ーライヒアラ学園 工房ー
ラボから送られてきた新型制式量産機『カルディトーレ』3機と
一人乗りとして量産されたツェンドリンブル1機が並ぶ
それを銀凰騎士団が総出で見上げてるいるなか
「壮観ですね 早速乗ってみましょう!」
エルがモータルビートを装着し仕様書を片手に
まずは『カルディトーレ1』に乗り込んだ
「流石我らの団長殿だな 行動が速い」
「ああなったエルは止められねえな」
「操縦席はカルダトアに近いですが新たな共通規格として
操縦桿からこのモータルビートの両腕と 鐙から両足に接続することで
直接制御にも対応していると」
カチッ カチッ
「お陰で僕の小柄な体型でも機体が容易に乗りこなせるのは嬉しい仕様ですね」
ガシャン ガシャン
「操作反応もいいですね 流石ラボによる調整
この仕様書によると、関節には改良された
直接制御の反動にも耐えられる上、稼働時間も確保できるように
細やかな調整と設計になっています
そして・・・・・・」
ウィーン ウィーン
カルディトーレ1の背部で杖を持った
「カルディトーレ1・2・3は上半身はまったく同じ機構ながら
まったく違う3種の機体になることができる
このカルディトーレ1は2本のサブアームによる随一の火力を持ちながら
稼働時間も含め最もバランスのとれた形態であると、
たしかに この機体は現行機のカルダトアの正統進化型といった感じですね
法撃の稼働試験はあとで行うとして、次はカルディトーレ2に乗ってみましょう」
エルはカルディトーレ1の隣に立つカルディトーレ2に飛び移り乗り込んだ
「こちらのカルディトーレ2の特徴は下半身に綱型結晶筋肉を多く使うことで
カルディトーレ2が屈伸をしながら反動をつけて軽くジャンプした
ドスン!!
「ナイトランナーによっては瞬発力や跳躍力、攻撃力、運動量が抜きんでた
超攻撃的機体になるようですね
では 次は3に乗り移りましょう」
隣に立つカルディトーレ3にぴょんと飛び移ると
一際大きなバックパックが見えた
仕様書を確認すると
「カルディトーレ3の最大の特徴は
バックパックに補給用のエーテルリアクタを積むことで
他の機体のマナを急速に補給することが可能
補給後は再充填に1分以上かかるので連続使用は不可能ですが
補給用のエーテルリアクタを連結することで一時的に2倍近い出力を出せるため
単騎での有効な運用もできる
下半身はバックパックが最重量のせいでバランスを保つために
足が太く 足裏も広くなっている分 足が遅いのが難点と
なるほど 三者三様の機体でありながら
上半身を共通とすることで生産性と整備性、操縦性を確保しつつ
性能の底上げと騎士団ごと…いえ騎士ごとの個性が活かせる新型になってますね
そしてツェンドリンブルも一人乗りの最適化がすすみ
専用のキャリッジも車輪としてカルダトア3で実用化したキャタピラを
採用したことで悪路での安定感を確保していますね
たしかに車輪では揺れや振動がひどかったのでこの改善はありがたいのですが・・・」
カルディトーレ3の中で感触を確かめながら
一人思考にふけるエルをよぶ声が響く
「おい銀色坊主!一度降りてこい!!」
「エル君降りてきてーーー!」
「ほっといたら1日中、つうか乗り換えながら
3日3晩降りてこねえんじゃねえか?」
「わかりましたー 一度降りましょう」
仕様書を抱えながら降りてきたエルを囲み新型について語り合う銀凰騎士団
「我々がシルエットナイトによる騎兵をつくったのに対し
ラボは 重装歩兵 軽装歩兵 荷駄兵 馬車をつくったというところか
これはシルエットナイトの常識や運用の根本から変わっていきそうだね
後輩たちの教科書は一新されそうだ」
「まあ俺達は ボスと出会ってから
常識を投げ捨てることにすっかり慣れてしまっているがな」
「違いないわね」
その結果 実戦運用を見据えたテストランナーとして
カルディトーレ1にエドガー
カルディトーレ2にディートリヒ
カルディトーレ3にゲパード
ツェンドリンブルにヘルヴィが選ばれた
今後制式量産体制が整えば全団員にも配備されることから
慣熟訓練として他の団員も乗ることがあるが 暫くはこの編成でいくことが会議で決まった
「エルは新型に乗らないのか?」
「もちろんテストも兼ねて出来る限り乗り回しますが
このカルディトーレを見てやりたいことができました
そのために是非ともボスや皆さんの協力が必要です!」
会議が終わろうとしたとき ボスが独り言のように
「3つの姿に1、2、3って名前ふってるから
ゲッターみてえに空飛んだり水潜って戦うと強かったりすんのかと
思ったけど みんな地面走るだけなんだな」
「それですボス!!
僕がカルディトーレを見て一番感じたもの
シルエットナイトがこれから踏み出す世界は」
エルは上を指差し そして振り下ろした
「空と 水中です!!」
!!??
「空、というと エルウォートのようにマギウスジェットスラスタで
飛ぶということかい?
