全てを美少女にしちゃう女神の俺が失われたアレを取り戻すまで   作:一二三 四五八

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4) 第2話 オレの切実な願いごと(2)

「あん、どこだここ?」

 

暗がりの中にワシラと少年だけが浮かんどるような不思議空間の中。

彼のいの一番の一言がそれじゃった。

おおう。こりゃ凄いわい。写真で見るより100倍悪人面に見えるワ。

 

ワシ何の前情報もなく彼のことマフィアの放った殺し屋じゃって言われたら信じる自身ある。そんくれぇ怖ぇの。むしろワシ今ちっとビビっとる。

なんか色々納得できてしもうたワシ。おし頑張れワシ。ええ子。多分ええ子じゃ。

 

「ここは死後の世界じゃよ。」

「あ?ああ、やっぱりか……。じゃあアンタカミサマかなんか、……ですか?」

「おう。別の世界のって言葉が付くがのう。ヴィンデルという。」

「……オス、入主 神威っス。……あの、アノ子、どうなったか知りません?」

「お主のおかげで無傷じゃったよ。親御さんと元気に毎日過ごしとる。」

「っそっすか。じゃあ、ま。しゃあないスね。あざっすっ!!」

 

最初に自分がかばった子の心配か。ふふ、ワシの見込んだ通りの子じゃ。

ワシは一気に彼への愛着がわき、肩の力が抜ける。

そんな時じゃ。彼がぶっきらぼうに聞いてきた。

 

「自分、これからどうなるんスか?」

「地球のルールに従うと、君は親より先に死んでしもうての。

こっからその罰を受ける事になるじゃろう。」

「ああ、まだ生きてたんスね。ま、いっか。んでその罰ってのは?」

「賽の河原で100年程苦行を積むか。」

「つ、積むか?」

 

ワシは極限に貯めにタメた言葉を彼に言い放つ。

 

「人の意識をなんとなく保ったまま、オケラとして10回転生してもらう。」

「そ、そりゃあ。………相当キツイっすね?」

「おう。キツイ。正直ワシもどうかと思う。」

「でも、ルールなんでしょ、ソレ。じゃあ従うしかないんじゃあ?」

 

よしよし。入主少年からお決まりワードを引き出したぞい。

これで後は一気にたたみかけるだけじゃて。ワシの交渉力(ビジネストーク)が冴え渡るぞぉい。

 

「いやぁそこでワシの出番じゃて。あのな。

もし君がよければじゃが君。ウチの世界にこんかの」

「はっ?」

「イヤイヤ、ホレ有名な。

異世界転生ってヤツ、ワシそのスカウトに地球にきたんじゃよ?」

「えっあっ、あの……。それオレなんかで大丈夫なんですかね?」

「そらアンタ、大丈夫じゃから声かけとるんじゃろ。こう見えてもワシその世界の主神。ワシがええゆうたら地元じゃそれがルールじゃから。

問題なんて有るわけなかろ?」

「あ、そりゃぁ、その、はい。あの、どういう世界か聞いても?」

 

かかったっ!!

ここはまず不安を煽るが1手よな、かーらーのー?

 

「まーいわゆるオーソドックスな剣と魔法の世界じゃよ。まだまだ世の中全然安定しとらんからイベントにゃあことかかん。まぁちっと危険なんは確かじゃの。」

「そっすよね。そんなトコにオレなんかがポッと入っても大丈夫なんスか?」

「そうじゃよね、心配じゃよね。じゃが安心っっ!!

ここだけの話今回、ホレ、特典。お主の好きなん用意シちゃるから。」

「えっ、その。いんスか?」

 

おうよっっ、大放出じゃぁぁぁぁいっっっ!!

ワシャア彼を確実に釣り上げる為、でっけぇ釣り針を垂らすことにした。

 

「ええよ。ええよ。地球じゃ大分お主報われん人生送っとったろ。

ワシああゆうのもうダメなんじゃよなぁ~。じゃから、ホレ。お主はこれからワシの世界で、今流行りの異世界チート、存分に満喫してみんかい?」

「あの、主神の人がそういう事言っちゃって、いんスか?」

「そこはホレ君ぃっ、オフレコで頼むよキミィ?」

「あっ、ハイ!!」

「それでどうするね。オケラかチート、君はどっちとるんじゃ、ん?

オケラ オア チート、カワラ オア チート?」

 

さぁ決断の時よ。考える時間を与えないテンポのいい軽快なトークが勝利するモノ(セールスマン)の秘訣っ!!

これが有能な魂を確保する最大のポイントじゃ。入主少年よ今決断の時っっ!!

 

あ?悪質なセールストークにしか見えぬじゃと?

いやこっちゃもう全部誠意でやっとるから。悪質とかそういう感じの意味わからんから。こっちもノルマとか獲得に必死じゃからっ!!

ワシがそうやってなにかに心の中で激しく言い訳しとると(徳業を説いとると)

 

「あ、じゃあ、はい。チートで。」

「よしっ!! よう言うたっっ!!」

 

彼との契約が成立したんじゃっっ!!やっふぅっっ!!いやっふぅっっ!!

こんの瞬間はいっっつもゲキアゲじゃわいてっっ!!

言うが早いが早速ワシは有用な特典を進めるべく、彼に早口でまくし立てた。

 

「じゃあアレじゃ思いつく特典、なんでもワシに言って見てくれっ!!

ワシ今日、君のアレなアレ、全部聴く気で来とるからっ、ホレっ、ホレッ!!」

「あ、あの。ホントになんでも、いんすか?」

 

どこまでも遠慮がちな少年じゃっ!!

わっしゃあもう折角掴んだ逸材に遠慮なんてしてほしゅうなくて、もうあることないことぶっちゃけたっ!! 今こそ出血大サービスの時!!

 

おん。なんでそこまで熱心かって?

 

こんなお人よしに力ぁ与えた日にゃあそりゃ勝手に世の中の為になんかし始めよるじゃろ? ほんでワシの世界のバランスがとれる。最後にゃワシ丸儲けって寸法よ。

っは、あ、イヤイヤイヤイヤ。た、タダの純然たるぜ、善意の結果じゃてコレぇ?

 

「流石にこの世界の新たな造主になりてぇっ!!

とか言われたら断るけども。言うつもりあるかいの?」

「いえ、別に。」

「じゃあもう他は何でもいけるじゃろ?

あれじゃ。そっちで流行っとる剣からすっごいビームとか出る聖剣とかでもええぞ。もうそれ剣いらんじゃろって勢いの?」

「いや別にそういうのは、特に。」

 

ホムホム。純粋な力は求めんと。じゃあ次は権力か財力かのぉ?

 

「じゃああれか? 君だけ地球のモン買えたりするヤツ。

未開地取引でブイブイ言わせてみるかっっ!?」

「いや、なんかそれもちょっと違うというか?」

「ええい、なんでもええからもったいぶらず言ってみれ。ホレ言うだけはタダっていうじゃろ?」

 

ええい。遠慮も過ぎると毒というもんじゃっ。

ワシャア入主少年を急かし、彼がホントに求めるモンを絞り出すことにした。

するとどうじゃろう。ワシは彼の口からついて出た言葉に耳を疑う結果となった。

 

「うっス!! じゃあオレモテたいっスっ!!」

「ファっ!?」

「え?なにか問題でも?」

 

イヤイヤイヤイヤイヤっ。はい?

 




閲覧ありがとうございます。
ベタベタなのが好きなんですよねぇ(白目)

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