全てを美少女にしちゃう女神の俺が失われたアレを取り戻すまで   作:一二三 四五八

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第1章 オレにキミのパンツを下さい
1) 第1話 オレのアレが美少女にっ!!(1)


その日、オレはなんかすげぇ優しい感触で目が覚めた。

オレの両側からぎゅっと、柔っこぉい手で俺の手を握り込んでくれてる感覚。

こりゃあ女の子の手の感触だわ。断じて男のモンじゃない。

 

オレの手を両側から挟むようにやさしく手のひらで包み込んでくれてるんだ。

なんかすっげぇ安心する。……する?

 

いやいやいやまてまてまてまてっっっっ!!!

なんでだよっっ!!

 

オレはコレまで彼女ナシ、天涯孤独の身の上だっ!

しかも生まれついてのくすんだ金髪、紫掛かった濁った目ん色、でもってその人相の悪さから、んな優しげな女の子と縁なんて全然ねぇぞっ!

 

じゃあこりゃあ、アレか?

 

言うが早いがオレはガバっとその身を起こし、眼の前の光景を確認するっ!

するとそこは見たこともねぇ森の中で。

 

「あ、おきたよカミサマ?」「おきたねカミサマ?」

「やったぁっ!!」「やったぁ。」

 

オレの両手を包み込むように抱えてはしゃぐ、見たこともねぇ美少女が2人いた。

右手にゃあ緑髪の、褐色肌でどっか野の草花みてぇな爽やかな緑の服着た女の子。

左手にゃあ銀髪の、真っ白い肌で灰銀色のすげぇ落ち着いた色の服きた女の子。

 

両方とも小学生の高学年か中学に上がりたてって感じの年に見える。見た目は違うが息ピッタリだ。姉妹かなんかなんかな。

まぁ確実に言えるこたぁコイツら将来絶対美人になるね。

 

だってもうこの時点ですんげぇ美少女なんだもんな?

 

そんな2人がオレが唯目覚めたってだけのことを、心の底から喜んでくれとるのが現在。おいおいおいおい、カミサマアンタ最高かよっっ!!

オレが言った美少女達からモテまくりてぇなんてくだんねぇ願い事を、早速叶えてくれやがったっ!

 

いやずっとカミサマ何ていやしねぇとか思っててごめん。

いるわ。いたわカミサマ。

しかもすげぇ仕事の手際だぜ。オレが目覚める前からこんな美少女2人もぶつけてくるなんざ、まさに神業としか言いようがねぇな。

 

ああカミサマ。

オレァこの世界で落ち着いたら仏壇?神棚?用意してアンタに毎日お祈りするわ。やっぱほんまもんのカミサマは格が違うぜ。

 

ん?カミサマ。

 

そいやオレ、なんでこの子らにカミサマ呼ばわりされとんのだろ?

……ま、いいや。そりゃおいおいワカんだろ。

オレはまだ両手を握って喜んでくれとる女の子たちにとりあえず声をかける。

 

「なんかあんがとな? どうしてオレの手なんか握ってくれてたんだ?」

 

そうすっと仲良くかわりばんこに喋りながら、オレに理由を答えてくれた。

いちいちリアクションが大きくてなんか微笑ましい。

すげぇキモチが伝わってくる。

 

「あのね?あのね?」「あのね。あのね。」

「カミサマネムッてる時、ずっと寂しそうに手を動かしてたのっ!!」

「カミサマ眠ってる時、ずっと悲しそうに何か掴もうとしてたの。」

 

空いた片手をぱたぱた動かして握りしめながら

 

「だからね?」「だからね。」

「ワタシとっ!!」「ワタシが。」

「カミサマの手を持って、ぎゅっっとしてたのっっ!!」

「カミサマと手を繋いて、ぎゅぅぅととしてたの。」

 

両手をあわせて胸の前でオレの手を握りしめながら。

 

「そしたらねっっ!!」「そしたらね。」

「カミサマが笑ってくれたのっっっ!!」

「カミサマが微笑んでくれたの。」

 

満面の笑みを浮かべて。

 

「ワタシねっっ!!」「ワタシね。」

「それがねっっ?」「それがね。」

「すっごく嬉しかったのっっ!!」

「すごく楽しかったの。」

 

目を輝かせながら。

 

「だからねっっ?」「だからね。」

「カミサマがおきるまでずっっとねっ!!」

「カミサマがおきるまでずっとね。」

 

