インフィニット・ストラトス~アイズ・オブ・ソウル~ 作:真神牙
「よーし皆集まったわね!じゃあしゅっぱーつ!」
鈴が皆をみてそう言い出しショッピングモールへと歩んだ
ここに集まったのは私と鈴、セシリアにシャルロットそして
「ほ、本当にいいのか?私が一緒に買い物なんて……」
ラウラがそう言いだす、この前までの高圧的な態度で負い目があるのだろう
「いーのいーの!こういうのは大勢で行くのが楽しいんだし!」
「このような広大な売り場が庶民の場にあるのですね、初めて来ましたわ」
「じゃあ僕と箒と鈴くらしか来た事ないのかな?」
「いや、私もショピングモールに来るのは初めてだぞ?」
「え?そうなの?」
「このショッピングモールは転校した後にできたしな、他のショッピングモールには……要人保護プログラムで転校続きで……友達と一緒に買い物もできなかった……から……」
過去を思い出しだんだん気持ちが沈んでいく
「ハイハイ!この話はヤメヤメ!楽しい時間ぐらい悲しい事は忘れましょう!」
鈴が手を叩き私たちに号令をかける
何はともあれ人生初のショッピングモールだ、私もいつになくテンションが上がっている
「あぁ、行こう」
自然と笑みを浮かべ鈴の後についていった
臨海学習の準備でも一番大事であろう水着売り場に着いた
「水着のサイズが合わないな……まて鈴!何をする!」
「当てつけか!私とラウラに対する当てつけか!箒もセシリアもシャルも大きすぎるのよ!」
「ラウラー?君ってこういうのが良いんじゃない?」
「デュノア?それはちょっと過激じゃ」
「シャルロットかシャルで良いよ。それにこういうのが霖之助君とかに受けると思うけど」
「待て!なんでそこで霖之助の話題が……」
シャルロットがそう言いだす、学年別個人トーナメントからというものラウラは霖之助を意識しだしてるのでは?がクラス内の主な認識だ
同時に鈴とセシリアと顔を見合わせる、見ればどちらも面白いおもちゃを見つけたようなニマニマした顔だ。多分私も同じ顔をしている
「シャル、こっちのほうもラウラに似合うんじゃないか?」
「そうそうこういのも良いわよ?」
「これなんてどうですの?」
「「「霖之助に受けるんじゃないか(じゃない)(ですの)?」」」
「な、なんでみんな霖之助を出しながら迫ってくるんだ!?や、やめろー!!」
そんなこんなで急遽ラウラのファッションショーが始まった、ちなみにきちんと自分たちの水着もちゃんと選んだ
水着を買った後は鈴の提案でゲームセンターというところに来た
初めてのゲームセンターで少し戸惑いとワクワクで一杯だ
そんなゲームセンターはかなりの賑わっているのがわかる
「むぅぅぅぅぅぅ」
「ラウラは何してるのよ?」
「なんでもあのクレーンの商品であるうさぎ人形が欲しいらしくてね、いま10連敗」
「ふーん、ちょっと貸しなさいよラウラ」
「鈴?何を……」
「ほいっと、ほらコレ」
「あ、ありがと……」
(鈴ちゃん、割と織斑君ぐらい女たらしの才能あるんじゃないかな)
「ふっふっふ、箒さん?この勝負私の勝ちですわね!」
「待て射撃ゲームなんてセシリアに有利すぎるだろう!次は剣のゲームで勝負しないと不公平じゃないか!?」
ラウラがUFOキャッチャーというゲームで苦戦していたころ、私は制限時間でどれだけのゾンビを倒せるか競う射撃ゲームでセシリアと勝負していた
結果はボロ負けである、射撃の腕は国家代表レベルとザルバに称されていたのが実感する
そうやって騒いでると
「オラオラ!ウオラ様に道を開けろー!」
周囲から謎のモヒカン頭の男たちが現れた
「なにあれ」
「へいそこの姉ちゃんども!このゲーセンの主たるウオラ様に話を通さねぇでゲームするとはどういう了見だ!」
「え、誰?」
鈴がキョトンとした顔で首を傾げてると
「むぅん、奴らはゲーセン殺しのウオラの親衛隊!」
物知り顔で劇画タッチな顔の男がそう言いだした
「いやおっちゃんも誰よ」
「通りすがりのタネモ・ミーじゃ、ウオラはここら一体のゲーセンで所かまわず勝負し、奴に負けてゲーセンに来なくなった奴は700人を超えるといわれる凶悪プレイヤー!その親衛隊は初心者狩りを行う極悪軍団!」
