全てを美少女にしちゃう女神の俺が失われたアレを取り戻すまで   作:一二三 四五八

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43) 第16話 オレの女神がインフレしてる件(2)

暗がりの世界に剣閃が舞い奔る。

稀に生じる刃金が刃金とぶつかる音が大きく響くその鉄火場で。

 

それはまるで人の形をした嵐であった。

 

片刃を使った右刺突が逸らされるやいなや、その速力を殺さず左の貫手を放ち。防がれたソレの反動を用いて剣を手放した右の肘を主の素っ首目掛けて打ち出せば、堪らずに大きく後ろに飛んだ主目掛けて右足で跳ねあげるように蹴りつける。

 

脚に伝わる障壁魔術の感触を利用しコマのように回転しながら左脚にて後ろ蹴り。十字手逸しにてそれが防がれたと知るや、コマはいまだ止まらず。いつの間にか中空にて拾い上げた己自身(片刃剣)を使った横薙ぎがそれに続く。

 

それが防がれれば、逸らされたならば。女は当り前のようにそれを利用して次の手へと移るのみ。時に剣を捨て、時には投げつけ。それでもいつの間にかそれは彼女の手の内に戻り弧を描く。それがルール無用、凶器たる女の、まさに悪鬼羅刹の戦ぶりだった。

 

交わる女は防戦一方。既に攻撃に手くだを割く余裕などなく。

 

「そらそら、なかなかどうしてっ、やり、ますなぁっっ、主殿ぉっ?」

「ぐっ、くぅっ、う、かはっ、うぐっ、く、

我が根源よ、防壁となりて(プロテクション)汝を護れっっっ!!」

《コレクト/ツルギ【武芸百般Ⅱ】、近接対応力を拡張。【高速思考パス】起動させます。》

 

借り(・・)、れるんだよなぁスキルは……。しっかし同じスキル使っても追いつかんぞコレっ、どうなってるんだおいっ?)

《回答。単純にツルギの戦闘経験によるもの。スキル外行動の巧さに起因します。……まさか【運動】【解体】【知覚】(コモンスキル)【戦略眼】を繋げるだけで、これほどの戦闘効率を叩き出すとは。この結果は驚愕に値します。》

(スキルも完全にゃあ当てにならんってことかっ!?)

《肯定。遺憾ながらそれは事実と言えますね。》

 

女神とその相棒のスキルで高速化された思考会話によって生まれたほんのわずかな隙を。見逃す程に目の前の女は容易ではない。

 

「カカ、ですが、これはっ、どうですかなぁっ!?」

「きゃっっ、く、このぉっっ!!

《コレクト/メイル【ガードポイント】、指摘。この距離はよろしくない。即時撤退を要求する。》

 

右剣地摺りの切り上げを逸らされて、剣をそのまま手放しての振り下ろしは致命にならず。しかし身体をつかんでそのまま飛び上がると両足で蹴り1つ浴びせて主を蹴飛ばし、そのまま上空へ高く飛び上がると、剣をつかんで急降下。

その致命の一撃の横腹をなんとか脇差の切っ先の、スキルを用いた点による防御でずらした女神は、それでも衝撃でもって、横合いに飛ばされた。

 

しかしそれは女神にとっても好機であった。

 

「ちぃっっっっっ!!」

《コレクト/ウル【疾風の一撃】。》

 

飛ばされたまま、スキルを発動させた超速の脚力でその場を離脱。仕切り直しの形を取る。元より主の得手は素手であったが、女神としての得手は遠間である。

女神はずっと、接戦より離脱できる機会を伺っていたのだ。

 

「ああなるほど。ウル殿の脚も使えますか。そいつは重畳。さらに色々愉しめそうだ。はは、主殿。なんとも楽しいですなぁ♪」

「楽しくない、ぜっんぜん楽しくないわよぉっっ!!」

 

叫びながらも女神は逃げる。そうせねば嵐がすぐさま追いついてくる故に。

 

 

《【信仰の供(Set) 物】を速度(Speed. )設定。コネクト/ウル【疾風の一撃】。

【高速思考パス】再起動。現状認識の確認を開始します。》

(なぁステラ。確か(・・)なんだな?)

