Dies irea-Ewige Rückkehr für Samiel   作:ザミエルちゅっちゅ

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ザミエル卿が男だったらという妄想から始まったイケメン物語です。


ベア子は黒円卓加入動機からしてザミエル卿の事すきすきちゅっちゅ(敬愛的な意味/直喩)だと思うので、ザミエル卿♂だった場合真っ当な恋愛観を持つであろうお節介焼きなベア子なら絆されるんじゃね?という妄想。なお、ザミエル卿に愛など分からない模様。そしてリザというおっぱい未亡人(仮)が立ちはだかる。


ただザミエル卿とベア子は名門貴族同士なので歳の近い異性という事も相まって婚約者という可能性が無きにしも非ずかもしれない。まだ決まってないけど。


Dies irea-Ewige Rückkehr für Samiel

エレオノーレ・フォン・ヴィッテンブルグはヴィッテンブルグ家の長男であった。通常女性に名づけられるエレオノ―レという自身の名は嫌いだが、親に名づけられた以上変えるのも不義理であるため黙っているし、学友には名字で呼ぶよう厳命していた。まあそれでも、ユーゲントの同窓生である友人はからかう様に自身の名を呼んでくるから困ったものだが。

 

 

彼は本来、愛国心に溢れた才気あふれる若者だった。貴族の名門であることを鼻に掛けず、むしろ自分を厳しく律する厳格なたちであり、それと同じくらい他者も厳しく律する青年だった。他者に掛けるハードルは高いが、自分に課すハードルはもっと高い。そのあまりの高さに彼の親友である才媛(こういうとエレオノーレももう片方も認めようとはしないが)は「もしやこの人はマゾヒストなのでは?」と疑った程だった。

 

 

そんな彼は今、ユーゲントの任期を終え、貴族が来そうにないベルリンの寂れた街酒場で進路を友人と話し合っている最中だった。

 

 

 

「それでブレンナー。貴様はどうする?」

 

 

「そうね・・・色々考えたけれど、やっぱり私はレーベンスボルンに行くわ。正直軍人なんて考えられないもの。」

 

 

「ふん・・・まあ貴様のような女は後方で研究している方がお似合いだろうな。戦士の矜持を理解できん者など、男であれ女であれ戦場に立つべきではない。」

 

 

「はいはい、心配してくれてありがとう。」

 

 

「・・・脳味噌に蛆でも湧いたか貴様。今のをどう取れば心配しているように聞こえた。」

 

 

「あら、じゃあ心配してくれないのかしら?エレオノーレ」

 

 

「レオンと呼べと何度も言っているだろうが・・・ふん。」

 

 

リザのからかいに明確な答えを返すことなくビールを煽るエレオノ―レ。彼としてはこれ以上話せば延々と鬱陶しいからかいが飛んでくるのを予期しての戦略的撤退なのだが、当のリザはにやにやと表情筋を緩ませていた。それがまたエレオノ―レには腹立たしく苛立つものだったが努めて無視する。ここで言い返すのは目の前にこれ見よがしとぶら下げられた餌に食いつく愚かな魚と同じ事だと、これまでの経験から理解していたからだ。

 

 

そうして一つのジョッキを空にして内心の苛立ちを晴らすようにテーブルに叩きつけた後、自身の時計を睨みつけた。鏡のようになるまで磨かれた時計は、リザからの贈り物だったがなかなかどうしてエレオノ―レも気に入っていた。

 

 

友人の贔屓目に見てもそこいらの有象無象の女よりよっぽど女らしいリザは、その手のセンスも一級品である。エレオノーレが好みそうな実用性重視の装飾の少ない、けれど野暮ったくない程度に細かな意匠の施された腕時計を選びぬき誕生日プレゼントとして渡したのだ。そしてそれは、2年経った今も彼の腕にしっかりと巻かれている。

 

 

「あら、出るの?」

 

 

「初めからここへは少し腹に入れるために入ったまでに過ぎん・・・それにここはもう少しで仕事終わりの者らで溢れる。貴様も汗臭い中で酒を飲みたくはあるまい。」

 

 

「それは確かにごめんね・・・」

 

 

時計から視線を切ってさっさと立ちあがったエレオノ―レは店主に二人分の代金を払ってさっさと店を後にする。リザもまた、音を立てずに椅子を引き、それでも置いて行かれないよう心なし急いでエレオノーレの後を追って出た。外は雨が降っていて、地面に叩きつけられて砕けた雨粒が霧となって視界を阻む。

 

 

視界がぼやける。人が霞む。そこにいるのにそこにいない。陽炎のような、蜃気楼のような影だけになったエレオノ―レを見て、なぜかリザは底知れぬ恐怖にかられた。

 

 

 

―――まって、いかないで

 

 

 

咄嗟に傘もささず飛び出し、華奢な腕を目いっぱい伸ばして先を行く人に手をかけようと走る。瞬間、世界が開けたかのように視界が鮮明になり、先ほどまであれだけ不確かだったエレオノ―レの存在を、寒さでかじかむ手の中に確かに感じる事が出来るようになった。

 

 

 

―――なにをしている?この雨の中傘もささずに・・・仕方がない、一旦戻ってタオルでも借りるか。

 

 

俯く顔の上からかけられる声が遠い。先の焦燥が何なのかわからぬまま、リザはなぜだかひどく安堵して涙をこぼすことしかできなかった。




女じゃなくて男のザミエル卿がリザとベア子と普通にいちゃらぶちゅっちゅしてるところ見たい、見たくない?


一応神座の最終決戦まで書くつもりですが、どの√かは決めてません。ユーゲント時代とかショタエル卿とか黒円卓加入までとかベア子離反とか・・・もろもろまったり書いていこうと思います。


tips

他のユーゲント同期生には名字で呼ばせているが、レオンという愛称はリザにだけ教えている。これは家族にも教えていないため、家族でもただの同期生でもない真実特別の証。そういうところだぞザミエル卿。
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