―カザトシュ砦―
「・・・これはいったいどういうことだ?」
クヌート・ディクスゴード公爵のもとに届いた二つの報告書
いずれもボスボロットの修理に関するものであるがその内容はまったくの逆
陸皇事変によって奮戦し破壊されたボスボロットの修復は
事変の功労者である操者のボスと国王陛下のあいだで約束されたもの
国の面子にかけて果たさなければならないものである
そのためにボスから許可を得て破壊されたボスボロットの右腕を預かり
国内唯一最大のシルエットナイト研究機関である
報告書の一つはその
国内最高の技術者であるガイスカ・ヨーハンソン工房長が
まるでとりつかれたかのように先頭にたって取組み
孫が力技で寝かしつけるまで研究を続けながらも未だ詳細が掴めず
ラボが一丸となっても腕一本ですら修理のめどが立たないという内容であった
これだけでも頭を抱えるものであるが
さらに公爵の頭痛を増すのがもう一つの報告書
藍鷹騎士団のノーラ・フリュクバリからである
ライヒアラ騎操士学園において学生らの修理によりボスボロットが
学生機と模擬試合をできるほどになったというものであった
公爵自身も長年シルエットナイト開発に関わる身である
学生達が中心である学園でのこの結果 ボス本人が持つ技術力の脅威がわかる
しかも公開模擬試合である
その内容もとんでもないものであるが それがかなりの数の人目に触れた
これも予想外の事態だ 万一野心あるものがその技術力や
ボスボロット、ボス本人に目をつけ危害を加えるようなことになれば・・・
「・・・彼の安全を考えれば学生と教官が主体の学園よりも
朱兎騎士団のいるこの砦に招くべきか
修理がひと段落したならばできるだけ早い時期に・・・
それに報告書にあるシルエットギアも興味深い
この機会に開発に関わった者と現物を見るとしよう
まったく まさかこのようなことになるとはな・・・」
これが フレメヴィーラ王国においてその人ありと謳われ
長年王国を支え続け辣腕をふるってきた公爵にとって
さらなる苦悩のはじまりとなるのであった・・・
―ライヒアラ騎操士学園―
「ようし!
それではボスボロットのサブアームによる法撃のテストを行う!
ボス!銀色坊主!準備はいいか!!」
「おうよ!まっかしとけっ!」
「はい!準備完了いつでもいけます!」
ダーヴィド親方に応えボスボロットが胸部を開き杖と一体化した腕を出した
「おうしエル!ブレストファイヤー!!」
「了解!ボス!!」
ゴアアアア!!!
強烈な火炎放射が訓練用の標的を焼き尽くした
\\おお~~!!//
「凄まじい火力だな」
「あれならべへモスにも有効だろう」
「エーテルリアクタに直結するとあんなに威力あるのね」
「よし次の標的を用意しろ!」
新しく標的が設置された
「お次はサンダーブレーク!!」
「OKボス!!」
ズガァーーーン!!
強烈な雷撃が標的に炸裂粉砕した
「うっわー・・・ エル君が直接撃つよりすっごい・・・」
「あんなの学園でうったらやべえやつだろ・・・」
「もうやめにしとかないとまずいだろ」
「べへモスにとどめを刺したやつだよな あれ・・・」
「おーーし!これで最後だ!!」
用意された最後の標的を前に・・・
「あと何ができるんでいエル?
ロケットパンチか?」
「それはまだ無理ですね いつかはやってみたいのですが
そうですね・・・では
グレートタイフーン!!!」
ブオオオおおおおおお!!!!
「ゲ!?」
「やべえ!!!」
「ふせろーーーーー!!!!」
ボスボロットの巻き起こした暴風は標的どころかボスボロット自身も吹き飛ばした
「どっへええーーーーー!!!!?」
離れて見ていた親方たちは必死で地面に伏せて無事だったが
その惨状に絶句するしかなかった
「こりゃ・・・学園長になんて言ったもんかね・・・」
「ど~すんだこれ・・・」
片付けを考えウンザリしている整備班たちだった
吹き飛び転がったボスボロットからどうにか這い出してきたボスとエル
「お~い エル~ 生きてるか~」
「ボス~・・・ 生きてますよ~・・・
グレートタイフーンは駄目ですね・・・
しかし考えてみれば当たり前でした・・・
噴射の反作用でボスボロットがひっくり返りますよね
ですがうまく使えば空を・・・」
エルが無事な姿で思考に没頭しているのを見て
安堵しているボスに近づき声をかける女性が
「あの 大丈夫ですか?」
「おお カワイ子ちゃん!
へへ こんくらいどうってことねえぇよ!!」
女性の声に反応しガバッと立ち上がり
パイロットスーツとして着ていたシルエットギアを脱ぎ力こぶを見せピンピンしているボスと
こちらをまったく気にせずにぶつぶつと独り言を続けるエルに
困惑しながらも女性は表面上は平静にハンカチを差し出し会話を試みた
「私は騎装士学科のノーラと申します
あの 本当に大丈夫ですか?
シルエットナイトの頭がとれるほどの大事故のようですけど・・・」
「あんがとよん
ボロットの頭がとれちまうのはいつものことだわさ
それにこんなカワイ子ちゃんにハンカチを貸してもらって
今日はラッキーだーわさ!」
「そういえば模擬試合でも頭を投げてましたね」
「おっ!見てくれちゃってた!?
