ナイツ&マジック&B   作:ウジョー

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復活

   ―貴賓室―

 

「この!!

馬鹿孫がーーーー!!!!!」

 

御前試合を終え騎士達を労った国王だったが

そのときに姿を見せた(隠れきれなかった)自らの孫である

フレメヴィーラ王国第4王位継承者、エムリス・イェイエル・フレメヴィーラと

この貴賓室で二人きりになった途端に雷とゲンコツを落とした

 

「いってええ・・・ 久しぶりじいちゃん

今帰ったずべぐえ!?」

 

言い終わる前に2発目のゲンコツが脳天に直撃した

 

「この馬鹿孫めが・・・

相変わらずの言葉遣い、マルティナでも直せなかったか

まあ予定していた留学期間を前に呼び戻したのはこちらだが」

 

「・・・その理由は 新型のシルエットナイトと

あのブリキの騎士か?イヤ デショウカ?」

 

「ふん まあそれについてはリオ(第一王子)がいるときにな

今は あのカルダトア3の乗り心地を聞くとしようか」

 

「じいちゃんも相変わらず好きだねえ・・・」

 

 

 

   ー格納庫ー

 

「若造!あの人馬騎士の動き!

さてはエーテルリアクタを複数搭載しているな!」

 

「その通りです!ツェンドルグは2基積んでおります!

それよりもカルダトア2はあの速度、出力を実現しながらも

現行機と遜色ない稼働時間でしたが合体前にどうやって?」

 

「ふふふ あれぞ長年におけるラボの研究と技術の蓄積と

新技術の融合による成果・・・

エーテルリアクタの改造によるものだ!」

 

「なんと!?それは実に興味深い!!」

 

格納庫ではエルネスティとガイスカが互いに顔を突き合わせ

議論に熱を上げていた

 

「すげえ エルと互角に渡り合ってる人がいんのかよ」

 

「たしかに団長殿の御同類だね あの御仁は」

 

「エル君 あんな風に齢をとっちゃうのかな・・・」

 

「・・・あの御前試合を戦い抜いて

国王陛下から直々に労いのお言葉をいただいた後で

よくもあれだけ喋れるものだ」

 

「本当だぜ、 あれ?そういやボスはどうした?」

 

「『食堂でメシを食う』って言ってたわよ」

 

「よく 食えるな あの後で・・・」

 

 

 

     ー食堂ー

 

「この国のメシもうめえよな!」

 

「おうよ たまに日本の飯も恋しくなるが

腹いっぱいうめえもんが食えるから最高だぜ!」

 

食堂では戦いを終えた二人の大食漢が大盛りの食事をたいらげていた

 

「それなんだけどよお

おれさまラーメンをつくりてえんだが

魚が手に入らねえか?

ボロットで釣りに言ったら水の魔獣に襲われて

やばかったんだわさ」

 

「オイラも経験あるぜ

あれはあれでうめえんだがな」

 

「食えるのかよ!?あれ」

 

「メカザウルスや機械獣と違って食えるんだよなあいつらは

まあクセはあるけどよ」

 

会話のなかでボスにとって自分の知るムサシだと確信し

気になっていたことを聞いた

 

「・・・ムサシ おめえはいつからここにいるんだ?」

 

「・・・・・・生まれた時から だな

もっとも 思い出したのはわりと最近だがな」

 

「そうなのか?」

 

「ああ おまえさんのボスボロットの腕が持ち込まれた時

あれに触れた瞬間 あの時の記憶がよみがえっちまったのよ

日本での、『巴武蔵』の記憶がな・・・

あの腕、オイラにはわかる ゲッターロボが・・・

ゲッター3がまざってるんだろ」

 

「そうそう ボスボロットは壊れるたびに敵味方色んなスクラップで直すから

ゲッターロボからも壊れたのや予備パーツとかもらったぜ」

 

「リョウやハヤトは元気だったか?」

 

「ああ ムサシの穴をベンケイってやつが必死に埋めて

ゲッターも乗り換えながら長いこと一緒に戦ってたわよん」

 

「そうか・・・」

 

「なあ おれさまは直接見てねえけど

ムサシは戦死したと聞いてたんだけどよ」

 

「オイラもよくわからねえが 今のオイラは・・・」

 

     ガラ!!

