ネコ   作:ミーちゃん

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学期末レポートや宿題、論文の翻訳などやることがかなり残っているのに、現実逃避をしている作者はもうダメかもしれない。

タイムマシンで過去に戻って、過去の自分にやることをやらせたい。



誤字報告感謝。誤字修正しました。


10話 ネコはジャングルを歩く

『人一人しか通れないドアに、一斉に駆け込めば誰か一人は転ぶ者が出ることくらいは予想できるだろうに』

 

「ご、ごめん……」

 

「助かったよクロ」

 

「ありがとうクロちゃん」

 

「重くて死ぬかと思った」

 

「ははは、ワリィなスネ夫」

 

 扉の向こうで転んだ全員を念動力で浮かして立たせる。まったく……本来なら止めるべき立場のドラえもんも一緒に走って転ぶとは。やはり、吾輩もついて行くことにして正解かもしれんな。

 

「わぁ…………すごい!!」

 

「すげぇ!!」

 

「僕達、本当にアフリカに来たんだね」

 

 全員が落ち着いたのを確認して周囲を見渡し、ジャングルの自然や生命力に圧倒された。吾輩以外の皆も同じように圧倒されているようだ。皆、白亜紀でもジャングルはあるので経験があるが、白亜紀のジャングルとはまた違った生命力を感じさせる。

 

『それで、ここから100キロ先に目的地があるのだったか?』

 

「うん、そうだよ」

 

『なら、吾輩が全員を転移させればすぐに着くが……』

 

「クロ、それは絶対にやるな! それじゃ冒険にならないだろ!!」

 

『…………わかった』

 

 ジャイアンには断られたが、もしもの時は有無を言わさず転移させるか。命に代えられるものなどない。

 

「それじゃ、目的地に向かって探検隊〜出発〜!」

 

「「「「ええ / うん!」」」」

 

「ワンッ!」

 

 ジャイアンの合図で目的地に向かって歩き始める。

 道中、日本にはない珍しい花の匂いを嗅ごうとしたしずかちゃんがオカピにスカートをめくられそうになったり、ジャイアンが木の上で複数のアンゴラコロブスと戯れていたり、スネ夫がホオジロカンムリヅルのヘアスタイルを褒めていたり、吾輩を除いた五人と一匹が葉っぱを纏って遊んでいた。

 途中で見つけたオアシスでも遊んでいたな。吾輩? 吾輩は五人と一匹が無警戒で遊んでいる間、猛獣が近寄ってこないように千里眼で見張っていた。

 

「飽きたー!」

 

 全員でジャングルを歩いている中、のび太が唐突に叫ぶ。飽きたというが、アフリカに来てまだそんなに時間は経っていない。のび太は飽き性なのか?

 

「もう10キロくらい歩いたかな?」

 

「まだ5キロも歩いてないでしょ」

 

「えぇー!! あと95キロ〜!?」

 

「ジャングルはどこまで行っても木ばかりだね……当たり前だけど」

 

「猛獣なんていないじゃないか! ワクワクもドキドキもしやしない」

 

 飽きたのはどうやらのび太だけではなさそうだ。スネ夫やドラえもんも愚痴のようなものをこぼしている。というか、スネ夫の愚痴はおかしい。猛獣と出会ってワクワクドキドキするか? いや、ドキドキはするかもしれないがワクワクは絶対にないと思うぞ。

 

「お前ら文句が多すぎるんだよ! 少しはペコやクロを見習えって!」

 

 三人の文句を聞いたジャイアンは我慢の限界だったのか、ペコと吾輩を指差しながら三人に怒鳴る。指を差されたペコは黙々とジャングルを進んでおり、吾輩はジャイアンのすぐ隣を歩いている。

 

「あっ…………大変なことを忘れてたー!! ドラえもん、どこでもドアを出して!」

 

 また、のび太が叫ぶ。今度はなんだ…………?

