ナイツ&マジック&B   作:ウジョー

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激怒

「総員、炎の槍(カルバリン)構え!

全軍、法撃開始!!」

 

  ドドドドドドドドド!!!!

   ゴアアアアア!!!!

 

ヤントゥネン守護騎士団のカルダトア数十機による一斉砲火がべへモスに突き刺さる

炎が巨躯を包み 攻め手を緩めぬまま騎士団長機ソルドウォートから声がかかる

 

「バルゲリー砦の騎士達!そして学生の騎士達にブリキの騎士よ!!

諸君の奮闘の甲斐あって学園の生徒は全員無事に保護した!!

このヤントゥネン守護騎士団団長フィリップ・ハルハーゲン心より敬意を表する

後は我らに任せて後方の学生達の護衛に回ってくれ」

 

接近戦中のエルネスティの操るグゥエール以外の学生騎士であるエドガーらは

すでに後方へさげられていたが・・・

 

「てやんでい!

ここまでやって はいそうですかってベンチで麦茶といくかい!

こっからがおれさまの腕の見せ所よ!」

 

「隊長!ボス君!みんなご無事でよかった!!」

 

「ステファン!

よくぞヤントゥネン騎士団を呼んできてくれた!

だがなにもわざわざこんな修羅場にもどってこなくてもよかったんだぞ」

 

「隊長さん そいつは野暮ってもんだぜ」

 

「そうですよ せっかく無理言って騎士団に同行してきたんです!

戦わせてください バルゲリー砦の騎士として!」

 

「・・・やれやれ 結局うちには愛すべき馬鹿野郎しかいなかったか

本物の騎士団様が来たんだ

俺たちみてーな半端ものは下がるべきなんだが

『アレ』のために この亀野郎の気をひくぐらいはやっておくか」

 

「『アレ』?って

おお!?アレかあ!」

 

「二番、四番、八番中隊、『鎚』用意、構え!!」

 

騎士団長機ソルドウォートが剣を翻し指揮をとる先には

対べへモスの『切り札』が姿をあらわした

それはロンドベルのエース機アルトアイゼンのリボルビングステーク

いやアルトアイゼン・リーゼのリボルビングバンカーを上回るサイズの杭打機

対大型魔獣用破城鎚(ハードクラストバンカー)幻晶騎士(シルエットナイト)が4機がかりで運用する決戦兵器である

ボスは一目でその威力を期待したがそれを実戦で当てる難しさも察した

当てる前にべへモスに狙われればひとたまりもないのだ

その命中率を上げるために全てのナイトランナーがべへモスの足止めを決意した

そしてボスボロットは戦場の一段高い丘に登り拡声器を全開で

大音量を響かせた

 

「さあさあよってらっしゃい見てらっしゃい!

ついに集結したバルゲリー砦の10人衆!!

まずはアーロさん!」

 

べへモスのつぶれた片目の死角からアーロ機が法撃を仕掛けた

 

    ボゥン!!

 

べへモスの注意がまとわりつくグゥエールからアーロ機に移った瞬間

 

「続いてベンヤミンさん!そしてクラエスさん!」

 

    ブン   ガンガン!!

 

  グオオオオオオ!!!!

 

ボスボロットが初撃のパンチでつけた傷口に両機が剣を投げつけ

べへモスが明らかに動揺した

 

「後は任せたぜ隊長さん!」

 

「全機抜杖!!

亀野郎の顔面にお見舞いしてやれ!!!」

 

「「「「「「「「「おう!!」」」」」」」」」

 

バルゲリー砦のカルダトア10機による集中砲火

ヤントゥネン守護騎士団の一斉砲火にも劣らぬ強力な弾幕に

べへモスの視界は炎に包まれ 息苦しい様子で上を向いた刹那

 

「突けええ!!!」

 

    ズドオオオンン!!!

 

二番中隊のハードクラストバンカーが横っ腹に突き刺さった!

 

    ズドオオオンン!!!!

 

間を置かずさらに逆の横っ腹に四番中隊のバンカーが突き刺さった

シルエットナイトが4機必要な程の重量に見合うほどの威力が遺憾なく発揮され

誰の目にもわかるほどの致命傷となった

 

   アオオオオオオ!!!!

