ナイツ&マジック&B   作:ウジョー

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努力

   ―学園内工房―

 

「いやあ 思ったより待遇がよかったな

銀色坊主や嬢ちゃんが着せ替え人形にされたおかげだったが

しっかりと技を仕込まれた甲斐もあって綱型結晶筋肉の出来も上々よ」

 

「いつもかわいいエル君をさらにかわいくできた至福の時間だった・・・

服飾科のお姉さんたち優しかったし」

 

「僕はかわいいよりかっこいい方が・・・」

 

「おれさまが鍛冶場でテルモネンのおっちゃん達と囲まれている時に

うらやましいじゃねえかおまえら!」

 

「ボスが行ってたら ここでは珍しいその服を脱がされてましたよ」

 

「そりゃ・・・嬉しいじゃねえのよ!」

 

「服飾科のお兄さん達にね」

 

「それはいやーん!」

 

学園長(おじいさま)に直訴して大々的に進められるようにして良かったですね」

 

「ああ ボスボロットの精密動作の試験の一環とか言って

ねじ込みやがったあれか・・・

銀色坊主の提案書見てただでさえひきつってた学園長の顔が

結晶筋肉であやとりしてるボロットを見て呆然としてたな」

 

「ボスボロットってあんなこともできるんだね

あれってほかのシルエットナイトにもできるの?」

 

「できねえよ まだな 関節の設計から見直して・・・

いつかはあんなマネもできるようにしてえが」

 

「あれはエルが同時に操縦してくれたおかげよ

流石に一人でボロットの指の一本一本まで動かしてられねえだわさ」

 

「『あやとりは哲学』という言葉が、

ようやく僕にもわかりはじめてきましたよ」

 

「ボロットの力と技術で編み込んだ強化綱型結晶筋肉は

想定よりはるかに高い出力と耐久性を達成した

もっともいずれはこれを俺達だけでできるようにならねえとな

くくくっ」

 

「まずは今日の実機試験ですね ふふふっ」

 

「うわー エル君と親方が楽しそう」

 

「今日は色々やること盛り沢山

あれぐれえ楽しまねえとやってられねえだわさ」

 

「親方ー!ヘルヴィ機 ゲパード機準備終わりましたぜー」

 

「おう じゃあみんな離れとけ!

動作試験始めるぞ!

ボスはボロットに乗って補助に入ってくれ!

まずはヘルヴィだ いっちょう頼んだぜ!」

 

「了解!それじゃあ始めるわよ!

・・・!あれ!?操縦桿が動かない!?

なにこれ!?」

 

ヘルヴィが機体を起動させ試験用の重りを掴もうとしたが

肝心の腕が動かせない

 

「どうしたんだヘルヴィは?」

 

「操縦席をまるっと新品にしたぐらいで

特にロック機能はつけてないはずですが?」

 

「ひょっとしておれさまが編んだ筋肉が硬くて動かねえんじゃねえか?」

 

「「あ!?」」

 

「・・・こんのぉおお!!

身体強化(フィジカルブースト)!!」

 

     バキッ

 

「あっ 折れた!?」

 

「ムキになってやりやがった!新品の操縦桿が!」

 

「本来 身体強化で操縦なんて想定してませんからね」

 

「銀色坊主の直接制御(フルコントロール)にも耐える機体を目指してたが

操縦回りも全部見直さなきゃならねえか?

まあこういうことを発見するための実機試験だ

おし次!ゲパード機だ ヘルヴィはそのまま休んでてくれ!」

 

「わかったわ・・・」

 

「おし!いくぜ!」

 

「こっちは俺達整備班で編んだ綱型結晶筋肉だ

せめてこっちは動いてくれよ・・・」

 

    グッ

 

ゲパード機は順調に綱型結晶筋肉に換装した左腕を動かし重りを掴んだ

従来の性能では両手でどうにか持てる重さだが・・・

 

    グググ!

 

  \\\おおおっ!!!///

 

片手でしっかり握り持ち上げていく

見守っていた整備班達が興奮した声を上げた

 

「こりゃあすげえ!」

 

「出力と耐久性の向上 うまくいきそうですね」

 

「へへっ この力がありゃあ あのべへモスにだって

ちったあいけたかも・・・ん?」

 

   ゴ ゴ ゴ ギシ ゴガ ゴ ゴゴ

 

「なんでしょうこの音」

 

「いけねえ!?」

 

横に立っていたボスボロットが異変に気づき

とっさに重りを支えたが!?

 

    バギン!!

 

ゲパード機の左腕が肩からもげた

 

「ああっ!?」

 

「あちゃあ・・・」

 

「あっちはあっちで大変そうね」

 

・・・

・・・・・・

整備班によるひとまずの検証を行ったところ

 

「・・・こりゃあ

換装した結晶筋肉は無事だったが支点となる骨格がぶっ飛んでやがる

出力だけを上げすぎて反動がモロにかかりやがったか

ハハハ・・・

全身の力学バランスから見直しだ・・・」

 

「骨格回りの筋肉にボスボロットで編んだ強化型を使うのはどうでしょう?」

 

「わかっちゃあいたが 一筋縄ではいかねえんだよなこれが」

 

「えええっ また図面ひくところから!?」

 

「もうーー!?」

 

整備班の悲鳴があがるが 今日の実機試験はこれだけではない

 

「おい銀色坊主 こっちはとりあえず一区切りだ

外の『あっち』の様子を見てきてくれ ありゃあお前の担当だからな」

 

「そうですね ボス アディ 行きましょう」

 

「おうよ」

 

「うん!行こうエル君!」

 

 

     ―工房外―

 

「工房の方はどうだったんだ?