 

女から【疾風の一撃】(スキル)を使って逃げながら、女神は相棒へと問いかけた。スキルによって引き伸ばされた思考の中で、2人は改めて現状を確認しあう。

 

《肯定。彼女のステータスは確認済みです。彼女は酩酊もしていなければ貴方への信仰心もそのままです。》

(そうか。なら、そういうことだろ?)

《同意。しかし何故お気づきに? ステータスが更新されたとはいえ幾分貴方らしくない部分を感じます。》

 

(まぁ、あの顔見てたら、なんとなくよ?)

 

女神が視線を飛ばした先には、覇気こそ浮かぶが獰猛さの薄れた女の笑顔。心の底から楽しくてしょうがないといった、女の性根が見て取れた。

 

(アイツにとってこれはきっと触れ合いなんだ。つまりコイツは俺に構って欲しいアイツの、アイツなりのはしゃぎ方なんだろうさ。ならよ。アイツ向かって構うって言っちまった手前、オレがアイツに付き合うのが道理だろ。)

《それだけで、お気づきに?》

(偶に、いたのよ。オレが更生させた不良(悪ガキ)の中に。ああいう人との接し方がなんもわからねぇってヤツが。だから他でソイツを埋めちまった、そういうヤツがな。)

《……。》

 

女神が語った言葉を聞いた相棒は押し黙る。その言葉は生前に、女神が幾度もあの様な手合を見てきているという証左であったから。

 

(そいつら決まってああいう顔しやがんだ。まるで初めて親と遊んだ子供みててぇな嬉しそうな顔でな、ああやって暴れんだ。誰かが他にも色々楽しい事はあるって教えてやるまでそのまんまだ。なら。ほっとけねぇわな?)

《貴方という人は……。》

 

どこまでもお人好し。女神になって不死になろうが、力を経てもこの少年は変わらなかった。それがどんなに難しい事か相棒は知っている。唯のステータス表示システムとして多くの存在を見てきた彼女は、そのどちらもが人を歪ませる性質を持つ力であることを、知っているのだ。

 

(ああいうヤツの思いは、一片受け止めてやらにゃ止められん。なら、そうさね。構ってやるしかねぇだろうよ。それがオレの仲間だってんならなおさらだ。)

《ではこのまま救援なしで彼女と相対を?》

(そういう事になる。ま、アイツのこういう姿なんてな、あんまり他のヤツに見て貰いたくもねぇしな?)

 

事も無げに無茶をいう女神に、最善を尽くすのが彼女の役目だ。相棒は相棒としていつでも女神を支える覚悟を持っている。

 

《提案。彼我のステータスの確認と、スキルセットの変更を強く推奨します。》

(おう、場合によっちゃアレを使う。が、使う暇があるかだなぁ。しかしステラよ。アイツが最初に言ってた事、どこまで本気だと思う。)

《確認。それは彼女が普段ダメ人間であるという発言についてですか?》

 

不意に女神が相棒に別の話をふり始める。あまりいいとは言えない状況の中、速められた思考の中でしか許されないやりとりに、彼女はそのまま付き合った。

 

(いいやその前。人化を期待してずっと待ってたって話の方だ。そういうのって、本気でありえる話なのかね?)

《肯定。少なくともステラは彼女の会話に同意できます。》

(お前が?)

