インフィニット・ストラトス~アイズ・オブ・ソウル~   作:真神牙

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第九話 一夏

遠目に見えていたはずの織斑一夏が突然目の前に現れ攻撃してきた

「くっ!?なんだこのスピードは!?」

あまりの速さにこちらの対応が遅れる

「___■■■!」

こちらに飛び掛かってくる先ほどと違い黒くなったISを纏う織斑一夏

「舐めるな!」

応戦するため停止結界___AICを起動するが

「チィッ!速すぎてAICが追い付かない!?」

AICの弱点、つまりは強く相手を意識する関係上発動のタイムラグが生じる

普段なら特に気にならタイムラグだが、今はその弱点を突かれている

「______■■■■!」

人の言語とは思えない咆哮でこちらを狙う織斑一夏

(くそ、なんだこれは!!なんなのだ一体!!!)

想像しなかった劣勢のまま、刻々と時間が過ぎて行くままであった

 

 

 

≪聞こえるか森近≫

通信で聞こえたのは厳格だがどこか焦りを見せた声だった

「織斑先生?一夏のアレは一体……」

≪わからん、だが可能性は一つある、しかし……その可能性はありえないはずなんだ≫

「それは?」

亜種形態移行(オルタナティブ・シフト)……二つのISコアによる拒絶反応による暴走形態、その現象に酷似している≫

「何?」

二つのISコア?それはおかしいじゃないか?

「待ってくれ。白式に二つのISコアはないはずだろう?」

≪あぁ、だがそれ以外説明がつかん。かつてISの実験においてデュアルコアシステムは研究されていたがISコアの人格データ同士の衝突と搭乗者のバイタルが不安定になった瞬間暴走する事件があった、それ以来ISにはコアを二つ以上使う事は禁じられいる≫

「一つだけ聞かせてくれ、アレは止まるのかい?」

≪エネルギーが0になれば止まるはずだ、だがISコア二つ分のエネルギーが存在する以上その内部エネルギーも莫大だと思われる≫

そうやって一夏を止める手立てを考えていた瞬間

「ふ、フハハハ!捕まえたぞ織斑一夏!」

見れば翻弄されていたラウラがわざと攻撃を受け、その間に無理やりAICの効果範囲に押しとどめていた

「これで終わりだ!」

肩のレールカノンを一夏に照準を合わせる

「_______■■■」

先ほどまでの咆哮と違う何かを唱えるような声が一夏から聞こえた瞬間

「___え?」

一夏は姿を消した

「な!?どこに……!?」

消えた一夏を探そうとするがその隙にラウラの背後から一夏の蹴りが迫る

「馬鹿な!?停止結界中に動けるはずが!?」

普通なら物体の動きを止めるAICを受けて動けるはずがない

ならばあれは、動かずに動く行動手段____

「あれはまさか……単距離ワープなのか!?」

「____■■■■■!」

「ガハッ!」

一夏がラウラを吹っ飛ばす、ダメージ量が限界に近いのかラウラのISはボロボロだ

「___■■■」

ボロボロのラウラに追い打ちをかけるかのようにストンピングを仕掛ける

___普段の一夏ならやらない行為だ

「ぐぅぅぅぅあぁぁぁぁ!」

ラウラが苦しみだすと同時にラウラのISが溶け出すかのように形状を変え……

「_____ダメだ!」

今まで人の言語でなかった咆哮だった一夏の言葉が鮮明に聞こえた気がした

そして形状を完全に変える前にラウラのISからISコアを引きはがし投げ捨てた

「_____?私は一体……」

(今のは……ラウラの精神操作の元凶か?ならば今のラウラと一夏に戦う理由は……)

「!?___■■■!」

悶えたような一夏が地面に刺さった雪片弐型を手にしラウラに迫る

(まずい!今のラウラに雪片で斬られたら……)

