全てを美少女にしちゃう女神の俺が失われたアレを取り戻すまで   作:一二三 四五八

60 / 62
60)300pt感謝回「アデルの森ビフォーアフターズ4」

みんな一緒になったなら、みんなでお家を造っちゃおう♪

みんなの力を1つにしたら、不可能なんてなにもない!

 

 

 

「じゃあみんなー、やるよー!」

「みんな家造り頑張ろうね?」

 

「「「「「「各自、指示通りに頼むぞ!!」」」」」」

 

「「「「「「うぉー、やるぜオマエラーー!!」」」」」」

「「「「「「ヤル。イエ ツクル!!」」」」」

「「「「「「やるだーーーーー!!」」」」」」

「「「「「「(リザードマン)住処 重要。協力 惜しまぬ!!」」」」」

 

「「「「「「(トロル)オデ、頑張るでよぉ」」」」」」

「「「「「「力、仕事、まか、せろ?」」」」」」

「「「「「「ドウホウ ツカウ イエ タノシミ ダ」」」」」」

 

『『『『『『通訳と、草木への指示は任せな』』』』』』

『『『『『『アタシらは別行動だねぇ。森の探索だ』』』』』』

 

『『『『『『キキ、季節外れの実回収しないとね』』』』』』

「「「「「「シタカラ ウケトルゾ。サル タチ」」」」」」

「「「「「「(ぽよぽよ)ボク達木の皮溶かすの!」」」」」」

 

『『『『『『ウモウ、なんでも運ぶよ?』』』』』』

『『『『『『シカカカ、どこか行くなら乗ってくか?』』』』』』

「「「「「「俺らにもやらせな。あとコイツラの護衛は任せろ」」」」」」

『『『『『『(角うさぎ)ボクらもたたかう!』』』』』』

 

『『『『『『(梟)空から見守ろう』』』』』』

『『『『『『(狼)地上は任せろ』』』』』』

「「「「「「頼むぞ、同胞達よ」」」」」」

 

「えー、ホントにやるんすかぁ?」

 

「「「「「「面倒だなぁ。家とか洞窟でいいんじゃね?」」」」」」

「「「「「「そうそう。んなモンいらなくねぇスか?」」」」」」

「「「「「「なんなら人間の街とか襲やぁいいんスよ。もう出来てるしぃ?」」」」」」

「「「「「「楽でいいんじゃねぇッスか?」」」」」」

 

「襲ってどうする。先程もいった通りこれからは誰かからの略奪は禁止だ。」

(むぅ。流石ゴブリン。鬼族の幼体(・・)とはいえこのモラルのなさはこれからの教育が必要になるな。後で念入りに彼らの住処だけは精査しておこう。

……火種になるだろうからな。)

 

「お願いゴブリンさん達、もう争いはダメなの……。

「……これからはヒト達とも仲良くしたいの。協力してくれる?」

 

「「「「「「ええーーーーー、なんで俺らがやんなきゃいけねぇんスかぁ?」」」」」」

「(こそっと)……あ、オレやりますわぁ」

 

「あぁ!?

おい同胞さんよぉ。……あんま俺を不快にさせてくれんじゃねぇぞっ、ゴラァ!! キレてなにスッかわかんねぇゾ、オイっ!?」

 

「「「「「「お願いだぜぇ、ゴブリンさんよぉ(ビキビキ)」」」」」」

「「「「「「オデらで家、つくるだで!(ビキビキ)」」」」」」

「「「「「「お前達、飯食う、前に。同意、した、筈だが、な?(ビキビキ)」」」」」」

 

((((((使徒様泣かせたらコロス))))))

((((((使徒様泣かせたらコロス))))))

((((((使徒様泣かせたらコロス))))))

 

「「「「「「ひぃぃっ、やります。家造り、楽しみッスよねぇ!」」」」」」

「ってなるっスよねぇ。じゃ、ぼちぼりやりますかぁ(こそっと)はぁ。面倒だけど」

 