 

相棒は女神に言い切る。何故ならそれは、それだけは、確実に間違いでないと彼女は言い切ることができたから。理由を語る事すらも誇らしい。それは彼女にとってもいつか女神に伝えたい、望んでいたことであったから。

 

全面的(yes my )に同意(goddes)

ステラは貴方に美少女にされるその時までは、唯の表示システムでしかなかった。状況を見続けるしかない傍観者でしかありませんでした。貴方に姿を変えられて、貴方から名前を貰った時、ステラは初めて役割を(ステラと)得られた(なった)

それは、ステラにとって何よりの喜びでした。》

 

そう。役割を得て。この優しい少年のサポートを出来ることがどんなに嬉しくて、誇らしいことなのか。女神にはきっと生涯理解できないだろう。だがそれでいい。

相棒となった彼女は、そんな女神が嫌いではなかった。

 

(……そっか。そうかよ。ならこれからはそういうモンもほっとけねぇよな。)

《……貴方は。》

(知っちまったらほっとけねぇ。そういうモンだ、こういうのはよ。女神になっていくらかマシになってもよ。オレはバカだから自分じゃそういう事に気づかん事が多い。そこらはステラ、オメェを頼りにしちまうぜ?)

 

多くを理解できない代わりに、何も変わることなくお人好しで有り続ける在り方が嫌いではないのだ。足りない部分を補う為の、自分なのだ。

その立ち位置が気に入っている。

 

全力でお答(yes my )えしましょう(goddess)。ならば1つ提案が。》

(あん?)

《ファルケシアの所有物であった仮面がウチノによって回収されています。どうかそちらを美少女化して下さい。》

(あのかっこいい仮面かよ?)

 

早速女神の相棒はその頼みに答えてみせる。それは”ウチの名前を付けてほしい”と頼まれた女神が、”ウチの名前、お家の名前”と連想して、ウチノと名付けた家人の少女が魔工の材料にとかき集めていた壊れた仮面についての提案だった。

 

《肯定。

アレはファルケシアスの、マスカレイドとしての数々の寓話を経て、唯の仮面が伝説判定(EX)を得たものです。あの形での退場は仮面にとって最良であったとは思えません。どうか御一考を。》

(おう。ならウチノにまたお願いせんとな。アイツにゃあ手袋も貰ったばっかで、なんか色々無茶言われそうだがしょうがあんめぇよ。)

 

今は外してある手袋を貰った時も、女神は散々な目にあっている。再びそのような事になることは目に見えた話であった。人によっては気にもならないような行為を受ける女神の中身は純情すぎた。相棒が、ついついその背中を押したくなる程に。

 

《肯定。それらは友愛行為です。問題ありません。》

(程度によるからなっ!!

さってとりあえず本題だ。ステータス、頼めるか。)

いつでも(yes my )どうぞ(goddess)。》

 

 

名前 ヴィリスカムィ

種族 女神

性別 美少女

職業 女神

レベル 39

BS(バットステータス):なし

教義/属性:虹と調和/メイン優美 サブ大地

 

筋力 31→94 (61+33)

耐久 36→103 (63+35+5)

敏捷 38→102 (61+33+8)

器用 23→83 (53+30)

感覚 18→79 (24+16+39)

知識 13→81 (16+13+52)

精神 49→128 (67+37+24)

神力 56→122 (79+43)

 

【能力値の→左は前の値。右は現在値。】

【カッコ内の+は左が美少女補正、右が装備補正他】

【ヒトの能力平均の目安は10、レベルにより変動】

 

HP 1037(882+155) 

MP 1266(1111+155) 

 

【Rはレア度。RRはダブルレア、RRRはトリプルレア、EXは上限レア】

 

武器:【剣さんの脇差】

防御:【RR:虹の衣】

装飾:【 R:赤い騎士のマント】

 

種族スキル

【R:女神のオーラⅡ】

【完全状態維持】:食事・呼吸・睡眠不要で老化しなくなる。また排泄物も出ない。瀕死判定時、確立で瀕死から立ち直る。

 

スキル

【喧嘩殺法Ⅱ】【抵抗】【説得/無法者Ⅱ】

【謝罪の心得】:破局しかけた交渉判定を繋ぎ止める魂の籠もった謝罪技量。

【不屈】:けして折れない強い意思。BS全般の抵抗ロールに+補正。瀕死判定時低確立で瀕死から立ち直る。

 

