「グアアアアアアアアアァッ!!」
「な、なんだアレは!?」
「まさか、予言の黒き竜か!?」
咆哮すると、吾輩は兵士達へと飛び掛かった。別に超能力で兵士達や大臣を縛って時間稼ぎを行うことはできたが、ペコが主に行動して解決することが重要だし、予言とやらに沿って動いてみようと思ったのだ。
「うわあああっ!」
「ぎゃああっ!」
飛び掛かった吾輩に吹き飛ばされ、悲鳴を上げる兵士達。尻尾で残りの兵士達を薙ぎ払い、巨神像から遠ざける。
吹き飛ばした兵士達は一か所に固めて、蔵から出したロープを念動力を使って縛った。
今の吾輩は迅竜ナルガクルガの姿になっているから、クシャルダオラの時よりも素早く動ける。迅竜ナルガクルガは飛竜種の中で群を抜く驚異的な俊敏性を誇っており、あっという間に相手との距離を詰めることができるのだ!
新たに森から現れた兵士達へと跳躍し、兵士達を吹き飛ばす。
次々と現れる兵士達を前足で叩きつけたり、尻尾で薙ぎ払ったりしながらドラえもんたちが巨神像を動かすのを待っていると、剣を持ってかなりのスピードで吾輩に向かって来る者を千里眼で捉え、振り下ろされたその剣を左の鋭刃翼で受け止めた。
「予言の黒き竜……これ以上貴様の好きにはさせんッ!」
「「「「サベール隊長!!」」」」
「おお……!! いいぞサベール!」
そう言って吾輩に斬りかかってきたサベールを右の前足で吹き飛ばそうとするが、サベールは吾輩の攻撃を素早く後ろに退がることで避け、お返しとばかりに吾輩の懐に入り剣で斬りつけてきた。
『何だとッ!?』
驚き、後ろに跳躍して距離を取った。
今の吾輩の姿はナルガクルガそのもの。つまり、体を覆う鱗や体毛もナルガクルガそのものなのだが、それが斬られた。
血が出るほどではなく鱗が体毛とともに数枚斬られただけだが……サベールの使う剣はおそらく鉄製だ。モンスターの素材やあの世界の鉱石を用いた武具でもないはずなのに、斬られたことに驚いたのだ。てっきり斬れずに弾かれると思っていたから、これは完全に吾輩の慢心だ。…………だが、次はない。
「ほう、硬いな…………だが、斬れんほどではない」
再び吾輩へと走って向かってくるサベール。
その動きに反応し、牽制のつもりで尻尾の棘を飛ばしたのだが、走りながら飛んでくる棘を剣で斬り払い距離を詰めてくる。
今度は回転し尻尾で薙ぎ払おうとしたが、跳躍することで避けられた。
「ハァッ!!」
跳躍したサベールは宙で剣を構え、突きを放とうとする。
だが、吾輩の攻撃はまだ終わりではない。一発目は躱されたものの回転を止めず、先ほどよりも早く回ることで威力を高め、サベールを尾で吹き飛ばす。
「ぐっ……!」
吹き飛ばされたサベールは、その勢いで地面を数回転がるも軽く後ろに跳躍して即座に体勢を立て直し、また剣を構えて向かってきた。
うーむ…………先程斬られたことでわかってはいたが、強いな。他の兵士は今の一撃で気絶したのに、気絶せずにまた向かってくるとは。
ならば、吾輩もこの姿で出せる全力でいくとしよう。さっきまでは意図的に鋭刃翼をほとんど使わなかったが、今度は違う。下手をすれば死んでしまうかも知れんが、それはサベールも覚悟しているだろう。
黒上毛を逆立て、先程までとは別次元のスピードで動き、紅のような瞳が残光を残す。
一瞬で剣を構えながら走っているサベールの目の前まで近づき、左前足を振り抜いて鋭刃翼で斬りつけた。
「ぐはぁッ!!? グッ……ゥ!」
サベールは咄嗟に構えていた剣を間に挟むことで威力を減衰させたようだが、吾輩に斬られた衝撃で吹き飛んだ。そして、そのまま広場入口に設置されていた柱へと勢いよく激突し、苦悶の声を上げた。
鋭刃翼を受けた剣は半ばから折れ、身に付けていた黒い鎧は大きな一文字の傷が刻まれて、そこから血が流れている。真っ二つになっていないのは良かったが、柱にぶつかった衝撃と斬られた痛みで気を失っているようだ。
「サベール!?」
「バッ……バカな……サベール隊長がやられた!?」
兵士達と大臣が驚いているようだが無視する。今はサベールだ。傷つけたのは吾輩だが、殺したいわけではないので、ロープで身動きできないように縛ってから治療する。
吾輩の血液を一滴、念動力でサベールの元まで運んで傷口に垂らす。すると、あら不思議、サベールの傷は瞬く間に治ってしまった。修業をしている最中にわかったことなのだが吾輩の血液はなぜか、他者の傷を一瞬で直してしまうほどの回復力を持つらしいのだ。
「おお! ようやく来たか……!」
「これでもくらえ化物めッ!!」
サベールの傷を治し終えると同時に、森の中と空から新たな敵が現れた。千里眼で見た火を吐く車と空飛ぶ船だ。車の方は吾輩に向けて火を放射し、空飛ぶ船からは爆弾が落とされた。
「バッ、バカな……」
「ヒィィィ!!」
「化け物め……ッ!」
しかし、吾輩には当たらない。
火は跳躍して避け、爆弾は尻尾で車や船に跳ね返した。
爆弾が当たった車や船は爆発し、爆風と共に兵士達が吹っ飛んでいく。念の為、千里眼で確認したがちゃんと生きている。
他にも、棘を飛ばしたり、鋭刃翼で直接斬り裂いて大臣が復活させた古代兵器を破壊していった。
吾輩が古代兵器を使い始めた兵士達を迎撃してしばらく経つと、巨神像の頭上に雷雲が集まっていた。
そして、雷雲から巨神像に雷が落ちる。
すると、雷が直撃した巨神像の無機質な目に光が宿った。中の様子を覗くことはできないが、おそらく巨神の心を動かせたのだろう。目に光を宿した巨神像は、足元の入り口を破壊しながら動き出し、組んでいた手を解放すると同時に大きな咆哮をした。
「ワオオオオオオオン!!」
「きょ、巨神像が動き出した!?」
「なんだとぉ!?」
……見るからに石に近い材質でできているはずなのに、どうやって動いているのだろうか。やはり、魔法でも込められているのではないのか?