迷う暇はない

「来い!闇照!」

僕は漆黒の鎧を見に纏い一夏とラウラの間に立ちはだかった

「え、森近!?」

「ラウラ、君は早く避難してくれ、彼は僕が食い止める」

対峙している一夏を見つめる

「今の君は力に飲み込まれている、目を覚ますんだ!」

「■■■■!」

≪マスター、織斑一夏の白式は暴走状態です、このまま戦いますか?≫

「いや、あれが道具によって引き起こされた現象ならば、僕がそれを取り除く」

前に言った裏技を使うときが来た

「闇照、君にIS教本の用途を()()()()、操縦を変わってくれるかい?」

≪了解、マスター≫

僕の能力「道具の名称と用途が分かる程度の能力」はもう一つの側面がある

それは道具から用途を抽出し、他の道具に溶かすことができる能力だ

例えばマイナスイオンを発生するという用途を持つ空気洗浄機はその用途を抽出しミニ八卦炉に溶かしたりできる

今僕はISの教本の用途である「ISを上手く操縦できるようになる」という用途をISそのものに溶かした

これによりISがIS独自に上手く操縦する事ができるようになる、自分は何もせずとも操縦してくれて楽ができるようになる僕だけができる裏技だ

『何をするつもりだ森近?』

「今から白式の道具の世界に侵入する、そこで原因を突き止める」

そうこれは僕にしかできないことだ

操縦が変わり闇照の動きが変わる

「______■■■!」

闇照に反応する一夏

≪攻撃パターンを予測、先ほどの戦闘データの分析から有効な戦術を選択≫

一夏の反撃を闇照が自動的に回避する

≪ターゲットを中央に固定…≫

闇照はマフラー型の多節鞭『ディバインフレイム』で一夏を拘束する

≪円の動きで追いつめる≫

そのまま円を描く動きでディバインフレイムで縛り

≪単距離ワープを行わせる前に一点突破をしかける≫

縛られた一夏が暴れだすがその前に闇照が接近し終える

≪今ですマスター≫

「でかしたよ闇照」

一夏に手を伸ばす

「さぁ、白式……君と対話しよう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_____白い/黒い空間だ

そんな矛盾する感覚が浮かぶ

「おかしい、なんだこの記憶は」

今まで道具の記憶をたどってもこんな感覚は初めてだった

_____虚無/怒り/悲しみが混ざる

「これは……複数の記憶が混在している?」

瞬間、先ほどと違い鮮明な空間に出る

『こいつが■■■■なんだな?』

二人の女性が子供を見ている

『えぇ……■■■■に気づかれる前に早く済ませましょう』

気を失っているのか眠っている子供に見覚えがあった

「……一夏なのか?」

ならばこれはモンドグロッソの誘拐時の記憶なのか?

……いやおかしい、そんな筈はない

僕は白式の記憶をたどった筈だ、白式から一夏の記憶が見えるはずがない

『これ以上入り込むな!』

「!?」

誰かからの声を聴いた瞬間また別の空間に出る

_____先ほどと変わり澄み渡る青空の空間だった

湖には二人の少女と眠っている一夏が居た

一人は白いワンピースを着てもう一人の子を止めようとしていた

そしてもう一人黒いドレスを着て怒りに顔を歪ませていた

『邪魔をするな白式!』

『一夏はそんなの望んでない!森近さん!レイを止めて!』

レイと呼ばれた少女は白式と呼ばれた少女を突き飛ばしこちらをにらんだ

『貴様も!ラウラも!一夏を傷つける者はすべて敵だ!』

青空だった空間がヒビ割れ黒く染まりだす

ひび割れた亀裂に気を失っている一夏と僕が落ちていく

「一夏!」

無意識に手を伸ばした瞬間急激に元の世界に戻る感覚に陥った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「____今のは……!?」

意識を覚醒させ周りを見た時一夏に異変が起こる

「______■■■■!!!!!!」

雪片を天に掲げ咆哮する

零落白夜……ISの最大の攻撃手段であるそれは普段行われているリミッターをも解除した状態で起動された

アリーナをも覆い潰すような巨大な剣のようにエネルギーを放出し振り下ろされる

(まずい……!まだアリーナには避難していない観客が大勢いる!アレがそのまま振り下ろされたら被害が!)

考えてる暇はなかった

「闇照!ゴールドストームだ!ザルバ!闇照とコアをリンクしてくれ!」

≪了解≫

『わかったぜ!』

漆黒の鎧から金色の鎧に姿を変える

(ゴールドストームはいわば纏う零落白夜!こちらもリミッターを解除しぶつかり合う事でエネルギーの対消滅による相殺するしかない!)

I()S()()()()()()()()()()()()()()()()()

「_____■■■!」

巨大な振り下ろされる漆黒の一撃に金色の剣がぶつかる!

「ぐぅぅぅぅ!?」

地面に足がめり込む

≪ゴールドストーム限界時間残り60秒≫

(まだか!?あれほどのエネルギーだ、耐えれば停止するはずだ!)

≪残り30秒≫

「うぉぉぉぉぉぉ!」

制限時間が刻一刻と過ぎて行く

≪残り10秒……9、8、7、6、5、4、3、2……≫

残り僅かな瞬間、先ほどまで感じた力を感じなくなった

≪1、0……ゴールドストーム活動限界です≫

金色の鎧が漆黒に戻る

「ハァ……ハァ……終わったのか?」

一夏を見れば黒い白式が静止していた

「______■■■!」

だが再び動き出し雪片を掲げ零落白夜を起動する

(なっ……!?馬鹿な、あれほどのエネルギーを何処から!?いやそれよりももう耐えられる手段がない!?)

そのまま振り下ろそうとしたその時

「一夏ぁ!やめてぇ!」

ラウラにやられ気絶していた箒が一夏を止めた

「________ほ、う、き」

黒い白式が元の姿に戻り一夏が倒れる

___アリーナ全体に思い沈黙が流れる

『観客の皆様にお知らせします。ただいまトラブルにより大会を一時中断とさせていただきます、職員の指示に従ってください、繰り返します……』

僕はそんなアリーナ内の放送を聞きながら意識を手放した




ザルバ「戦いが終われば安息は訪れる
    今はただこの静寂に身をゆだねよう
    次回『安息』
    いつかはそれも終わってしまう」
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