GAMERA ガメラ2   作:AS365

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共闘

サンフランシスコ

トランスアメリカピラミッド

SEALsは目的地に到着したが、トランスアメリカピラミッドにはまだ雌レギオンが草体に卵を産み付けており、迂闊に近付けないため、SEALsは見つからないように一旦車や建物の影に隠れた 。

「…………?」

ニックは後ろに気配を感じ、振り向いた。

その後ろでは霧の様に舞った粉塵に巨大な影が映っていた。

ガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!ガァァァ!!!

影の正体であるガメラはガラスが割れる程の鳴き声で吠えた。

キショォォォォォォォォ!!!!

産卵を終えた雌レギオンもガメラに向かって吠え、ガメラに向かって行った。

「今だ!」

SEALsは雌レギオンが離れた隙にトランスアメリカピラミッドに突入した。

「酸素濃度は?」

「………危険濃度です」

「よし、全員ボンベ装着」

SEALs隊員の1人が検知器で酸素濃度を測定し、危険範囲だった為酸素ボンベを装着した。

 

27階

「開けろ」

ビルに突入したSEALsは3チームに別れ、1チームは根がある地下を、もう1チームは花がある屋上付近、そして卵があると思われる展望台を担当するチームに別れてC4爆弾をセットする手筈になっており、ニックとアンダーソン中佐は卵を担当するチームに入っており、SEALs隊員が部屋の扉を開けると予想通り、卵鞘で包まれたレギオンの卵が産み付けられていた。

「凄い数だ……」

「………これが孵ると思うとゾッとするな」

ニック達が見つけた卵の数はざっと見ただけだが、400は軽く超しており、それが全て孵るのかと想像するだけで身震いした。

「取り掛かるぞ」

 

ガッ!!

ガァァァァァ!!!

その頃、市内ではガメラと雌レギオンが激しい戦いを繰り広げており、2体が戦う度に近くのビルが破壊されていた。

ガァァァァァ!!!

キショォォォォ!!!!

ガッ!

ガメラの背後から雄レギオンが飛び掛かり、戦闘はガメラとレギオン2体の2VS1になった。

ガァァァァァ!!!!

ガッ!!!

バヂヂヂヂヂヂヂ!!!

ガァァァァァ!!!

ガーーービィーーー!!!!

ドーーン!!!!

ガァァァァァ!!!

ガメラに向かって雄レギオンがマイクロ波を浴び、間髪入れず雌レギオンがマイクロ波シェルを発射し、ガメラは爆発に巻き込まれた。

ガァァァァァ!!!ガァァァァァ!!!!

ドーーン!!!!

バシュッ!

ガメラは火球を雌レギオンに向かって発射してが、雌レギオンが胴体脇の爪から発生させたバリアで火球を防いだ。

ガァァァァァ!!!!

ガメラは雌レギオンに体当たりした。

 

トランスアメリカ・ピラミッド

地下2階

ギチュウギチュウギチュウ

「レギオンだ!」

カチャカチャ

地下で爆薬の設置作業をしていたSEALsの前に草体の警備にあたっていた小型レギオンが姿を表し、レギオンを確認した隊員はM4A1を構えた。

「撃て!」

ダダダダ!!!ダダダダ!!!

ダダダダダダダダ!!!

グェェェ!!!

隊員はレギオンに銃撃を開始し、前にいた2体を射殺した。

「セット完了!」

「後退!後退!」

ダダダダ!!!

爆薬の設置が完了し、SEALsはビルの外に後退を開始した。

 

27階

「セット完了」

ギチュウギチュウギチュウ

「レギオン接近!」

「撃て!」

ダダダダ!!!ダダダダ!!!

ダダダダ!!!

ニック達が居る27階にも小型レギオンの群れが現れ、交戦を開始した。

「まだか!?」

「もう少しで………セット完了!」

「後退!」

ダダダダ!!!ダダダダ!!!

ニック達も爆薬を設置し後退しようとしたが。

ギチュウギチュウ

「入り口から!?」

ニック達が出入りに使用した通路からも小型レギオンが現れ、完全に退路を経たれてしまった。

「突破出来るか!?」

「数が多過ぎます!」

「…………全員窓から離れろ!」

ニックはおもむろに手榴弾を取り出した。

「グレネード!!」

コン

ドーーン!!!!ガシャーン!!

