インフィニット・ストラトス~アイズ・オブ・ソウル~ 作:真神牙
「だからギューとして、ドドーンとやればいいんだ!」
「こうキュピーン!って感覚よ!時が見えればいいのよ」
「右腕を左に15度曲げて180度ターンですわ!」
「君ならできるよ(笑)ほら、しっかり(笑)」
「箒も鈴もセシリアも説明が分からねぇ!てか霖之助、テメー適当言ってるだろ!」
「アハハ……」
放課後、俺はアリーナで皆に教えられるながら特訓をしていた
「ところで霖之助、前の時のヤツに文句言いたいんだが、あとから知ってくっそ恥ずかしかったんだぞ」
「効果があったんだからいいじゃないか、それより君の動きは射撃への動き、つまりは避け方に問題はありそうだ、デュノア君、手を貸してくれないかい?」
「いいけど何をするの?」
「それはゴニョゴニョ」
「えぇ……大丈夫それ?」
「まぁ大丈夫だろう、最大限安全に気を付けるし」
ちなみに今霖之助が使ってるのは量産型のラファール・リヴァイヴだ
曰く「打鉄の方が性に合うがラファールの方が特訓に向いてるだろうしね」とかなんとか
「じゃあやろうか、こういうのは彼女たちの領分だが今回は特別だ」
「やるってなにを……」
瞬間
霖之助の機体は6本足になって4門のガトリング砲を携わった
「なにそれ」
「これはクアッド・ファランクス、ラファール・リヴァイヴ最大の攻撃力を誇る武装さ、僕の攻撃に合わせてくれよデュノア君」
「もう!一夏ごめんね?」
「ちょ……」
「見様見真似『弾幕STG』!」
4門のガトリング砲による銃撃の嵐が俺を襲う
「さぁ、一夏!これを5分間避けて一太刀入れたまえ!」
「無理無理無理無理ぃ!こんなの5分どころか1分も持つか!」
「ホラホラ僕の攻撃を避けるのもいいがデュノア君にも気を付けなよ?」
「え?」
見るとシャルロットが一際大きなミサイルを俺に向かって撃った
「うそぉ!?ガトリング四つでも避けるの無理なのに避けれるかぁ!」
「落ち着いてくれ一夏、弾幕をよく見るんだ!君のこれまでの動きと合わせれば問題点はおのずと分かるだろう?」
弾幕を……?
言われてよく見る
(……ん?)
四門のガトリングは俺に向かって撃ってるわけじゃなく上下左右への移動を遮る壁のように撃ち続けているのが分かった
その壁はどんどん狭まっていくように見える
そしてシャルロットのミサイルだが
(これは俺に向かってまっすぐ飛んでる……?)
つまりガトリングで動きを封じ、ミサイルを当てるのが霖之助たちの思惑だ
近づけば弾幕は濃くなり避けるのは困難、遠ざかればガトリングの密度は低くなり避けやすくなるかもしれない
だけど遠ざかれば攻撃できない
いや……違う
(これが問題点か!近距離型だからってただ近づくのはダメなんだ!)
白式は雪片一本しか武器が持たず必然的に近づかなきゃ攻撃することができない
その為に俺は攻撃するのに近づいていたがその動きは相手に向かって一直線に移動するだけだった
(だからここは一度距離をとる!)
距離を取りまた弾幕を見る
(上方向の弾幕の薄い?だったら!)