「「「「頑張ろうっ!」」」」」

「「「「お家……造り……楽しみ!」」」」

「「「「うう、おネムなんかに負けないわっっ!」」」

 

「「「「……お家造る」」」」

「「「「……居場所……つくりゅ……コク。……寝てない」」」

「「「「…………すう」」」

 

『はぁい、眷属様達はこっちだよぉ』

「ほら、子供は寝るのが仕事ですよ」

 

「「「「「「やぁ!!」」」」」」

「「「「「「一緒に……頑張る!」」」」」」

「「「「「「……にぇむくにゃい」」」」」」

「「「「「「……くぅ」」」」」」

 

『『『『『『眷属様ボクらとねよ?』』』』』』

「「「「「「ボクらも眷属様とねたい!」」」」」」

 

わらわらわらわら

ふわふわぬくぬく

 

「「「「「「うさぎさん……あったか……」」」」」」

「「「「「「猫さん……ふわふわ」」」」」」

「「「「「「……みんな……オネム」」」」」」

「「「「「「……むにゃ……むにゃ」」」」」」

 

「「「「「「(×24)スヤァ……」」」」」」

 

「……おやすみ、華花ちゃん達」

「私達、眠らなくてよくなったもんね

……ふふ、動物さん達と一緒。可愛いね?」

「……天使様の寝顔だで」

「ふっ、わからんでもねぇな。悪くねぇ」

「じゃあ、俺らが護らんとな」

「アア」

 

「「『『『『(×100万)さぁみんなの居場所を創ろうぜ』』』』」」

 

彼女達が眠りついた事を皮切りにそこに集まったモノ達が一斉に動き出す。それはまるで命が起こす津波であった。

 

明日に備え同じく眠りにつくもの。

家造りの為の持ち場につくもの。

季節違いの果実の回収に向かうもの。

仲間達の不満の調査・解決にあたるもの。

彼らを警護するもの。

周辺の警戒を行うもの。

みなの食事を用意するもの。

 

それぞれが目的の為に動き出す。

 

全長100kmからなる迷宮化していたその森の。天然のダンジョンを作り上げていたあまりにも大きな生態系が今、一つの力になろうとしていた。

 

リーヴァイの冒険者達1000名が日々3000程。彼らの休息日を考えても年間で75万もの命を失い続け、それでもなお変わらずに存在していた生命の暴力達が、始めて目的の為に一つになる異常事態。

 

ここにいる働ける妖魔だけでもゆうに20万。森全土なら、100万を超える数がいる。対してリーヴァイの街の人口がわずかに2万。周辺の農村部の働けないモノまで全て含めての、この数である。

 

しかしこの数は決して少なくない。むしろ多い方なのだ。リーヴァイはこの時代の平均を上回る規模の地方都市なのだから。

その事実が示すモノ。

 

つまりこの家造りとは。

彼らによる家造りとはまさに、この世界最大の都市を築くという意味でもある。

 

リーヴァイに程近いアデルの森の初層域、始まりの森などと呼ばれるその場所で今、100万の命が虹の女神の信者へと生まれ変わった。これからも増えるだろう。

爆発的に、増え続ける。それが示す事。

 

世界はもはや変貌を遂げていた。

 

 

『まったくゴブリンはバカだよねぇ』

 

「ソト ヒト オソウ。ヒト ユウシャ カミ ヨブ。ワレラ オオク シニ スミカ ウバワレル。ワレラ ダンジョン カラ デナイ。マモノ フブンリツ。」

「しかもあの街って大規模結界もあるらしいしな。まったく、そんだきゃちゃんと叩き込まれてる筈なんだがなぁ。……我が幼体ながら嫌になるぜまったく。」

「おろ、そうなんだべか?」

 

