戦艦「…ヲ級ちゃんが帰って来ないのぉ?」
ヌ「はい、先に我々がやられてしまったので見ては居ませんがあの攻撃です。間違えなく回収も済ませていると思いますが…」
戦艦「潜水哨戒部隊、どうだったかしらぁ?」
カ「個体“空母ヲ級”未確認です。
潜水「それに…戦艦棲姫…いちいち私の部隊を……使わないで貰えるかしら」
潜水棲姫は戦艦棲姫の独断で自身の艦隊を動かされる事を心良く思っていなかった。
実際何度も沈められ、帰還する者が居たからであり、艦隊運用も出来ない奴に幹部を名乗って欲しくないのが事実だった。
戦艦「ごめんなさぁい、潜水棲姫ぃ…貴方の艦隊が一番練度が高いから安全なのよぉ」
戦艦「しっかし…困ったわぁ、
潜水「…?あんな量産型…代わりは沢山…あるじゃないの」
戦艦「それがあの子ぉ、どちらかと言ったら量産型じゃなくて
潜水「…は?、何を言ってるんだお前は…」
戦艦「あの子が深海に落ちて来た時適正チェックをしたのよぉ、結果はなんと『姫適正』持ち。しかも私の10倍以上のポテンシャルを秘めているみたいでねぇ」
戦艦「もしかしたら
戦艦「私、すっごい期待してたのよぉ〜、そうしたらあの子すっごい暴れちゃってぇ…」
潜水「
かつてヲ級ちゃんの前世は深海棲艦を脅かす悪魔のような存在だった。
ある日ヲ級ちゃんがミスをし、その隙を狙った姫級の攻撃でやっと沈められたのだ。
彼女を沈める為の犠牲は3万を超える、復活できるからとは言え仲間が殺されるのは快いものではない。
戦艦「そうそう。そんな子を止める事もできないからぁ、ヲ級さんを強制連結させて“記憶の全体消去“をおこなったのよぉ…全部離島棲鬼の独断だけどねぇ」
潜水「…離島棲鬼の判断は……間違ってはいないと思うけどね」
離島棲鬼は暴れるヲ級に無理やり艤装を連結させる事によりその記憶を破壊した。
戦闘経験も、かつて深海棲艦を屠って来た記憶も、仲間達との思い出も。全てを失ったヲ級はこうして深海棲艦へ着任した。
戦艦「その通りよぉ。あの判断が無ければ私達全滅も有り得たんだから感謝はしてるわぁ、ただ倫理観ってものがあってねぇ」
潜水「我らにそれを求める…貴様がお人好し過ぎるだけだ…愚かね」
戦艦「むぅ、そこまで言わなくても良くないかしらぁ?」
ヌ「では、如何致しましょうか」
戦艦「もし
戦艦「彼女は生存して、何処かに居るはずよぉ。総員ヲ級ちゃんの回収に向かいなさぁい?」
ヌ「了解致しました、しかし我らだけではあの艦隊に勝てる気がしないのですが…」
戦艦「それなら問題無いわよぉ、ヲ級ちゃんの穴を埋められるくらい強い子が
戦艦「さて、紹介するわねぇ。”戦艦ル級“よ。」
左目から放たれる蒼の光、右目は元の姿と同様に赤く染まっている。
離島棲鬼が施した進化はとてつもない結果を生んだ、ル級自身の練度が限界値を超越していた事も含めて恐ろしい程の深海細胞による侵食が行われた。
そして生まれたのは今までに前例の無い”ル級改flagship“。その火力は戦艦棲姫を凌駕し量産型と言う範疇を大きく超越していたのだった。
ル「…よろしくお願いします」
ル「ヲ級…待っていろ。必ず、この私が探し出してやる」
…ル級は深海細胞に侵食されながらも、ヲ級を忘れる事が無かった。
ル級にとってヲ級は唯一の親友であり、心を許せる者だった、だからこそ辛かったのだ。
彼女は薄々気づいていた、ヲ級と自分には大き過ぎる差がある、それは才能。
決して埋める事が出来ない才能の差はル級の心を大きく歪めてしまうのかも知れない。
だけど彼女は折れる事も無くやってみせた、誰も辿り着いた事のない場所まで努力だけで辿り着いた、才能の差があろうとも、努力は才能を上回る事もある。
ヲ級が天才なら、ル級は秀才なのだろう。
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離島棲鬼はそれを知っていた。強くなる為に、努力していた事を。
離島棲鬼は”そう言う事例“を一度だけ見た事がある。努力しても埋められない大きな差がある事も知っていた。
だからこそ真剣なル級を離島棲鬼は『例外』として彼女を改造したのだ。
かつての「ソレ」とル級を重ねてしまった、離島棲鬼なりの償いなのかも知れない。
それでも、定着するかは
他の姫がどう言う評価を下すかは誰も知らない。だが離島棲鬼はル級かヲ級かと聞かれたのなら間違えなく、ル級を選ぶのだろう。
離島「そうか、もう出撃するのね」
離島「…貴方なら何でも出来るだろうね、だって」
離島「”かつての私が“なし得なかった事を、なし得たんだ」
離島「居場所を捨てる事も無く、友を守る為に」
一人、そう呟く彼女の瞳に涙が溢れていた。
ヲ級ちゃんは工廠で縛られてます
ヲ級ちゃんに対して提督達は何を求めますか?(2月1日まで)
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ガチバトルしてほしい
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艦娘と仲良くしてほしい
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姫様番外編やってほしい
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ル級となんかしてほしい
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ヲ級のゲーム実況して