―カザトシュ砦―
帰還した朱兎騎士団を迎えたクヌート・ディスクゴード公爵は
全機ボロボロになったシルエットナイトと頭だけになったボスボロットを見て
鋭い表情が更に厳しくなる
「我が朱兎騎士団がこれほど傷つき 護衛対象であるはずのボスボロットがこの有様
この一晩でなんということだ・・・」
先頭で砦に入ってきた団長機からモルテンが降りて敬礼する
「閣下 朱兎騎士団一個中隊並びに学生騎士全員 ボス殿と共に帰還しました」
「ご苦労 ボス殿は無事か」
「はっ しかし詳細についてはここでは」
「わかった 上級作戦会議室で待つ」
「はっ!」
団長機が格納庫に入り 続いて4機のカルダトアに神輿のように担がれたボロットの頭が運び込まれた
―上級作戦会議室―
「なんだと!?
ボスボロットの体と新型のシルエットギア1機を賊に奪われ
ボス殿は賊により負傷 しかも逃走を許すとは!?」
団長と中隊長から報告を受けた公爵は憤慨した
公賓であるボスの安全の為に砦に招いておきながら
賊に襲撃された挙句逃げられるというかつてない重大な失態である
「閣下 そのことですが賊の逃走後残されたボスボロットの頭部へ魔獣が殺到し
ボス殿を守るために完全に足止めとなり追跡は断念いたしました」
「魔獣が!?」
「私も不審に思い魔獣を撃退後調べました
・・・賊は逃走の際にボスボロットの顔面に
カースド・ベイドとは 特別な薬剤で調合し特定の臭いで周囲の魔獣を集め
その場が魔獣でひしめくことになるという餌であるが
同時に魔獣が興奮状態となりさらに狂暴化するという
フレメヴィーラ王国最大級の禁忌薬物である
「カースド・ベイドだと!!
正気か、痴れ者め!!
・・・まさかダリエ村の魔獣も?」
「その件についてはまだ調査結果がでておりませんが
魔獣の様子から間違いないかと」
激昂する公爵を前に 日々魔獣と戦う騎士であり民である団長と中隊長も酷く苦い顔をした
「・・・・・・ボス殿の機体や技術
それにより作られた新型 たしかに高い価値があるものだが」
国内では厳重に製法が秘匿され法律的にも倫理的にも感情的にも忌避されるやり口から
賊の素性について推察する公爵に駄目押しとなるような中隊長からの報告が続く
「閣下 逃走前に賊がボス殿との会話で他国の没落貴族を名乗っておりました
逃走時には盗品により貴族としての返り咲きを狙うとボス殿へ話したそうです」
「・・・・・・どうやらその言葉 嘘ではなさそうだな
軽々に結論を出せぬが まずはボス殿に謝罪し
陛下にご報告のためにお会いせねばなるぬ
モルテンは引き続き、可能な限り情報を集めよ
中隊長は学生らをまとめ情報を外部へ漏らさぬように
また奪われた新型についても詳しく調査せよ
奪われたことについては我らの落ち度であり
学生らの独断による出撃は不問とし
学生による新型機再開発などにおいてはできる限り便宜をはかるように」
\\はっ!!//
―医務室―
治療を受けベッドで寝かしつけられたボスに
エル・キッド・アディが見舞いに来ていた
「まったく 全治1週間ですんだとはいえ
こんな体で徹夜で動き回るなんて」
「こんくれいで大げさな
ガンダムファイターやマシンロボに殴られたわけでもあるめえによ」
「いやいやいや!ギアに殴られたんだから大げさじゃないだろ!
実際魔獣と戦ってみてわかったけどあのパンチで でかい虫とかふきとんだぜ!」
「ケルヒルトさん手加減してたからよ どうってことねえんだわさ」
「ケルヒルト、それが賊の名前ですか?」
「おっとっと エル怖い顔してるわよん
あのときのケルヒルトさんより おっかないぜ」
「いえいえ そんなことはありませんとも
ですがそこのところはもっと詳しく聞いておきたいところですね」
ボスに詰め寄ろうとするエルをキッドとアディが抑える
「落ち着いてエル君!」
「あの泥棒が許せねえのはみんな同じだって!
