「無事か!?」
「あぁ」
ゴゴゴゴ!!
「「「「「「!?」」」」」」
ガメラが飛び去った発電所では作業員が負傷者の確認を行ってたら突然、発電所全体に地響きが鳴り響いた。
「何!?」
「………下だ!」
ニックはその地響きが自分達の直ぐ真下からだと気付いた。
ゴゴゴゴ!!
草体が生えていた穴から一本の巨大な角のような物が伸びて来た。
「何だ!?」
「どうなってるんだ!?」
ググググググ
角は穴の真上にあったワイヤーに引っ掻けると、ワイヤーを真下に引っ張って行った。
そのワイヤーは周りのタワークレーンと繋がっており、続々とタワークレーンがマストから折れ、足場も次々と倒壊を始め、倒壊したタワークレーンが直撃した建造物も倒壊して行った。
「急げ!」
ジョーの後ろを作業員が数名走って逃げて行ったが、進行方向先の真上からクレーンが崩れて来ていた。
「おい待て!そっちはダメだ!!」
ガン!!!!
「「あぁぁぁぁ!!」」
ジョーは逃げる作業員達を止めようとしたがタワークレーンは作業員達を直撃した。
そのうち2人は直撃を免れたが、衝撃で足場から転落した。
「車に入れ!」
「え?わっ!?」
ニックは迫り来るタワークレーンに気付き、メグミをメガクルーザーに押し込んだ。
ガン!!!!
「きゃぁぁ!」
「ぐぁっ!」
ガシャン!!!
クレーンのワイヤーが車を弾き飛ばし、二人が逃げ込んだメガクルーザーは横転した。
「ニック!!メグミ!!」
足場から二人が逃げ込んだ車が横転したのを見ていたジョーは大声で二人の名前を叫んだ。
「大丈夫か!?」
「えぇ」
二人は車の中に居たことにより、ワイヤーの直撃は免れたていた。
ガガガガガ!!
メグミが倒れて穴へと引き摺られるタワークレーンを見ると、クレーンの運転手が運転席のフロントガラスを叩き助けを求めて居たが、運転手はそのままクレーンごと穴に落とされた。
ガガガ
ニック達の後ろで金属が強引に曲げられる音がし振り替えると、先程タワークレーンが直撃した足場が引っ張られ始めており、その足場にはジョーが立っていた。
ガキン!!!!
「っ!あぁぁ!!」
足場が倒壊し、ジョーはそのまま地面に落下した。
「叔父さん!!」
ガシャン!!!
ニックが叫んだ直後、更に上から崩れた建造物の瓦礫が落下して来た。
「そんな………」
キショォォォォ!!!!
「「!?」」
ニックとメグミがショックを受けていると、穴から甲高い鳴き声がし、その穴から白い体表にカブトガニのような胴体、胴体脇からパラボラ状に広がった甲殻類の脚に似た爪と、頭に長い角と生やし、青一色の目を2つ着けた顔の口には前に伸びた外殻があり、鎌のように伸びた後脚とザリガニの鋏のような前脚を持った体長46メートル程の生物が穴から這い出てきた。
「何あれ………!?」
「あれも、奴らの同種なのか?」
指令室で突然這い出てきた巨大生物を見たグラント博士とウチキド博士は巨大生物がレギオンと同種なのか疑った。
外見は甲殻類に類似していると言う点を覗けばレギオンとだいぶかけ離れており、別種と言われれば誰も疑わない程違っているため無理もない。
キヨォォォォォ!!!!
生物、巨大レギオンは再び吠えると歩きだした。
その際下に居た人間を何人も踏み潰したが、巨大レギオンは全く気していないのか、それとも気付ていないのか、そのまま歩いた。
ブン!!!
「危ない伏せて!!」
巨大レギオンは外殻を指令室目掛け振り回し、警備隊長がグラント博士とウチキド博士を無理矢理伏せさせた直後に、外殻は指令室を直撃した。
バッ!!
巨大レギオンは背中にトンボのような透明な翼を広げた。
「まさか……飛ぶ気か!?」
ブブブブブブブブ!!!
「嘘………」
ニックが考えた通り、巨大レギオンは翼を高速振動させるとその巨体に見合わない程軽々と飛び上がり、メグミは言葉を失ってしまった。
ビュン!
飛び上がった巨大レギオンは、ジェット機にも比例する速度で発電所から飛び去り、人間達はそれを見送るしかなかった。
2019/11/5 タイトルの文字が間違っていたので修正しました。