何か先輩達の悲鳴が聞こえたけど」

 

「あちらは設計の見直しから、また頑張ってくれてます

『こっち』の調子はどうですかバトソン?」

 

「ああ問題ないぜ」

 

「保証してやるぜ」

 

「モルテンさんの太鼓判なら安心だぜ」

 

「ああ ここまで関わったからな

6体ともすぐに試せるようにしてある」

 

開発中の脱出装置の要となる幻晶甲冑(シルエットギア)

シルエットナイトを小型・簡略化したもので

シルエットナイトを構成する五つの要素

頭脳たる「魔導演算機 マギウスエンジン」

心臓たる「魔力転換炉 エーテルリアクタ」

筋肉たる「結晶筋肉 クリスタルティシュー」

骨格たる「金属内格 インナースケルトン」

鎧である「外装 アウタースキン」

このうち魔力転換炉・金属内格を外しそれを人間が担うのである

ナイトランナーが装着したままシルエットナイトを操縦することで

戦闘によるナイトランナーへの衝撃を軽減し

緊急時には機体から脱出し その状態での戦闘や離脱の為の戦闘力を有している

白と黒に色分けした物を操者のサイズに合わせた大・中・小 各一体

合計6体が並んでいる

全長はシルエットナイトに乗ることを前提にし、全て2.5mとなっていて

操縦用に両手に操縦桿、両足に鐙が仕込まれギリギリ収まる計算である

ちなみにシルエットナイトが約10m ボスボロットが12mである

開発はバトソンを中心とした学園の鍛冶師学科中等部生徒らであるが

協力者として高等部の服飾科とバトソンの父鍛冶師モルテンも加わり実機試験に参加している

ボスボロットやボスが着ていた宇宙服(ノーマルスーツ)を参考に想定よりも早く形になった

 

「ナイトランナーの命がかかっているからな

最後の調整はしっかり監督してやったぜ」

 

「父ちゃんの鉄拳が容赦なくとんできたぜ」

 

「シルエットギアにロケットパンチを搭載しましょうか?」

 

「お そいつはいい ボロットにはまだついてねえんだよな」

 

「まあ武装については後で検討するとして起動テストをしてみましょうか

ではまずはエドガー先輩が大きい白に

アディが白の中に

僕が白の小に乗って実験します」

 

「わかった」

 

「はーい」

 

「では・・・合身!」

 

   ガパ  ガシン!

 

それぞれのシルエットギアの前面が開き操縦者が中に入ると

包み込むように装甲が全身を体を覆った

 

(ヘルム)がまだ完成してませんが

とりあえず形になりましたね」

 

「頭まで覆うと熱が溜まるからな

実際動かして通気性の改善を探ってからだ」

 

「こうやってエル君と視線が合うの久しぶりだね」

 

「アディやキッドはどんどん背が伸びて頭ひとつ差がありましたからね

バトソンは相変わらずですが」

 

「オイラたちドワーフはもともと小柄だからな

横に大きくなるんだよ なあボスさん」

 

「おれは日本人だわさ

それよりまずは動いてみねえとなんもわからねえ

エドガーはどうでい?」

 

   がしゃん がしょん ギ・・・

 

「・・・・・・

たしかにこれはすごいものだと思う

だが・・・

いくなんでも動かしづらすぎる!

必要な魔法が上級魔法(ハイスペル)『身体強化』となると

負荷が大きすぎてとてもシルエットナイトの操縦に集中できないぞ!」

 

「うーん 僕がグゥエールを動かした時の直接制御(フルコントロール)に近いので

その練習にもなると思ったのですが・・・

僕やアディは問題なく動けますね」

 

「ふっ 情けないぞエドガー!

騎操士学科筆頭騎士ともあろう君がそんな弱音を!

私が変わろうじゃないか

直接制御のグゥエールの動きの訓練と聞けば黙っていられない!」

 

「そうですね ではディートリヒ先輩に代わってもらって

エドガー先輩には黒の大に乗ってもらいましょうか

そして黒の中にボス 黒の小にバトソンが乗ってそれぞれ試験しましょう」

 

「ああ わかった」

 

「おうよ」

 

「よいしょっと」

 

   ガシン ガシン ガシン

 

「どうですか?」

 

「・・・なるほど こちらは魔導演算機搭載型か

動きやすさが格段に違う」

 

「こりゃいいぜ 魔法がからっきしのオイラでも自由に扱える」

 

   ガシャン ガシャン!