 

食堂のドアを勢いよく開けて 一人のドワーフが声をかけてきた

 

「やっぱり ここにいた! じいちゃんが呼んでるぜ兄貴!!」

 

「お かわいこちゃんだ! ムサシ紹介してくれよ」

 

「妹だよ 今のオイラはあいつ デシレアの双子の兄で

カルダトア2や3を作ったガイスカじいちゃんの孫

デシムサシ・ヨーハンソンって名前だ

今でもムサシって呼ばれてるからムサシでいいぜ

レア こっちはボスボロットのランナー ボスだ」

 

「よろしくレアちゃん!」

 

上機嫌で握手を求めるボスにデシレアも応じた

デレシアはボスやムサシよりも小さく

銀凰騎士団内でも小柄なエルと大差ない身長であるが

日ごろから槌を振り回し鍛え上げられた身体だと一目でわかる

 

「ドワーフがナイトランナーなんて珍しいね

体つきといい 兄貴みたいだ よろしく!

あのブリキの騎士について詳しく聞きたいところだけど

兄貴 じいちゃんが大事な話があるから来てくれってさ

私についてきて」

 

「ああ わかった ボス 残りは食べといてくれ」

 

「お いいのか んじゃもらうぜ またなレアちゃん!」

 

ムサシを連れ食堂を去るデシレアの編み込まれた長髪が見えなくなるまで

見送ったボスは食事を再開した

ムサシとの再会がこれからの大事の予兆とも知らずに・・・・・・

 

 

 

     ー格納庫ー

 

「よいか若造 ここからが本題だ

ブリキの騎士がこの国にあらわれた陸皇事件・・・

その陸皇亀(べへモス)の死体と魔石を見たときに

私の中に天啓のようなひとつの仮説が生まれた」

 

「仮説、ですか」

 

ガイスカはエルが持っていた黒板を受け取り説明していく

 

魔力ー【魔石】→魔法(エーテルとして空へ帰る)

 

「一般的には 体の大きな魔獣ほどその心臓に大きな魔石があると言われておる、

実際あのべへモスには巨体に見合った大きな魔石があった・・・

魔石とは触媒結晶の一種であり 生物が自ら生み出した魔力(マナ)を魔法と変えるものであり

あの巨体を動かすための身体強化魔法を可能にしていたのは確かだが

あの魔石こそがべへモスを生み出したと考えられるのだ」

 

「魔石が・・・」

 

「うむ そして長年ラボの研究によってエーテルリアクタには

触媒結晶が使われていることもわかっている つまり

エーテルリアクタとは極論すると・・・」

 

エーテル(空気内)ー【魔石】→魔力

 

「こういうものだと推察される」

 

「魔石はまったく逆の性質をあわせもつわけですね」

 

「うむ 何某かの条件下でこうなるのだろう

魔獣はこれを自然に行い それを再現したものが

一番肝となるエーテルリアクタの秘密であろう

この御前試合の結果次第ではそれに触れる機会を得られるはずだったが

今はそれはよい

若造よ 未来あるおぬしへ本当に伝えたいことはこの後、

エーテルの可能性についてじゃ」

 

エルと向き合うガイスカの目つきが少し変わった

 

「魔法やシルエットナイトを動かすことだけじゃないと」

 

「うむ

べへモスはつまるところ巨大な亀であるが、

亀がただ大きくなったわけではないことはお主も知っていよう」

 

「たしかにそうですね ただ大きい亀なら師団級とは呼ばれません」

 

実際戦場でべへモス相手にボスと肩を並べて戦ったエルにとって

初めてのロボ戦であるべへモスの威容はいつでも鮮明に思い出せる

 

「巨大な魔石が多くのエーテルを取り込み大きな魔力に変える

その過程のいずれかにおいて生物の肉体にもなにかしらの影響を与えた」

 

「エーテルやマナが生物の進化を促した、と」

 

エルの言葉にガイスカの瞳に怪しい輝きが増す

 

「進化か!?なるほど そういう見方もあるか

ふふふ 若造 やはりお前は面白い

私なりにこの持論をもとにエーテルリアクタの改造に着手した

エーテルリアクタの本体は極めて硬い金属で覆われていてな

伝説の精霊石と思われるが 我らドワーフの槌すらはねかえされ

内部に直接手がだせなかったのだが・・・

エーテルの取り込み方の工夫を行うことで炉の出力や稼働時間を上げることに成功した!

それを実戦投入したのがカルダトア2であり3なのだ!!」

 

「それは素晴らしいです!

なるほど!