 

「0点のテストが出しっぱなしだから隠さないと!」

 

「「「「えぇ〜!?」」」」

 

『かなり下らない理由だな』

 

 ドラえもんが再び出したどこでもドアを通り、すぐ戻るからと告げて走っていくのび太。かなりの大声で叫んでいたから、余程なことだと思っていたのに、想像以上に下らない理由だった。

 

 その後、のび太がすぐに帰ってきたのはいいものの、スネ夫やしずかちゃん、ジャイアンも、どこでもドアをドラえもんに出してもらって一度帰宅していた。

 スネ夫のは上級フランス語講座を録画予約するのを忘れていた理由で、しずかちゃんは御手洗い、ジャイアンは怒り心頭の母親の呼び出しに応じたためだ。どれも、のび太と同じくらいには下らない理由だ。ただ、母親の呼び出しに応じたジャイアンが帰ってきたときの姿が、かなりボロボロになっていて驚いた。一体何があったのだろうか。

 

「ねぇ、そろそろお昼にしない?」

 

「「いいねぇ!!」」

 

 しばらくジャングルを進んでいると、お昼にしようというしずかちゃんの提案にドラえもんとのび太が賛同する。誰も弁当を持ってきていないのはそれぞれの格好と荷物を見れば明白だ。というか、みんな私服で何も持ってきていない状態で探検に来ている。完全にドラえもん任せだ。

 

『仕方ない、吾輩の蔵にある食糧を……』

 

「クロ、ここはボクに任せて!」

 

 鏡の世界で手に入れた食料を蔵から出そうとしたら、ドラえもんが任せてと言うので譲ることにした。ポケットを探るドラえもん。今度はどんな道具を出すのだろうか。

 

「ふふ〜ん、『出前電話』!」

 

「やめろ!! それを使ったら雰囲気がぶち壊しだ!!」

 

「確かに、イメージに合わないよね」

 

 出前電話という道具について後で聞いてみて知ったことだが、出前電話で注文を受けた人は誰であろうと必ず要件を果たさなければならなくなるらしい。つまり、頼み事や用事を他人に強制させる道具ということだ。ジャングルでその道具を使った場合、ラーメンを頼んだらアフリカのどこかでラーメンを作ってる人がジャングルまで届けに来る羽目になるのか。かなり恐ろしい道具だな。

 

「なら、『植物改造エキス』! 皆、食べたい物を言ってみて」

 

「カレーライス!」

 

「ホットケーキ!」

 

「カニピラフ!」

 

「ラーメン」

 

 出前電話の代わりに取り出した植物改造エキスという道具で、ドラえもんは皆の食べたい物をその辺の植物を使って作っていく。どうやら、植物にエキスを注射器を使って注入することで植物を改造し、食べ物を作り出す道具らしい。

 品種改良の応用だと思うが、規格外にすぎる。ホットケーキやカレーライスなら原料に植物が多いからまだ納得できるが、なぜ植物からカニやラーメンを作り出せるのか。そもそも、都合よく皆の希望する食べ物のエキスがあったな。これは、ツッコンだら負けか?

 

「どうせなら眺めのいいところで食べよう。『即席エレベーター』!」

 

 即席エレベーターという道具で木の上に登っていくドラえもん。どうやら、名前の通り即席でエレベーターの役割を果たす道具のようだ。その道具で木の上に上ったドラえもんは、先ほど出していた注射器を取り出して枝に刺した。注射器を刺された枝は形状が大きく変化し、五人と吾輩とペコを乗せても問題ない程度の大きさと円形状になった。

 

 ジャイアン、スネ夫、しずかちゃん、のび太とペコの順で即席エレベーターを使って上に昇っていく。吾輩は転移で移動すればいいので、四人とペコが猛獣に襲われないように見守って、一番最後に移動した。

 

「ジャングルで食べる昼飯は最高だな!」

 

「うん!」

 

 ラーメンを食べてご機嫌なジャイアン。ちなみに、ドラえもんはどら焼きでペコはソーセージ、吾輩はハムを食べている。ソーセージとハムは我輩が蔵から出したものだ。

 

「ジャイアンの機嫌が直って良かったね」

 

「そうね」

 

