―学園工房外―
シルエットナイトで研究中の
強度が大きく向上したシルエットギアによる新しいテストが行われていた
「ロケットパーンチ!!!」
バシュ!! ドン! キュルルル
「すごーい!エル君のギアの手が飛んで的に当たったら
すぐに戻っちゃった!」
「上出来ですね パワーも耐久力も上がったおかげです
ロケットパンチというよりワイヤード・フィストですが
いっそあいだを取ってゲキガンパンチと呼びましょうか・・・」
「エアロスラストの魔法で飛ばしてるのか
あれならある程度 方向も魔法で調整できるな」
「ええ グレートタイフーンの反省から
こういう使い方にしました」
「でもなんで法撃があるのにわざわざ手を飛ばすの?」
「いい質問ですねアディ 見ててください!」
バシュ! ガチ!
パンチを屋根に向かってとばしそのまま屋根のへりをつかみ
「ワイヤーを巻きながら出発!」
シュルルル バァアアン
くる
しゅた
「すごーい!一瞬で屋根まで登っちゃった!」
「なるほど とばした後でも【手】として使えるのか
使いこなせれば便利かも」
「ワイヤーの中に
「ふむ これがボスボロットやグゥエールにも実装できれば
戦いの幅が広がるかもな
シルエットギアで新武装のテストをしたいから付き合ってくれと頼まれてきたが
なかなか面白いことになりそうだ」
「ディー先輩 そんなこと言ってるとエルの新ネタ試してもらうよ
まるでびっくり箱なんだから はいコレ右手と取り換えて」
「よっと ディー先輩 これはクセが強いですが強力ですよ~」
屋根から戻ってきたエルがニコニコ顔でディー機のシルエットギアの横に立った
「見たところ飛ぶ手が槍先のようになったものか
成程 より貫通性を狙うときに使うのだな」
「たしかにそれもありますが
まずはあの土壁の的に撃ち飛ばした後
巻き取らずにそのままにしてください」
「? わかった 任せたまえ」
バシュ! ズガッ!!!!
「おお いきなり的に命中した
先輩この武器はじめてですよね!?」
「まあこれくらいはね」
「先輩 その状態から殴りつけるイメージで魔力を込めてください!」
「わかった!」
ズドォン!!!
「土壁ごとふきとんだ!?」
「的も粉々になったよ!?何アレ!?」
「うわっちゃあ~
あれ生き物に使ったらえらいことになるぞ
一瞬だけど 戦術級魔法並の威力ってことか・・・」
「・・・エルネスティ これはあのときの」
「流石ディー先輩 すぐに気づきましたね
これはあのべへモスに致命傷を与えた必殺兵器
小型簡略化した上で連射も想定しています!
流石に腕につけたままで使うと肩が吹き飛びそうですが
これならシルエットナイトのサイズで使えば
あのべへモスにも通用するはず!
その名もリボルビングステークです!!」
「いいね これは・・・!
実用化したら是非ともグゥエールに搭載してほしいな
いや ここで使って問題点を洗い出せば実用化に近づくはず!
続けてやるぞ!!」
「いやいやディー先輩
流石にあの威力は街中でぶっ放すもんじゃないですよ!」
「たしかに土壁がああなっちまうんじゃなあ
エルがボロットでやらかした直後だし まずいかも・・・」
通気性の改善がいまだに難航しているものの
シルエットギア用に背面に2本のサブアームをつけたテストなどを行い
マギウスエンジン搭載型の黒い3機にはそのまま運用していくことが決まった
「それでは黒のSサイズをバトソン Mサイズをボス
Lサイズを親方に使ってもらってサブアームなどのデータをとり続けましょう
それぞれ自由な改造も試してもらえれば・・・」
「なるほど その3人ならほっといても自分でカスタマイズできるから
色々な成果がでるわけだ
ではこの白いLサイズは私専用機として預かってもいいかい?
新武装やシルエットナイトとのフルコントロールのデータもとろう」
「ありがとうございます!是非お願いします!!」
「礼には及ばないさ
私もボスの子分になったんだ
これくらいはやらせてもらうよ」
「・・・そうでしたね ボスやゲパード先輩も交えて
そのあたりもじっくり話し合いましょう」
「ああ!!エル君がまさかディー先輩と急接近!?」
「いや なんでだよ!落ち着けってアディ!」
それから数日後
―工房内―
学園長自ら足を運び工房内の学生を集めた
「公爵閣下からの連絡があった
砦は既にボス君の受け入れを整え二日後に朱兎騎士団の騎士3名
シルエットナイト3機 馬車3両 で迎えにくるとのことだ
こちらからはボス君とボスボロット 組み立て済みのシルエットギア全機
シルエットギアの開発の発案者と鍛冶師 テストランナー数人の同行を求めている」
「思ったより早い対応ですね
砦まではシルエットナイトの足で片道約3日といったところ
既にあちらは出発していることでしょう
こちらのメンバーを決めて準備を整えておきましょうか親方」
「そうだな こっちの面子は・・・
ボスと銀色坊主は確定
鍛冶師は俺達で選抜しておく
ギアのテストランナーは白いのが十分使えるやつとなりゃ」
「私とゲパードが行く」
「当然!」
「はいはーい!
