提督に憑依して自身の体を持ち主に返そうと四苦八苦する話(の予定)   作:n番煎じの戦闘員

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知ってた?これ勘違い系青春ラブコメなんだぜ?(俺は知らんかった)

堅苦しい三人称みたいな視点ですが、次話以降はもっと崩すから…(許して)

(シリアス嫌いな方は先に次話を読んでも問題)ないです。ちょろいん川内ちゃんをお楽しみ下さい。初投稿です。


2話 防波堤にて(川内side)

──私は、提督が苦手だ。

 

 

 

「あっ……」

「ん?」

 

 

 

私が鎮守府の端にある防波堤に来たのは、ただの偶然だった。

 

夜戦演習から帰投した私達二水戦は、暫しの休息が与えられ、妹達はもう既にベッドで寝ている頃だと思う。でも私だけ、横になっても中々寝つけずにいて、こうして外を彷徨うように歩いていた。理由は簡単、今回の演習で私は失態を晒してしまったから。

 

最初は、些細で単純なミスでしかなかった。でも、私はそこから盛り返そうと焦ってしまい、前に出過ぎて被弾。それ以降も悪循環のように普段はしないような失敗が続いてしまっていた。

神通や那珂からは「気にしていない」と気を遣われたけど、もし今回が実戦だったら…と考えるとゾッとして眠れなかった。

 

 

☆☆☆

 

 

無意識の内に人気のない場所に向かっていたのか、気づけば私は人気のない防波堤の端を歩いていた。

眩しい朝日のせいか、それとも寝ぼけていたのか分からないけど、その時私は防波堤に先客が居るのに気づかなかった。

 

 

 

先に居たのは…何時もの軍服ではなく、私服の様な服を着た提督だった。

 

 

 

──この鎮守府の提督は、優秀な仕事人として有名らしい。

でも、それはあくまで外から見た場合で、私達艦娘からはあまり好かれている訳ではなかった。

確かに仕事はできる人だと思う。艦隊の指揮は的確だし、咄嗟の事態にも即座に判断を下せるし、部下の艦娘の発言にも耳を傾け、取り入れてくれる…有能な提督なのは間違いない。

 

…だけど、艦娘との接し方が「艦娘は兵器」というスタンスを変えることはなかった。仕事以外で艦娘と会話するようなことは一切なく、顔を合わせることすらない。

ふだんから執務室か私室に籠もっている人で、艦娘の方からアプローチしても応じることはまずなかった。

私も提督の私室に行ったことはあるけど、「用件は何だ。無いなら去れ」とドアも開けずに拒絶を言い放たれ、何も言えず撤退したことがある。

それに対外的に「艦娘は兵器だ」と明言していて、それが理由で提督を嫌う艦娘も多かった。

私も「兵器以上の価値はない」と言われている気がして嫌だった。

 

 

 

 

 

──だからだろう。執務室の軍服姿の提督以外見たことがなく、驚きで固まった私が更なる驚愕と困惑に包まれることになったのは。

 

私の声に提督が反応して振り向くと、一言呟いた。

 

「川内か」

「っ!?」

 

緊張で強張っていたため咄嗟に声が出ずに、思わず引きつった声を漏らしてしまう。

 

 

……提督から名前を呼ばれるなんて初めてなのでは??

ふだん、提督が艦娘を名前で呼ぶことはなくて、あるとしたら艦隊指揮の書類上に書かれるくらい。呼び掛けるにしても「川内型1番艦」のように、名前で呼ばれたことはなかった。「名前を覚える気はない」と前に言っていたし、てっきり私も覚えられていないと思っていたけど……

 

「…何だ?違うのか」

「えっ!?」

 

訝しむように提督に言われ、私は慌てて返事をする。

 

「い、いえ川内で合って…ます。え、えっと……おはようございます?」

 

なんて言えば良いか分からず、ただの挨拶が何故か疑問形になってしまう。

と、急に提督が吹き出して、

 

「ぷっ…クク…何だそれ。いつも通りの口調で良いぞ」

「い、いつも通り?」

 

提督から「いつも通りの口調」と言われて困惑する。

そもそも、提督と話したことなんて数える程しかないし、いつも通りってことは…ふだんの、他の艦娘に対する口調?

 

私が考え込んでいると…提督はハッとしたように口を閉じ、俯いて無表情になって言った。

 

「あ…いや、何でもない。忘れてくれ」

「……」

 

それを聞き、私はさっきの会話が()()()()()()にされると感じ、それが何故か無性に嫌で、衝動的に口を開いた。

 

「け、敬語で話さないでいい…ってこと?」

「…あぁ。そうしてくれると有り難い」

「なら、『いつも通りの口調』にするね」

「……助かる」

 

…どうやら、この思い切った行動は成功したっぽい。

内心、拒絶されるんじゃないかとヒヤヒヤしてたけど、提督は受け入れてくれ、ホッとしたように溜息を吐いた。

 

そのことに、私はどこか幸福を感じているような気がして……その原因を探ろうと、私は提督に話しかける。

 

「提督はさー、なんで防波堤に来たの?」

「…自室から見た海が綺麗だったもんで、間近で見たくなって碌な着替えもせず飛び出してきた」

「えー何それ。でも…確かに。キラキラしてて綺麗だね」

 

夜の海は好きだけど、こんな海も嫌いじゃない…。

そう思えるくらい、ふだん見ている海が、なぜか一層輝いているように感じた。

 

互いから目を海に向けて、しばらく無言の空間が広がる。でも、それは今までとは違い、それは居心地の良い沈黙だった。

 

 

 

ふと、今度は提督が訊ねてきた。

 

「そういや、川内の方はなんで防波堤に?」

「あ…、それは……」

「…言いたくないなら言わなくて良いけど」

「……ううん。やっぱり聞いてくれる?」

「あいよ」

 

