鬼殺の海柱   作:ゴマぷりん(柔らかめ)

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これは、とある隠による『海柱』の調査記録である。
  


第一章 元保育士の転生
序章 とある隠による調査内容


 

あ、先輩お疲れ様です。急に何ですか?

 

え?調査…?何の調査なんです?何処かに鬼でも出たんですか?

 

違う?……『海柱』様の調査…?え、海柱様って最近柱になったあの海柱様ですよね?先輩、顔をご存知なんですか?知ってるんだ、凄いですね先輩。

 

ところで先輩、そんな青の布持ってましたっけ?此れは気にするな?あ、はい判りました。

 

あの…調査って具体的に如何すれば?

 

 

 

……え、海柱様以外の柱に聞いてこい……?

 

 

 

む、無理ですよ無理無理無理!!!だって柱ですよ!?個性強すぎて隠でも苦労している柱ですよ!?絶対聞けませんって!!出すのは何時でも良いって言われても!!

なっ!!給料下げるぞって職権乱用じゃないですか!!や、やめろぉ!俺の給料に手を出さないでくれぇ!!!やりますよ!やれば良いんでしょうが!!!!

 

 

……くっ!給料を人質に取られちゃあ仕方なし…。ちくせう。

 

 

…………骨が、残ると良いなぁ…。

 

 

 

 **

 

 

 『 隠 ○○による 海柱様 調査報告書 』

 

 

 某月某日 とある屋敷にて 天気 快晴

 

『む?海柱についてか?何故そんな事を聞く?成程、先輩に言われたか。ならば仕方あるまいな!職務を全うするのは大事な事だからな!

そうだな、彼女は―――とても美しい。見た目と言うより、其の背筋がな、真っ直ぐで美しいのだ。無論、剣技も美しい。あの瑠璃色の刀身が呼吸と共に振るわれる瞬間は息を呑むぞ!一度は見てみると良い!

其れと彼女に会うならばこう伝えて欲しい。「何時になったら俺に嫁いでくれるのか?」と!』

 

 某月某日 蝶屋敷にて 天気 小雨

 

『あの人について聞きたい?…そうですか、先輩に言われたんですね。其れはご苦労様です。

先ず、私から見た彼女は文字通り『海』の様な人。怒りも苦しみも喜びも何でも呑み込んでしまう大きな海です。次に思うのは『愚か』。え?悪口では無いですよ?むしろ褒めているんです。だってあの人は自分の命を軽く見ていて、他人の命の方が大事なんですから。然も、傷付く事も、私に向かって苦では無いと言っているんですよ?可笑しいですよね?

…まぁ、其の愚かさが私達を救ってくれているんですけど。其れと、彼女に会ったら伝えてください。「いい加減飲み薬をちゃんと飲みなさい」と』

 

 某月某日 大滝のある某所にて 天気 曇り

 

『む、海柱についてか。…優しく、穏やかな子だと見えずとも判る。海の様に万人を受け入れる。然し、何時か心を病み、壊れてしまえば彼女の方が溺れてしまうだろう…。南無阿弥陀仏。

…だが、優しい子なのは本当だ。必死で私の誤解を解き、あの子の冤罪を証明してくれた。誰かの為に走れる彼女を私はとても好ましく思う。

若し、彼女に会うなら伝えては貰えないだろうか?「先日、子猫が生まれたので継子と一緒に見に来て欲しい」と』

 

 某月某日 何故か縄がいっぱいある某所にて 天気 雨

 

『海柱についてだと?何故俺が答えねばならん。上司命令?ふざけるな、そんな事で使い走りにされるとは…。お前、舐められているな。愚か者め。

まぁ良いだろう。今の俺は多少機嫌が良いからな。海柱を一言で言うなら「お人好し」だ。鬼にすら憎しみを持てない。馬鹿な人だ。…だが、実力はある。其処だけは認めてやっても良い。……あと、笑うと甘露寺と同じく可愛い……おい、貴様何故ニヤニヤと笑っている?縛るぞ。鏑丸一発お見舞いしてやれ。

…貴様、海柱に会いに行くのか?ならばこう伝えろ。「いい加減にしないと身を滅ぼす事になるぞ」と』

 

 某月某日 三人の女性の声が聞こえる某所にて 天気 星がいっぱい

 

『海柱?彼奴の事か?へぇ、先輩がねぇ…。良いぜ、俺様が教えてやる。敬えよ?

彼奴は派手に悪ぅい女だ。あ?そうじゃねぇよ。良い意味で悪い。見た目って言うより中身がな。素直で、ころころ表情が変わりやがる。何より欲しい言葉をくれる。其処が派手に意地悪くてな!然も弱みは全く見せない。底無し沼の様な、いじらしい奴。彼奴に溺れてる奴を何人も知ってるぜ?……まぁ、俺も地味に片足突っ込んでるか。…何でもねぇよ!

そうだ、彼奴に会うなら伝言頼むわ。「嫁達の飯を食いに来い」ってな!』

 

 某月某日 とある竹林にて 天気 曇天

 

『てめぇか?あの人の事聞き回ってるって言う隠はァ?あ?先輩命令で給料人質に取られてるから仕方なくだァ?知るか!其の先輩とやら此処に連れて来いやァ!……家族への仕送りが少なくなるから出来ない?……チッ、しゃあねぇ。答えてやるよ。

あの人は甘過ぎる。鬼に慈悲をかけて何になると何度も言ってるが、へらへら笑って誤魔化しやがる。…だがなァ、悪い人じゃねェ。其れだけは言える。

「そう言えばこの前髪紐渡してましたよね」?だァ?……何見てんだてめぇ!!!死ねやァ!!!

