全てを美少女にしちゃう女神の俺が失われたアレを取り戻すまで   作:一二三 四五八

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閲覧感謝です。
今回はカミサマ目線となります。



3) 第2話 オレの切実な願いごと(1)

なるほどのぉ。

 

わしゃあ今地球にちこっと足を伸ばして有用な魂を探る作業をしとった。

異世界にしょっぴける魂ってのはまぁ正規の寿命で死んだもんじゃなく、本来輪廻から外れちまうような外道の中から選ぶことになるんじゃよ。

 

一番多い理由はあれじゃな。親より先に死んだモンじゃ。

 

これってな。思いの外地球じゃ重い罪になるんよ。

ンでワシラ異世界の弱小世界の神ってのはそういう魂から自分の世界を安定しうる人材を地球の奴らから引き取るカタチで請け負うんじゃな。

 

地球では命が余っとって、ワシラの世界にゃそれが足りん。

まぁゆうなればお互いワリとwinwinな関係なんよコレ。まぁそれだけじゃのうてワシラも地球のお偉い神さんの接待とか色々やるけどの。

 

なに?

 

神々の世界の話なのに妙に世知辛い?

人も神を同じ人格を持った生きもんじゃ。それが集まりゃ出来上がるモンに対して差などアリャせんよ。世の中なんてそういうもんじゃろ?

 

んで、その書類ん中でな。

ワシ見つけたんよ。逸材。正直彼を探しあてた時は震えたのぉっ。

じゃって聞いてよ君。この子ええ子なんじゃよ?

 

この子、入主 神威(イリス カムイ)って名前なんじゃけどな?

なんかすげぇ神の寵愛受けてそうな大層な名前しとるじゃろ。でも逆なんよ。この子すげぇ運がないの。むしろ自分の名前ネタにして”神なんていねぇっ”っていっつもボワイとるわ。

 

小さい頃に親に捨てられ、親戚の中ぁたらい回しにして育った彼は、生まれついてのくすんだ金髪に、紫掛かった濁った瞳で、ヤクザも裸足で逃げ出しちまうような強面の少年じゃ。

 

そんな見た目じゃからもう、周りからは勝手に札付きのワルじゃって思われとって、どこに行っても爪弾きモン。街にでりゃあ見に覚えのない罪状で補導に職質、街の不良にゃ喧嘩を売られ、ヤクザモンにゃあ目ぇ付けられる。

 

そんな人生を歩んどる少年なんじゃよ。

 

でもな。こんな人生歩んどるくせに全然すれとらんのこの子。むしろ自分の環境を常に変えようと努力しとるんよ。常に。

 

例えば最初の補導やら職質。

これを受けんようにする為、まず自分の事を知って貰おうと、街の清掃やら、迷子の子どもを案内したり、老人助けたりとか率先して動いとる。

 

次にワルども。

喧嘩ふっかけてきた奴らを捌いた上で、その身の上やらを親身になって聞いてやり、色々と世話をかけて廻ってその更生に務めとる。

 

最後に筋モンじゃが、これは相手の言い分に仁義でもってきちんと筋を通しきってみせることで、いっつも極々平和的に対処してみせとるワケよ。

 

んでもな。この子のやることなす事、まぁ全部裏目にでるんじゃよ?

 

街の清掃しとったら、その手柄は関係ない街の爽やかイケメンがやったことにされ。迷子の案内しとったら、間違いなくそのまま警察にご厄介。助けた老人たちからは持っとるモンを投げられる。ワルどもの更生自体は上手くいくんじゃが、周りからは族仲間にしか見られんようになる。

 

筋モンに筋通して争い回避すりゃ、それを認められてその筋のスカウト受けまくる始末。当然彼の居場所はどんどんなくなっていくんじゃよ。もちろん親戚の家ん中で誰も味方なんぞしてくれん。いびり倒されても必死にコラエルような男じゃ。

 

そんでも週末にゃあ諦めず地域清掃に励み、自分の食い扶持はアルバイトして親戚に納め、そんな生活でも人知れず野良猫達にゃ餌やりにいって、関係ない不良どもの面倒ごとに自分から飛び込んでいって解決しちまうような、もうなんというかの。面倒見がヨすぎる子なんじゃよ。

 

不良たちには親か兄貴みてぇに慕われとるけど、あとは動物達とたまに子どもから好かれることだけが生きがいのような日々を、ずぅっと送っとる少年なんじゃ。

 

晩年の口ぐせはの。

就職して自分で食い扶持稼ぐようになってからがオレの本当のスタートラインなんじゃあっての。恩師の進めで入った工業高校出たらバリバリ働いて、誰より幸せになっちゃるって。自分が更生させた不良ら相手によく漏らしておったよ。

 

最後ん時も、アレじゃ。猫らに餌やりにいった帰り、親ぁ見付けて道路に飛び出した子どもを暴走トラックから咄嗟にかばって、ぽっくりよ。しかもその親から、子どもを逆に事故に巻き込んだんじゃないかって疑われる始末。最後までもう、なんとも言えん子じゃったよ。

 

ワシな。さすがに色々納得できんかったから、地球の神々に言うてやったんよ。

こんな死に方したんじゃから、親より早うに死んだつってもなんか見逃してやれんのかってよ。そったらよっ。そったらばよっっ!!

 

ルールはルール、曲げれるワケねぇだろっっっ!!

むしろウチのシマじゃ只々お人好しの勘違いおせっかい野郎なんて、よくてどっかで喰い物にされておっ死んじまうのがオチだろっ、じゃっってよっっっ!!

 

じゃっってよっっっっっっっああぁぁっもうっっっっっっっっっっっ!!!

 

もうワシ腹が立って腹が立ってもう。その場で言ってやったんじゃっっ!!

じゃあこの子、ウチで貰ってええですかねっって!!!

 

そしたら悪趣味乙っっっ!!

 

マジムカつくわあのクソハゲ野郎っっ!!

こんどあったら叩きのめしちゃるわっっっっっ!!

 

pi pi っ(ガチャ)

「あ、ハイ~、いつもお世話になっておりますヴィンデルです。

はい、はい、ああいやぁ地球のお歴々にはいつもお世話になってますからっ!!

あ、はい、来週のゴルフ場? ……きちんと確保しておきますよ。任せて下さい!

 

……ええ、ええ。あ、もちろんその後も、楽しめる店。抑えておきますから~。

ええ、はいっ、楽しみにしておいて下さいっ、ハイっっ、ではまた!!」(ガチャ)

 

なんじゃいその顔。

じゃから言っとるじゃろ。人間と神なんざそう変わるもんじゃねぇってっ!

大手と弱小の仕事の付き合いってこういうもんじゃろがいっっ!!

 

……話がソレたの。じゃからその少年、これからココにくるから。

ワシャこの手の不憫な子に弱いんじゃ。

ワシの世界に来てくれるんじゃったら、できるだけ彼の希望叶えてやるつもりよ。

 

ああ楽しみじゃのう……。

 




閲覧ありがとうございます。
実はこの作品、色々と視点が切り替わることが多いのです。
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