 

「おお で 力だめしをするんだろ

この重りを持ちあげりゃいいのかよ?」

 

「では同じ大きさの黒と白で交互に重りを持ち上げて比較していきましょう

ひとつあたりが身体強化で僕が持てる程度の重さになってます

ではまず僕から・・・」

 

   ガシャ ガシャ

 

エル機が軽々と重りを片手で一つずつ持って見せた

 

「じゃあ オイラも」

 

   ガシャ ガシャ

 

「おお 結構持つのにコツがいるな

3つは難しいか?」

 

「そうですね・・・

僕が身体強化を高めれば4つぐらいいけそうですが

とりあえず ここまでにしましょう それではボス アディ

中型機を試してみてください」

 

「おう!」

 

「うん!」

 

それぞれの機体で重量挙げや短距離走 衝撃耐久テストを行った

魔導演算機搭載型の黒は搭乗者による差は小さく順調な結果がでたが

白は身体強化の術が優れているエル機が抜きんでいた

そして触媒結晶が内臓されているため他の魔法使用も確認できた

 

「これがあれば鍛冶仕事がはかどりそうだな なあエル

親方や鍛冶師学科の仲間達の分の黒いやつ作れねえかな?」

 

「それは難しいですね

エーテルリアクタ程ではないですがマギウスエンジンは高価ですから

白い方なら量産しやすいのですが」

 

「う~ん オイラ達ドワーフは魔法は得意じゃないんだよなあ」

 

「おい坊主共 動いたときの関節の具合はどうだ?」

 

「良好ですね ただ・・・」

 

     ガパッ

 

「あっつい ずっと動かしてると

中こもるんだけどー!」

 

「たしかに通気性に問題があるな

パワーが出る分 衝撃吸収材をかなり入れたから

こっちも色々詰める部分あるなあ」

 

「操縦者が着るインナーの方も工夫できそうだね

引き続き服飾科も協力するよ」

 

「ありがとうございます!」

 

「そのかわり エル君とアディちゃん キッド君も

また服飾科に来てね!」

 

「おれさまも行っていいか?」

 

「ボス お前さんはうちの工房が欲しいぜ

うちのせがれがエル坊主にとられちまったからな

いつでも跡継ぎ候補待遇で歓迎するぜ!

故郷に帰るあてがねえんだろ 共に鎚を振るった奴は同胞

ドワーフの民は同胞の苦境を見過ごしはしねえぜ」

 

「ボスさん 父ちゃんにすげえ気に入られてる・・・」

 

「気持ちはありがてえんだがよ・・・」

 

戦いの中で光子力研究所やロンドベル隊の年上の研究者や整備員達と

互いに本音でぶつかり合い 命を預け合ってきたボスは

この世界のドワーフの職人たちともすこぶる相性がよかった

 

「ボス エドガー先輩 この後のメインイベントは

是非そのシルエットギアを着たまま行ってください

この機会にみなさんにお披露目です!

うまくいけばマギウスエンジンの追加購入も検討できるかもしれません!!」

 

「おいおい本気か!?

たしかに元々それを想定したものではあるが」

 

「おれさまはいいぜ エドガーも着ていった方がいい

その方が安全そうだ その分思いっきりやれるじゃねえかよ」

 

「そう言われては断れないな」

 

「羨ましいねエドガー

そっちも代わってやりたいものだ」

 

「現在相棒が無事なのは俺だけだからな

それにこればっかりは譲れないさ」

 

「ではこちらを片づけたら僕達も行きましょう!

フフフ・・・

公開模擬試合・・・

【ボスボロット対アールカンバー】

世紀の一戦を!」

 

「うわー エル君 とってもキラキラしてる

シルエットギア着たまま片付けはじめちゃったよ

私もこのままやろっと エル君待ってー!」

 

「こりゃ荒れそうだな 見に行ってみるか」

 

「父ちゃんも見に行っていいのか?」 

 

「いいんじゃねえか ティファ姉も見に行くらしいぜ」

 

「おっしゃあ そうと聞いたらいいとこ見せちゃるわよ~!」

 

学園内外からも注目を浴びる一戦が始まろうとしていた

 

 

 

 

 

 

 

 

ー????????ー

 

「ついにスパロボ30の発売日まで一ヶ月を切りました

これは買わない理由はありません!

ああ どうにかなってしまいそうです

問題はこちらの世界にゲームのプレイ環境がないということ

仕方ありません ないなら作ればいいんです!

ボスこの通信設備を改造してもいいですか?」

 

「いいわけねえだろ!

大体ソフトはどうすんだよ!」

 

「通信機なんですからどうにかあちらの世界とリンクできれば

僕の生前のアカウントでDLできます ボスのお財布にご迷惑はかけません!

早速親方に相談です!!!」

 

「・・・ありゃあ止めてもやっちまうな

まあ帰れる手がかりになるかもしれねえし やらせてみっか

・・・おれさまもスパロボ30にでてるよな?」




公式でエル君がスパロボ参戦に歓喜の声を上げまくるPVに影響されたか今回エル君ばっかり喋ってる気がします
ボスもちゃんといるんですが活躍は次話で・・・
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