全てを美少女にしちゃう女神の俺が失われたアレを取り戻すまで   作:一二三 四五八

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犬をなでるだけの話。

ちょいエロスが描きたくなったのでウルさん視点を。
途中ウルさんが呪われていた理由が語られますが、ウルさん視点だと結構重い話なので苦手な人は読み飛ばし推奨です。エロスはその後っ!

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28) 第11話裏 「狼さんを撫でるだけの話」

森が歌っている。

そうとしか言いようのない光景が、眼の前で広がっていた。

草が、木が。土が、石が。

 

大地の全てが女神に祝福を与えようと、その身を揺らしてリズムを刻む。

 

地面は踊り、草木は咲き誇り、愛する女神の元へとソレを届ける。

彼らは皆を救うと泣きながら女神となったあの方へ、少しでも感謝を伝えようと、その在り方を変えているのだ。その光景を見た我らは皆、そう思った。

 

それはあの御方の、感謝を伝えるお言葉から始まった。

 

 

我らが殺した少女の残した若葉をあの方が大事そうに両手で包み込んだ時。

辺りはとたんに煙に包まれ、それが晴れるとそこには。

あの時我らが噛み殺してしまった筈の、眷属の少女の姿があった。

 

女神様と少女、そして同じ位の背丈の少女が今、お互いを思い抱き合っている。

 

それはなんという奇跡であろうか。

女神様は今、我らの拭いえぬ罪の結果を、その手で覆されたのだ。

一度消滅したモノを救う手立てなど、この世界にはありえない筈なのに。

 

それを、それすらもお変えになられたというのか。

しかも少女達は抱き合うさなかにその存在を進化させ、精霊に近しきモノへと自らの姿を変えていくではないか。

 

我らの全てがその光景を、滂沱の涙でもって見届けて続けた。

失ったモノすら掴み取り、さらに美しい在り方へと変えるこの方を、奉ずるべきと決めたこの身がただただ誇らしく。

 

そしてもう二度と彼女らを失わせてはならないと、この魂に深く刻み込みながら。

その時だ。

 

女神様が突然声を張り上げ、大地へ感謝の言葉を述べだしたのだ。

 

「ああ、ありがとうっ。全ての実り育つものと、支えそこに在るモノたちよっ!

貴方達は最初からワタシたちのことを、気遣ってくれていたのねっ。

 

ええこの通りよ。ワタシはもうこの子達と共にあり続ける、あり続けるわっ。

 

でもね。それは貴方たちも一緒なのよ。

 

ワカバとコイシ、この娘達の事を見守ってくれていた貴方達は、これからもこの娘達と共に歩むつもりなのでしょう?

だったらワタシも一緒に、貴方達とあり続けたいと思うわ。

 

本当にありがとう。こんなにワタシ達のことを喜んでくれるなんて。

もう感謝の言葉もないの。

 

ああ、貴方達が歌い踊ることができればいいのに。

それならワタシもその手を取って、あなた達と喜びを分かち合うと言うのに。

 

理屈じゃないの。今は本当に心の底からそういう気持ちなのよっ!」

 

それが変化の始まりだった。

今我々の眼の前で、神話の世界が目覚めようとしている。

 

「わぁっっっ!!」「すごぉいっ。」

 

草木は季節を問わず咲き乱れ、大地は波打ち踊りだす。女神の望みに答えるように次々と在り方を変えていく。季節を無視して咲き誇る華花に、煌めく美しい鉱石達が、我も我もと女神様の元へと集まっていくのだ。

 

「綺麗ですわぁ。」

「くく、はぁははははっっっ!!」

 

その波が女神様の前に渦巻くように近づくと、彼らはそこに一本の白石の大樹を作り上げた。色とりどりの華花達と鉱石の華で着飾ったその大樹は、最後に一振りの枝を女神の元へと伸ばしていった。

 

「おぉ。ワケワカランけどめっちゃアガンねっっっっ!!」

 

その先端には12の季節の華花と、同じく12の鉱石で出来た美しい華達が添えられて今、花束となって女神に捧げられている。

 

「なんという、……まさしく神のお力よ。」

 

ああ今この大地は我が女神を奉ずるべき御方と認め、女神に己全てを捧げる誓いを差し出している。12の季節、12の有り様。己の全てが常に女神と共にあると、意思を伝えて見せたのだっ!

 

「「「「「ヴィリスカムィっ、ヴィリスカムィっ!!」」」」」

 

気付けば我らはこの興奮を押さえきれず、口々に女神の名を讃え叫んでいた。

 

しかし神話はそこで終わらなかった。

 

女神が少女らと共にその花束を手に取ると、またしても辺りは煙に包まれて。

その花束は。

まさに華のように美しい少女らに、その在り方を変えたのだ。

 

そう神話はまだ終わらない。

今、この時に始まったのだから。

 

 

「そうねぇ。貴方達は、そう。ウル。ウルなんてどうかしら?」

 

少し心配そうにおっしゃっられた女神様の言葉に。

瞬間。我等ははるか時から解き放たれた。

そして再び時より舞い戻った時、同時に我等は叫び声を上げていた。

 

「我らはウルっ、虹と調和を司る優美の女神から授かりし、誇らしき名の一族っ!