「ただの迷惑な軍団では?」
「ヒャッハー!てめーら全員俺たちと射撃ゲームで勝負しやがれー!」
「じゃあわたくしと全員戦ってもらいません事?」
そういって白熱のバトルが
「あべし!」「ひでぶ!」「アバーッ!」
終わった
「いや雑魚じゃんこいつら」
「ウオラはともかくこいつらはただの初心者狩りだからな」
セシリアが強すぎるだけだと思うが
「むぅん、うぬらが我の親衛隊を倒したのか」
ゲームの筐体を超えるほどの大男、ウオラが話しかけてきた
「あんたがウオラ?」
「いかにも俺こそがゲーセン殺しのウオラ!私に歯向かうプレイヤーはすべてこのIS《インフィニット・ストラトス》バトル・アリーナ(AC版)で応えるのみ」
彼が示したのは少し大きめの筐体のゲームである
「ISBAはもとは家庭ゲームで発売してたがアーケード化に伴い全国対戦化、操作方法も現実のISと遜色ないように作られたゲームになりさらに白熱としたゲームとなる」
「ISBAですわね最近ではISテストパイロットのシミュレーションに採用する企業も増えたとかなんとか」
「デュノア社がそうの筆頭だね」
「これまでウオラ様はISBAで男のプレイヤーに勝利してきた!ここで女に勝てば男だってISに乗りさえすれば女に優れてることの証明になるぜー!」
……
「箒?」
「いやなんでもない」
「この吾輩こそがウオラ!掛かってくるがいい!」
「私が行く」
「箒さんが?」
「ふぅん、じゃ任せたわよ箒」
「が、がんばれ!箒!」
友に任された私は筐体に乗り込んだ
「ふぅ……」
「ウ、ウオラ様ぁー!?」
なんとか勝てた……ウオラの手からビーム出したときは死ぬかと思った
「お疲れ箒」
「あぁ鈴」
「ウオラ様が負けるなど……男女の差はやっぱり覆せないのかよ……」
そういってモヒカンたちが項垂れるとウオラは私を見つめ
「おぬしの名を教えてくれぬか」
「箒……篠ノ之箒だ」
そういうとモヒカンたちはいっせいにどよめいた
「篠ノ之だぁ!?てめぇ!あの篠ノ之束の家族か!」
「そうだ、束は私の姉だ」
「てめぇの姉のせいで……!」
「っ!」
襲い掛かるモヒカンたちに
「待てい!このウオラが負けたのは篠ノ之でも女でもない!箒という一人の戦士に敗れたのだ!」
「ウ、ウオラ様ぁ!」
「ところであんたさっきから一人称と二人称のころころ変わってない?」
鈴がツッコミを入れてるがあえて無視しておこう
「篠ノ之箒、おぬしは間違いなく
「あぁ……お前も私の
固く握手をする
「我が生涯に一片の悔いなし!」
「ウオラ様ぁぁぁ!」
「うん、一片の悔いなくていいからこれから初心者狩りとかやめようね」
「アッ、ハイ」
どうも閉まらない最後だった
ゲーセンの激闘を終えた私たちは一つの専門店に立ち寄った
「ISの専門店なんてあるのか」
「といってもこういったところで取り扱ってるのは過去のモンドグロッソの映像やら各国のPRとか代表生や候補生のブロマイドとかの販売だけど」
「おう、いらっしゃ……!?セシリア・オルコットさんに鳳鈴音さん、ラウラ・ ボーデヴィッヒさんにシャルロットデュノアさんまで!?」
店主の男性が私たちを見たとたん驚いた
「そっか候補生のブロマイド迄揃ってるんだからそりゃ私たちのもあるか、迂闊に来るべきじゃなかったかも」
「そう思うと候補生ではない私は少し居心地が悪いな……?鈴の所だけ完売してるのか?」
見れば鳳鈴音と書かれたプレートにはブロマイドが一枚もなかった
「ほんとだ、だれかが買いあさってるのかしら?」
「そいつは台湾の代表候補生様が買いあさってたぜ(まぁ、鳳鈴音さんの従妹の鳳乱音のことだが)」
「ふーん、他に売り切れてるといえばやっぱり千冬さん関連は売り切れね」
「まぁそりゃそうでしょうねぇ。なんといってもブリュンヒルデだもの」
織斑千冬の人気は別格だ、こうやってIS関連のものをあされば実感しやすい
「いやーすごいです、こんなにも候補生たちがやってくるなんてIS学園の近くに店を構えてよかったですよ」