目とつむりながら。

 

「カミサマのオテテぎゅっっとしてたのっ!!」

「カミサマのお手々ぎゅぅぅとしてたの。」

 

またオレの手を少し強く握りしめながら。

 

「そしたらすっごくぽわぽわしてっっ!!」「すごくふわふわして。」

「もっとすっごく嬉しかったのっっ!!」

「もっとすごく楽しかったの。」

 

また満面の笑みを浮かべて。

 

「ねぇねぇカミサマっっ?」「ねぇねぇカミサマ?」

「カミサマはうれしかったっっ??」

「カミサマは楽しかった?」

 

目を輝かせてオレに問いかけてきやがった。

 

って、え、あ、そんだけ?

それだけの理由でずっと知らん男の手ぇ、握ってくれてたのかよっ?

ゲンキに答えてくれる褐色の女の子も、静かに答えてくれる色白の女の子も。

 

おいおいおいおい、控えめに言って天使じゃねぇかっ!

 

カミサマちょっと最初っからサービスしすぎだって、コレっ!?

だってオレ、見た目変わってなきゃ極道も裸足で逃げ出す悪人面よ?

そんなん前にして、心っからオレの心配なんぞしてくれてたんだぜこの子ら。

 

おう。こりゃあ、とりあえずちゃんと答えとかにゃならんよな。

 

「ああ、なんていうかすげぇ最高だったっ!!

イヤ最高だわ。今も最高だっ!!」

 

「わぁぁぁぁぁっっっ!!」「わぁい。」

「じゃあみんな幸せだねっっっっ!!」

「みんなポカポカだね。」

 

心底嬉しそうに笑い合う美少女たち。

 

「ぎゅっっっっとするとっっ!!」「ぎゅぅぅぅぅとすると。」

「ワタシもっっ!!」「ワタシも。」

「「カミサマもっっ、みぃんな幸せっっっ!!」」

 

コイツラを見てると。

笑顔が溢れるってこういうこと言うんだな、なんとなくそんなこと思っちまった。

ははっ、こりゃスゲェわ。

 

「すごいねっっ?」「すごいよ。」

「「まほうみたいっっ!!」」

「「やったぁっっ!!」」

 

なんかもう、ありがとうございますっ。これ心の底からオレが嬉しいがってたこと喜んでくれとるし。これが演技だったらオレちょっと人間不審になって一生引きこもるレベルだわ。

 

苦節17年。

 

どこにいっても不良に間違われ補導され、喧嘩売られた捨て子のオレはもう異世界で幸せに暮します。ありがとうカミサマっ、オレぁ死んでよかったぜっっっ!!

 

そう補導だ。

 

まだはしゃいでる女の子達を宥めて、俺は彼女らに改めて声をかける。

こんないい子達だ。

俺みてぇなヤツと一緒にいると親御さんがどう思うかわからん。

 

そこらへんちゃんと聞いとかんとな。

この子らもその親御さんも困らせるつもりはねぇよ。

 

「君らってここらへんに住んでんのか?」

「うん。ワタシはずっと()()にいたよっっ!!」

「うん。ワタシはずっと()()にいたよ。」

 

「おう、やっぱここらへんの子か。どの辺りに住んでんだ?」

 

「ううん。ワタシは()()にいたのっっ!!」

「ううん。ワタシは()()にいたの。」

 

うん?

なんか話が噛み合わねぇな。まぁいいや。

この子ら見た目より幼い感じの喋り方だし、なんか言い回しが変なことになってるだけだろ。構わず俺は次の質門に移る。

 

「俺の手ぇ握ってくれてたことはありがてぇけど、ずっとここにいちゃ親御さん達心配するだろ?なんなら送ってくぜ。家はどこらへんなんだ?」

「知らないねっっ!!」「知らないね。」

 

「はぁっっ!! いやいやいやいや、知らねぇってこったねぇだろ?

親か、育ての親、どっちかいんだろ普通っっ!!」

 

イヤイヤホントちょっと待てってっ!

 

「ワタシたちずっとここにいたのっっ!!」「ワタシたちずっとここにいたわ。」

「親がどこにいるかなんて知らないものっっ!!」

「親がいるかなんて知らないもの。」

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっっっっっっっ!!!!」

 

こんなバカな話があるかよっっ!!




色々アレな話ですがお付き合いして頂ければ幸いです。

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