った不死鳥のマルコがサンジを助けにやって来る。

 ルフィのもとへと向かうようにと、黄猿の相手を代わってくれたのだ。

 

「助かる!!」

 

 それだけ告げ、その場から"(ソル)"を使って立ち去るサンジ。

 そして、不死鳥のマルコはその背中を嬉しそうに眺めながら大将黄猿と相対する。

 

「不死鳥のマルコがあんな若造を助けるとはねェー…焦って気でも狂ったのかぃ?」

「時代は着実に進んでる…先が楽しみな若いのが現れて喜んでるんだよい!!」

 

 白ひげがルフィから何かを感じ取り期待しているかのように、不死鳥のマルコもまた───サンジから何かを感じ取り期待しているのだ。

 

 この大海賊時代に新たな変革をもたらすのではないかと、大海賊達はそう感じずにはいられないらしい。

 

 だが、それは大将黄猿も同じだ。シャボンディ諸島にて麦わらの一味を壊滅寸前にまで追いやった黄猿は、この短期間で見違えるほどに成長したサンジを警戒しているのである。

 まだ黄猿に及ばないまでも、サンジは奥の手を隠しているのだ。いくら黄猿が相手だったからとはいえ、一対一ではないこの戦場で最初から全てをさらけ出すわけにはいかないと判断したのである。

 

 サンジの第一の役目は、ルフィをエースのもとまで送り届けることなのだから…。

 

 そのサンジに対し、黄猿は強い危険性を感じていた。

 

「そちらさんの士気を上げちゃってくれてまぁ…厄介な存在だねェ。麦わらと黒足は」

 

 ルーキー達がこの大戦争の鍵をも握っているのである。

 

 その鍵とされるサンジは、ルフィのもとへと辿り着き…

 

「ルフィ!待たせた…って、モリア!?

 そういやぁ、コイツも七武海だったな」

 

 生前、死闘を繰り広げた七武海の一角、ゲッコー・モリアと再び対峙することとなる。

 

「キシシシシ!黒足の影もまた切り取って」

 

 しかし、サンジもルフィも同じ相手に同じ轍を踏む愚者ではない。

 

「モリアのゾンビは火にも弱い。

悪魔風脚(ディアブルジャンブ)火鍋(ポトフ)スペクトル】」

「な、何ィ!?」

 

 炎上した高熱の黒足から縦横無尽に繰り出される連続蹴り。モリアのゾンビ軍が炎に包まれ肉体の原型が完全に消失する。

 

「何じゃ…儂の出番はなさそうじゃな」

 

 すると、モリアのゾンビ達を一掃したサンジの背後からは聞き慣れた声が───

 

「…!ジンベエ…そうか、ルフィと行動を共にしてたんだったな」

「麦わらの一味の黒足じゃな?どうやら儂のことを知っておるようじゃが、自己紹介だけはさせてもらうとしよう。儂は七武海の…いや、元七武海のジンベエじゃ」

 

 寧ろ知らない方がおかしい。ルフィはこの場所に到着する直前まで知らなかったようだが、それはルフィだから仕方ないことだろう。

 だが、ジンベエの実力を知るサンジは、七武海を辞めてまでこちら側についてくれたジンベエに有り難さを感じていた。

 

 知ってはいたことだが、サンジはこの戦争を直接経験して知っているわけではないのだ。全ては新聞などで後から知った知識であり、今この戦場に於ては記憶という強力な前回のアドバンテージもあまり働くことがない。

 ただそんな状況のなかで、見知った実力者がいることは頼もしい限りである。

 

「ヒィーーーハァーーー!!あんた本当に麦わらボーイの仲間なの?手配書と顔が全然違うじゃないの!!」

 

 そしてジンベエの後ろから現れた巨大な顔面の新人類(ニューカマー)。"奇跡の人"エンポリオ・イワンコフ。

 

「うるせェ!あの手配書は俺の黒歴史の1つなんだよ!!この戦場が終わったら俺の手配書は新しくなりやがるはず…それが本物だと思いやがれ!!」

 

 ついつい、癖で"イワ"と口にしそうになるのを堪えながら、サンジは初対面であることを装っている。

 前回の2年間のこともあり、イワンコフとの付き合いは麦わらの一味の仲間達との付き合いよりも長くなってしまったのだから、ついうっかり何か変なことを言わないようにと終始気を付けねばならぬ相手なのだ。

 

「あ、イワちゃん!コイツ、おれの仲間のサンジってんだ!!」

「麦わらボーイがそういうなら本物なんだろうけど…なら、あの手配書はどうしてかしら?」

「あーそれは聞かないでやってくれ。サンジも相当荒れてたからなー」

「哀れみのこもった目で俺を見んじゃねーよ!お前ら、そんなことはいいからさっさと先に進むぞ!!」

 

 目の前に七武海のゲッコー・モリアがいるというのに、サンジは当然ながら余裕さを見せ、ルフィはサンジがいることで安心感があるのか至って冷静な様子である。

 

 当然、そんな舐めた態度を見せるルーキー達にモリアが腹を立てないはずがなく───

 

「クソガキ共がッ!!」

「【(ソル)稲妻(ライトニング)】」

「む!?」

 

 身体能力を極限まで鍛えることによって習得できる体技の内の1つである高速移動法"(ソル)"。

 

 この短期間で急激な成長を遂げ、そして攻めの料理による効果も相俟ったサンジのそれは、通常のそれを遥かに凌ぐもので、その加速力───本当に稲妻かと思わせるほどの加速力もプラスされて繰り出される蹴りの威力は想像を絶するもの。

 

()()はスッ込んでろ!

悪魔風脚(ディアブルジャンブ)羊肉(ムートン)ショット】!!」

「がふッ!?」

 

 モリアの懐まで一瞬で潜り込んだサンジは、超強力な悪魔風脚による後ろ蹴り(ソバット)の連擊を叩き込み吹き飛ばす。

 

 その威力はまさしく悪魔の如しで、七武海のモリアですら大ダメージを与えられてしまう。

 

「おお!?サンジ、スッゲェ!!」

「ほォ、素晴らしい部下がおるようじゃな。しかも、覇気も習得しておるようじゃし…ルフィくんの言うとおり、確かに千人力じゃ!!」

「やるじゃないの黒足ボーイ!!」

 

 七武海がルーキーにやられたことで、またしても海軍側に動揺が走る。

 

「どけッ!!」

 

 その局面をどうにかしようと巨人兵が襲撃してくるが、流れは完全にこちら側だ。

 

「サンジ、今度は俺がやる!

【ゴムゴムのォ!巨人の回転弾(ギガントライフル)】!!

 どけェーーー!おれはエースを助けるんだ!!」

「へっ、さすがだ…船長」

 

 巨人兵を一撃で吹き飛ばした麦わらのルフィに歓声が上がり、白ひげ側の士気がますます高まるのである。

 

 そして、そんなルーキー達を目の当たりにした大海賊"白ひげ"は顔を綻ばせながら不死鳥のマルコにこう呟く。

 

「マルコ…あのガキ共を死なせんじゃねーぞ」

「了解」

 

 






サンジの技名が難しいよォ。フランス語ェェ!!
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