俺から生き残ったらあの人に伝えろ!!「誰かを守って死ぬな」ってなァ!!!』

 

 某月某日 とある池の畔にて 天気 曇り時々晴れ

 

『海柱…?誰だっけ…?あ、この前挨拶してくれた人…かな?女の人だった様な…?「多分その人です」?そっか。俺は直ぐに忘れちゃうけど…あの人はいい匂いする事は今でも覚えてる…あと柔らかい…。甘い…あ、あの花の名前…何だけっけ?…金木犀…?…そう、あれと同じ匂いがする…。…好きか嫌いかって言われたら僕は好きな方だよ…。……何の話してたっけ…?…海柱…?…あの人は優しいよ…?

伝言…?なら…「今度おやつ食べよう」って言っておいて…。………何の話だっけ?』

 

 某月某日 とある飲食店にて 天気 快晴

 

『海柱ってあの人の事ね!良いわよ、教えてあげるわ!とっても素敵な人よ!笑顔の時も戦っている時もキュンキュンするの!其れにね、私が沢山食べちゃう事を気にしていたら、「いっぱい食べる女の子って可愛いと思うけど」って真正面から言ってくれて!きゃー!私、嬉しくて嬉しくて思わず抱き付いちゃったの!其れでも優しく受け止めてくれて!キュンキュンしっぱなしだったわ!貴方もきっと好きになるんじゃないかしら?

あ、もしあの人に会うなら伝えてもらえる?「今度しのぶちゃんと三人でお出かけしましょう」って!』

 

 某月某日 ある定食屋にて 天気 雨 追記:この柱は二人組なので記述が他より多くあります。

 

『何故あの人の事を?…先輩命令で、か。そうか、すまないな、睨んでしまって。座ると良い。話をしよう。

そうだな、あの人は世話焼きだ。隣にいる義勇の世話を昔からよく焼く。俺達が先生の所にいる時からずっとだ。まぁ、義勇がぽやぽやしている所為もあるがな。

何より、あの人は人を伸ばす天才だと俺は思っている。相手を褒めると言う一点に関しては俺も義勇も、先生ですら勝てない。…其の所為で俺の敵は多いがな…ッ!剣術も女性とは思えない程、力強く、其れでいて流麗。努力をした証拠だろう。…何?風柱がこの前一緒にいた?……そうか、其れはちょっと話をしないといけないな…』

『(俺達に)優しい。(俺よりも)強い。(とても美味しい鮭大根を作る)天才だ』

『おい、義勇。何か違くないか?俺の気のせいか?』

『とても好きだ』

『おぉ、珍しくきちんと本心を言えたなお前。…んっんっ!兎に角、柱として相応しいと思うぞ。ん?あの人に会うのか?ならば伝言を頼みたい。そうだな…「今度真菰も連れて先生の所に里帰りしよう」とな』

『(ずるずるずるずる)』

『義勇、うどんを喉に詰まらせるなよ』

 

 

 

 

……な、何とか生き残ったぞ、俺!!これで給料も仕送りも減らさずに済むぞ!っしゃあ!

 

 

其れにしても海柱様って女性だったんだな…。初めて知ったわ。

あと、炎柱様は何か圧が凄かったぞ…?何だ?嫁ぐって?眼力強すぎだわ。…付き合って…はいないだろうな。風柱様と水柱様その一の反応を見る限り。

 

 

話を纏めるとかなり優しい人らしいけど…本当か?

 

 

……柱の皆様に伝言頼まれたし、会いに行かねば…。行かねば俺の胃が死ぬ。

 

 

……。

 

 

…あ、あれが海柱様の屋敷か。思ったより小さいな。もっとでかいのかと思った。

あ、金木犀の木がすげぇ生えてる。霞柱様が言っていた金木犀の香りって、此れが生えているから匂いが移ったのか…?くんくん。めっちゃ良い匂いする。いっぱい生えてるのに匂いも全然きつくない。あー…癒されるー…。

 

 

あっ!そうだ、伝言伝言。

 

 

コンコン。

 

 

すみませーん、海柱様はいらっしゃいますかー?

 

 

 

「はーい。何方ですかー?」

 

 

 

あ、隠です。柱の皆様からの伝言……を……………え、思ったより若いぞ。

 

 

 

「あらまぁ、こんにちは、隠の人。何時も私達の任務の処理とか雑用をしてくれて有難う御座います。よろしければお茶でも如何ですか?」

 

 

 

 

あっ、ちゅき。

 

 

 

 

 

 




・とある隠
自分のお給料を田舎にいる家族に送っている良い人。この度、海柱様によってフラグが建築された。だってお姉ちゃん力には勝てなかったよ…。後に先輩から「海柱様同好会」に誘われ、即入った。

・先輩隠
危ない所を海柱様に助けてもらい、戦ってる最中の真剣な表情と笑顔で褒めてくれる其のギャップにキュンキュンして、自ら「海柱様同好会」を作った猛者。なお、会員には海柱様の髪と同じ瑠璃色の布を何処かに巻いている。ちょっと後輩使いが荒い。


大正コソコソ噂話
『此の後、義勇はうどんを詰まらせて危なかったよ。蔦子お姉さんが慌てて現世に戻してあげたよ。錆兎は大慌てしたよ』

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