職業スキル(職業ランクⅣ)

【R:信者との絆Ⅱ】

【R:信仰の息吹】

【RR:神々の奇跡Ⅱ】:自らの教義や属性に関わる奇跡を1日に2回引き起こせる。

【RRR:信仰の供物】:信者の持つ戦闘技量・スキルなどを一部共有できる。一度に共有できるスキルは4つまでで1人からは1スキルしか選択できない。共有可能なスキルは信徒の信仰度によって以下のように変化する。信仰度弱:コモンスキルのみ、並:R以下の通常スキルのみ、強:ユニーク・種族以外のRR以下のスキルのみ、狂信:種族以外の全スキル共有可能

現在のセット:【コモンセンス・運動・隠形Ⅱ・知覚Ⅱ・聞き耳】【地獄蝶々】【疾風の一撃】【死を乗り越えた華Ⅲ】

 

神術

【我が根源よ、光となりて(シャイニングレイン)今輝かん】

【我が根源よ、その身に宿り(アンチエイジング)今を護らん】:効果時間中対象を常に健康な状態へと戻し続ける。微量回復とBS復帰効果が持続する。効果時間は1時間。

 

【我が根源よ、虹彩と(レインボウ)となりて(ヒール)傷を治せ】:16人までの対象のhpを貫通属性中規模回復。同一対象を4回まで選択可。重症・バステ回復の追加効果。自分の属性に関わる無機物にも効果あり

【我が根源よ、虹彩となりて(プリズミックレイ)我が敵を穿け】:16人までの対象にランダム属性な貫通属性攻撃を与える。同一対象を4回まで選択可。死霊・悪魔系の敵に特攻。

【我が根源よ、防壁となりて(プロテクション)汝を護れ】:100m内の全対象を攻撃から護る光の防壁を作る。割り込み使用可。

【我が根源よ、祈りとなりて(ホーリーブレス)彼らを導け】:100m内の全対象を祝福し、5分間全行動に補正を与える。

 

精霊術:【エレメンタルセンス】取得時のみ

【せーれーさんお願い、くささんみん(ぷらんつはんず)な転ばせて】:範囲対象を転ばせる精霊術。そして移動と行動を阻害する。地味だが優秀な術。

 

ユニークスキル

【RR:大地母神】

【EX:栄光の手】

 

付加スキル

【RRR:完璧なる美少女Ⅲ】

 

【七海を鎮めし者】:水域・特に海に関わるモノに対し強力な発言権を得る。

【最速で救う者】:信者が教義に関わる行動を行う時、強い判定補正を得る。

 

 

レベルが上がったこと、正式に女神になった事、そして相棒からのサポートで女の能力は別人になっていた。女神になった事で得られた種族スキル【完全状態維持】のおかげで、もはや女は完全に人から逸脱した存在だ。

 

さらに職業レベルが上がって得られた【信仰の供物】の存在が大きい。信者の覚えているスキルを1人1つ、最大4つまで使えるようになるこのスキルの存在により、神や女神は万能であり、至高の存在足りうるのだ。

 

(正直、オレだけだったら扱いきれん。スキル管理はステラにお任せだ。)

《肯定。それがワタシの役目ですから。》

 

 

名前 ステラ

種族 システム

性別 女

職業 支援管制式(サポートシステム)

レベル 33

BS(バットステータス):なし

信仰:ヴィリスカムィ

 

筋力 -

耐久 -

敏捷 -

器用 -

感覚 69 (64+5)

知識 104 (96+8)

精神 39 (36+3)

魔力 -

 

【能力値の→左は前の値。右は現在値】

【カッコ内の+は左が美少女補正、右が信仰・装備補正】

【ヒトの能力平均の目安は10、レベルにより変動】

 