うっしっし
エドガーが手強くてやけくそでぶん投げたのがガーンとあたっちまったわよん」
「術式の規模と出力を考慮してあえて機能を絞り制御を・・・」
目前の常識を放り投げ続ける二人のことをどう報告したものかと頭の片隅で考えながら
ノーラは護衛対象であり観察対象であるボスとの初接触をはたした
―学園 特設ボウリング場―
シルエットギア総出による後片付けをどうにか終えて
ギアを脱ぐ前のついでとばかりにボウリングをしに来たボスに
ディートリヒとゲパードが声をかけた
ちなみにエルは片付けそっちのけで新しい図面を書こうとしていたので
親方につかまり説教を受けている
「ボス ちょっといいか?」
「なんだディー ゲパード ボウリング勝負するか?」
「それはちょっと待ってくれ
実は私とゲパードの二人を君の子分にしてほしい」
「お いいぜ!」
「え いいのか? そんなあっさり?」
「いいわよん おれさまのことはボスと呼ぶだわさ」
「わかっ・・・ 了解しましたボス殿」
「そんなかたっくるしいのはいらないわよん」
ディー達は陸皇事変でボスに命を救われてから彼に敬意を持っていた
自分たちをかばったブリキの騎士の背中に・・・
そのブリキの騎士はけっして無敵の装甲を持った超人が操るようなものではなく
この学園で再会し直接目にしたのは、
自分たちと同世代で魔法も使えないナイトランナーと
法撃試験の失敗でボロボロにひっくり返ったボスボロットであった
そんな彼が勇気を振り絞りべへモスから自分たちの命を守り
それを何でもないように振る舞い誇ろうともしない
騎士よりも騎士らしい気概を感じ より尊敬したのだ
そして先程の法撃試験、エルが補助に乗りボロットが法撃可能になったことで
弱点が補われただけではなく 危険性も跳ね上がった
常識を投げ捨てるエルは暴走の危険があり ボスは悪ノリする雰囲気がある
ボスボロットは本来3人乗りと聞いていた
子分となり同乗することができれば自分達がストッパーになれる
それがボスを守ることになる ディー達の狙いはそれだった
だがあっさり子分として受け入れられたのでそれをボスに伝えることはなかった
―学園工房―
学園長によりボスを含めボスボロット修理に関わった生徒が集められた
「おい銀色坊主 なんだって俺達が集められたんだ?」
「僕も聞いてません 先日の法撃の実験のお叱りでしょうか?」
「あれはなあ・・・幸い人的被害はなかったが
やっぱりお咎めなしってわけにはいかねえか」
「エルのじいさんに謝りに行ったときは渋い顔はされたが
一応許してくれだぞ」
「さて こうやって集まってもらったのは他でもない
ボスボロットの修理がとりあえずの成果がでたことで公爵から申し出があった
ボス君とボスボロットをディクスゴード公爵領カザトシュ砦に招待し保護したいと
合わせてボス君からの技術供与によって作られたシルエットギアの現物全機と
主に開発に関わった人物から直接話を聞きたいとのことだ」
学園長の言葉で学生達がざわついた
「何で公爵様が?」
「シルエットギアもってかれたらボウリングできねえぞ」
「また作ればいいじゃないか」
「あの砦は高名な朱兎騎士団がいるはずだ
護衛戦力としては
「おれさまはここが結構居心地いいぜ」
「朱兎騎士団って私の憧れの女性騎士がいるのよね
美人で凛々しくて 会えないかしらね」
「急にそのカザン砦ってのに行ってみたくなっただわさ!」
ヘルヴィのつぶやきにわかりやすく気が変わったボスに学園長が改めて聞く
「ボス君 あくまで君は国王陛下の客人だ
公爵閣下といえどこれは決して命令ではなく
あくまで招待ということでその後の滞在やこちらへの帰還の自由も保障するし
これを断るのも君の自由だと聞いている
それでもいいのか?」
「おう せっかくの招待なら受けちゃうわよん
そんでこっから行けばいいんだわさ?」
「いや ボス君の返事をこちらから送って
あちらから朱兎騎士団を迎えに出すとのことだ」
「わかりました そんじゃ待ってるだわさ」
「
シルエットギアの開発に一番関わっていますし
それにあちらがボスボロットを受け入れるのに必要な物資などもありますから
返事のときにそのことも添えましょう ボスが人の3倍食べることも」
「おし エル任せた!」
「了解ボス!」
「シルエットギアを持っていくなら私達も同行しよう
エルネスティだけよりもその方がいいだろう」
「よし今から準備しとこうぜ!」
「ディー、ゲパード本気か!?」
「「勿論!!」」
公爵の招待という前代未聞の事件に にわかに盛り上がる中
一人の男がその情報を外に持ち出した
―????―
「へえ 切れ者と評判の公爵があのブリキの玩具と
・・・ならあの事故で学園が厄介払いしたわけじゃないね
これは動く時がきたじゃないか」
「今のうちにシルエットギアだけでも盗んじまいますか?」
「馬鹿言ってんじゃないよ
いくら未知の新型とはいえ学園から玩具や鎧をかっぱらって献上しても大した手柄にはならないのさ
それにここからじゃ国元に持って帰るのに距離がありすぎる
ちょいと待てば師団級魔獣相手に戦える証拠に公爵が砦に囲うほどのお宝って箔がついて
ご丁寧に帰国しやすい距離まで運んでくれるんだ
至れり尽くせりで感謝してやりたいぐらさ
監察官殿に連絡をつけな!
公爵自慢の砦と騎士団が相手だ
『虎の子』が使えるようにしてくれってな!!」
エルネスティがサブパイロットに登録されました
サブパイロット能力
エルネスティ・エチェバルリア
与ダメージ 1.1倍
最終命中率、最終回避率+15%
騎操士
精神コマンド 集中 直感 ??? ??? ??? ???
騎操士 搭乗時ボスボロットの武装追加
ブレストファイヤーⓟ 1~3
サンダーブレーク 2~5
エル君がサブパイロットとしてボスボロットにのりかえ可能になりました
スパロボ30のハイスペックを考えればボスボロットのサブパイロットにするには・・・