「おう。ゴブリンってのは子鬼だからな。鬼の幼体なんだわ。んで5年生きるとホブゴブリンやら職持ちども(ワークビルド)になるわけだ。オーガはホブの派生な。」

「ワレラ コボルト オナジ。5ネン ワークビルド ウォーウルフ カワル」

「おお! オダ達オーガがオルクスやらトロルになるのと一緒だど!」

『へぇ、始めて知ったよ。そんな事』

 

「そりゃ身内だけの話だしな。んでそん中でもとびっきり特別なヤツはさっき怒鳴ってた赤いヤツ、……子鬼族の勇者(レットキャップ)になるわけだ」

『凄いのヤツなの?』

「アカイ バンダナ オノ ダテ デハ ナイ」

「あんなゴブリン位のガタイでオーガジェネラルの3倍の力があるんだと。鬼族を護る為に戦うまさに勇者ってヤツだぜ」

「ひぇぇ、お、恐ろしいヤツだど!!」

「タノモシイ コト ダ」

 

「まさか一匹狼の筈のヤツが率先っして仲間に加わるってくるとはな。そう考えると改めてスゲェな。ヴィリス様っておヒトはよ?」

「オダ狩りもせずに飯喰ったのなんて始めてだど。こんなにゆっくり森歩いたのも。襲われないってスバラしすぎるだ!!」

「ダレシモ オナジ。メガミサマ イダイナオカタ!」

 

「まさかあのやっかいな猛獣達からすら狙われなくなるなんざなぁ。考えたコトもなかったぜ。……ま、草食みどもの気概にゃヤラれたけどな」

『まさか自らその身を差し出すとはねぇ』

「スゲェヤツらだったど……」

「ウム。マッタク」

 

森の喰い物って(そういう)意味じゃゴブリンとオークは奴らと立ち位置変わんねぇからな。……奴らの話聞いてると数が増えすぎても食いもんがヤバくなるってんなら、俺らなんざこれまで通りガキの内に間引かねぇとヤベェぞ」

「オダ達も数多いからなぁ」

「デ アロウナ」

『え、そんなに?』

 

「ゴブリンは1回で大体5匹、年3回生まれる。……ほぼ全ての同族を強制的に孕ませてな。ま、なんだかんだその半数がおっ死んで森に這い回りだすのが半年後(・・・)だが、そこで進化までの5年生き残るのはせいぜい10人に1人。女なんざほぼ死ぬ」

「オダ達は狙われやすいから森にでるヤツ15人の内1人って所だでな。里を出るのは3分の2ってとこだど。って女のヒトが死ぬとか、ひどいだぁ!! 女のヒトは超貴重だで? オダら3000人に1人しか生まれないだど。彼女達(女王様)の命は何より重いだよ!」

「フム。ワカラヌ デモ ナイ。ワレラ ソコマデ チガウ。7 ニンニ ヒトリ ツヨク ナル。コハ タカラ。ソレ ウム オンナ マタ ダイジ。コボルト オンナ ノ ホウ オオイ」

 

「おお、コボルトすげぇだよ……」

「オメエラ元々仲間思いだもんなぁ」

『いや、驚くトコそこじゃないから。……アンタラの命ってそんなに安かったんだねぇ……。私なんかこの身体ってこの世界用の仮初だからこっちじゃ死なないし。しばらく来れなくなるだけだよ?』

 

「おお、精霊族ってそうなのか。……しかしそこら辺、番人達に伝えとかねぇとな。どうも厄介ごとになりそうだ」

「ウム。ワレラモ ジュミョウ ワカラヌ。オイタ モノ シラヌ シ」

「オデの里にはもう100才超えた女王様とか居るだよ? お美しい姿のまんまで。多分老いてから食料ってヤツ、……オダ達には向かないと思うだ」

 

「じゃあ豚は出荷だなぁ……」

『寂しくなるねぇ』

「オレ オマエ ワスレナイ!」

「いやなんで自然にオダだけ喰われる流れになってるだよ、おい!!」

 

