ナイツ&マジック&B   作:ウジョー

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加速

「ボス殿 先の戦い見事でした

流石陸皇事変の猛者 ブリキの騎士の武勇たしかに目にしました」

 

「ありがとよ団長さん」

 

「ところでボス殿 先の魔獣からとれた魔石

小型のシェイカーワーム2体とヌシの分は君に権利がある

解体後受け取ってもらいたい」

 

「魔石?もらえるもんはもらっとくけどよぉ

どうすんだそんなもん?」

 

「俺も専門家ほど詳しいわけではないが錬金術の素材となるそうだ

シルエットナイトにも使われていると聞く」

 

その話を聞きつけたエルが話に割って入った

 

「失礼しますモルテン団長閣下 

それでは僕達が倒した魔獣の魔石は僕達が持ち帰ってもいいのでしょうか!」

 

「騎士が倒した魔獣の魔石は国の財産となるが

・・・学園の学生の倒したものは学園のものでいいはずだ

君個人のものというわけにはいかないがな

ボス殿はあくまで個人の権利として所有権があるということだ」

 

「それは仕方ないですね

錬金術学科の先輩方へのお土産にしましょうか

・・・後々のために」

 

強化素材を入手した

『地砕蚯蚓の魔石』×2

蚯蚓の主(マスターワーム)の魔石』

 

 

その後馬車の修理のため最寄りの村で一泊し予定より1日遅れで

王国北部に位置するディスクゴード公爵領玄関口カザトシュ砦に到着した

 

「カザトシュ砦へようこそボス殿

陛下の側で顔を合わせてはいるがあの時は名乗っていなかった

私が陛下より公爵の地位と砦を預かるクヌート・ディスクゴードだ」

 

 

  ―カザトシュ砦―

 

砦に入ったボス達を出迎えたのは公爵以下朱兎騎士団だった

フレメヴィーラに名高き公爵と騎士団の威容に学生達は圧倒されたが

立ち並ぶ朱兎騎士団のシルエットナイトに夢中のエルと

貴族どころか王族とも同じ釜の飯を食うロンドベルにいたボスはいつも通りだ

 

「お招き感謝するだわさ」

 

笑顔で公爵と挨拶を交わすボス

その後は砦を挙げての歓迎ムードだったが

公爵と団長はうまく席を外し道中の報告を受けていた

 

 

  ―砦の上級作戦会議室―

 

「なるほど

シェイカーワームのヌシによる襲撃か

べへモスに続き大型魔獣の事件が続くな

して例の件はどうか」

 

「ハッ ブリキの騎士の武勇、評判以上のものでした

かの機体の力もさることながら 戦場での立ち回り

また戦闘後 破壊された馬車の応急修理の手際など

外見の年齢にそぐわず歴戦の猛者を感じさせる一方

剽軽(ひょうきん)とも言える人柄であり学生からの人望も厚い人物でありました

魔石については知らぬ様子で特に執着は見せませんでしたが

討伐の功績が大きくヌシの魔石含め 彼にいくつか所有権をゆずりました」

 

「うむ やはり陛下が気に入るほどの人物であるか・・・

魔石についてもそれでよい 他国の騎士の権利として当然のものだ」

 

「また学生による新型機 シルエットギアも大変有用であると

ナイトランナーの命を守るための甲冑との話でしたが

ヌシを葬るほどの電撃を至近距離で使ったことにより

余波を受けたボス殿達が軽傷で済みました

それに単独での戦闘力も特筆すべきものです

ナイトランナーではなくナイトスミス鍛冶師学科の学生が

小型のシェイカーワームを圧倒していくのを直接見ております」

 

「なんだと!? ならば正騎士であればそれ以上の・・・」

 

「はっ!

