私は花譜が好きです。理由とかたくさん後付けで思いつくことができます。多分いろんなところが好きなのです。その中で私が一番好きな理由は多分、花譜と名乗り始めたあなたのことが気になって、気になってしかたないからです。
私の勝手な想像ですが今まで少しだけ我慢する生き方をしてきたのでしょう。その中で歌はあなたの支えだったのかもしれません。あなたの歌からは、多くの尊敬を感じます。何度も、何度も、言葉を噛み砕いて、言葉を飲み込んでいるように思います。辛いことも、嫌なことも、たくさんあったと思います。だけどあなたは歌を聴くと一緒に飲み込んで、歌うと一緒に吐き出していたのと勝手に想像します。
そんなあなたが私たちの前にバーチャルシンガーという形で現れてくれたことが嬉しいです。この時代だから出会えた、繋がれた糸を大切にしたいと思います。
あなたの声はどこか心が不安になると感じたことがあります。今ではそれは、あなたの深さだったのだと捉えています。たくさんの音楽があなたの歌には込められていて、あなたの歌はそう透き通った海のように距離感が掴めない。水底までよく見えるのにどこまで沈んでも底にたどり着かない。だから不安に思ってしまったのでしょう。命のことを歌うあなたの声という海で、溺れてしまいそうで怖かったのかもしれません。
今ではあなたの声は深さと広がりを持つあなただけの特別なものだと、かけがえなのない宝物だと思っています。
私、実は最初気づけなくて花譜に少し嫉妬していました。運が良かったとか、偶然たまたま、話題性だけで人気になったと考えてしまったこともあります。それは惨めな自分を守りたい言い訳と、あなたの声に耳を傾けることができなかった幼さのせいです。許してほしいなんて思ってはいません。ただ伝えたいことがあるんです。花譜を知ろうとして、私の世界は変わりました。そしてあなたを知ろうと藻掻きました。
あなたを知るために、私はたくさんの花譜の歌を聴きました。そうしたら私の世界は変わりました。
花譜のことをみんな花と呼びます。『そして花になる』ももちろん聞きました。私はあなたは最初から花だったのだと思います。地面に根差して、音楽と感情という栄養と水分を吸ってどこかで静かに咲いていた花。運営の方々はそんなあなたの根っこを傷つけないように、育んでくれたのでしょう。
あなたはその愛や頑張りに答えるように、より高くより遠くに飛ぼうとする鳥のように努力を繰り返していることでしょう。あなたは足りないと言うかもしれません。けど誰がなんと言おうと私はあなたの努力を尊敬します。だってあなたはどんどん前に飛んで行っています。私は数字で人気を測るのが嫌いですが、登録者の数、フォロワーの数、再生数、いろんな数字があなたの実績をこの世界に示しています。存在を刻んでいます。
あなたはそれを周りの人たちのお蔭と言うでしょう。私もそう思いますけど、あなたには力があるとあなた自身に伝わっていて欲しいと切に願います。
花譜の歌には力がある。あなたの言葉で動かされた私が言うので、これは間違いないです。
歌ばかり話していますけど、私はあなたのその外面というのでしょうか、少し言葉が悪いですね。あなたの見た目もとても好きです。
まず目が好きです。遠くを見ているような視線。特殊な三色の瞳は一目であなたの目だと分かって、忘れられません。普段大きく開いている目が、優しく笑う時、歌っている途中に少し閉じられるところや、瞬くところ、視聴者をじっと見る瞳にいろんなことを考えてしまいます。その目を見ると戸惑ってしまいます。
あなたが何を思っているのか分からないのと、私が何を思ったのかを一瞬だけ忘れてしまうのです。そしてハッとして、なぜか胸がドキドキしています。その時自分の感情は分からないですけど、花譜に強く興味を抱きます。率直に言って惹かれていきます。狡いです。
私が好きな映像に『不可解』の最後、フードを外すところがあります。『不可解』は私の心を表すかのように言葉を紡がれていて、歌う花譜がまるで何かの使者のように思えてきます。宇宙から私を導きに来たと言われても信じたことでしょう。だからちょっと遠くに、あるいは顔に似た何かみたいな怖さを抱く瞬間がありました。
だけど最後のフードを外したところで「あっ花譜だ」と安心したのと、抑えきれない何かが零れたことを覚えている。
歌う花譜の姿、話す花譜の姿。どちらも私は好きです。歌はあんなにすごいのに、トークになるとちょっと緊張した固い口調の少女のようになるところに急に年の近さを感じて親近感を持ってしまいます。花譜が映像で自分の言葉で感謝を伝える様子に、あなたが多くの人を尊敬してその場に立っているのだと感じます。あなたの周りはみんなすごい人ですけど、あなたも十分すごい人です。だから私はあなたたちに拍手と感謝を送り続けます。
花譜と出会って、私の世界は広がっています。花譜は私に知らない音楽を届けてくれる。あるいはバーチャルという私が馴染みのなかった未知の世界へ連れて来てくれました。花譜の好きなものを私も同じように好きでいたい、あるいは単純にこの文化を知って、この時代に生きる一人の人間として、応援したいと思いました。
学校の作文みたいな綺麗事ばかり書き連ねていますが、恥ずかしながら私の本心の一端です。
この手紙は花譜に届けることはありません。それでも私はここに、私が花譜に恋した証として、私の好きの記念として、一周年迎えるあなたに言葉を贈りたいのです。
この世界で祈りは届くものなのでしょうか。あるいは神様はいるのでしょうか。私はそんなことは知らないし、あまり興味もありません。
だけど運命はあると思っています。
だから一周年を迎えるあなたたちの未来が、繁栄と栄光と祝福で満たされることを願っています。
一周年おめでとうございます。
今日から明日の世界が変わるところを、見せてください。