ボスさんケガ人なんだしさ ここは抑えろって!」
「・・・・・・美人でしたか?」
「おう!・・・あ」
「やっぱりこの人まったく懲りてません!!」
エルがボスの胸倉をつかむがボスはこたえてない
「イッシッシ
まあみんな無事で帰ってこれてよかったじゃねえか」
「なんか ボスさん全然怒ってないな」
「うん エル君の方がよっぽど怒ってるね」
「まあ 悪かったな せっかく作ってくれた奥の手とギア
まんまと持ってかれちまってよ
またみんなで作ろうじゃねえか」
「・・・はぁ そうですね 盗まれてしまったものは仕方ありません
すぐによりよいものを作りましょうか
幸い実戦データも集まりましたし」
エルがボスから手を離し気持ちを切り替えたところで
ガラ
「騒々しいなエルネスティ
ここは医務室だぞ」
「これはディスクゴード公爵閣下」
「うむ ボス殿と話がある
おまえ達は席を外せ」
「わかりました ではキッド アディ、先輩たちをよんで格納庫に行きましょうか
親方とバトソンがいるはずですから ギアの再設計を行いましょう!
それではボス 今度は新しい設計図を持ってまたお見舞いにきますね
では公爵閣下失礼いたします」
医務室をでていくエル達を見送り二人だけになってから
ディスクゴード公爵はボスに頭を下げた
「すまなかったボス殿
このたびのこと油断があった我らのせいだ」
「よしてくれい! おれのドジじゃねえかよ!
それに隊長さんたちがいなきゃおれさまや子分たちもただじゃすまなかった
この砦の皆には感謝しかねえよ!」
公爵の突然の謝罪に戸惑うボスだったが 頭を下げたまま公爵は続ける
「この失態について これより私が直接陛下に報告するために王都へ行ってくる
その間 貴殿はこの砦で傷を癒し 機体の修理を行っていてもらいたい
もちろん我が砦の人員や資材は遠慮せず使ってもらってかまわない
今はこれぐらいしかできなくて申し訳ないが
無論こちらで賊も捜しておる まずはゆっくりとしてほしい」
「わかったよん」
公爵はボスへの謝罪を終えるとすぐに砦を出て王都へ向かった
いつまでも寝ていられないボスはその日のうちにエルや親方達のいる格納庫に向かった
―格納庫―
「ボロットの頭に新しい傷がほとんどないのは流石超合金Z製
どうにか錬金術で複製できませんかね」
「朱兎騎士団のシルエットナイトがあんだけボロボロなってんのに無傷とか
どんだけ丈夫なんだよ!
錬金術師も鍛冶師も泣かせる素材じゃねえかよ」
「そんじゃ まずはボロットの体をなおすとするか!」
「「OKボス!」」
「けどよお あの機械をこの砦のナイトスミスたちに見せてもいいのかよ?」
「いいんじゃねえか親方 隠してもバレるときはバレるしよ
それにどうせ材料をもらわねえと直せねえんだし
お互い遠慮も隠し事もなしでいこうじゃねえか」
「そうですね 思いっきり巻き込んでしまいましょう!」
・・・
・・・・・・
カザトシュ砦のナイトスミス達は唖然とした
既にボスボロットの功績は聞き及んでおり
その未知の技術に触れる絶好の機会だと全員が詰め掛け 積極的に修理に参加し
目を皿のようにしてその一挙手一投足を見逃すまいと意気込んでいたのだが
光子力3Dプリンターにより 用意したスクラップから次々とボロットのパーツを生み出し
学生達がシルエットギアを装着し そのパーツを早々と組み立てていく姿は
参考にするどころか常識をぶち壊され自分を見失いかねないインパクトだった
「これで元通りと言いたいところですが 賊に体ごと盗まれたので
僕達が学園で新造したサブアームやギアでの操縦回路は作り直さないと・・・」
「待った おいエル、ボロットまでギアでの操縦は聞いてないだわさ」
「ええ 今言いました
戦闘中にハンドルやクラッチが壊れる可能性もあるので緊急装置として簡易的に作ってました