魔獣相手の戦力としてはシルエットナイトに及ばぬでしょうが

騎士の生還率を上げ 戦力の底上げとしても期待できるほどかと

しかも傷ついた馬車馬に代わり馬車をひき 荷物を軽快に運ぶなど

戦闘以外でもその有用性は極めて高いものであると

あれを学生 しかも中等部が主体となって1から作り上げたとは

全く驚かされますな」

 

「彼があの学園に訪れてからのわずかの間にそれほどの物ができたか

かの新型機は我が国にとって益のあるもの・・・か

これもラボで検証せねばなるまい」

 

「まだまだ改良の余地があると学生達も手を加え続けているとのこと」

 

「なるほど いずれはその者たちからも直接聞くこともあるが

まずは彼と会い見定めねばならん

彼が我らの国フレメヴィーラに何をもたらすのか

私自身が彼の真意を探ろう」

 

 

  ―砦の格納庫―

 

砦に到着した翌日の朝

格納庫見学の許可が出たので

ボス、エル、バトソンの3人が見回っていた

 

「へえ 学園のロボットとは結構違うだわさ  あ!

あれはバルゲリー砦のカーンさん達が乗ってるのとおんなじだ」

 

「そうですね 一番多いのはそちらの制式量産機カルダトア

そしてあちらに少数あるのが隊長機のカルディアリア

そしてこちら1機のみの団長専用機ウォートシリーズの

ハイマウォートですね」

 

「へ~」

 

「大体の目安として・・・

カルダトア一機で決闘級魔獣一体の相手ができる戦力ですね」

 

「カルダトアは学園のサロドレアと大きく差があるわけじゃないけど

おいら達ナイトスミスにとっては整備性がいいらしいんだ

もっとも学園にはないからまだ触ったことはないけどな

勉強って意味ではサロドレアの方が向いてるんだろうが・・・」

 

「おや バトソン カルダトアを触りたいんですか?

そうでしょうそうでしょう!こんな目の前にあるのですから

触り倒したい!できるなら改造もしたい!

その気持ちわかりますよ!!」

 

「いや エルほどじゃないって・・・」

 

「カルディアリアはカルダトアに比べ性能が強化されている分

短くなった稼働時間を腕でカバーするため中級騎士向けと言われています

あの機体は槍斧(ハルバード)を使っているようですね」

 

「あの武器 シルエットナイトにはちょっと珍しいよな

父ちゃんの鍛冶工房では見かけるけど」

 

「カッコイイだわさ!」

 

「ウォートシリーズは各騎士団の団長機で

それぞれ隊長に合わせたカスタマイズと固有名称がついてます

あのハイマウォートは特に大出力・重装甲にハンマー装備という

スーパーロボットのようなコンセプトですね」

 

「ミミズ退治のときは頼もしかったな

親方のハンマーも怖かったけど・・・」

 

「ちなみにべへモス戦で活躍したヤントゥネン騎士団の

フィリップ団長の機体はソルドウォート 剣を使う豪奢な外見でしたね」

 

「エル いっぺんに言われてもわかりにくいわよん」

 

「そうですねロンドベルやガンドール隊でたとえると・・・

ザク改、シャアザク、グフカスタムのようなものかと」

 

「ああ そんなもんか」

 

「エル おいらにはさっぱりなんだが?」

 

「あのハイマット?ってやつは騎士のみんなと

お揃いのマフラーがおしゃれさんだわさ

ボロットにもつけてみっか マントとかどうよ?」

 

「いいですね唐草模様でこう首に巻いて・・・」

 

「・・・なあエル『トンマなマント』って逆から読んでも」

 

「それ以上は言っては駄目ですバトソン

僕は思っても口にしなかったのに」

 

   ゴン!  ゴン!

  「いて!」「あた!」

 

「それはもう言ってるのと同じだわさ」

 

ボスのげんこつがバトソンとエルに炸裂したところでモルテンがやってきた

 

「ハハハ 仲がいいな ボス殿

カーン殿から聞いたがボスボロットにはマナを回復できる能力もあるとか

機会があれば我がハイマウォートも世話になるかもしれん

そのときはよろしく頼む」

 

「任せてくれよ!