ミサイルをギリギリまでひきつけ、タイミングを読んでガトリングの弾を避けつつ上方向に上昇する
(いまだ!ここでイグニッション・ブーストを使って距離を詰め……)
その瞬間
___ガトリングの弾幕の中に青い突起物があることに気づいた
「「うわぁ……」」
篠ノ之と鳳が同時にそんな感想を抱いた
「ハッハッハ、問題点は改善したがまだまだだね一夏、一つだけ避けやすそうな場所というのは警戒するべきだ」
「いや待てウェイト、なんでブルーティアーズがあそこにあるんだ」
「それはプライベートチャットで僕がオルコット君に頼んでおいたんだ」
「そのすみません一夏さん……」
そういってオルコットは頭を下げた
「いや今のは森近が全面的に悪いと思う」
「ほんといい性格してるわよねアンタ」
「失敬な僕は一言もデュノア君と僕の攻撃だけとは言ってないよ。まぁ大人げない自覚はある、お詫びに今度の昼食奢るで手を打たないかい?」
「Aランチ大盛な」
「あ、私ラーメンセット!」
「いや鳳君には奢る理由ないじゃないか」
「ちぇー、あと私の事鈴でいいわよ。私も霖之助って呼ぶし」
「おっ、折角だし皆名前で呼び合っていいじゃないか?」
「まぁ、一夏もそういってるし、私も箒でいいぞ」
「わたくしもセシリアでいいですわ」
「えっと僕もシャルロットでいいかな?デュノアで呼ばれるの少し苦手で……」
「そうかい?ならこれからはそうしよう」
そうやって談笑するなか
「織斑一夏!私と戦え!」
そんな声がアリーナに木霊した
「あれってドイツの専用機?」
「ロールアウトされた噂は本当なんだ!」
そんな野次馬の声を聴きながら先ほどの声の主を見る
(あいつがラウラ……)
ドイツの代表候補生であり、そして一夏へ恨みを持つ少女
「断る、俺はお前と戦わない」
「お前に無くても私にはある、貴様さえ居なければ教官は今頃……」
「ふざけないで」
ラウラの言葉に私は反応した
「私にある……?あんたが千冬さんをどう思ってるのか知らないけど一夏に当たるのは筋違いよ」
「それは……!?」
突然ラウラはうめき声をあげ蹲った
「……違う、そいつが弱いからだ、弱いのがいけないんだ!」
(……?なんだろ、この子……)
「消えろ!」
突然ラウラは肩のレールカノンで一夏を撃った
「おっと、それは看過できないね」
霖之助が闇照の待機形態である剣でその攻撃を受け止めた
「霖之助、すまん」
「いいさ、それとラウラ・ボーデヴィッヒ、そんなに一夏と戦いたいなら次の学年別個人トーナメントで戦えばいい。闇討ち同然の勝利で君の教官に誇れるのかい?」
「……良いだろう」
ラウラはISを解除してアリーナを去った
「学年別個人トーナメントか……セシリアや鈴にリベンジできる機会だな」
『それなんだがどうやら今年度の学年別個人トーナメントはタッグマッチらしいぜ?』
ふとセシリアと目が合った
(一夏さんと組むのは私ですわ)(あら、ここは幼馴染の私がやるべきでしょ?)(あら近距離型と遠距離型、私の方がISのバランスがいいですわ)(ちくわ大明神)(テスト段階のブルー・ティアーズよりも甲龍との方が安定するわよ)((というか誰だいまの))
そんなアイコンタクトで通じ合っていたところ
「なぁ、霖之助タッグ組まねぇか?」
まぁ、予想の範囲内である一夏ならそういうだろうと思ってたし
「それなんだが、僕は一夏と組むつもりはないよ」
「うん?なんでだ?」
「理由はいろいろあるが……一番は君とまともに戦う機会だからさ」
「あら意外ですわね。霖之助さんそういう戦うの嫌いそうですのに」
確かに私もそう思う、なんとなくだけど苦手っぽい
「確かに荒事は苦手だが、こういうときくらいはそういうのも悪くないと思ってね」
「へぇーじゃあ誰と組むかは決めてるのか?」
「いや?というより立場的に誰かを選ぶと面倒な事になりかねないしね」
『自分で決めないなら最終的に抽選になるらしいしな』
「うーむ、霖之助以外ならだれと組むか……」
「一夏、私と組みなさい!」「一夏さん、私と組みませんこと?」
時間がたてば一般の生徒もタッグトーナメントの概要をしる、そうなると競争率が高くなる
「鈴とセシリアか……俺的にはリベンジしたい相手だしなぁ……」
いつもなら一夏は大抵最初に誘った奴に即答で「いいぜ」とかいうのだが、珍しく歯切れが悪い
とはいえこういう男だという事は嫌と言うほど知っている、相手が女性だからとかそういう事と関係なく負けず嫌いな所は昔から変わらない
「トーナメントまで一週間、じっくり考えたらいいさ」
チャイムが鳴る、今日のアリーナでの特訓は終わりを告げる合図だ
私は一人放課後の剣道場で黙々と竹刀を振る、だが今の私の頭には素振りとは違った事を考えていた
(タッグトーナメント……一夏と一緒に出たい……だが専用機を持たない私を一夏は選んでくれるだろうか?専用機持ちなら鈴やセシリア、それにシャルロットも私よりも戦力となるはずだ)
三人の事を思い浮かぶ、鈴は私ほどではないが一夏との付き合いの長さによるコンビネーション、セシリアは遠距離型によるバランスのいい組み合わせ、シャルロットは柔軟なフットワークでの連携
恐らく誰と組んでも一夏は良い結果を残す
(それにまたあの無人機が来たら?)