ボロットは操縦系統が簡単になるように設計されてましたから
解析して応用を効かせるのは難しくなかったですよ
とりあえず作ってみて調整の段階になったらボスに相談するつもりでしたが
接続するつもりだったギアごと盗まれてしまいましたね」
「未完成とはいえ その新技術ごと盗まれたってことか」
「そうなりますね どこのどなたか知りませんが
作り直すからにはもっといいものを作りましょう
もう盗まれないような工夫も盛り込まないと
経費は公爵閣下持ちですから遠慮をする方が失礼でしょうし
シルエットギアをいじり倒すにはもってこいですねっ」
「今まで遠慮なんてしてたか?」
「言うなバト坊 こうなりゃとことんやるまでだ
ボスのためにもな」
カザトシュ砦の戦いは更なるステージに進んだ
・・・
・・・・・・
「このマギウスエンジンはシルエットナイト用の
シルエットギア用のものに書き換えるのは簡単です
今回の実戦で改善点を洗い出して改良したスクリプトを僕が組むので
親方達は2種類のギアを新たに作ってください」
「マギウスエンジンが付いてるやつ用と
ないやつ用か?」
「いえ 違います 戦闘用と作業用、
もっと言うとナイトランナー用とナイトスミス用ですね
今回はどちらもマギウスエンジンを搭載するつもりです
盗難防止策はこちらで試作しますから
通気性を含む快適性と安全性の両立の課題に取り組んでください」
「よし バト坊!
まずはディートリヒとゲパードのギアをバラしてデータをとるぞ
バラしながらナイトランナーの意見も聞きてえ
ディーとゲパードだけじゃなく双子もこっちだ」
「おれさまはボロットを磨いてくるぜ
おーい そっちのみんなも手伝ってくれい!」
ボスの声で呆然としていたカザトシュ砦のナイトスミス達が我に帰った
役目を思い出し道具をもって一斉に駆けだした
―王城・シュレベール城内―
国王アンブロシウスはクヌート・ディスクゴード公爵の報告を受けていた
「ふぅむ 賊によりボス殿が襲撃され負傷し機体の大半と
学生の作った新型の鎧まで奪われた、と」
「は、賊はそのために呪餌で近隣の村を魔獣に襲わせ陽動し
撤退時にも呪餌を用いました
死者こそでておりませんが賊を一人も捕らえることができず
各地の砦にも触れを回し捜索をおこなっていますが、
いまだその足取りをつかめずにおります
まこと申し開きもございませぬ
かくなるうえは、いかような処罰も覚悟して・・・・・・」
「早まるなクヌートよ 今はおぬしに働いてもらうことの方が多かろう
責任をとるつもりならいっそう注力し挽回することを考えよ
それにおぬしを厳しく罰すればボス殿も心苦しかろう」
疲労と焦燥に覆われ頭を下げる公爵だったがやるべきことを示された以上
そこにとらわれ続けているわけにもいかず切り替えた
「して、此度の賊の正体であるが・・・他国のものである可能性が強いと?」
「は 間違いないかと、
学園で藍鷹騎士団が捕らえた密偵と思しきものは
特殊な訓練を受けていると見え実に口が堅く 正確な情報を得るには今しばらく時を要し
賊との確たるつながりを得たとは言い切れませぬが
ボス殿と朱兎騎士団中隊長が賊と直接接触し得た情報によると他国の没落貴族であると
勿論まったくの偽情報である可能性もありますが
呪餌を使った手口 賊の練度からおおよそ間違いないかと
もし国内の賊であれば早晩燻りだしましょう」
「国外は東の無数の魔獣が生息するボキューズ大森林か
西に山越えして人がひしめく
どちらに逃げ込むか考えるまでもなかろう
厄介なことよのう 他国からの悪意のある干渉など
どれほどぶりのことか」
この世界にレーダーのような便利なものはなく 街道や関所を避けて山越えをされると
国外への賊の追跡をすることはほぼ不可能である
「我が国が魔獣を抑えているからこそ西側は安穏としていられるというのに