私も!!」
「俺もいくぜ 白いギアの扱いなら俺達が適任だろ」
「おいらも行くぜ
何しろおいらのギアは作業用特化で親方のとも
結構違ってるからな」
「ディー先輩、ゲパード先輩、キッド、アディ、バトソン・・・
ギアが現在白黒合わせて10機ありますし こちらからも馬車がいりますね」
「おれさまのボロットにも積めるぜ」
「そうですね 僕と先輩方のだけでも載せてもらいましょうか
サブパイロットとして使えるように」
「食料買い込みに行かねえとな
ボロットの冷蔵庫いっぱいに買っていくか
旅先でラーメンの材料も探してえし」
「エル君エル君! おやつ買いに行こ!!」
「遠足じゃないですよアディ」
にぎやかになった工房からひっそりと抜け出す人影がひとつ
人目を避けつつ街へ出ようとしたところで もうひとつの影が重なり
「ぐ!?」
「捕獲完了・・・」
鼠を藍い鷹が捕まえた
―???―
「【伏せ鼠】からの連絡が途絶えたってのか
こりゃ 公爵が動くみたいだね」
「鼠はどうします?」
「逃がしてやりたいが監察官殿の目がある
すでに勅命が下った以上 すぐにここを引き払い
獲物をとったらそのまま本国に持って帰るのが最優先さ
あのブリキの玩具を砦に運ぶにはどうしたって目立つ
野郎ども!2度とここには戻らない
完全に痕跡を消して全員で追いかける手筈を整えな!」
この国の誰も知らないところで恐るべき牙が活動を開始した
二日後
学園に到着した団長モルテン・フレドホルム率いる朱兎騎士団は
すぐにボス達と顔を合わせカザトシュ砦へと出立した
ボス達は操縦しながら先頭を行く団長機ハイマウォートに追従していき
シルエットギアは騎士団が用意した馬車に積み込み
学園の馬車に鍛冶師達が乗り込んだ
そしてボスボロットの操縦席では
「うわはあ!
僕の手でボロットが歩いてます!!
操縦結構簡単ですね!歩くだけなら車の運転よりも!」
「エルネスティよく動かせるな!?
ナイトランナーと違いすぎて何が何だかわからないぞ!?」
「何で足が動いてんだ!?
鐙踏んでないよな!?
操縦桿の形も違いすぎるだろ!今何で回したんだ?」
「エルく~ん ボスさん達ー! お茶の用意できたよー!
お茶菓子もあるよー!
このテーブルの形独特だよね」
「ちゃぶ台っていうんだわさ」
「ちゃぶだい!?なんかカワイイかも!」
「ボス 先輩方 先にお茶を飲んで来てください
操縦は僕にお任せください」
「そんじゃエル任せた」
「おいおい いいのかいボス
操縦したてのエルネスティから目を放しても」
「おうよ ディー達も慣れてくれりゃ道中かわりばんこで
ずいぶんと楽ができるだわさ」
「そうと聞いては休んでいられないな
ボロットの操縦法をしっかり学ばないと」
「こっちの子分は真面目なやつばっかだわさ
茶ぐれい・・・ん?うわっちゃあ!!??」
グラララ・・・
ボスボロットを襲った激しい揺れで飲みかけのお茶をひっくり返したボス
「なんでい!?つまづいたか!?」
「いえ!外で魔獣が!!」
「あれは
「でっかいミミズ!?気持ち悪い!!」
直径1メートル 全長20メートルの巨大ミミズが
街道の石畳を軽々突き破り一行を急襲
馬車が2両倒れ 中から鍛冶師達が這い出てきた
「あっ バト君たち大丈夫そうだね
って親方つよ!!」
ゴアア グッシャア!!
シルエットギアを装着したダーヴィド親方がドワーフの強力な筋力を倍化させ
巨大な鎚を二刀流で振り回し地砕蚯蚓に叩きこみ粉砕していた
「おうらぁ!!
よくもやってくれやがったな!!
馬車の仇だ!徹底的にぶちかましてやらあ!!!!」
「うわあ 親方こええ・・・」
「バト坊!てめえもギアがあるんだ続け続け!!!」
「もうこうなりゃヤケだーーー!!!!」
―ボロット操縦席―
「エル操縦かわれ!アディちゃんとギア着て馬車の連中守ってな!!
ディー!ゲパード!ギア着て奥の手使えるようにしとけよ!」
「はい!ボスもギア着てください!」
「あんがとよ!」
ジャキン ジャキン ジャキン!
シルエットギアを装着しギアによる初の実戦に挑むエル達にボスが檄をとばす
「気合こめろ!根性だせ!!
さあ かっこよく暴れてやるわよ~ん!」
\\\\おう!!!!////
エル達が飛び出した後はボスボロットが手当たり次第にシェイカーワームを
叩き潰していった
「ボロットパーンチだわさっ!!」
ボロット鉄拳がシェイカーワームを一撃でぶち抜いた
「各機散開しつつ警戒を続けろ!