カルダトア2の高速移動やカルダトア3の馬力を可能にしながら

現行機と遜色ない稼働時間を実現したのはそんなカラクリが!

たとえば空気中のエーテルを前もって分離濃縮 それとも

空気そのものを圧縮して大量に吸い込ませる・・・

いえ それよりもっと・・・・・・」

 

ガイスカの語るラボの実績に感心しながらもエルは自分なりに

エーテルリアクタの改造案を考え模索していた

そんなエルにガイスカも注目する 目の前のこの鳳雛、

いや銀の鳳なら・・・、と

 

   ガラ・・・

 

格納庫にデシレアに連れられてムサシがやってきた

 

「お~い じいちゃん呼んだか」

 

「おお ムサシ まっておったぞ

レアもご苦労

紹介しよう 我が孫でありラボの第一工房長補佐であり

カルダトア3のランナー デシムサシ・ヨーハンソンだ

そして隣の娘が同じく我が孫でありムサシの双子の妹であり

第一工房の鍛冶師デシレア・ヨーハンソンだ

ムサシ、レア この銀色の若いのが銀鳳騎士団の団長であり

あの人馬騎士や新装備を作り 短足の団長機で猛威を振るった」

 

「はい!ボスの子分 エルネスティ・エチェバルリアです!

お会いできて光栄ですムサシさん!

よろしくお願いします!!」

 

握手を求めるエルにムサシが応えた

 

「ああ よろしくな!」

 

     ガシィ

    

「おお ボスやバトソンともまた違ったごつい手

これが柔道家の手・・・」

 

ムサシの右手をエルの小さな両手で包むように握る

 

「ん?もうボスにオイラのこと聞いてたのかよ?

こんなかわいい子分がいるなんて ボスも・・・イテテ!?」

 

     グイッ

 

隣にいたデシレアがムサシの耳を怒ったように引っ張る

 

「兄貴!いくら可愛いからって小さな子供にデレデレしない!」

 

「あの 僕はれっきとした男子ですよ

ライヒアラ学園の中等部の学生です」

 

「ほんとかよっ!?」

 

「そうなのかい!?

人間であたしらドワーフ族と同じくらいの騎士ってだけでも珍しいのに・・・」

 

「これ二人とも!!

孫たちが失礼したな

エルネスティ団長 頼みがある

このムサシを銀鳳騎士団で使ってほしい

カルダトア3も込みでな」

 

「大歓迎です!!」

 

「そうきたか」

 

「じいちゃんいいのか!?

兄貴が抜けたらじいちゃんの補佐が!」

 

「幼い頃からムサシには鍛冶師としての誇りと技術をありったけ叩き込んだ

もう既に教えることはない 後は新しい現場で新たな知識と経験を積み

・・・さらなる高みを目指してほしい

それが次代のラボとこの国のなによりの力になる

行ってくれるなムサシ!」

 

「任せてくれよじいちゃん

レア オイラのかわりにじいちゃんを頼んだぜ

あんまり徹夜が続くようなら引きずってでも連れて帰ってくれよ」

 

「兄貴!?

あー・・・ もう!仕方ないねえ、任しときな

団長 兄貴を頼むよ!」

 

「お任せください!

改めてよろしくお願いしますムサシさん」

 

「ああ よろしくなエルネスティ」

 

「エルと呼んでください

それでは修理も兼ねて早速ゲッター、じゃなかった

カルダトア3に乗せてくださいね!

あ ボスも呼ばないと!食堂でしょうか?」

 

ウキウキしてしょうがない様子のエルはボスを呼びに格納庫をとびだした

 

「はやっ!?

何あれ魔法!?」

 

「身体強化魔法だな 上級魔法を難なく使いこなすあの技量

やはりただものではないわ」

 

「面白いことになりそうだぜ

・・・しかし エルは今 たしかにゲッターって言ったな

ひょっとして『オイラ』のことを知ってるのか?」

 

銀鳳の風がドワーフ達の未来も変えていくのだった

 

 

 




今回は難産でした
グリッドマンユニバースやニコ生のグリッドマン一挙放送を見た勢いで
書けるかな と思いきや なかなか・・・
ジャンク品からできたPCでグリッドマンが憑依できるなら
ジャンクの塊のようなボスボロットなら可能性も?

早くも5月になり 日ごとの寒暖差や新しいことへの疲労からの五月病など
色々としんどいこともあるこの時期 お疲れのでませんように
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