作業に向かいあいながら、互いに互いの成り立ちを話し合う彼ら。彼らはまだ互いの事をあまりに知らなかった。会話の種はやまない。笑いあいながら、ふざけながら彼らは少しずつ仲間の事を理解していく。

 

『所でアンタラって結局いくつなのさ』

「俺は、9歳だな」

「2才だども」

「4サイ」

 

『ああ、うん。そうなんだ(126才)

……この話題はやめよう』

 

 

それは作業開始からたったの一時間。やる気もまだ冷めぬ内に最初の変化が訪れる。

 

「うわぁっ!!」

「……出来ちゃった」

 

「おおおおお、スゲェ!!」

「言わ、れた、通り、木、組ん、だら、家、出来た!」

「オデ、こんなモン造ったの始めてだ。スゲェだ、オデらこんなスゲェモン造れるで。ヒト以外にもやれるんだで!!」

 

「オオ ドウホウ リッパ ニ ナッタ!!」

「なんて早さだ……」

 

「スライム達が使いやすい形に木を溶かしてよ」

「脱水 使える スライム ソレ乾かす」

「オーク ゴブリンタチ モクザイ ココマデ ハコブ」

「そしたらオダ達オーガやトロル、ストーンマン達にそのまま渡すど」

「ドライアド、達が、木材から、指示を受け」

「指示通りの順番でひょいひょい重ねてやってよ」

「オデ達でも高いってトコは、コイシ様の造ったアシバ使っただよ?」

『それで屋根なんかはコボルトや尻尾が使えるリザードマンらに任せてたら』

 

「「「「「「なんか家になった!!」」」」」」

 

「スッゲェな、家ってこんな簡単に出来るんかよ!」

「イヤ コレハ イシツチ キギ テツダッテ クレル カラ。シトサマ スゴイ」

「でも、この木さんをそのまま持てるオーガさん達がいないとできないよ?」

「俺らだって材料用意してくれるスライムいなきゃ無理だぜ?」

「ソレ ハコブ オーク ゴブリン ヒツヨウ」

「足場、コイシサマ。スゴイ」

「そでならオデ、コボルト達もスゲェなって思うだ。細かいトコ全部やってくれる」

『リザードマンも頼りになるね。高いトコでも安心だもの』

「……ドライアドさんだって木々の通訳、すごいよ?」

 

「つまりみんなすごいという事です。木々がいう所の”ろぐはうす”が1時間で100軒も出来てしまった。予想以上のスピードだぞこれは」

 

「しかもまだまだ俺ら余裕あんだぜ?」

「ヤレル。オレタチ マダマダ ヤレルゾ!!」

 

「……ごめん。足場の調整追いつかなくて」

「私も木さんの形を最後に整えるの、手一杯なの。ごめんねみんな?」

 

「いや頭がアタマ下げるこっちゃねぇから!」

「やれる、事、やって、行く、充分。感謝、します」

『そうそう。地面達を動かせるのも、植物達を動かせるのもお二人だけなんですから、手なんか足りなくなって当り前なんですよ』

「いやぁ、俺ら的にはコレ以上急がれるととても材料運んでられねんで、むしろ助かってる位ッスよ?」

「とりま、不満なしっていうか?」

「あったけどこんなモン見ちまうと無くたったっていうか?」

「そんな感じッスわ!」

 

「みんな!」

「……ありがとう」

 

そんな優しい言葉を掛け合う仲間達を見て1人、強く不満を持っているモノがいる。先程真っ先に不満を零していた、要領のいいゴブリンである。

 

(いやいや、充分在りえん位しんどいだろう。……つかめんどくせぇ。アッチの石材の家みてぇに自動で組めねぇのコレ。いや組めるだろ。絶対効率悪ぃしコレ。とりま自分が関わりそうなトコだけ、いっちょ交渉してみっか)

 