長き平穏が西側はそれを忘れさせ 我が国は警戒を忘れた
皮肉にもそれがこの事態を招いたと言えるでしょう
・・・他国のものがみなボス殿のような人物であればよいのですが」
「はははっ たしかに あれほどわかりやすい人物ばかりの密偵であればな」
ボスの名前が出ると国王から笑いが漏れた
若い頃からの長い付き合いでよく知った気難しいこの男も ボスを気に入ったようだ
「既に国外に出たとなれば賊を補足することは到底かなわぬであろう
そこにこだわるよりも我らは我らの道をとらねばならぬ
クヌート万事整えよ」
「ハッ」
―シュレベール城 謁見の間―
シルエットギアの試作が出来上がり調整をしていたところで
カザトシュ砦にいたボス達だけではなくライヒアラにいた
ボスボロット修理やギアの作成に関わった騎操士学園の学生ら
ほぼ全員が王城へ招かれた
ちなみに学園長であるエルの祖父は呼ばれていないため学園に残っている
式典ではシルエットナイトが並ぶこともあるため非常に広く大きい謁見の間では
ボスを先頭に学生達が整然と並んでいた
カッ
ザッ
国王が現れるとボス以外の学生達は一斉に膝をつき頭を下げた
「よい、楽にせよ」
国王が玉座に腰かけると ボスは床に胡坐をかき学生達は頭を上げた
「さて、まずはボス殿 此度の賊の襲撃
我が国内での失態はわしの失態である まことにすまなかった」
「いやいや
あれはまんまとひっかかっちまった こっちのドジだわさ」
学生達はもれなくガチガチに緊張していたが 既にべへモス事変後に国王と顔を合わせ
会話もしたこともあるため気楽で堂々としたボスを目にし わずかに緊張がほぐれた
「うむ この埋め合わせは必ずすると約束しよう
学生たちよ 本来なら未熟である学びの徒である諸君らが
わしからの命令であるボス殿の機体の修理を見事果たし
その上 まったく新しい型のシルエットナイトとも言える
シルエットギアを開発したこと 大変うれしく思っておる 大儀であった」
国王の言葉で学生達の多くは感激し 中には感極まって涙を流すものもいた
「無粋な横槍によりその内の一機も奪われてしまったことは残念だったが
あれはまだ未完成品と聞く
ボス殿 残りの機体やその後の開発はどうなっているだろうか」
「そいつは子分に任せてあるんでそいつに説明してもらうだわさ
エル 頼んだわよん」
「はい ではボスに変わりこの僕
エルネスティ・エチェバルリアが説明いたします
現在シルエットギアは新型を2種類
騎操士用のモートルビート 鍛冶師用のモ―トリフトが組み上がっております
モートルビートは今回の事件で奪われた要因となった
戦闘で熱がこもりやすく頻繫に脱がなければならなかった欠点と
単独で魔獣との戦闘を行うための内蔵武器
シルエットナイトを直接制御するための接続まわりの改善を行いました
モ―トリフトは鍛冶作業を効率的に行うためのサブアームの搭載 量産のための簡略化、
そして両機とも改造したマギウスエンジンを搭載することにより
操縦者の負担を軽減し 部外者が無断使用できないように鍵をかけることを可能にしました
詳しいことはこちらの資料にまとめてありますので
こちらを献上いたします」
「うむ この短期間に素晴らしい成果である
エルネスティ・エチェバルリアよ」
「いえ 恐れながら陛下 これはボスによる技術提供と
親方やディートリヒ先輩ら 学園の諸先輩達や カザトシュ砦のナイトスミスのみなさん
そして僕の友人達の尽力があってこそ
お褒めの言葉はなにとぞみなさんへ」
「うむ 道理である
諸君らの功績は我が国の例にないものであり歴史にその名を刻むものである
我が名アンブロシウス・タハヴォ・フレメヴィーラにおいてそれを称えるとしよう
みな大儀であった」
改めて国王の口からその働きを認めらたと感じた学生達は感激に震えた
「うむ ではこれからの話をするとしよう
