全てを美少女にしちゃう女神の俺が失われたアレを取り戻すまで   作:一二三 四五八

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前回の教訓から上中下のタイトルを廃止し、ナンバリングに変更することを覚えたヘタレがここにいます。最近文章量、予定外に膨らむことが多いのでご勘弁を。
全体的にナンバリングに変更していきます。

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45) 第17話 オレ、冒険者になります(1)

はい神威です。昨日はひどい目にあったなぁ。アレから魔法の氷が溶けるまで震えながら過ごすことになりました。地味にガウリィさんに申し訳がなかったです。

とりあえず氷が溶けた瞬間に回復魔術と土下座、いっときましたっ!

 

すげぇ慌てられて逆に申し訳なかったです。なんか色々ごめぬ。

 

んでだな。ようやっと朝って事になったんだがねぇ。まぁ死屍累々なのよみんな。てかね、しこたま酒飲んで街中で倒れるように寝てりゃあね。なりますよ。ゾンビに。口を揃えて「うー」とか「あー」とか言ってんのよコレが。青い顔して。

 

この世界の酔いってのはバットステータスの一種だから、見かねたオレはさっさと回復魔術で治そうかって思ってたんだけどさ。ガウリィさんから止められてね。

 

このひどい酔いも散々昨日全員で騒いではしゃいだ証だから、それが完全に治ってたら昨日の事全部夢みたいに思えちまうから、残してあげてくれってさ。

酔っぱらいが次の日苦しむのは当り前だって笑ってたよ。

 

言われてオレも納得しちまったんで結局そのままだ。仲間内にゃ速攻かけたけど。特にファルケさん。すっげぇ不機嫌そうにしてて怖かったから。怖ぇから。

爽やかファルケに戻った彼女は、

 

「それでは女神、自分は成すべきを成すために昔のツテを回ってきます。」

 

って言って颯爽とどっか行こうとしてたけど、なんとか引き止めた。

あと母親の事は大丈夫なのかって聞いたんだけど、なんでも自分の船と合流すんのはしばらく後なんで、それまでは急いでもどうにもならないって話だ。

船持ってんだなぁ。海賊だもんなぁ。

……とことんかっこいいな組長っ!!

 

で、オレ達なんですが。

 

「ウチノ、少し頼みたい事があるんだけどさ。」

「ふぅん、なんですのぉ?」

 

なんとかウチノから例のモノを貰い受けれたオレは今絶賛彼女のおもちゃになってます。街の端の方の空き地、使っていいよって言ってくれた人がいたんでそこで今ウチノの出した家の中にいるんだけどね。

 

朝からずぅっとオレに枝垂れかかってくる美人さんがオプション化しとる訳です。本当にワカバとコイシを置いてきてよかったなぁと、思う訳ですよ。

 

あ、こらっアンダーっ。テメェまで巻き付いてくんなっ!!

 

色々もぞもぞしたり息吹きかけんのヤメてぇっ(涙目)

 

「フフっ、では私も?」

 

ちゃっかりファルケさんも乗っからないで下さいっ!

しかも抱きついてきたとたん、妙に色っぽくならんといてぇっ。

お、オレら男同士でしょぉっっ組長ぉっっ!!

 

「(ごごごごご)あらあら、ウフフ。」

「ふふっ、こわやこわや。」

 

はい、みんな説教です。メイルさんの。あ、オレもですね。理不尽っ!!

で、その流れでファルケさんの仮面を掴んだわけですが。

 

「よもや俺がもう一人いようとはな?」

「ああ、なるほど。まさに海賊(・・)の私というわけか。」

 

絶賛2人に増えました。

でも二人共なんとなく似てるんだけど色々違うのよ。

 

ファルケさんは短い髪のマリンブルーに赤い眼をした男装の麗人って感じの、それでも背も170は無い位の胸も大きい女の人って感じなんだけどな。

 

仮面さんは全体的に大きくてそれでいてスラッとした、ちょっと見た感じは男性に見えるような人なんだ。身長も180に近くて胸もねぇ。どっちかっていうと優男って感じだな。しかも仮面外すとファルケさんよりも厳し目の、どっか悪そうな顔つきだしな。ま、髪の色と眼の色とか、やっぱ顔全体のパーツは似てっし美形なんだけども。少女漫画にでそうな感じの。あ、どっちもか。

 

なんも知らずにファルケさんの兄貴って紹介されたら信じちゃうねオレ。

 

見た目もなんか全体的に海賊っぽいのな。かっこいいと思います。

あのコートいいなぁ。凄く立派な黒くて物々しい雰囲気のロングコート着てるのよ。肩パットとか入ってるみたいで着るとますます男っぽく見える。それに仕立てのいい白シャツと黒ズボンが相まってもの凄く海賊です。しかも大物の。

あの、出る作品間違ってませんか?

