GAMERA ガメラ2   作:AS365

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侵入

翌日

「そうか…………あぁ」

「「?」」

ジョーの部屋で一晩過ごしたニックとメグミは翌早朝、ジョーが誰かと電話する声で目を覚ました。

「わかった…………では予定の場所で」

「叔父さん?」

「あぁ、起こしてしまったか?」

「いや、どうかした?」

「実は、立ち入り禁止区域の近くまで船を出してくれるという男が居てな。今日もう一度入る」

「雀路羅に?」

「あぁ」

ジョーが電話していた相手は雀路羅まで密航を請け負ってる人物からで、ジョーはその男の船で再び雀路羅へ侵入しようと試みていた。

「私一人で行ってくる」

「一人でって」

「危険過ぎます!」

ニックとメグミは一人で行こうとするジョーを止めた。

「私は…………どうしてもサンドラが死んだ理由が知りたい………それだけだ」

「「………」」

 

 

雀路羅市

ニック、メグミ、ジョーは侵入を請け負ってくれた男の船で廃墟と化した雀路羅市に到着した。

「悪いが、俺が運べるのはここまでだ。この先は放射能の汚染区域だ。行きたければ後は自分達の足で行ってくれ」

「あぁ、わかった。これは約束の報酬だ」

「どうも」

「帰り道、気を付けてな」

「ありがとう」

ジョー達は男に報酬として札束を渡すとボートを降り、放射線装備を身に付けて廃墟まで歩き出した。

 

 

雀路羅市

ニック達はゴーストタウンと化した雀路羅を歩いて行った。

辺りの建物はガラスが割れ、車や自転車は道路に放置されており、商店には売り物がそのまま残されており、街の人々は荷物を持つ事も許されずに避難を余儀無くされたと想像出来た。

「で?どうするんだ?叔父さん」

「一先ず、私の実家にある当時の資料を取りに行く」

「じゃあ早くしよう。また警察に見付かれば、俺と叔父さんは強制送還、メグミはおそらく一生日本から出れなくなる」

ワン!ワン!

「………」

ジョーは廃墟を走って行く野良犬を見て、即座にガイガーカウンターのスイッチを入れたが、カウンターのメモリーは微動にしなかった。

「ジョーさん?」

メグミはその場に立ち尽くしたジョーに呼び掛けた。

「叔父さん?どうした?」

「…………」

バッ!

「おい!」

「ちょっと!」

ジョーは突然防毒マスクを外し、ニックとメグミは悲鳴を上げた。

「やっぱり………」

「何がだよ!」

「見ろ、カウンターが反応していない。ここが汚染区域だって言うのは嘘だったんだ!」

ジョーはニックとメグミにガイガーカウンター見せ、カウンターが反応していないと説明した。

ジョーは先程の野良犬を見て、放射能汚染されているのに野良犬が何の問題もなく走り回っているのはおかしいと考え、ガイガーカウンターで放射線を測定し、反応が無い為実際にマスクを外して、雀路羅が汚染区域である事が嘘だと確信した。

「やっぱり、ここには政府の連中が隠したい何かがあるんだ………なんとしても突き止めないと」

そう言うとジョーは自分のかつての家まで歩き出した。

「取り敢えず、俺達も外すか」

「そうね」

ニックとメグミはジョーに習って、防毒マスクを外した。

「でも、もしジョーさんの言うとおり政府が汚染区域にしてしてまで人を遠ざけたい理由って何かしら?」

「…………もしかしたら………怪獣の可能性って無いか?」

「え?」

ニックはメグミの疑問に、考察として政府が怪獣の存在を隠蔽する為ではないかと推測した。

「まさか、日本に怪獣が?」

「俺達が出会ったのはガメラとギャオスぐらいだが、あの島だけとは限らない、世界中に似たような生物が居ても不思議じゃない」

「確か島の事は……」

「ホワイトハウスが国家機密として隠蔽した。だが国連や各国の政府、軍には通知されてる、勿論日本にもだ」

「じゃあ、日本政府は怪獣の存在を知って封鎖を解消しなかった?」

「あるは………最初から知っていたとか」

 

 

その頃、ニック達を運んだ男は船で待っていた。

「今日はたんまり貰えたな。にしてもあのねーちゃん、スッゲーいい女だったな。一度で良いからあぁ言う女とやってみたいぜ」

ギュヂュヂュ

「?」

大金を受け取って有頂天になっていた男は、外から妙な音が聞こえた気がして操舵室の窓から外の様子を見た。

「……………」

グェェ!!

「!?」

ドサッ

外を見ていたら、突然目の前に人間の眼球のような目が1つだけついた体長3メートル程のアリとザリガニを掛け合わせた真っ黒い甲殻類のような生物が現れ、男は腰を抜かした。

キィィィィ

シュュュ

「あぁ……」

ギチュウギチュウ

生物は船の窓のガラスを眼球に吸い込むと、操舵室に押しって来た。

ギチュウギチュウ

「あぁぁぁ!!」

ブシャ!!

カチャ

男が絶叫すると大量の血が操舵室に撒き散らされ、床にフレームだけになった男の眼鏡が床に落ちた。

 


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