遥か昔の伝説と同じ名を抱くモノっ。

天上の果てに神々と共に消えた偉大なる大狼の在り方を継ぐものなりっ!!」

 

24の華の娘たちが女神の元へと舞い降りたことで名付けを行うとおっしゃられた女神は、我等にさらなる誉れを与えて下さった。

 

なぜならその名は、狼たちにとっては伝説的なモノであったから。

 

神に仕え、神と共に消えた誇り高き伝説の天狼。女神様はその名と在り方を我らに継げとおっしゃって下さったのだ。これが嬉しくない一族などいるものか。これ程の誉れが他にあろうか。

 

皆がみな頂いた名を誇り、さらに気高く在り続けると決意し、其れを喜びあった。

その時だ。女神様はそこにいる全員を集め、我らの事をお尋ねになられた。

 

「ねぇウル。貴方達はなぜ呪われていたのかしら。どうしてそんな事になっていたの?」

 

「は。我らは本来この森のもっと奥深い所に住んでいるモノなのですが、その場所で我らはある魔物の群れから襲われました。

そこで奴らから憎悪の王と呼ばれていた魔物から、我らの内の一匹が呪いを受けたのです。」

 

我は多くの憎しみと怒りを込めて、奴の名を呼ぶ。

ああ、名を述べただけで腹立だしい。

敬愛する女神の前だと、必死に己を押さえつける。

 

「憎悪の王?」

 

「はい。確かにそう呼ばれておりました。

そこまで身体の大きくない猫型魔獣です。しかしその名の通り奴は、その身からは溢れんばかりのヒトへの憎悪を、魔毒と化して撒き散らしておりました。

 

我らはその憎悪の王が洩らす魔毒に触れてしまい、呪われてしまったのです。」

 

怒りを殺し、やっとの思いで女神様に奴の特徴を伝えた。

女神が創る世界の敵となりうる奴のことを、我はどうしても女神に知っていて欲しかった。

 

我が女神に気苦労など与えたくなかったが、それでも奴は無視できない存在だ。

女神様の表情が見る間に陰る。お優しい方なのだ。それは当然の質門だった。

 

「そうなの……。それでそれから貴方達はどうなったのかしら?」

 

「我等は理性を失って多くの人を、冒険者たちを理由もなく殺めていきました。

喰う為でなく、意味も持たず。ただ憎悪に任せ命を絶ち続けたのです。それは我らの誇りを大きく傷つけることでした。

 

無意味な死などを撒き散らすなど、とても許せたものではなかった。

 

もはや食を絶ち、飢えによって死を望む事しか希望のなかった我々の牙が、貴方様にも届かんとした時、我らは貴方様によって救われたのです

 

概ねそういうことだ。

全てを語る必要はあるまいと、我らはそう判断しそう答えた。

 

本当は少しだけ、続きがあった。

 

我らの一匹が受けた呪いはたちまちに我ら全てに伝わり、ヒトをなぶり殺せと訴えかけた。我等を理不尽な殺戮へと誘おうとしたのだ。

 

だから我らは決断した。

 

誇りなき死を与え続ける存在に成り果てる位なら自決の道を歩むことを。少しでも理性の残る内に、力ある同胞に我を噛ませて皆の命でもって傷を癒し続ければ。

我らもいつかは死に絶える。使った命は戻らないものなのだから。

 

我は多くの力ある同胞の命を使って、同胞から受けた傷を再生し続けた。

 

そして力ある同胞達が死に絶えて、残すは力少き者達のみとなった時。

この身もまた憎悪へと堕ちることになったのだ。

 

思えばその同胞たちが、我らを女神の元へと導いたのかもしれない。

 

言えば優しいこの女神様の事だ。きっと我らの為にお嘆きになられるだろう。

それは我らの良しとする所ではないのだから。

だが、女神の優しさは我らの思いを大きく上回るモノだったらしい。

 

「そう。辛かったわね。苦し、かったわねぇっ……」

 

我らの為にその深く綺麗な紫の両の目からポロポロと雫が溢れる。

一介の魔物の我等の境遇を感じ取り、泣いてくださる神がいる。

 

ああこれだけで。我が同胞は尽く報われるだろう。我らの戦いは足掻きは無駄ではなかったと、この涙が証明してくれている。

 

我らの感覚からより多くが伝わってくる。

 

理不尽に暴力を拡散させる悪を思い、静かに怒気を滲ませるメイル殿。

興味がないという素振りの端に、不満を顕にしているツルギ殿。

心配そうに我等と主の顔を交互に見比べるアンダー殿。

 

そしてなにより。

 

「ウルさん達、かわいそうっ!」

「……ウルさん達、辛かったよね。」

「悲しい時はぎゅぅっとすると良いんだよっ?」

「……辛い時はぎゅっとすると辛くても大丈夫。」

 