あれは上に飛んだら着地できないのは団長殿が一番わかっていると思うのだが」
「たしかにそうですね
現状ではウォート機のエーテルリアクタですら
マギウスジェットで空を飛んでもすぐにマナ切れをおこして
着地できない程の高さから落ちるだけですが
機体の工夫などから改善の余地があると思っています
そこで これです!!」
バン!!
エルが叩きつけるように図面を出した
そこに書き込まれていたのは
「これは羽、いや翼か?」
「そうです!
スーパー系でもリアル系でも機体強化の定番!!
空を飛ぶための見た目にもわかる圧倒的な説得力のあるもの、
翼!!」
「おれさまもボロットに翼をつけて空を飛ぼうとしたもんだわさ」
「たしかに空飛ぶ魔獣や水棲魔獣相手にシルエットナイトでは
地上から法撃を撃つ以外に即応できる有効な手段がない
エルネスティの言うことも一理あるとは思うが・・・」
「前に銀色坊主は流れ星になりかけて
ボスは川で溺れたってのにまったく懲りてねえな?」
「あんくれえの失敗でいちいち懲りてちゃ空は飛べねえよん」
「さすがですボス!!
それに今度 銀凰騎士団のために新砦が建設されることで
一段と注目をされるのですから目玉となる新企画にうってつけです!」
「たしかにじいちゃんやラボのみんなも
ここで何やってるか すげえ気にしてるだろうな」
「エル君エル君 もうこれから何やるか考えてるんだよね?」
「ええ もちろん まずはですね・・・・・・」
ー学園 工房ー
ボスの協力により光子力3Dプリンターでジェットスクランダーが生み出された
「素晴らしいです!!
これぞ ジェットスクランダー!!
あのくろがねの城マジンガーZを空を自由に飛ばせた紅の翼!!!
定番では陸・海・空の順に挑戦するところですが
フレメヴィーラ王国に海がありませんから 目指すは大空です!!」
興奮でそのまま空を飛んでしまいそうなエルはさておき
「こんなものまでポンと作れるとはつくづくボスボロットには驚かされるな」
「まったく銀色坊主とは別の意味で鍛冶屋泣かせじゃねえか」
「これでシルエットナイトが空を飛べるようになるのか?」
「いえ残念ながらこれだけでは不可能です
超合金Zも光子力エネルギーもない現状でのジェットスクランダーはハリボテ同然
まず皆さんでジェット部をマギウスジェットスラスタで作り変えて飛べるようにします」
「エルウォートみてえにただ吹っ飛ぶだけじゃねえのか?」
「いえいえ それだけではなく 誘導装置もないので
スクランダークロスをボスボロットの胴回りに合わせて改造します」
「ボロットにつけるのか?」
「ええ ボロットならミノフスキークラフトの装備で
単独で浮きつつ姿勢制御のためのバーニアもありますから
スクランダーをつけた状態で発射台に乗せて飛行テストを行い
データをとろうと思います」
「ボスはいいのかよ?
どう考えても すげえあぶねえぞこの実験
銀凰騎士団の任務はボスやボロットの護衛も重要な任務なんだぜ」
「空を飛ぶのが危ねえのは今更今更
それにおれさまも色々試したけど実際飛べたら苦労もふっとぶわよん
けどおれさまだけじゃ魔法使ったマギなんたらは使えねえぞ」
「もちろん僕も乗ります!
絶対に乗ります!!」
「オイラも乗るぜ
すっとんで行った先でボロットが壊れても
直して帰ってこれるぜ」
「流石ムサシさん 頼りになります!」
「だめだこりゃ・・・
もうこうなったら止まらねえぞ」
「せめて我々でとれる限りの安全対策を行おう
団長のフォローも大事な仕事だ」
「それに我々のシルエットナイトが空を飛べるようになるなんて
胸がときめく
やってみる価値はあるじゃないか」
「まあ面白そうなのはたしかね」
「楽しそうに翼に潜り込むエル君がかわいいからよし!」
「はあ・・・ まあ付き合うか
たしかにちょっとワクワクするしな」
「翼の中に空洞がありますね・・・
そうか!ここはサザンクロスナイフを格納するスペースですね!
それがない分軽量とするか 何かを積み込むか・・・
とりあえず保留ですかね」
―銀凰騎士団砦建設予定地―
銀凰騎士団総出で行うスクランダージェットの実証実験
新設された発射台でスクランダーがセットされたボスボロットの中
「まさか騎士団の砦よりも先に発射台なんてもんを先につくることになるなんてな」
「空へ踏み出すために
ボス ムサシさん 最終確認です
このレバーがジェットスクランダーの翼の角度を動かします
手前にひけば上昇 奥におせば下降 左右に倒せば旋回します
ミノフスキークラフトは先に稼働しておきましょう
ではいきますよ!!」
ボスとムサシは操縦席の畳に座りヘルメットをかぶり
シルエットギアを装着した
エルもギアを装着し カウントダウンを行いながら
マギウスジェットスラスタを起動させる
「3!
2!
1!
ゴー--!!発射!!!」
ドオオッォオン!!!!