彼が言っているのはその視線の先、コイシが石材達に命令を下した結果、必要な分地面を勝手に動かして進み、必要ならば勝手に坂を造り、勝手に組み上がっていく石材建築の事である。1つの建物が仕上がるのに時間こそある程度かかっているが、誰の手も使わず勝手に仕上がっていくソイツは面倒くさがりのそのゴブリンにとって何より魅力的だった。彼にとって楽な事は正義なのである。

 

「ああ、すんませんシトサマ。ちょっと話しあるんすけどぉ?」

「……なに、ゴブリンさん?」

 

(ああ、まずは最初は要望を通しやすくする為、全体効率を良くするっと)

「今シトサマが上下させてる足場ってヤツ、アッチの石材みたく自動で動かしたりできないんすか。なんか最初にお願いしたら石が勝手にやってくれる的な?」

 

「……移動させるだけとかならできるけど。都度高さかえるのは無理かな。あっちのアレはもう積まれた石材が仲間を誘導してくれるからできることなの。家の足場みたく都度高さ変えるみたいなのは新しくお願いしないと無理かな。」

 

「あ、なら高さ変えなければイケるんですね。じゃあ足場の高さ5種類用意して、横並びに家建てる事に滑らしていきゃあどうです。それを何かしらの合図だけで地面の方が勝手にやれるように出来ません?

んで各家を段階ごとに仕上げていきゃいいんです。そいつをグループ事に量産すりゃみんな手漉きにはならんでしょう」

「「「「「『!?』」」」」」

「それなら出来る。……すごい」

 

(はい、通った。次が本題っと)

「それとこの材木運び。移動だけはできるんなら何か材木乗せる石でも用意して、そいつをスライム達んトコからここまでぐるぐる輪っかかくみてぇに移動させ続けて家の前で受け取れるようにすりゃ、そいつ受け取って運ぶだけになるからめっちゃ手空きますよね? スライムんトコから運ばなくて良くなるわけですし」

「「「「「『!?』」」」」」

「……確かに」

 

「そったら、空いたヤツでモクザイの削りやったらどっすか?

どうせ工程早くなったらスライム達だけじゃ溶かしきれんでしょ。最初にオノとかで荒く削ってやりゃそれも幾分早くなるんじゃないです。木かじれるような小動物らにも手伝わせりゃいい」

(これで作業範囲が広がるから手も抜きやすくなるっと。なんのかんのやる気になってるバカどもは俺の犠牲になるべきなのだ)

「「「「「『!?』」」」」」

「うん。そうする」

 

「あ、アレぇ!! て、テメェ、なんて余計な事を!」

「そのまま黙ってりゃ俺らの仕事少なくなってたじゃねぇかバカ!!」

「テメエラがそう思う事はお見通しだわ、バカ! 俺は自分は楽なのは好きだけど、テメエラバカが楽してるのが次に嫌いなんだバカ、俺が楽出来ねぇだろ!!」

「「「「「「んだコラ、やんのかぁ!」」」」」」

「あぁん!!」

 

「まぁまぁ。どの道仕事は振ったから」

「ケンカダメ!」

「「「「「「っち、命拾いしたな、オイ!」」」」」」

 

「どっちがだよバカドモめ!」

 

(うーん。これだけじゃああっちのシトサマが一杯一杯だから意味ねぇな。ついでにあっちも言っとくか)

「あ、ども。……続けますね。

んで、もう1人のそっちのシトサマ。

 

木材の最後の調整なんかは見てりゃあやることオナジみたいですし、最初から全部の木材にソイツをお願いしといて後でドライアドがなんかキーワード言ったら、目の前の木材だけにそのお願いをヤラせる事とかできないんすかね。」

「「「「「『!?』」」」」」

「聞いてみるっ。出来るってっ!」

 

「じゃあそのキーワード複数用意すりゃ作業もそれに合わせてやれちゃうでしょ。そしたらお二人ほとんど手、空いちゃいますよね?