 

「女神よ、感謝する。自身の為に戦い続けたこの俺に、いまだ機会をくれるとはな。ならば俺は7つの海を貴方に捧げてみせよう。いいな、もう1人の俺。お前は陸で、俺は海だ。なぜならマスケレイドは海の漢だからな?」

 

「ふっ、どうにも私らしいなもう1人の私。だが私はまだお前の実力を知らないんだ。だからまぁやることは、わかるだろうマスケレイド?」

 

そんな風に言い合った2人は仲良く連れ立って家を飛び出していった。ああ、あれは間違いなく殴り合いの空気でしたわ。

 

「あらぁ、男の人ってホントぉアホやねぇ。」

「仕方ねぇよ。男なんだしよ。」

「あはは、だよねぇ。」

 

存在を認め合う為に殴り合う。そんなバカはホント腐るほど見てきたからなぁオレも。ああいうのは周りに迷惑かからん程度にやらせとくのが一番よ。

《存外悟っていますね貴方?》

 

まぁな。色々あったんだよ。

あ、マスケさんのステータスはファルケさんとほとんど一緒だったぜ?

あのレベルの人もう1人増やして大丈夫だったんだろうか。

 

《肯定。なるようにしかなりませんよ?》

 

お前、どんどん適当になっていくな。いいけどさ。

 

《貴方の相棒なので当然です。》

 

へいへい。すいません適当で。

んで残されたオレ達はというと、今現在ウチノ以外を連れだって街の冒険者地区にある冒険者ギルドに向かってる。街の偉い人と合う準備に、ちょっと時間がかかるって衛兵さんが言ってたからな。その間に顔出しとこうって話になったんだ。

 

これでやっとこさオレたちも無職から抜け出せるってモンだ。

 

ウチノは家で魔工やらなんやらでみんなの装備を作る準備をしたいってさ。アイツの職業魔工師ってのは色んなモンを作ったり、それに魔素ってのを込めてマジックアイテム化したりできるクラフト系の専門職なんだって。なんか本来サトゥさんの専門の職業なんだって言ってた。サトゥさんの転生特典なんだとよ。

 

ああサトゥさん。佐藤が名字でした。名前が棚佳(タナカ)だったわ。

 

ちょっとすっきりした。俺たちがこれから集めた素材で色々作ってくれるらしい。……ウチノには頭上がんねぇな。あ、全員にか。

冒険者地区に入ってしばらく、周りに冒険者達の姿がちらほら目について来た頃だ。

 

色々考えってっとツルギがうっすら微笑みを浮かべてオレに話しかけてくる。

 

「皆で冒険者登録、楽しみですね。我々にはピッタリの仕事だと思います。己の腕を磨きながらも糧を得られる。素晴らしいことだ。」

「あらあらぁ、本当にツルギさんは雰囲気変わりましたよねぇ?」

「誰でもたたっ斬るって感じの凶剣さんだったのにねぇ?」

 

確かに別人かよって位変わってるんだよなぁこの娘。黒髪でポニーテールってのは変わらずだけど、以前って結構跳ねるような感じの髪質だったのが、すっごい綺麗な艷のある髪になったし、眼の色も静かな朱色になって、神秘的になった。

 

佇まいも全体的に男らしかったのが女らしい、それでもって隙のない代物になってるしな。何より纏ってる空気が丸くなった。落ち着いた感じの美人さん。大和撫子って感じになっちまったよ。3歩後ろを歩く感じの。

 

綺麗なおねぇさんって感じでちょっとドキドキします。

 

「面目ない。それもまた未熟な私の一面なのだ。しかし己を律する事もなくそれを出し続けていた。それは何より恥じるべき行為だ。許しは請える身の上ではない故、これよりの所作で汚名は雪がせて頂くさ。」

「すっ、涼やかさんめっっ!?」

 

大人だなぁ。昨日の凶暴ぶりが信じられねぇわ。

《貴方にとっては喜ばしい変化では。度々斬りかかられては身体が待ちません。》

まぁね。そこは否定しない。

でもまたあんな風になられては敵わんので先に釘は刺しておくべし。そしたらこの娘意外なお願いをしてきたんだ。

 

「あんま気にすんなよ、タメすぎる前に発散しろな?」

「お言葉有り難く。ではごく稀にで構いませんので主殿のお手で私の刀身の手入れをして頂けませんかな?」

「いいのかソレ。オレに触られたらその、なぁ?」

 

オレが触れるとエ◯くなるぜ?