カーンさん達は元気でしたか?」

 

「ああ 彼らについては機密もあって私が言うわけにはいかないが

そのことも含めて閣下が話があるそうだ

案内をするので すまないがボス殿一人で来てほしい

後で学生の諸君たちからも話を聞きたいらしいがね」

 

「わかったわよ~ん」

 

「僕達はここで見学してますね」

 

 

  ―上級作戦会議室―

 

「現在バルゲリー砦は再建が進んでいる

本来あの砦は魔獣の巣窟ともいえるボキューズ大森海に接してはいたが

魔獣街道(ラビッドリィロード)からは外れた比較的小規模なものだった」

 

「おれがカーンさん達と出会ったとこか」

 

「なぜあんなところに貴公やべへモスがあらわれたのかは未だに不明だが

べへモスが通ったことであの戦場も魔獣街道となり

要地となったバルゲリー砦守備隊は騎士団へ昇格することも決まった」

 

「そりゃ忙しそうだわさ 気軽に会えそうにねえな」

 

「・・・そのことで貴公に相談がある

新設される騎士団の団長として守備隊の隊長だったカーンが決定され

そこで配備される予定のウォートに貴公の名を借りて

『ボスウォート』と命名したいとカーン達守備隊の希望があった」

 

「おお かっけえじゃねえの

おれさまのボスボロットに似てるしよ」

 

「死地をともにした戦友である貴公の名を是非使いたいと

貴公の許可がでれば本決まりとなるが・・・」

 

「許可なんて水くせえじゃねえか バッチリオッケーよん」

 

「・・・そうか ではその件はよいとして

先の陸皇事変 べへモス討伐によるブリキの騎士の活躍は疑いないものであるが

その戦利品ともいえるべへモスの魔石を含め各種素材に関しては

全権を我が国のものとしたい 異存はないだろうか?」

 

「そりゃもちろん

あのとき亀野郎をやっつけたのはヤットンネン騎士団やカーンさん達みんなだし

正直亀の死体なんてもらっても困るだわさ」

 

「・・・そうか」

 

公爵はあくまで可能性のひとつとして 疑っていたことがあった

べへモスとボスがあの場にいたのは偶然ではなく

ボスが他国からボスボロットで魔石等を求め魔獣狩りの為に潜入し

べへモスを狙ったが失敗した挙句領内に逃げ込み結果として

陸皇事変を引き起こしたというものだ

だがボスがべへモスの素材そのものに無関心である様子や

これまでの振舞いからその線はないと判断した

その後はボスがボスボロットに乗った経緯や

公爵が若い頃現国王とともにカルダトアの改良に取り組んでいたことなどを

和やかに話し込んでいると・・・

 

  コンコン

 

「お話し中 失礼いたします閣下」

 

「どうした モルテン」

 

「ダリエ村から狼煙による救難信号が

決闘級以上の魔獣の群れが襲撃していると推測されます」

 

  !!

 

「モルテン!

最低でも一個中隊を編成し

全速をもって守備に当たれ!!」

 

「はっ!我が朱兎騎士団は直ちに出撃いたします!」

 

「ボスボロットも出動するぜ!!」

 

「いかん!我々は貴公を守るためにこの砦へ招いたのだ!」

 

「わかってますよ!

だがおれは魔獣に襲われている人を一人でも多く助けることができれば

真っ二つにされても満足ですよ!!」

 

「・・・私には貴公を命令し止めることはできない

だが!現場ではモルテンの指示に従ってもらうぞ!」

 

「当然よ!モルテンさん よろしく頼んます!」

 

「わかった すぐに出撃する!機体に乗ってくれ」

 

「あいよ!」

 

飛び出していくボス達を見てディクスゴード公爵は得心した

国王やバルゲリー砦の騎士、学生達が何故ボスをあれほど気に入ったのかを

 

 

  ―格納庫―

 

ボスがボスボロットに乗り込もうとしたところへ

エルたちが駆けつけた

 

「ボス!僕達もいきます!」

 

「駄目だ!ボス殿は客人のため参陣する権利があるが

お前達は我が国の学生だ!