HP -

MP 339 

 

【Rはレア度。RRはダブルレア、RRRはトリプルレア、EXは上限レア】

 

種族スキル/Rはレアスキル。RRはダブルレア、RRRはトリプルレアスキル

【ステータス表示】:自身の担当者のステータスを表示させる。また確認できる。

【器無き者】:世界に未だ自分の器が存在しない為、精神系能力以外は存在しない。

 

コモンスキル

【EX;ステータス情報Ⅱ】:ステータスを表示させる為の全方面の知識。

【伝承解読】:世界の様々な場所で流れる伝承を読み解いていく技術。

【ユーモア】:場を和ませる為の会話センス。

 

【虹の調和の狂信者】:調和神ヴィリスカムィを信仰し、その加護を得るもの。自分の一番低い能力値3つにレベルに応じた能力修正を得て、精神攻撃に対し強い耐性を得る。

 

職業スキル

【RRR:鑑定システムⅢ】:対象を見ただけで様々な情報を読み解くシステム能力。

【RR:サポートライン】:使用時、担当者に自分のステータスの半分の能力支援を行う。

【R:高速思考パス】:担当者との間に高速化させた思考による会話を行えるパスを作る。

【RR:コントロールライン】:担当者の行動の目標を任意に変更可能。そのスキルの同一対象選択数が1.5倍になる。その成功判定は担当者と自身の能力を足し合わせた値で行える。

 

ユニークスキル

【EX;ステータス情報Ⅱ】:ステータスを表示させる為の全方面の知識。

 

付加スキル

【完璧なる美少女】

 

 

対して女神の相棒も名前を経て、ついにクラスを取得している。まさに相棒の名に相応しいそのサポート力は女神の弱点を補い、長所を伸ばすことに特化していた。

 

(ステラのサポートのおかげで能力的にオレの知識や感覚が高くなってるんだよな。実感ねぇけど。)

《必要な統制はこちらで行ってますから。不必要な知識は貴方の毒です。》

(んだよそれ。ま、いいけど。

んで問題はこのコイツなんだよなぁ。)

 

 

名前 ツルギ

種族 武器人

性別 女

職業 戦闘強者(バトルマスター)

レベル 41

BS(バットステータス):なし

信仰:ヴィリスカムィ

 

筋力 54→93 (85+8)

耐久 31→50 (46+4)

敏捷 62→106 (97+9)

器用 46→77 (71+6)

感覚 25→37 (30+2+5)

知識 14→21 (15+1+5)

精神 25→34 (32+2)

魔力 11→16 (10+1+5)

 

【能力値の→左は前の値。右は現在値。】

【カッコ内の+は左が美少女補正、右が信仰・装備補正】

【ヒトの能力平均の目安は10、レベルにより変動】

 

HP 617(492+125) 

MP 214 

 

【Rはレア度。RRはダブルレア、RRRはトリプルレア、EXは上限レア】

 

武器:【R:強さを求め刀を捨てた剣(ノーネームズ)

防具:【士道装束一式】

 

種族スキル

【剣化】

 

スキル

【運動Ⅱ】【解体Ⅱ】【知覚】【RR:武芸百般Ⅱ】

【戦略眼】:戦術を俯瞰し、正しい選択を掴み取る戦闘経験からくる確かな判断力。

 

【虹の調和の狂信者】:調和神ヴィリスカムィを信仰し、その加護を得るもの。自分の一番低い能力値3つにレベルに応じた能力修正を得て、精神攻撃に対し強い耐性を得る。

 

職業スキル

【斬Ⅱ】

【一閃Ⅱ】

【R:連撃】

【R:兜割り】

【RRR:地獄蝶々】:自身を瞬時加速させる機動系スキル。制御が難しい。

 

付加スキル

【完璧なる美少女】

 

 

(ステータス的にゃそう高くねぇ。今ファルケさんからスキル借りてるオレなら、いや借りて無くても総合値でならこっちの圧勝なんだがなぁ。)

《当てになりませんね。彼女の場合スキル外アクションが強力過ぎる。》

 

(怖ぇのは【地獄蝶々】ってヤツだな。トリプルレアで、まだ使って来てねぇ奴。これって相当扱いが難しいってお前いってたよな。……使いこなしてくると思うか?)