ニックは手榴弾を窓付近に投げ、爆発した手榴弾により展望台の窓が粉々になり、展望台と外を隔てるガラスがなくなった。

「全員パラシュートを用意しろ!」

「成る程な」

アンダーソン中佐達もニックの意図に気付き、HALO降下に使用したパラシュートを準備した。

「行け!」

アンダーソン中佐の一声でSEALs隊員達は次々と外に飛び出し、外に出た隊員からパラシュートを展開し、地面に降りて行った。

ダダダダ!!!ダダダダ!!!

ダダダ!!!

「全員出ました!」

「よし!大尉行くぞ!」

「了解!」

殿を務めていたニックとアンダーソン中佐も全員飛び降りたことを確認すると2人も窓から飛び降り、パラシュートを展開した。

 

オークランド

戦闘指揮所

「提督、ガメラの行動は明らかにレギオンの進行を阻止しようとしています」

「………」

その頃、オークランドの戦闘指揮所ではガメラが何度も草体へ向かおうとし、レギオンの進行阻止という、自分達の目的と同じだと気付いていた。

「…………大佐」

「はっ」

「ガメラは味方だと思うか?」

「私は……少なくともガメラには、人類と敵対する意識は無いと思います」

ステンツ提督に質問されたハンプトン大佐は自分の考えを正直に答えた。

「そうか……………火力をレギオンの頭部に集中しガメラを援護せよ」

「了解!」

ステンツ提督からガメラ援護を命令されたハンプトン大佐の顔はどことなく嬉しそうだった。

 

サンフランシスコ

「セーフティ解除!」

ステンツ提督からの命令で、市内に侵入した海兵隊がTOW対戦車ミサイルの照準を2体のレギオンに合わせた。

TOWミサイルは旧式で、現在主流になっている一度目標を決めたら内蔵されたコンピュータが自動的に軌道修正するミサイルとは違い、ミサイルと照準器を繋いだワイヤーで誘導する仕組みであり、当たるまで照準を合わせ続けなければならない欠点があるが、今回はサンフランシスコ全体に発生している電波障害の影響を受け難いと判断され、使用される事になった。

「発射!」

バン!バン!バン!

海兵隊は数発のTOWミサイルを発射し、2体のレギオンに向かって行った。

バヂヂヂヂヂヂヂ!!!

ビュン!

ドン!!!!バン!!!!

レギオンはバリアを張りミサイルの軌道を剃らせたが、ミサイルは軌道修正しレギオンに着弾、胴体脇の爪を何本か破壊した。

ガァァァァァ!!!ガァァァァァ!!!!

ドーーン!!!!

バヂヂヂヂビュン!

ガメラは火球を発射し、レギオンは残った爪でバリアを張ったが、爪が少なくなったことによりバリアの強度が低下しレギオンは何とか火球を防げたと言った感じだった。

キショォォォォ!!!!

2体のレギオンは角の根元を発光させた。

 

トランスアメリカピラミッド

「全員退避完了!」

ギチュウギチュウギチュウ

「レギオンが!」

トランスアメリカピラミッドではSEALsが爆破しようとした矢先に、ビルから大量の小型レギオンが出てきた。

ババババババババババババババババババ

小型レギオンは翼を広げて、一斉に飛んで行った。

「まさかガメラに向かっているのか!?」

ニックは小型レギオンの群れがガメラを攻撃しようとしていると気付いた。

 

ストロタワー

一方、地下鉄を通じてストロタワーに到着したメグミは小型レギオンを誘導出来る周波数を流そうとしていた。

「お願い」

カチ

ウィィィィィィ

メグミは電波を流し始めた。

 

サンフランシスコ

ババババババババババババ!

キショォォォォ!!!!」

ガメラに迫った小型レギオンの群れは突然コースを変え、雄雌のレギオンの呼び掛けにも応じず、明後日の方向へ飛んで行った。

 

ストロタワー

ババババババ!

「来た」

ババババババババババババ!

小型レギオンの群れは全てストロタワーのアンテナに群がり、アンテナを敵と認識し破壊しようとした。

 

トランスアメリカピラミッド

「爆破!」

カチ

ドーーン!!!!ドーーン!!!!ドーーン!!!!ドーーン!!!!

SEALsはセットしたC4を連鎖爆発で爆発させ、濃くなった酸素濃度も相まって火は瞬く間にビル全体に燃え広がり、草体は爆発炎上した。

 

ドーーン!!!!

キショォォォォォォォォォ!!!!

草体の爆発に気付いた雌レギオンはガメラとの戦闘を放り出し、草体の方へ向かった。


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