動き出した巨神像は、次々と攻撃を仕掛けてくる兵士達の乗る古代兵器を破壊していく。
古代兵器を突き、肘打ち、踏み潰し、時には掴んで投げた。何発か爆弾や火炎放射を浴びているが、効いている様子はない。
「たかが石ころ如きに何を苦戦しているのだッ! ええい、遠吠え砲の準備をしろッ!!」
「「ハッ」」
巨神像が古代兵器相手に無双している間に、コス博士と呼ばれていた人物が乗る一番大きい船が遠吠え砲の準備を始める。
だが、それをただ眺めている我輩ではない。
「な、なんだ!? 船がッ…………!?」
「ひッ……黒き竜!?」
「うわあああああ!?」
かなりの力を込めて大きく跳躍し、船に飛び付く。そして、船に乗っていた博士と兵士達を叩き落とした。
叩き落とした兵士達と博士は、念動力で浮遊させると同時に身動きが取れないように蔵からロープを出して縛る。これで、大将格を二人捕縛したことになる。
サベールとコス博士が捕らえられた事実を知った残りの兵士達は投降したため、後は大臣だけだ。……だけなのだが、いつの間にかこの広場からいなくなっているな。兵士やサベールに集中して見落としたか。まだまだ修業不足というわけか。
「コス博士、ダブランダーはどこにいる!」
巨神像の額にある宝石から降りたペコが、巨神像の手のひらに乗せられたコス博士に対して怒鳴りながら質問する。
大臣がいる場所を知っているか怪しいし、仮に知っていたとしても正直に答えたりしないだろうと思ったのだが…………
「フンッ、とっくに王宮の方に逃げたわ」
普通に答えてくれた。
案外、忠誠心は無かったようだ。念のため、千里眼で王宮を確認したら本当にいた。
『うむ、確かに王宮の方にいるようだ。今はドレスを着た褐色系の女性に迫っているな。口の動きから察するにスピアナ姫と言っているようだが』
「なっ……!? クロさん、可能であれば僕を今すぐそこに送ってください!」
『可能だが、ペコだけではなく全員で行く』
巨神像ごと王宮の方まで空間転移で移動する。もちろん、縛った兵士たちも一緒にだ。
王宮に着くと、城下にはたくさんの人が集まっており、テラスの方で大臣とスピアナ姫と思われる人物が向かい合っていた。チッポの方は作戦通り、働かされていた国民たちの決起に成功したようだな。
剣を携えたペコが巨神像から飛び、テラスの手摺に着地するとスピアナ姫と大臣の間に降り立った。
「もう逃げ場はないぞ、ダブランダー!」
「おのれ……クンタック! こんなところで終るものかッ」
ダブランダーは腰に挿していた短剣を抜き、ペコへ近づいて短剣を振り下ろす。だが、ペコは冷静に振り下ろされた短剣をすでに抜いていた剣で弾き飛ばし、隙だらけとなった大臣へと峰打ちすることで大臣の意識を奪う。
「スピアナ姫!」
「王子!」
大臣を民衆の目の前で打ち倒したペコは、スピアナ姫と抱きしめ合う。それを見た民衆は溢れんばかりの歓声を上げた。
原作と新映画の両方に出てくるサベール隊長は、名刀電光丸と勝負ができる程の強さで描写されていたので、そこそこ強くしました。特に、新映画の方は声がキャラデザとマッチしていて好きなので、イメージはこっちです。
映画編の日常と戦闘描写についてなのだ
-
戦闘シーンは省略するのだ
-
そのままでよいのだ
-
戦闘シーンはいくらあっても困らないのだ
-
早く新しい挿絵を追加するのだ
-
モンハンと人間以外にも変身するのだ
-
冥との絡みを増やすべきなのだ
-
クロはもっと無双RTAしてよいのだ