GAMERA ガメラ2   作:AS365

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攻撃準備

オークランド 戦闘指揮所

「通信回復!」

草体が破壊されたことによって、サンフランシスコ全体に発生していた電波障害が解消され、無線通信も回復した。

『こちらスカル1、こちらスカル1。草体の爆発に成功』

「よし、よくやった」

『それよりも、小型レギオンの群れがストロタワー方面に向かったのですが、一体何が起きてるのかわかりますか?』

「ストロタワーに?」

「………メグミだわ」

アンダーソン中佐からの報告を聞いたグランド博士とウチキド博士は、小型レギオンがストロタワーに向かった理由がメグミが電波を流しているからだと気付き、同時にメグミが生存していることも確信した。

 

サンフランシスコ

『おそらく、それはストロタワーからの電波に小型レギオンが反応しているからだ』

「電波?」

「………メグミか………」

グランド博士からの通信を聞いたニックも電波を流しているのがメグミだと気付いた。

「アンダーソン中佐。ストロタワーに民間人が居ると思われます、至急救助の必要があるかと」

「………戦闘指揮所、ストロタワーへ向かう許可をください」

 

オークランド 戦闘指揮所

「わかった。スカルはストロタワーへ向かい、民間人の救出と攻撃ヘリの誘導を行え」

 

サンフランシスコ

「了解、スカルアウト」

ステンツ提督から新しい命令を受けたSEALsはストロタワーへ向かおうとした。

キショォォォォ!!!!

「「「「「「!」」」」」」」

グゥゥゥゥ!

ストロタワーに向かおうとした矢先に、雌レギオンがビルに駆け付けて来た。

雌レギオンは無残に破壊された草体や卵を見た後、ニック達を見つけ、睨み付けた。

「あれ………怒ってる?」

「だろうな……」

雌レギオンが卵を破壊されて激怒しているのは明白だった。

ガーーー

雌レギオンは顔の外殻を左右に開いて、ニック達にマイクロ波シェルを撃つ用意をした。

「退避しろ!!」

「ダメだ間に合わない!」

戦車を一撃で破壊しガメラにもダメージを与える程の威力を持ったマイクロ波を人間が食らったら文字通り蒸発させられるのは言うまでなく、防弾チョッキを着ていても意味が無いのはわかりきっており、SEALsは急いで退避しようとしたが人間の足で走っても安全圏に逃げるには間に合いそうになかった。

「撃て!」

ダダダダ!!!ダダダダ!!!!ダダダダダダダ!!!!

「発射!」

バシュッ!

悪足掻きにしかならないと思いつつもM4カービンで銃撃を加え、M136無反動砲の対戦榴弾も撃ち込んだが、やはり効果はなかった。

ガーーー!

「マズイ……」

「もうダメだ!」

「神よ……」

「……っ!」

レギオンはマイクロ波シェルを発射する手前まで来て、全員が腹を括った。

ガッ!

ガギギギギギ!!

「ガメラ!」

レギオンがマイクロ波シェルを撃とうとした寸前で、ガメラがレギオンの外殻を両手で鷲掴みし発射を阻止し、レギオンをニック達から離した。

ガァァァァァ!

ジュュュュ

外殻はかなり高温なのか、ガメラの手から肉が焼けるような音と煙が出て、ガメラは手の平から出血した。

それでも構わずガメラは外殻を掴み続けた。

グゥゥギギギ!

ガァァァァァァァァ!!!

バキバキ!!

ガギギギギギ!!!

ドーーン!!

ガメラが渾身の力を込めると、2つの外殻が根元から折れ、雌レギオンは力尽きるようにその場に倒れた。

「………今の内だ!ストロタワーに向かうぞ!」

アンダーソン中佐は本来の命令を思い出し、SEALsはストロタワーに向かって走り出した。

 

ガァァァァァ

ドン!ドン!

キショォォォォ!!!!

ガッ!

ドーーン!!!!

ガメラが折った外殻を捨てた直後、雄レギオンがガメラに飛び掛かり、ガメラが倒れた拍子にビルを倒した。

 

オークランド 戦闘指揮所

「海兵隊へ通達、攻撃ヘリ編隊をストロタワーへ向かわせろ」

「了解」

「提督、ワシントンより緊急入電です」

「回せ」

ステンツ提督は受話器を取りワシントンから緊急入電に出た。

「ステンツです…………はい、現在ガメラとレギオンは市内で戦闘中です…………は?今何と?」

 

ネバダ州 ネリス空軍基地

ステンツ提督が電話に出ている頃、ネバダのネリス空軍基地では3機のB-2ステルス爆撃機がサンフランシスコに向け離陸しようとしていた。

その爆撃機には1機につき、16発のB83核爆弾が搭載されていた。

 

カリフォルニア州

オークランド 戦闘指揮所

「待ってください!サンフランシスコには多数の市民が取り残されています!今核を投下すれば民間人を巻き添えにします!」

ステンツ提督に掛かって来た電話は、国防総省(ペンタゴン)がガメラとレギオンに対して戦術核による攻撃を決定した事を伝えるものだった。

それに対して、ステンツ提督は民間人が取り残されている事を理由に反対した。

「………では夜明け、夜明けまで待ってください…………はい、感謝します」

ステンツ提督は何とか説得して夜明けまで待って貰えることになった。

「提督、あんた本当に民間人だけが理由か?」

グランド博士はステンツ提督が核攻撃に反対した理由が民間人が居ることを理由にしていたが、勿論それも理由だがステンツ提督は民間人以外にも、内心ではガメラを守ろうとする気持ちも入っており、グランド博士はそれを見抜いていた。

「だが、ペンタゴンはサンフランシスコを焦土にしてでも事態を打開する気だ」

ステンツ提督が出来たのは爆撃開始時刻を引き延ばしただけであり、ガメラとレギオンの戦いが続く限り核攻撃は取り下げないと言うのが国防総省からの返答だった。

「ガメラが、レギオンを倒すことを祈るしかない」

「あぁ………」

グランド博士が今出来ることはなく、ガメラに全てを託すしかなかった。


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