「男性のお方にしてはISに熱心ですのね、先ほどのウオラさんたちとは大違いですわ」
「まぁ変わり者だという自覚はありますね、私自身男性差別の被害は受けましたしねぇ……」
店主はポツポツ語り始める
「この店もほとんどの客は女性なのですがよく言われますよ『なんで男風情が』って」
「それは……」
「まぁ言われたこう返しますがね『うるせぇIS大好きで悪いか』って」
「ISが大好き……ですか」
「えぇ、空を飛んで宇宙を駆ける、そんな姿に憧れを抱くのは男だからとか女だからとかなんて必要でしょうか?だから私はこの店を出したんです、ここは男でも女でも憧れを見つけていい場所だと」
店主の姿にどこか見覚えがあった
(昔の姉さんがしてた顔だ)
憧れて手を伸ばし続けていた人の顔だ
「どうでしょうか記念に写真を撮っても?」
「いいわね!みんなで取りましょう!ほら箒も」
「い、いや私は候補生じゃないし私以外のみんなで取ったほうが……」
「こういうのは大勢で取ったほうがいいに決まってるじゃない!ホラホラみんな固まって!」
「ハイチーズ!」
シャッターの音がなって写ったのは私たちの忘れられない思い出だった
「綺麗に取れてるわね」
私たちは店を後にし、モール広場のテーブルを囲んで談笑していた
「なぁ、やはり私だけ場違いな気がするのだが……」
「箒さんなら、試験を受ければ直ぐに代表候補性になれると思うけどね、成績だって悪くないんだし」
「とはいっても……?鈴、何をしてるんだ?」
「んー?さっきの写真、一夏に送ってるの、丁度ここの目と鼻の先が倉持技研だし」
「あの暴走した白式の事……何かわかったのでしょうか?」
「どうだろうな、あの時の白式の戦闘ログははっきり言えば異常だ、今だ理論すら仮説段階の短距離瞬間移動といえる超現象でなければ私の停止結界を抜け出せた事に説明がつかない」
「白式って
「でしたら短距離瞬間移動が使える理由がわかりませんわ、白式がそれを使えるはずがないですわ」
(白式が短距離瞬間移動を行えないのなら……)
____
(……何を馬鹿なこと言ってるんだ私は)
ありえない、そう結論づけた時鈴の携帯が鳴った
「あ、一夏から返信が来たわ、えっと……」
<件名:re:ショッピング楽しみ中>
<本文:みんな楽しそうだな!そこって倉持技研近くのショッピングモールだろ?だったら俺の家も近いし霖之助も誘って晩飯にみんなで鍋を食うとかどうだ?>
「だって、皆はどうす……」
「「「行く!」」」
即答する当たり、私たちはかなり肉食系女子(二つの意味で)である
「あ、僕一緒に食べるの誘いたい人がいるんだけど一夏君に頼めるかな?」
「ん、えっと《いいぜ、鍋は複数人で食う方がうめぇからな!》だって」
「よかった」
「提案があるのだが」
ラウラが珍しく自分から意見を言い出した
「何?」
「知り合いに聞いたのだが日本の鍋を食う時はそれぞれ食材を持ち寄ってくるのが習わしと聞いたのだが、ここで皆で各自別々の鍋の具材を買うのはどうだ?」
……どうしてだろう、嫌な予感しかしない
「闇鍋ってやつね面白そ……」
「鈴、鈴」
私は鈴を呼び止めた
「何よ箒、さすがに闇鍋で変な具材いれるなんてベタな展開危惧してるんじゃ……」
1人そういった展開になる心当たりがあることに鈴も気づいたようだ
「あぁ、あのセシリアだ」
「さ、さすがに具材だけなら変なのにはならないと思うわよ、さすがに」
さすがにを二回言うあたり自信がないのが伺える
「でも見なさいよラウラの顔、滅茶苦茶キラキラしてて断れないわよアレ……」
「なーべ、なーべ、なーべ」
日本の鍋料理に興味があるようでさっきから鍋を連呼しながら携帯で鍋について調べてるラウラがそこにいた
「それを言われると断れない……」
「さ、最悪セシリアには理由付けて具材買わせないようにすれば……」
「い、いや鈴、その場合一番怖い展開はな……」
『鍋はわたくしの出番がありませんでしたが、食後に私の自家製デザートをお召しになるのはいかがでしょう♥』
「といって安心したところに来るぞ」
「ありそう」
しばらく鈴とセシリア対策を練っていると