此度のボス殿の機体とシルエットギアを奪われた『カザトシュ事変』
再発を防ぐ為にやらねばならぬことがある
賊の捜索や洗い出しは無論引き続き行うが、
おぬしらの最大の関心ごとであろうボス殿の今後についてだ
今回の賊は諸君らの成果物とボスボロットのみを狙ったが
今後ボス殿自身を狙わぬ保証はない むしろ危険は高まったと言えるだろう」
実際 賊の攻撃でボスは負傷し 当たり所が悪ければ
死んでいても不思議ではなかったのである
ディートリヒとゲパードは浮き上がっていた顔や心を引き締めた
「当初はカザトシュ砦で朱兎騎士団の元 ボス殿が国元に帰る目途がつくまで
護衛するつもりだった所へ 今回の事件とおぬしらの働きだ
クヌートからその活躍とボス殿との絆は聞いておる」
学生達の先頭に座るボスに全員の目が集まる
「このままボス殿には公賓として王城に留まってもらう、
という考えもあったがそれではどうしても不自由を強いることになる
それよりも互いに気心が知れ またボスボロットの修理が行え
護衛を任せることができる騎士 それだけの人員がここに揃っておる
そうよ、ライヒアラの学生たち我が国が誇る鳳雛たちよ
我が命により、ここに新たな騎士団を創設する
エルネスティ・エチェバルリア お主を騎士団長に命じ
カルダトア二個中隊(20機)とウォード1機を授ける
正騎士はそなたの裁量で学生の準騎士から命じ
同じく学生の鍛冶師らを含めみなを率いるのだ」
「僕が、ですか・・・
はっ 謹んで拝命いたします」
急な無茶振りではあったがもしこれを断ればボスとボロットは
王城に囲われ 会うことすら容易ではなくなる
そう判断したエルはすぐに返事をした
「名前を決めねばならぬのう
お主にちなんで『銀』わしからは『鳳』の名を贈ろう
『銀凰騎士団』
それがお主らが名乗るべき名前だ」
「銀凰騎士団・・・」
「かっこいいじゃねえかエル
これからもよろしくな」
「はい!ボス!」
「ではエルネスティよ
学生であるそなたに騎士団長という重責を命じるのだ
陸皇事変と新型機開発 カザトシュ事変とこれまでの功績を含め
先に褒美を取らせようと思う 何か望みはないか?」
見ようによっては国王からの更なる無茶振りである
エルネスティの返事にこの場の全員が注目する
「では、陛下にお願いいたします
僕が今一番欲しているものは知識・・・
『
何を言うかと冷や冷やしていた学生たちが凍りついた
国王の側で控えているディスクゴード公爵も言葉がでない
「ほう・・・
たしかにそれを求めるのであればわしに願うしかないが
何故そのようなものを望む?」
「は、僕はそもそも自身のためだけのシルエットナイトを欲していました
僕に合う僕だけのためのシルエットナイトを!
シルエットギア開発もそのための研究という一面もありました」
「成程 そこまではよい
ならば団長機をおぬしの望みのままに改造すればよいではないか
団長として当然の権利だ」
「たしかに以前の僕であればそこで満足だったかもしれません
しかしボスと出会いました
自分のための機体を設計し 仲間と作り上げ 実戦を重ね更に改良を加え
愛機と絆を深めていく
僕の憧れの さらに先を行く人の元でシルエットギア開発を通じ
僕も仲間達と共に作り上げるよろこびと楽しさを知ってしまったのです!」
「・・・・・・つまり、その理由は?」
「趣味にございます」
満面の笑みで国王に答えるエルに学生達は凍りついたままでどこか納得し
ボスはエルに同調するようにうなずいた
「ふはっ ははははっ なるほど趣味ときたか!
たしかに趣味であればどこまでこだわりたくなるであろう
その気持ちはわしにも心当たりがある」
国王と長い付き合いであるディスクゴード公爵が
昔の苦労を思い出したのか深いため息をもらす
「よかろう その願い聞き入れた!!