奴らの出現は音を伴う!そこを狙え!!」
騎士団の指揮や連携 学生達の奮戦もありシェイカーワームの数が減ってきた
「どうだミミズ共!
これが俺たちの力だ!」
「ど~んなもんでい!」
ゴゴゴゴゴゴゴ・・・!!
「この地響きは・・・」
ドゴオオ!!!!
「でかい!!」
直径6メートル 全長100メートルに及ぶ桁違いの
巨大シェイカーワームが地中からあらわれた
「シェイカーワームのヌシでしょうか」
「なんで
「大丈夫ですよ どうやらあれはシルエットナイト達を狙っています
ヌシの相手はボス達にお任せしましょう
僕達は馬車を守りつつ後退しましょう」
「たしかに巻き込まれちゃひとたまりもねえ
オラ!さがるぞ!モタモタするやつぁケツけっぱくるぞ!!!」
小枝のように鎚を振り回し小型のシェイカーワームを叩き潰す親方と
法撃の雨を降らせるエル達が道を切り開いていく
「べへモスを思い出すデカさだな
あんなでかいシェイカーワームなんているのかよ!?」
「いるんだからしょうがねえよ!
ゲパード!ブレストファイヤー発射だ!!」
「了解!くらえミミズ野郎!!」
ボスボロットの胸が開きサブアームから
炎の法撃が発射 シェイカーワームのヌシに直撃した
カルダトアの法撃数発分の威力の業火にさしものヌシもあきらかにひるんだ
「よっしゃあいくぜ!
スペシャルボロットパンチ!!」
ボロットの一撃がヌシを捉え激しくもだえるように倒した
「逃がすな!!続け!!!!」
朱兎騎士団団長機ハイマウォートがその出力を生かした長柄のハンマーによって
ヌシに追撃を加え それに続いた騎士たちの剣や槍が串刺しにしていく
ついにたまりかねたヌシが最後の力を振り絞るかのように暴れまわり
まとわりつくシルエットナイトを蹴散らし地中に逃げ込もうとした、が
ガシィ!!
「へへっ 逃がさないわよ~ん!」
そのヌシの頭(尻尾かもしれないが)?をボロットがつかみ抑え込んだ
「なんと あの巨体をブリキの騎士ひとりで止めた!?
俺のハイマウォートでも及ばぬ膂力よ!」
「ボス サブアームを打ち込んだ!
やってくれ!!」
「ディー、ゲパード! 行くわよ~っ!
サンダーブレーク!!」
ピシッ ズガガァーーーーン
シェイカーワームのヌシがゼロ距離での雷の法撃を受けピクリとも動かなくなった
モルテン団長はヌシの死亡を確認し小型の掃討にかかろうとしたところで
ボスボロットも動かないことに気が付いた
ボスはとっさのことでうっかり忘れていたが
接近状態でのサンダーブレークは感電の恐れがあるため使用禁止だったのだ
もちろん操縦席内には感電防止措置がとられていたのだが
急造のサブアームを通じてほんのわずかではあったが
サンダーブレークの影響により室内のボス達にも感電してしまい全員目を回していた
どうにもしまらなかったが まもなくシェイカーワームは全滅し
街道は元の静寂をとりもどしたのだった
それを遠くから観察していたのは
「なるほど ブリキの騎士ってのはやっぱり
シェイカーワームごときにやられるようなヤワじゃなかったか
ああいう大型相手に真価を発揮するってことかい
なおさら我らの陛下がよろこびそうじゃないか
それにあのシルエットギア ますます欲しくなったね」
「この襲撃で馬車が破損しました
修復や積み荷の移動で数日は稼げたはず」
「よし あいつらが砦に入るまでに準備を整えな
そして砦に入ってやつらの気が緩んだところが賭け時さ
ブリキの玩具にドレスまとめてあたしらの手土産になってもらおうか」
闇に潜む獰猛な目が ボス達に向けられていた・・・
ディートリヒ ゲパードがサブパイロットに登録されました
サブパイロット情報
ディートリヒ
底力+1
援護攻撃+1
騎操士
精神コマンド 加速 突撃 ??? ??? ??? ???
ゲパード
カウンター+1
援護攻撃+1
騎操士
精神コマンド 根性 直撃 ??? ??? ??? ???
メインパイロット情報
ボス
地形適応 空C 陸S 海C 宇宙C
特殊技能
底力 Lv7
援護攻撃 Lv2
援護防御 Lv2
反骨心(HPが50%未満になると効果が発動 最終命中率+30%、装甲+200、被ダメージ時の気力上昇が2になる)
精神コマンド 自爆 ド根性 脱力 挑発 熱血 ???
サブパイロットに子分(男性)が乗ると友情補正 命中・回避 人数×30%
サブパイロットに女性が乗ると片思い補正 攻撃・防御 人数×30%
あけましておめでとうございます
本年も拙作をよろしくお願いいたします