「そこのあんた!私の荷物持ちになりなさいよ!」
突然大声で叫ぶ女性が現れた
「?何かあったのでしょうか?」
皆で振り向くと男性が女性に荷物を持たされそうになっていた
「……なんで俺が見ず知らずの人の荷物もたないけないんッスか」
「はぁ?あんたが男でわたしが女だからに決まってるでしょ!?あんた女に逆らう気!?」
凄く理不尽な要求だ、あまりにも身勝手すぎる
女尊男卑の風潮の今の時代じゃよくある光景なんだろう
「……」
【男だってISに乗りさえすれば女に優れてることの証明になるぜー!】
【このウオラが負けたのは篠ノ之でも女でもない!箒という一人の戦士に敗れたのだ!】
【よく言われますよ『なんで男風情が』って】
【ここは男でも女でも憧れを見つけていい場所だと】
「私の夢はね箒ちゃん」
「この宇宙の先を見てみたいの、何があって何がないのか、何を見つけて何を見つけられないのか、全部わからないから見てみたいの!」
「そんな夢をいつか叶えたいって、そう思ってるの」
「やめろ、その人は連れじゃないんだろ?だったらあなたの要求を呑む必要はない筈だ」
気づいたらその二人の間に割って入っていた
「何よあんた、女のくせに男の味方する気?ISに乗れない男なんか……」
「ISは男を蔑む道具じゃない!そんなことの為にISはあるんじゃない!」
姉さんの事が苦手だった、ISが苦手だった
自分から父さん母さんを別れさせた
だけど
姉さんの夢を、ISに乗せた夢を
こんなことで汚されたくない!
「はぁ?私に説教?あんた何様のつもり……」
「あら、IS学園の生徒のISへの認識に何か間違いがございまして?」
「え」
「やめなよセシリア、彼女もIS学園の生徒かもしれないじゃない、私この子見たことないけど」
「ちゅ、中国の代表候補生の鳳鈴音!?それにセシリアって……」
「うーん、すぐに代表候補生の名前言える所を見るとISの勉強自体はしてるようだね、多分IS適正ないから入学できなくて拗らせたんじゃない?」
「シャルノット・デュノア!?」
「おーい、気になったんだがおでんは鍋料理の一種なのか?」
「ラウラ・ボーデヴィッヒまで!?し、失礼しました!」
セシリアたちが彼女にとって天上の人たちだからか即座に退散していった
「ありがとう……皆」
「礼を言われる事じゃないですわ」
「そーそー、私もちょっとムカついたしねー」
「……『ISは男を蔑む道具じゃない』っスか」
「え?」
「……助けてくれてありがとうっス、こんな世の中で女に感謝したのは久しぶりっス」
そう言って男はこの場を後にした
「ああいうのってよくある事なのかな……?」
「そうですわね……私も一夏さんに会うまでは彼女と同じ事をしてたのかもしれませんわ」
ISによって世界は変わった
あの夢を語っていた姉さんは今の世界を望んでいるのか?
「お、いたいた、おーい!」
考え事をしていると一夏と霖之助がやってきた
「何かあったのか?」
「ううん、少し人助けしてただけだよ」
「一夏は……」
「うん?」
「一夏はISを作った姉さんのことをどう思ってるんだ?」
「なんだよ急に、でもそうだな……」
少し思案して一夏は応えた
「多分感謝しているだと思う」
「え?」
「だってISがなけりゃきっと俺はここいるみんなと出会えなかった、IS学園で皆とあって箒や鈴と再会して、確かにISで嫌な思いだってたくさんあったけど……」
「それだけではないものも確かに生まれてるさ、道具はいつだって捉え方だよ。刀は人を斬るが人を守れる武器でもあり、逆に包丁は料理で人を幸せにすることも殺す事もできる」
霖之助も続いて言葉を発した
「君がISにどんな思いを持つのかは知らない、だけどこれだけは覚えてほしい」
『ISによって100回悲しみが生まれたとしても、僕たちはISで101回幸せを作れるんだ。それがISに選ばれた僕たちが持つ力だよ』
霖之助を諭すように、そして私を励ますかのようにそういった
ザルバ「お前ら鍋料理は好きか?
みんなで食べるのに最適な料理のアレさ
なんにしたって美味い事に越したことはないだろ?
次回『料理』
ま、俺は食えないがな」