だがあれは秘中の秘であることは確かだがそれ以上に
理解するためには卓越した知識と知恵が必要となる
少なくともこの国一番と言えるほどのな」
国王の言葉にエルがうなずく
「我が国が誇るシルエットナイト開発の最高峰は知っておろう
かつて陸皇事変で破壊されたボスボロットの片腕を渡し修理を命じていた
修理そのものは難航し 結果的に諸君らに後れを取ったが
その技術に触れたことで新型シルエットナイトの開発が進んだと聞く」
「なんと!?それは興味深い!」
「お主達の開発したシルエットギアが合わされば さらに開発が進むだろう
その
やつらの度肝を抜き 従えてみよ これが条件だ
その舞台はわしが用意しよう できるな?」
「つまり銀凰騎士団の使命はボスの護衛とボスボロットの整備や改造
未だ見ぬシルエットギアやシルエットナイトを創りあげるということですね」
「うむ 魔獣の討伐を前提とする既存の騎士団とは異なる独立したものとなる
拠点となる砦は学園都市ライヒアラの近くに作ることにしよう
完成までは学園の設備を使うがいい」
「つまりしばらくはこれまでどおりってことだわさ」
「鳳雛、いや銀の鳳たちよ そなたらの活躍に期待する」
エルは後ろを振り返り 無言でうなずく学生達と
隣で親指を立てるボスを見て決意を持ってこたえる
「仰せのままに・・・・・・
人事を尽くし 事にあたりましょう」
―???―
「これが都市を潰すほどの魔獣を相手に立ち回る力を持った
異国のシルエットナイトの体か」
「なんと不細工な・・・
魔獣番の無骨なものよりもさらにひどい
わが国では子供の玩具でも相手にされぬ造形だ」
持ち込まれたボスボロットのボディやシルエットギアが
大勢の技術者 研究者により解析されている
「・・・」
持ち込んだ当人たちはあえて何も語らず じっと控えている
「だが使われている技術は注目する価値がある
特に内蔵されたサブアームともよべる機構
背中にとりつければ単純に手数が増やせるのではないか?」
「それにこのシルエットギア
量産がしやすく整備にも戦力にも使える
こちらの方が価値があるのではないか?
魔獣番らしい無骨さと気密性の劣悪さは直すべきだがな」
「・・・・・・」
研究者たちからの報告を受けたひときわ権威ある衣を着た男が
じっと控えていた者たちに重々しく言葉を発する
「銅牙騎士団団長 ケルヒルト・ヒエタカンナス 大儀であった
この功績を認めヒエタカンナス家の旧領の5割を伯爵から復帰させる
ヒエタカンナス家を再興させ更なる忠誠を誓え
今後の働き次第では褒美は思いのままだ」
「ハッ 謹んで拝命し 我らが陛下に一層の忠誠を誓います!
(チッ あの下衆伯爵が一方的な割譲に納得するわけがない
半分の旧領じゃあ戦力が整う前に再び侵略されるのは明らか
国の思惑はどっちが生き残ろうと自分の腹は痛まないって算段かい
まあいい あたしだってあの頃の小娘じゃない
あたしは義理堅いんだ あのときの借りを倍返しにしてやるさ
最後に勝つのはこのあたしなんだよ!!)」
ケルヒルトの失った左目の古傷がうずき 血に染まり倒れた幼い弟妹や
腹をおさえうずくまる馬鹿な男の幻が一瞬浮かぶ
「(・・・・・・まったく ヘドみたいな国だよ)」
スパロボ30のDLC第三弾も終わり結局ボスボロット参戦なく残念
ガンダムからハイν ゲッターから変形可能の知らないゲッター と
DLCで追加要素あったのにマジンガー系はなしとか・・・ 次回作こそボロットを・・・
スパロボOGラジオで寺田神がいいものは時代関係なくいいと力説していたので
たとえスパロボがどれほど歴史を重ねてもボスボロットが再び登場することを信じています