《真実ですが言い分だけ聞くと最低です。》

うん。オレもそう思う。でも彼女まったく動じずこう言ったんだ。

 

「構いませぬ。

それでもなお我が主の手で自身を磨かれたいという女心、というモノなのですよ。なにより私はもはや身も心も主殿に捧げております故に、なにも困るようなことはございませんよ。」

「オマエ、そりゃ。」

 

目を細めながら、こんな美人さんに少しだけ頬を染めてこんなこと言われるとね。どうしていいのかわからんのですよオレは。

そんでもってオレがワタワタしてるとそっと耳元まで近づいてきて囁くように流し目でオレに微笑みかけながら。

 

「私に戦以外の喜びを色々と教えて下さるのでしょう……?」

「お、おう……。」

 

なんて言われると、もう流されるままに返事をしてました。

そういう意味で言ったつもりじゃねぇんだけどなぁ(白目)

びっくりするほど女らしくなっていらっしゃる。

 

美女の流し目って凄いと思いました。

 

《楽しそうで何よりです(生温かい口調)》

おかんやめて。

でもこの話、ここで終わらなかった。

 

「あの、貴方様。そういう事でしたらワタクシもその、磨いて頂ければと……。」

「えっ、メイルさんもっ!!」

 

なんとウチの良心がおずおずと話に乗ってきたのである。

余りに意外だったんでオレがちょっと驚いた顔をすると、じんわり震え初めてな。上目遣いで聞いてくるんだ。涙目で

 

「イケませんかぁ……?」

「いや全然、大丈夫だけどさ。なんか意外でよ?」

「あらあら、ワタクシだって貴方様のモノですものぉ、この身を隅々見知って頂きたいですわぁ?」

「あ、はい……。」

 

こんなん断れるわけないんですよ。しかもオレがいいって言った瞬間、普段のふわふわ感を5倍位にされちゃうと、もう何も言い返せねぇ。

頼りになる人に甘えられると強烈だなって思いました。

 

《その小学生みたいな感想は正直どうかと思います。》

 

おかん、ダメ出しやめて。

そうなると当然もう一人。小悪魔が動かねぇ筈はねぇ。

 

「じゃあじゃあ、アタシにもお願いねご主人さまぁ~♥」

「いやいや、オマエの手入れって、そこは自分でなんとかしろよおいっ!!」

 

イヤそこは断るだろ。刀と鎧の手入れとかはわかっけど、オメェ下着じゃん。男に何させようとしてんだよっ、下着の手入れって唯の洗濯じゃんっ!!

《指摘。貴方も身体は女なのでそうおかしなことではないのでは?》

 

心はまだ初心な男だからっ、割り切れる訳ねぇからっっ!!

 

「なぁんでよぉっ、贔屓禁止だってぇっ、アタシもご主人様に洗ってほしいモンっ!!」

「テメェっ、んなこと大声で叫ぶなよっ!!」

 

テメェ、人様が見てる所でんな誤解されるようなこと大声で言ったら、オレダメ男見てぇじゃねぇかよぉっっ!!

《否定。貴方の見た目は女です。》

 

「なんでぇっ、アタシもご主人様の手でアタシの表も裏ももみくちゃにされたいんだもんっ!! 

「ひ、人聞きが悪すぎるっ、ちょっ、おまっっ!!」

 

すがりつくなっ、マジ、ちょっ、人、人の目がっ!!

《基本、女性からの申し出に強く出れない人ですよね貴方。》

 

「そんでたまにはアタシを使って欲しいのぉ~、ご主人様をアタシも包みたいっ、

ご主人の足(ご主人の)アタシの中に入って着て欲しいのぉ、アタシもご主人のモノだって感じたいんだからぁ~、見捨てないでぇ~~~。」

 

や、やめろぉっ、全力で涙目になってそんなこと言うのヤメてぇっ!!

ちょっ、ツルギとメイルさんは、複雑な顔で苦笑いしてねぇで止めてくれってぇっ。

《彼女達からすると半分は同意できる話なので手が出しづらいようですね。》

 

いやいやっ、ソレ以前にこんなこと人前でやってたらよぉっ!!