エルウォートよりも大型のマギウスジェットスラスタ2基による
噴射力で飛んだボスボロットは地上からあっという間に
見えなくなるほどの速度で飛翔していった
「あれは マズいのではないか?!」
「おいおい完全に見失ったぞ!!」
「キッド!ヘルヴィさん!おっかけよう!!
このためにツェンちゃんに乗ってるんだから!」
「おう!」
「まっすぐ飛んでくれたらいいけど」
シルエットギアを装着したあの3人であればたとえボスボロットが故障しても
決闘級魔獣の群れ相手だろうと問題はないが
それはあくまで万全の状態でのことである
今の速度で着地に失敗し重傷や気絶などの事態となれば危険極まりない
地上の銀凰騎士団がボスボロット捜索に必死となっていたころ空中では・・・
ゴオオオオォォォ!!!
「ぐ・・・ううっ この殺人的加速・・・っ
エルウォートをっ 遥かにぃぃ」
「レ、レバーがうごかねえ・・・!」
強烈なGを感じながら必死にレバーをひこうとするが
思わぬ動きで飛び回るボロットをボスも抑えきれず
エルもどうにか気を保ちながら操縦席にしがみつくのに精一杯だった
そこに、
「かわってくれボス
ここはこう・・・」
ムサシが軽々とレバーを操作し
たちどころにボロットは安定した飛行となった
「すげえぜムサシ!!」
「流石ゲッターチームのパイロット!!」
「こんなのベアー号でゲッターの合体すんのに比べりゃ簡単よ」
飛行が安定したことでエルが冷静に計器を確認すると
「もうマナ切れですか
ボロット本体のエネルギーはマナを使っていないので
操縦に支障はないのですがやはりここは
スラスタ2基に対し専用のエーテルリアクタが1つは必要ですね
カルディトーレ3のバックパックを参考に
スクランダーのサザンクロスナイフの空きスペースを利用して・・・」
エルが思考にハマりながら図面を書き始め
ムサシはボスに飛行操縦を教えながらボロットを旋回させ
悠々と発射台へ戻るように進路を変えた
速度が落ち着きボロットが歩く程度の速度でぷかぷか飛んでいると
ボン!!
破裂音とともに光の玉が地上から放たれるのが見えた
「なんだありゃ?」
「ちょうど帰り道だな 寄ってみるかボス?」
「おーし
エル!バーニア噴かせろ いっくわよ~ん」
「あれは 僕が考案した信号弾用の法術ですね
ということはキッドかアディでしょう」
「それなら手を振るか ボス」
「おうよ」
ブンブン ガン!!
ボロットが大きく腕を振ると 背中の翼に手が当たった
「「「あっ!?」」」
ボキ!!
ヒュー---- グサッ!!
折れた翼が落ちて地上のツェンドルグの目の前に突き刺さった
「うわ あぶねっ!?」
「そんなに強くあたったか?」
「いえ これは翼が最初のフライトで限界だったのが
衝撃で折れたようです
やっぱり超合金Zのような強度がないと使い捨てになりそうですね
マギウスジェットと調整したスクランダークロスは
3Dプリンターに登録したので作り直すのは簡単ですが
シルエットナイトにはこのままでは使えません
飛行用のマナの確保に翼の強度と課題が見えたのは大きい収穫ですよ」
「エルくー---ん!!降りてきてよ------!!」
ナイトスミス達を乗せた新型キャタピラキャリッジを牽くツェンドリンブルが合流し
ジェットスクランダーによる本日の飛行試験は終了した
―???―
「内戦で奪われた領地を下衆伯爵から取り返し 逆に丸ごと飲み込んだ結果
ヒエタカンナス家は内戦前よりも遥かに大きくなった
銅牙騎士団も カタリーナ殿下の直轄として多くの仕事をこなし
あの国から引き上げた時とは比べ物にならないほどの規模となった
かつての内戦を生き延びてついてきた部下達は泣いて喜び
山賊上がりの荒くれ部下達は貴族の家臣としての行儀を覚えつつある
・・・・・・だが」
『女狐ケルヒルト』の悪名とともに挙げた功績で得たものは
かつてあった日常 奪われ踏みにじられたものと同じものではない
どうしても埋められないものを思うと左目の古傷が痛む
そんなときにカタリーナ殿下からの褒美が届いた
「ついに届いたかい
ご丁寧にバラバラにしてあるが間違いない」
壊れた玩具とバラバラになった黒い甲冑のようなものを見つめる
獰猛な笑みの顔からは痛みが消えていた
ボスボロットに武装が加わりました
ボロットダイナックスペシャル(飛行)突破攻撃 射程1~9 弾数1 空A陸C海C宇A
使用条件 メインかサブパイロットに騎操士技能
スパロボでゲッターのマニュアル合体ができるムサシの空適応が不当に低いと感じます
しかもそれが顕著でパイロット養成など補正できないときに限って空限定のベアー号や一人乗りゲッター1などに乗る羽目になるのが困りもの
ブリキ大王がスパロボ参戦するなどサプライズはありながらも残念ながら結局スパロボの新作情報がないまま今年も終わりそうです
寒い日が続き インフルエンザなどが流行していますがお体を大事によいお年をお迎えください