縁壱さんに言われて、小屋の中に入る。それで夕食もご馳走になってしまった。
それで俺は夕食を取りながら、今日の事までの生活を掻い摘んで話した。
「本当に鬼がいる事は驚いたけれど、でもそんなにもいるのねぇ。それに鬼と人が自由に暮らせる場所か〜」
「あぁ、まさか俺も旅をして自分でそんな場所を作るなんて考えていなかったな。鬼にされた奴の中にも、今のままでいいのか葛藤する奴もいたから、そいつらについては俺の血を分けて人を襲う習性や理性は抑えたよ」
「……なるほど。そしてそうこうしているうちにここへ来たと」
「あぁ」
「それにしてもその、人と鬼が自由に暮らせる場所、私も行って住んでみたいわね」
「だがうた、この土地はどうする? うたの両親、そして先祖が丹精込めて開墾した土地だ。それを手放すとなると……」
「それなら問題ない」
「なに?」
「まぁ論より証拠だな。ゴールド・エクスペリエンス」
竜二の背後にスタンドが現れる。
「っ⁉︎ なんだその生物……いや、お前の闘気か?」
「そう、スタンドと呼ばれるものだ。簡単に言えば縁壱が言ったもので間違いないが」
「だがそれを使って何をする?」
「少しみていれば分かる」
竜二は持っていた石ころに生命を宿した。するとその石は綺麗な一輪の花になる。
「わぁ〜‼︎ 凄いわね‼︎」
「……確かに先ほどまでただの石ころだったものが本当に一輪の花になっている」
「後こんな事もできる」
今度は別の石を蛇に変えてみせた。
「っ⁉︎ 本当に蛇の身体になっている⁉︎」
「まぁ大体こんな感じで、ここの土地一帯に生命を宿してそのまま人と鬼が暮らす村に行けるって話なんだけど……行くかい?」
と言う話になって、両人とも了承してくれた。そしてこの土地一帯の田畑と縁壱達が暮らしていた小屋を大きな蛇に変えて、鬼と人が暮らす村へと案内した。勿論出来るだけ人目につかない場所を選んで移動したが……
そして村へと到着した。今回は土地一帯を移動させたから、それに比例して藤の花も土地に沿って増やして埋めた。
「まさか……本当に鬼と人が諍いなく暮らしているとは……」
「凄いわねぇ〜」
「あぁ。俺が考えたんだ。例え鬼になったとしても……大切な人を傷つけたくないと思う鬼がいる。人を食べたくないと葛藤する鬼がいる」
「そして人も……鬼にされた人と離れ離れになりたくない者達がいる。俺は……できればその絆を傷つけさせたくない。断ち切らせたくない。だから作った」
「……お前は優しい奴だな」
「自分ではそう思わないが……褒め言葉として受け取っておく。まぁそもそも、そんな思いをするのは……俺だけで十分だからな」
「家族を鬼に殺された事……か」
「あぁ……あんな思いは、2度とする事ないって思ってたんだけどな」
「ん? 2度と?」
「いや、こっちの話だ。それでこっからどうするんだ?」
「私はここで今まで通り過ごしていきたいと思います。でも周りにいっぱい人がいるから、最初は仲良くなれるように頑張ります」
「俺は……鬼を狩ろうと思う」
「普通に暮らす事は可能だぞ?」
「俺は元武士の家系でな……出家している身とはいえ、残してきた家族が鬼という存在に襲われてしまえばひとたまりもない。それに竜二が言う事が確かならば、その鬼を倒す術を編み出さなければな」
「各地を放浪していた時、鬼だけを狩る存在に何度か襲われた事がある。まぁ全て刀を折って気を失わせて、近くの宿屋にほっぽり出してた事が殆どだが」
「ともかくその術を身につけたいなら、その組織に入った方がいい」
「そうか。竜二は行かないのか? これからも付け狙われるのは嫌だろう?」
「……そうだな。今までそんな事考えてこなかったが、そうした方が良さそうだな」
と言う事があり、俺達は鬼を狩る組織である鬼殺隊に入った。
かなり簡単には入れた様に感じるかもしれないが、自分の正体を明かした時は問答無用で攻撃された。まぁそれが1日中続いた……というか日があるのに消滅しない俺の身体を見て結構首を狙ってきた。
そんな生活が幾らか続いて、ようやく俺が無害な鬼だと分かったらしい。まぁ約2ヶ月もの間狙われ続けるとは思わなかった。それに悪ふざけなのか縁壱も参加してきて……
(正直疲れた……)
意図しているか分からないが……ローテーションを組んで攻撃するものだから、ご飯食べる時も寝る時も気が抜けなかった。
だが2ヶ月も経てば流石に諦めたのか、それとも俺が無害な鬼とやっと認めてくれてか……どちらにしろようやくこれでちょっとずつ行動できそうだ。
本日も少なめですが、キリのいいところで終わらせて頂きます。また次回をお楽しみ下さい。