これは国民の命がかかった戦場である!

未熟な学生を出すわけにはいかん!

これは命令だ!!」

 

ボスに続きボスボロットに乗り込もうとしたエル達を公爵が止めた

 

「・・・公爵閣下にそう言われては仕方あるまい

おっとエルネスティ こっそり乗ろうとしないように」

 

「エル達は留守番しててくれ

ここはおれさま達にまっかしとけ!」

 

「・・・わかりました

ボス 念の為に戦闘中はシルエットギアを着てくださいね」

 

「おうよ!ボスボロットファイトー!!」

 

  \\ファイトー!!//

 

出撃するボスボロットと朱兎騎士団を見送るエルだったが

それでただ大人しくしているような人物ではなかった

 

「それではこの砦を指揮する公爵閣下に

是非ともシルエットギアの戦闘力について

しっかりとわかってもらいましょうか・・・」

 

手に持つ分厚い資料が本気を物語っていた

 

 

 

  ―???―

 

フレメヴィーラ王国は魔獣が生息しているため

こういった出動は珍しくなく砦の人間は

だれも疑問を持たなかったが・・・

 

「カザトシュ砦の連中はまんまと引っかかったようだね

しかもブリキの騎士まで おでましとは・・・

悪くても砦の戦力を減らせりゃよかったがノコノコ出てくるなんて

平和ボケしたこの国の連中にゃ本当に感謝しないとねえ

鼠の話じゃブリキの騎士のナイトランナーはギアを着ているはずさ

わざわざ鴨が葱を背負って来たんだ

うまくやろうじゃないか」

 

獰猛な牙が静かに身を潜めていた

 

 

 

  ―ダリエ村―

 

  ガシャガシャガシャ!

 

「村が見えた!

今助けに行くぜ!!

待ちやがれこんちくしょう!

このボスボロットが相手になるぜ!!」

 

村を襲う魔獣を挑発し自分に注意を向けようとしたが

構わず住居を狙うサル型の決闘級魔獣がいた

 

「野郎!くらえボロットスートライク!!」

 

  グシャア!!!

 

ボロットの投げた頭部が直撃したサル型魔獣は絶命し

挑発に乗ってボロットへ注意を向けたクマ型魔獣へ

ボロットの胴体が体当たりをかました

 

「食らいついたら離さねえのがおれの主義だ!!」

 

「ぬぅんッ」

 

  ゴッ!!!

 

ボロットの腕の中でもがく魔獣をハイマウォートのハンマーがとどめを刺した

 

「てめえら人の家に黙って入り込むなんてよくねえぞ!」

 

「全隊全速で村に入り込んだ魔獣を全て打ち倒し

村人を救出する!!

避難所である中央の砦に近づけるな!!!

魔獣共めがっ!村にこれほどの被害を!!

返礼をせねばならんなあっ!!!」

 

ボスボロットと朱兎騎士団一個中隊(団長機含め10機)が

村を襲う13匹の決闘級魔獣を含む多数の魔獣の群れと激突した!!




巨匠水島新司先生死去・・・
昭和 平成 令和と名作を書き続け「あぶさん」「ドカベン」完結後引退されていましたが
力士だろうとピアニストだろうとサルだろうと本格野球をやるスタイル大好きでした
いつか巨大ロボットで野球漫画書くんじゃないかとひそかに期待していましたが残念です
ひょっとしたら私がしらないだけであるかもしれませんが
最近ドカベンのOPテーマソングヘビーローテーションで聞きながらドカベン読み返してます

寒さのピークに加え 尋常じゃないコロナ拡大のスピード
くれぐれもご自愛くださいませ
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