「「だからワタシ達がぎゅぅぅっとして上げるねっ?」」

「「「「「「ぎゅうぅぅぅっっっっっ!!」」」」」」

 

自らを殺した相手を。大切な友を奪った相手を。

心のそこから心配し抱擁してくださるお二人の姿が。

それに習って我等に抱きついてくれる華花の少女達が。

 

その優しさが全て我らへと伝わってくる。

 

その時我らは改めて誓ったのだ。

たとえこの身がどうなろうとも。どうあろうとも。これより我らは彼女たちを護るモノであり続けようと。もう二度と、この少女達を傷つけることも、傷つけられる事もあってはならないと。

 

我らはこの時、偉大なる女神の名の元に誓いを立てた。

静かに、蒼たるウルが大地の子らを護る者として、その在り方を定めたその時。

 

我は女神様から抱きしめられた。

 

とたん、身体に電流が奔るっ!

 

あぅっっっっ、ふ、くぅんっっっ

 

背中に回った女神様のお手から、我の身体へと何か熱いモノが注ぎ込まれてくる。

それがまるで我を変えてしまう程に、気持ちがいいのだ。

 

ぁ、ぅ、くぅぅっんっっっ

 

大地の子らにこんな姿を見せるワケにはいかず、しかして女神様のお手の快楽にも抗えないイケない我は漏れそうになる声を押さえ、身を捩って流れ込むソレに必死に抗う。しがみつくと女神様の首筋が近くにあった。

 

ああ、親愛を確かめあい(グルーミングし)たいっ。無意識にのばしそうになった舌をどどめる。でもどうしてもはしたなく振るわれる尻尾だけは止められず、それがまるで盛ったメス犬のように女神様のお手を撫で付けてしまうのだ。

 

それがお手に触れるのが気になられたのだろう。

あるいはその手触りを気に入って頂けたのか。

女神様のお手が我の身体からひとたび離れ、我の尻尾に優しく触れた。

 

あ、やぁ、だ、めぇ、ん、ふぅぅぅっっんっ!!

 

わたしは弱い部分を攻められて、今度こそ耐えられない。

気付けばちろちろと舌をのばして、めがみさまと愛を確かめ合って(にグルーミングして)しまう。めがみさまにいっぱいわたしの匂いつけないとぉ。ちろちろ、ぺろぺろぉ

 

あぅめがめさまぁ、おイヤでしたかぁ?

 

いきなり首筋を舐めだした(グルーミングし始めた)わたしにびっくりなさったのか、めがみさまのお手が突然止まってしまう。わたしは女神さまを覗き込み、かまってほしくて物欲しそうに下から見上げてしまうのだ。

 

そうすると。

めがみさまは一瞬お考えになられたのに微笑まれ、わたしの頭をおなでになられた。

 

くふぅぅっっっっンぅっっ

 

それ好きなヤツっ。わたしが一番好きなヤツですぅっ♪

全身てめがみさまに愛をお伝えすべくわたしは全身をめがみさまにこすりつけて、またぺろぺろ(グルーミング)を再開しちゃう。

 

ダメなのにぃ、みんなに見られてるのにぃ、めがみさまにナデられたらもう抗えないのぉ。ん、ちゅ、ふぁ、ぺろ、ぺろぉ……

 

あ、く、ふぅぅぅっっっん、おみみ、おみみコリコリだめぁ、つよつぎぃ、きもちよすぎますからぁ、うぅぅっっっふぅぅっっっん

 

みんな、みんなたえられなく、なるのぉ。あのこたちのまえでぇ、いぅう、ちゃいましゅからぁっ、だめ、なのぉ、ゆるしてください(もっとしてぇ)めがみさま(ごしゅじんさまぁ)

 

わたしがめがみさまのお手におぼれそうになった時。

ふいに、お手がわたしからはなされた。

わたしは瞳をうるませて、ついついめがみさまに目でうったえてしまう。

 

「くぅぅっっんっ

 

ひどいひどいひどいですめがみさまぁ(ごしゅじんさまぁ)

もっとなでて、なでなでやめないでくたさいっ。かまってかまってぇっ

 

そうすると、めがみさまは。

さいごに1つわたしの頭をなでてこうおっしゃった。

 

「また今度かまってあげるから、今はここまでね?」

「わうぅっん

 

この時我らが皆、愛する女神様にさらなる忠誠を誓ったことは言うまでもない。

 




この後めちゃめちゃナデナデした(白目)

閲覧ありがとうございます。

神様の手を生物相手に使うとこうなります。
ヤツの手はまさしくゴットハンドだったんだよ……。

早く手袋つけなきゃな(やる気ないね)

アンケートを見て全てを悟る作者。
覚悟はいいか、オレは出来てる。

2章で出して欲しい美少女についての意識アンケートです。

  • 薄汚れたおっさん冒険者美少女とかどう。
  • 火傷をおった元上級娼婦美女とかは?
  • 意識高めの義賊兄貴なんていんじゃねぇ?
  • なにをしている。まず建物を美少女にせよ。
  • え。選択肢全員じゃないんですか?

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