 

「いやだわ痴話喧嘩よ?」

「あんな美しい女性が、そんな事を?」

「……嫌いじゃない。」

「っへ、世の中狂ってやがるぜぇっ。なんて背徳的なんだ(鼻血)」

「オネェサマ……。(ぽっ)」

 

ほらぁっ、道行く冒険者の人になんか変な目で見られちゃうからぁっ!!

《まぁ、中々衝撃的な光景かと。

しかし少し気になる反応の者が混ざってますね。》

今そんな事どうでもいいわっ!!

 

「わかったっ、わかったから離れろっ、コラっ!!」

「やったぁっ、ご主人サマだぁいすきっ!!」

「だから抱きつくなってぇっ!?」

 

いきなり飛び込んでくんなってぇっのっ!

 

「よそでやりなさいよ、よそで。」

「なんとも悩ましい光景だ。微笑んでよいのか咎めるべきか。」

「……嫌いじゃない。」

「っへ、泣かせやがるぜぇっ。なんて感動的なんだ(鼻血)」

「オネェサマァ……。(ほぽっ)」

 

ほらぁ、冒険者の人達の目が痛いんだってぇ。

《指摘。痛いのは我々だけではありません。あまり気にする必要もないのでは?》

なにいってだオマエ。

 

「やれやれ。アンダー殿、そろそろおやめなされ。気もすんだ事でしょう?」

「そうよぉ。ヴィリス様もお困りのようですしぃ。」

「うんっ、楽しかったっ!!」 

 

あっ、コイツ今までの全部嘘泣きなんじゃねぇかっっ!!

 

この後一杯語りあった(肉体言語で)。

 

ギルドにつくのが少しだけ遅くなったオレはきっと悪くない。

 

 

・付録:ツルギの現在ステータス

 

名前 ツルギ

種族 武器人

性別 女

職業 剣聖(マスターソード)

レベル 41

BS(バットステータス):なし

信仰:ヴィリスカムィ

 

筋力 93→115 (97+18)

耐久 50→54 (46+8)

敏捷 106→140 (118+22)

器用 77→105 (89+16)

感覚 37→66 (52+9+5)

知識 21→23 (15+3+5)

精神 34→84 (71+13)

魔力 16→18 (10+3+5)

 

【能力値の→左は前の値。右は現在値。】

【カッコ内の+は左が美少女補正、右が信仰・装備補正】

【ヒトの能力平均の目安は10、レベルにより変動】

 

HP 773(568+205) 

MP 474 

 

【Rはレア度。RRはダブルレア、RRRはトリプルレア、EXは上限レア】

 

武器:【RRR:乱れ焔薄羽造り・千子村正大太刀拵え】

防具:【剣聖装束一式】

 

種族スキル

【刀化】

 

スキル

【運動Ⅱ】【解体Ⅱ】【知覚】【RR:武芸百般Ⅱ】【R:大太刀戦闘Ⅲ】【戦略眼】

【虹の調和の狂信者】

【RRR:剣聖の理/大太刀Ⅲ】:大太刀を扱う際命中・クリティカル率大上昇。ランクがⅢ以上の時剣系クラスは剣聖に転職可能になる。

 

職業スキル

【斬Ⅲ】

【一閃(Ⅲ)】武器スキルとの重複によりレベル上昇中。

【RR:連撃Ⅱ】

【RR:燕返し】:成功判定にペナルティを受けるが【斬】を1度連続で使用できる。

【RRR:地獄蝶々】

 

ユニークスキル

【RRR:効率戦闘Ⅲ】戦闘時あらゆるスキルを効率よく使い、戦闘に活かせる英傑の技量。クリティカル率、異なる手足を用いた攻撃の速度が大幅上昇、さらに全ての攻撃速度が微量上昇する。

 

付加スキル

【完璧なる美少女Ⅱ】

【切断者Ⅲ】:乱れ焔薄羽造り・千子村正大太刀拵えの武器スキル。クリティカル時、対象の防御を無視してダメージを与えられる戦闘技量。レベルが上がればクリティカル値上昇。

【斬属性一閃付加】:乱れ焔薄羽造り・千子村正大太刀拵えの武器スキル。斬属性の攻撃に【一閃】の効果を与える。重なった場合、更に攻撃範囲が増加する。

 




閲覧ありがとうございます。
いやぁ冒険者ギルド、遠かったですね。
みんな何故か中級上位か上級下位くらいに育ってますけど。
これはもう初心者いびりさんは命がけですよきっと(白目)

次回はそんな話です。

200pt感謝回アンケート回答ありがとうございます。
次回の投稿にて締め切らせて頂きますね。
まだ押されてない方がおられましたら是非ご参加下さい。

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