GAMERA ガメラ2   作:AS365

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光の輪

ストロタワー

ニックとメグミ達はストロタワーから全員が退避した。

ストロタワーのアンテナには無数の小型レギオンが集まっており、小型レギオンの出すマイクロ波で時折火花が散っていた。

ババババババババババババ!!!

ヘリのローター音が聴こえて来て、空を見ると、ステンツ提督が派遣した海兵隊のAH-1Wの編隊が飛行していた。

パシュ

パン!

攻撃ヘリ部隊を確認したアンダーソン中佐は、攻撃開始の合図として照明弾を空に打ち上げ、攻撃ヘリのパイロット達は照明弾を確認し、ロケット弾の照準をストロタワーに合わせた。

バシュッ!!バシュッ!!バシュッ!!バシュッ!!

攻撃ヘリはロケット弾をストロタワーのアンテナへ発射した。

「伏せろ!」

ドン!!!!ドン!!!!ドン!!!!ドン!!!!

発射されたロケット弾は全弾命中し、アンテナに群がっていた小型レギオンの群れは殲滅された。

 

サンフランシスコ

グゥゥゥゥ キショォォォォ!!!!

ドーーーーン!!!!

夜明けが近付き空が群青色になり始めた頃、怒りに狂った雌レギオンがガメラの方を振り向くと、爆破を背景にガメラがゆっくりと立ち上がった。

ガァァァァァァァァ!!!!ガァァァァァァァァ!!!!

立ち上がったガメラは天空に向かって吠えた。

 

ストロタワー

バン!

「っ!」

ガメラが吠えたのと同時にメグミが手に握り締めていた勾玉から破裂音がし、手を広げるとガメラの勾玉が砕けており、メグミは手の平から出血していた。

「メグミ!大丈夫か!?」

心配するニックを余所に、メグミは何かを感じとりガメラが居る方を見た。

「…………?」

ニックやアンダーソン中佐達が空を見上げると、空にはサンフランシスコの中心部へ向かって光の帯が集まって行くのが見えた。

 

国際宇宙ステーション

「おい!あれを見ろ!」

「何あれ?」

「………光の……輪?」

同じ頃、国際宇宙ステーションの宇宙飛行士達が窓から地球を見ると、地球全体から光の輪が波のようにサンフランシスコに集まって居る光景が見えた。

 

アメリカ合衆国

カリフォルニア州 サンフランシスコ

地球全体から集まった光の輪はガメラの頭上に集まっていき、ガメラは光に包まれた。

ガァァァァァ!

バン!

ドーーン!!!!

キショォォォォ!!!!

ガメラが光に包まれると、ガメラの腹部が開き、そこから発射された特大の火柱が雌レギオンに命中した。

ガガ!ガガガ!

ガメラは腹部から出た火柱の反動によって後方へ押されていたが、ガメラは踏ん張って反動に耐えた。

キショォォォォ!!!!

バーン!

ガメラから発射された火柱は、雌レギオンの胴体を貫通し、レギオンに大穴が開いた。

キショォォォ!

バーーン!

胴体を貫かれた雌レギオンは、青紫色の粉塵と断末魔を上げながら粉々に粉砕された。

 

オークランド 戦闘指揮所

「市街の中心部からだ」

戦闘指揮所からもサンフランシスコ中心部から光が出ているのが見た。

 

サンフランシスコ

ガァァァァァ ガァァァァァァァァ!!!!

レギオンを倒したガメラは吠えると、サンフランシスコに展開していたアメリカ兵達を見た。

ガメラとアメリカ兵達が目線を合わせて居ると、ガメラの後ろから朝日が昇ってきた。

ガァァァァァ!!!!

バーーン!!!

ガメラは再び吠えると脚から煙を出した。

ゴォーーー!!!

飛行形態に変形したガメラは空に向かって飛んで行った。

アメリカ兵達は飛び去って行くガメラに向かって敬礼し、ガメラを共に戦った戦友として見送った。

 

オークランド 戦闘指揮所

「スピリット、帰投しました」

「………作戦終了」

「作戦終了!」

「作戦終了!」

戦闘指揮所では爆撃機が撤退したと報告を受けたステンツ提督が作戦終了を宣言し、ハンプトン大佐達は握手をしたり、お互いに健闘を称えあった。

 

ゴォーーー!

グランド博士とウチキド博士は、外でサンフランシスコから飛び去って行くガメラを見送った。

「…………ガメラが勝ったのね」

「あぁ」

 

ストロタワー

「…………」

メグミは砕けて散った勾玉を見た後、飛び去って行くガメラを見送った。

「…………さようなら」

メグミは空の彼方へ飛んで行ったガメラに別れを告げた。

 

1か月後

アメリカ合衆国

バージニア州 アメリカ国防総省

サンフランシスコの戦いから1ヶ月後、陸軍の制服を着たニックと、女性用のビジネススーツを着たメグミはペンタゴンに居た。

「メグミ、モナーク入りは決めたのか?」

「えぇ、ガメラのことをよく知る為にもモナークに入るのが一番だと思って、ニックは軍に残るの?」

「あぁ、今回の一件で怪獣の存在が全世界に知れ渡った。モナークは勿論、軍の行動方針も変わるだろうな」

ニックとメグミは廊下のテレビで放映していたサンフランシスコの戦いのニュースを見た。

そのニュースにはガメラの映像と共にIs he a savior?(彼は救世主か?)と見出しが出ていた。

「救世主ね。ガメラ本人はそんなつもりは無いと思うが」

「多分ね。それにガメラは地球の守護神なのよ」

「守護神?」

メグミはニックの言葉に対してガメラを地球の守護神と説いた。

「そう、ガメラはあくまでも地球の為にギャオスやレギオンと戦った」

「じゃあ、人間が地球に害になると判断されたら……」

「ガメラの敵には、成りたくないよね」

「そうだな」

二人はガメラと敵対する日が来るかもしれないと思いつつ、そんな日が来ないことを願った。




この作品はフィクションです。登場する人物名、組織名、建造物名、企業名は現実の物とは一切関係ありません。

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