その分工程の改善とか、微調整とかやった方がきっと楽で早くなりますよ仕事。さっきの木材削りとかシトサマが直接指揮すりゃもっと効率よくなっかもです」

(そうして俺の仕事が楽になると。よしよし中々いい流れじゃないか)

「「「「「『!?』」」」」」

「うわぁっ、ホントだ!」

「……魔法みたい」

「ものすごく効率的な考え方だ。とても参考になる」

 

(ふっ、後はさらっと撤退するだけだ)

「いや、自分面倒事が嫌いなんで。いや、コレで少しは楽できますわぁ。じゃ、そういう事で一つ。俺作業に戻ります」

 

「いや、待とうか君」

「君の仕事はこれからそういう気づきを皆に伝える事だ。適材適所。頼むぞ?」

「あ、アレぇ!?」

「「「「「「ザマァwwww」」」」」」

 

(ばっ、バカな、俺ののんびりだらけライフが! ど、どうしてこうなる!! くっこうなったら貴様らも道連れだ。めっちゃ効率上げて苦しめてやっから覚悟しろ。俺だけ面倒くせぇとか許せん!!)

 

「あのゴブリンすげぇな……」

「アア。ダガ アレダケ コト ヤッテ ナニゴト ナク サギョウ モドレル オモウ アタリ……」

『ゴブリンだよねぇ。見通しとか色々と甘いのよねぇ』

「アタマ、いい、バカだった」

 

こうして家造りの効率は飛躍的に進歩を遂げた。元よりオーガ・トロル・ストーンマンの3種族は丸太をそのまま2人で持てる程の筋力を有しており、重機いらずの活躍を見せていた為にその建築力はヒトに比べ恐ろしく高かった。

ワカバが直接木々に頼んで、仕上げを一任するやり方が、そうさせた。

 

だが足場の問題、材料の受け渡しなどの効率化を図った後の彼らの作業速度はもはや段違いであった。元よりオーガら20人を1グループとしてみても60グループもいる彼らが休みなく動くのだ。家一軒などあっと言う間に出来てしまう。

 

その速度なんと1グループ20分。1時間に3軒の家を完成させる超効率を彼らは会得してしまう。なんと1時間に180軒の家が建つのである。

こうなるとみな面白くなる。

 

自分たちがやればやるほど、自分の目の前に大きな物が次々と造られていくというのは、それほどに胸を踊らせることなのだ。あれほど文句を垂れていたゴブリン達でさえ、いまやその魅力に取り憑かれてしまった。

 

そして彼らはさらに躍進を続ける。

面倒が嫌いだと言うゴブリン、後に軍略の天才などと謳われる事になる異色の鬼族。鬼略のヤッフの、有り余る知略を翼に。

 

森の仲間達は一切自重を知らないのだ。

 




閲覧ありがとうございます。
まだアデル終わらないんですが。後更新遅れて申し訳無いです。実はこの話書くまでに森の規模とかあんま考えてなかったんですかど、リーヴァイの冒険者の数から概算するとアホ程でかい事がわかりまして。
色々プロット見直しておりました(白目)

冒険者だけで年間75万。安く見積もってもその倍は年間で命の交代が起こる場所って、どんな規模やねんって計算してみるとですね。震えあがりました。
その規模ならゴブリンとかの幼体がうようよしてしかるべきなのですが、ファンタジーって彼らの幼い姿見ませんよね。そうしたらコレ、もうゴブリンが幼体なんじゃないかっていう結論に辿りつきまして。

んでモンスター系の設定見直してたらめっちゃ楽しくて更新が遅れてしまったという本末転倒な事に。
いや、どうも申し訳ないですm(_ _)m

自然生態系型ダンジョンは鬼門。
はっきりわかんだね( ¯꒳¯ )ᐝ

アンケートファイナル:作者の作風について

  • 真面目な話もっと書こうぜ
  • もっとテンポ早めようぜ
  • もっと勘違い全面に出すべき
  • コメディとかギャグ増やそうぜ
  • テンション押さえてもっと読みやすくしれ

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。