あの時乱入した無人機が私が感じた通り私を狙っていたのなら
(私は誰とも組むべきではないかもしれない)
でも
(もしも一夏が他の誰かじゃなく、私を選んだのなら、私を選んでくれたのなら)
「うれしいな……」
ポツリと出た独り言に気づいて私は我に返った
「いかんいかん、素振りの時に雑念など、これでは篠ノ之流の名折れだ」
そう思い気分転換に剣道場を出ようとしたとき外が騒がしくなっていることに気づいた
「どうしたんだ?」
外に出るとクラスメイトの布仏本音と目が合った
いつもはのほほんとした少女だが今の彼女は荒立ててる様子で何か嫌な予感を感じてしまう
「あ、しののん!?大変なのリンリンとセッシーが!」
保健室の一室を走る
息を切らし無我夢中に
目的の場所の扉を開けて中を見る
「大丈夫なのか!?鈴、セシリア!」
そこには怪我によってベットに寝ている鈴とセシリアの姿だった
「イタタ、箒少し静かにできない?」
「す、すまない、でも大丈夫なのか鈴!」
「どうってことないわよこんな怪我……っ!?」
「安静にしておくんだね鈴、ISの
霖之助が横から鈴に忠告してくる
「霖之助、鈴たちは何でこのような怪我を」
「発端は不明だがラウラ・ボーデヴィッヒと鈴とセシリアが戦った結果だ、戦闘不能後もラウラ・ボーデヴィッヒが攻撃を加えたところを一夏が止めに行ったんだ」
「発端なんて些細な物よ、ただ一夏の事を何も知らないくせに一夏を馬鹿にしたことが許せなかっただけ」
一夏がうつむいてる、一夏はおそらく自分の名誉の為に鈴とセシリアが傷ついたのが許せないのだろう
『保険医の話によると全治は一週間、トーナメントには参加は無理となるだろうってさ』
「そんなことないわよ、こんな怪我一日で治すから!だから一夏は気にしない!」
「だけど……鈴がそうなったのは……」
友達が傷ついて、それが自分のための行動で、その傷つけた相手の目的が自分だと
一夏は自分のせいだといいたげな顔をしているのを見て
もしも、私が一夏と同じ立場なら同じ顔をしていただろうなと感じていた
「……ハァ……自分が悪いって思ってるなら一夏、次のトーナメントで箒と二人でラウラに敵討ちしなさいよ」
「え?」
「あんたたち、まだパートナー決まってないんでしょ?ちょうどいいじゃない?」
「……いいのか?」
それは何に対しての問いなのか私自身にも分からなかった
「えぇ、よくよく考えたら一日で怪我直しても千冬さんは絶対参加を認めないだろうし、それに……」
鈴が少し逡巡した後口を開いた
「あんたは私の友達なんだから、そんな顔しないの」
「鈴……」
「その代わり、負けたら承知しないんだから!」
鈴が手を差し出す
「……あぁ!」
私はためいらなくその手をつかんだ
保健室を出た私は一夏をまっすぐ見つめた
「一夏、頼む一緒に戦ってくれ!」
そこに先ほどの剣道場で思案した雑念はなかった
ただ単純に友達の為の思いが私の胸を満たしていた
「箒……わかった。一緒に戦おうぜ!」
トーナメントまであと6日間、私と一夏の特訓が始まった
「特訓に手伝わせて悪いなシャル」
「いいよ、二人とも真剣なんだもん、絶対勝ってよね」
「「あぁ!」」
そしてトーナメント当日がやってきた
「箒、大丈夫か」
「あぁ、大丈夫だ」
ラウラとの決戦が近くなる
「俺たちはラウラと戦うわけだが」
「ラウラにもパートナーがいるはずだ、いったい誰に……」
電光掲示板にトーナメント表が表示される
「……え?」
「……嘘だろ?」
そこにあったラウラのパートナーを見て絶句した
【ラウラ・ボーデヴィッヒ&森近霖之助】
表示されたのはそんな表だった
「……さすがに今日は僕の不運を呪うよ」
『冷静に考えれば抽選になればこの結果になる可能性があるのがわかるだろうに、肝心なところで疎かになるなお前は』
「全くだね、彼女の態度で特定のパートナーが決まるはずがなかったよ、まぁでも……」
「直接対決は
ザルバ「ドス黒い悪意が学園をめぐる
少女を蝕む毒が徐々に牙をむく
次回『暗躍』
そして静かに状況が悪化する」