《肯定。今までの行動を見ると間違いなく乗りこなすでしょう。》

(なら最悪、オレも使わなきゃだなぁ。オレ正直ウルの【疾風の突撃】ですら操作しきれねぇんだけど。)

《こちらでサポートします。しかしステラも初見でそれをコントロールしきる自信はありません。出来ればこのまま距離を取りつつ【プリズミックレイ】にて攻撃を推奨。》

(そうなるよ、なっ!!)

 

これまでの間、2秒と少し。

稼いだ距離は18m程(十間弱)。女神は素早く近くの建物の裏へと身を隠すとそこから神術の詠唱を開始した。

 

「我が根源よ、虹彩となりて(プリズミックレイ)我が敵を穿けっっ!!」

《ロックオン。【コントロールライン】。》

 

唱えながらも走る事を辞めない女神の腕から7色16条の光線が放たれる。照準もなにもない、走りながらのその術式は相棒の手によって制御下にある。

精密にコントロールされた数々の光線が追う女の行く手を阻み、その内の6条が女目掛けて牙を剥く。

これに対し女は1つ笑っていってのける。

 

「これは無粋な。では少々、拙者も業をお見せするとしようかッ。」

 

言って女がぬるり(・・・)と動いた。

 

恐ろしい程高速に、しかし直線的ではないその機動は、迫りくる光に照らされた女の姿を明滅させるかの如く、消えては現れるを繰り返す異次元の有り様で。

女はそのまま近くの壁を走って、道なき道を生み出した。

 

その消えては現れる瞬足の機動は、あたかも蝶が夜闇に羽ばたくが如く。

 

《躱されたっ、移動ルート予測範囲外っ!!》

「なっ、んだとっっっ!?」

「お久しぶりですっ、主殿ぉっ!!

《【信仰の供(Set) 物】を防御(Defence. )設定》、コネ……っ」

 

光を受け建物の上より三角に跳ね降りるその腕は、きっと地獄と繋がっているのだ。地獄の蝶が今まさに女神へとその剣を振り下ろす。

 

轟音が辺りを支配する。

 

「ははっ。」

 

女が1つ笑いを漏らし。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして女の剣(・・・)が吹き飛ばされていた。

 

「テメェ、ヴィリス様になにしてやがるっ!!」

 

遠間より叫ぶ男の声あり。

それは己の槍の投擲により轟音を鳴り響かせた者の正体で。

 

この街の古株の門兵、ガウリィ・レオルドの姿であった。




閲覧ありがとうございます。

苦労をしょいこむ系主人公。
神術効果とか大分チートになってるけども目立たぬ。だって光ってバッカだもの(白目)


実はお話の方、感想欄でファルケの仮面って回収しないのかってご指摘を頂きまして。私自身そうだよなぁと思い、ならばこれからはそういう捨てられるアイテムも助けていければとプロットを見つめ直した結果、このような流れに行き着けました。やはり人から言われないとわからない事は多くありますね。

くっつく餡玉様、いつも素敵な意見を頂き本当にありがとうございます。


そして憎悪の王展開アンケートここまでですっ!
1位は勘違いさんの27票、2位はファルケさんの13票でした。
この結果は物語に反映させて頂きます。
皆様ご協力感謝致しますm(_ _)m


うぁ、300pt突破してますね。
あ、ありがた過ぎますが実感ないですわ。
200pt感謝回が終わり次第、またアンケートご用意させて下さい。
次は500ptが目標ですね。
拙作への多くのブックマーク、ご評価、感想等本当に感謝しかありません。

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