 ドラえもんの言葉にみんなが頷く。その時、突然ペコが端の方まで駆け出し、ある方向を見つめた。そのペコを追うようにしてのび太達がペコの近くまで移動して、ペコが見ているものを見る。

 

「何あれ? 白い煙みたいなものが……」

 

「ひょっ、ひょっとしてあれが……」

 

「「「「「ヘビースモーカーズフォレスト!!」」」」」

 

「やったー!」

 

「ちゃんと近づいていたのね!」

 

「歩き続ければいつかは着くんだ!」

 

 五人の言葉が重なる。ヘビースモーカーズフォレストというのはタバコ付きの森という意味で、ジャングルの一部にいつも雲がかかっていて衛星写真が撮れないところのことを指すそうだ。今回の探検の目的地でもある。ひたすら木ばかりのジャングルを歩いていても本当に進んでいるかもわからず飽きがきていたところに、目的地が視界いっぱいに大きく存在したのだから、あの喜びようなのだろう。

 

 

 

 

★★★★★★★★

 

 

 

 

 

 昼飯を食べた後、目的地がちゃんと存在し、少しでも近づいていることが分かったからか、五人は先ほどに比べると軽快にジャングルの森を進む。

 

「盛り上がってきたな! これで猛獣が出てくればもっと探検らしくなるんだけどなぁ」

 

 機嫌が良くなっているジャイアンが余計なことを言う。そんなことを言ったら、絶対のび太が反応するだろう。

 

「ドラえもん、猛獣出せない?」

 

「もちろん出せるよ。『猛獣誘い寄せマント』!」

 

『その危険な道具は仕舞え』

 

 危惧した通り、のび太がドラえもんにとんでもない頼みをしていた。そして、ドラえもんもそんな頼みに応えようとするんじゃない。今日までドラえもんの出す様々な道具を見てきたが、大体が名称の通りの効果をする道具が多かった。おそらく、猛獣誘い寄せマントも読んで字の如く猛獣を誘い寄せるマントなのだろう。なぜそんな危険な道具が存在するのか甚だ疑問だ。

 

『猛獣なら我輩がなんとかしてやろう。だから、ドラえもんもその類の道具は出すな。下手したら死ぬぞ?』

 

「うぅ……確かに。ごめん、わかったよクロ」

 

「でも、なんとかするって言うけどどうやるつもりなの? 猛獣を転移させるとか?」

 

『それではドラえもんと変わらんだろう。秘密だ』

 

 そう言ってから、のび太たちから少し離れた場所に転移する。そして、転移した場所の地面に○、△、□を組み合わせた陣を描き、その陣の上に吾輩の血を垂らして呪文を唱えた。

 

『我が望みを叶えよ』

 

 呪文を唱える際にイメージした姿に吾輩の姿が変化する。ジャイアンは猛獣がいればと言っていたが、要はスリルが味わえればいいのだろう。ならこの姿でのび太たちを傷つけないように多少暴れてやれば問題ないはず。まぁ、この姿は猛獣というよりも龍と言ったほうがいいかもしれんがな。

 

 魔法によって、とあるゲームの中で古龍に分類されているモンスター「クシャルダオラ」に姿を変えた吾輩は、のび太たちがいる場所に向かって羽ばたいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




【出前電話】
 どんな場所だろうと出前を注文できる道具。ただし、運ぶ人のことは考慮されていない。

【植物改造エキス】
 いくつかシリーズがある道具。植物の種を改造して、中に食べ物を生成することも可能。

【即席エレベーター】
 そのまんまである。定員は1人と一匹程度なため、一度に運べる人数は少ない。



普通の動物にしても良かったけど、せっかくだから主人公の能力を活かしたかった。悔いは無い。

映画編の日常と戦闘描写についてなのだ

  • 戦闘シーンは省略するのだ
  • そのままでよいのだ
  • 戦闘シーンはいくらあっても困らないのだ
  • 早く新しい挿絵を追加するのだ
  • モンハンと人間以外にも変身するのだ
  • 冥との絡みを増やすべきなのだ
  • クロはもっと無双RTAしてよいのだ
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