……元々、この失敗は誰にも相談する気はなかった。

 

けれど、目の前の綺麗な海や、居心地の良さに背中を押されるようにして、私は提督に夜戦演習の出来事を話し始めた。

 

 

☆☆☆

 

 

私が話している間。提督は終始無言で、けれど真剣な顔で聞き込んでいた。

話し終わると、たった一言。

 

「そうか」

 

と言ったきり黙ったまま。

でも、それは真剣に考えてくれるのが判って、安易な慰めの言葉を言われるよりは、よほど嬉しかった。

 

 

「……逆に考えるべきなんじゃないか?」

「逆?」

 

考えが纏まったのか、提督が話し始める。

 

「そ、『実戦だと思うとゾッとした』じゃなくて、『演習だから何も無かった』って」

「でも、それだと…」

「改善しないって?だから、加えてこう考えるんだよ『実戦前に判って良かった』ってさ。

実戦前に気付けたんだ。なら今から改善したら実戦までには間に合うだろ?それに、恐らくだけど川内はミスに慣れていないんだ。なら敢えてミスを犯して、立て直す練習もありなんじゃないか?」

「………」

 

…たぶん、ここで提督に相談せずとも、この失敗からは自力で立ち直れたと思う。

でも……それでも、提督の真剣な表情を見つめていると……私は、ある感情を自覚してしまいそうになるのを感じた。

 

もう既に、失敗したことなんてどうでも良くなっていた。

 

 

☆☆☆

 

 

「ありがとね、提督っ!相談に乗ってくれて」

「元気が出たようで何より」

 

あの後も会話を続けていると、気付いたらもう昼近くになっていた。

…もっと居たいけど、もう妹たちが起きてるだろうし、提督も忙しい筈…。これ以上迷惑をかけたくないし、私は部屋に戻ることにした。

確定じゃないけど、また会う約束も既にしている。

 

「うん。それじゃ、ちょっと夜戦に行ってくる」

「その前にちゃんと寝ろよ?昨日からまだ寝てないんだろ」

「はーい。提督、またねっ!」

「また後で」

 

また提督と会話できる。

その事実が純粋に嬉しくて、それは今までとは逆の感情なことに気づいて苦笑いしてしまう。

 

「どうした?」

「ううん、何でもない。…さっきの件、よろしくね!」

「あいよ、任された」

「それじゃ!」

 

部屋に戻る足取りは軽く、こんなにも夜が楽しみなのは久しぶりだった。

 




女性の気持ちなんてわかるわけないやん?たすけて


随分変わったけど、一番変わったのは、自分の提督に対する心情だろう。

──私は、提督のことが














【至極どうでもいい裏設定】

艦娘の失敗なんてありふれてるだろ!と思われるかも知れませんが、川内ちゃんは元々ハイスペックなせいで失敗に慣れていなかったんです。

チョロすぎね?と思われるかも知れませんが、元々提督は(性格を抜くと)優秀な人で、川内は尊敬していて、でも碌な会話ができずモヤモヤしてました。しかし、本当は艦娘思いの優しい提督と気づき(ただし勘違い)、普段とのギャップでやられました。安直?それが良いんだyo

艦娘視点は元々苦手なんで、不評だったら消してしまいましょう(隠滅)


【オマケ】

短いし、地の文書くのが面倒くさかった。敢えて(かっこ)を無くしてるので、両者の内情は想像で賄いましょう。

いつものイメージ

「今の提督ってさ、いつもの提督とだいぶイメージ違うよね」
「え?マジ?」
「うんマジ。口調柔らかいし、服も私服だし」
「……普段の提…俺のイメージってどんな感じ?」
「えーと、ざっくり言うと…」

~説明中~

「…ってイメージかな」
「マジかよ……」
「そ、そんなに落ち込むんだ…」
「まぁ……知らなかったし…」
「へー…『艦娘は兵器だ』って明言してたし、わざとだって思ってた」
「明言しちゃてたのね…俺…」
「えっ!?無意識だったの!?」
「無意識というか…どうしようもなかったというか……」
「どうしようもなかった?それってどういう…」
「はぁ…でもまぁ、能力も無しに偉そうなこと言う奴よりは────それ俺じゃん…さっきの俺じゃん………」
「提督っ!?そっちは海だよ!?」



名探偵神通

「ただいまー」
「…川内姉さん」
「ごめんごめん。気晴らしで外歩いてたら遅くなっちゃった」
「…もう大丈夫そうですね」
「うん。うじうじ悩んでても仕方ないからねー。切り替えることにしたよ」
「…流石姉さんです。それにしても、随分と機嫌が良さそうですね?」
「やっぱ分かる?今夜もまた夜戦できることになってさー」
「…となると、大淀さんですか?」
「えっ?」
「…鳳翔さん、大和さん、金剛さん、赤城さん、翔鶴さん」
「じ、神通?どうしたの?」
「…反応なし。もしかして…提督さんですか?」
「えっ!?」
「…姉さんは提督を避けてましたし…提督から近づいて?少し想像できませんが、親身に相談されたのでしょうか」
「そ、そうだけど…」
「…もしかすると、その夜戦演習は提督もいらっしゃるのですか?」
「な、何でそれを…」
「…少し、調査が必要ですね」
「怖い…妹が怖い…」



Q、勘違いなんてあった?
A、あったよ(怒り)
Q、なんで川内?
A、趣味です
Q、神通ちゃんって病んでる?
A、純粋な姉妹愛です(目逸らし)
Q、次は誰?
A、神通が言った中の1人です

艦娘視点 要る?

  • いる
  • 別に
  • 一話にまとめて
  • 何でもいいから続きくれ
  • むしろ、あえて敵視点はどう?
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