 

トドメとなる八番中隊のバンカーが迫る中べへモスが断末魔のような声をあげる

 

「いけねえ!!!!」

 

その声に不穏なものを感じて ボスボロットがとびだした、が

 

     ガッ!!

 

「ありゃ!?いっけねえ!?」

 

  ゴロゴロゴロゴロ!!

 

腕を失いながらの急なダッシュで体勢を崩し 転がりながら

 

   パッカーーーーン

 

べへモスの正面に陣取っていたバルゲリー砦のカルダトア10機を

ボーリングのピンのように蹴散らし

 

  ポーン    ズボッ!!!

 

その弾みで飛び跳ねたボスボロットがべへモスの口にちょうどハマった

 

「ああっ!?」

 

それは自らの死を感じたべへモスが最後っ屁の心境で放つはずだった

竜巻吐息(ブレス)を未然に防ぐ結果となったが

 

   グシャ!!!バキバキバキバキ!!!!

 

「ギャーーー!! おたすけーーー!!!」

 

ボスボロットの胴体が無残にも嚙み砕かれボスの悲鳴が響き渡った!

 

「ブリキの騎士!?」

 

「ボス君!!」

 

「ボスさん!?

許せません ロボットを破壊していいのは ロボットだけなのですよ!

先輩 ボスさんを助けにいきます!!」

 

 バッ!!

   グシュ!!!

 

グゥエールがべへモスの顔に飛びつきその頭を剣で突き刺すが

ボスボロットを咥えたまま離す様子はない!

既に強化魔法は弱まっていたが口を閉じる力は残っていたのだ

 

「先輩!操縦を代わってください!

このまま剣を離さないでくださいよ!!」

 

あまりの状況についていけないディートリッヒだったが

エルネスティから託された操縦桿を無我夢中で握り

 

「~~~~・・・??・・・!!!!!!!!」

 

悲鳴を上げながらも指示を遂行した

 

「紅の騎士のナイトランナー!何をする気だ!?」

 

エルネスティは胴体部の操縦席から飛び出し機体上で生身を晒しながらも

グゥエールの魔力を使い雷撃の戦術級魔法オーバード・スベルを放った

 

王手(チェックメイト)

 

   ピシ!ズガーーーーン!!

 

機体に残っていた全ての魔力と エルネスティの演算能力の全てを使い

構築された雷撃魔法はべへモスの脳髄を直撃した

 

  グラア・・・  ズシン!!!

 

さしもの師団級魔獣もこうなってはひとたまりもなかった

これまでのダメージもあり即死ではあったが

その口からボスボロットが解放されたときには

機体の胴体部はちぎれかけ まったく動く様子はなかった

その原型をとどめない残骸となった姿を見てバルゲリー砦の全員、

そしてヤントゥネン守護騎士団の面々やディートリッヒも言葉がなかった

だれもが操縦者生存の可能性は絶望的と思わずにいられない状況だった・・・

直接生身で顔を合わせることはなかったが 異形なシルエットナイトを操り

巨大な魔獣相手にともに戦い 自分たちを守りながら散った英雄に

戦場をともにした全てのナイトランナーが黙禱を捧げた

 

 

 

 

 

その近くで転がっているボスボロットの頭部にかけつけていったエルネスティを除いて・・・

 

   コンコン

 

「ボスさん 大丈夫ですか?」

 

「おー・・・ いてえ・・・

死ぬかと思ったが どうにか無事だぜ」

 

「流石 丈夫さに定評がある超合金Z製の頭部です!

あれほどの戦いでもビクともしませんね!」

 

「その様子だとやっぱりおれさまやボロットのことを知ってるみてえだな

やっぱりここは地球なのか?」

 

「どうやらお互いに情報交換が必要そうですね!

まずはここを出ましょうか お手をどうぞ」

 

「おおっと こんなカワイ子ちゃんから手を握ってもらえるたあ

これだけでも戦ったかいがあったってもんだわさ」

 

   ガシィ

 

「ええっと よく間違われますが

僕はれっきとした男子ですよ」

 

「ありゃあ!?」

 

 

 

 

 

この握手からはじまる二人の出会いがこの世界の

シルエットナイトの歴史を変えていくことになる

・・・・・・かもしれない

 




ようやくキリがいいところまで書けたのでチラシの裏から通常投稿に出してみました
より多くの方のお目に留まれば幸いです。
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