ネコ   作:ミーちゃん

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 最近、ハードオンさんの思いつき短編集を読んで、作者も思いついた短編集を作ってみようかなと思いました。しかし、そんなことをすれば、ただでさえ遅い更新速度がさらに下がってしまう!
 どうしようかな…………。


26話 ブリキのロボット

 ブリキンホテルの周囲を飛び回り、次々と爆弾を落としていくブリキの飛行機。ブリキンホテルは爆発によって周囲の地面が爆ぜ、入り口付近のブリキの植物なども吹き飛んでしまっている。最初に来た時の景観は完全に損なわれてしまった。しかし、意図的かあるいは奇跡的なのか、ホテルそのものは爆発による衝撃を受けているものの直接爆弾が落とされたりはせず、傷一つついていない。

 

 

「クロ様ッ!」

 

「待って冥さん! 今、ホテルに行くのは危ないわ」

 

「しかし……」

 

 

 ホテルにいるであろうクロのことを想い、冥は走り出そうとするがその行動をしずかちゃんに止められる。

 

 

「クロなら大丈夫さ! なんせ、超能力があるんだから」

 

「クロちゃんなら心配いらないわ」

 

「そう……ですね……。 私としたことがクロ様の御命令を破ってしまうところでした、ありがとうございます」

 

 

 のび太としずかちゃんの言葉を受けて冥は冷静になり、ホテルの周辺を飛んでいるブリキの飛行機について考えることにした。なぜ、あの飛行機は爆弾を落としているのか。どうしてブリキの飛行機なのか。受信機が付いているようには見えないが、どのようにして動いているのか。

 

 冥がブリキの飛行機について考えていると、突然ジャイアンが立ち上がり、現在も爆弾を落とし続けているブリキの飛行機のもとへ走り出した。

 

 

「やめろ、こんにゃろー!! これ以上爆弾を落とされたら、今夜泊まれなくなるじゃないか!!」

 

 

 ジャイアンが突然走り出した理由は今夜泊まれなくなることを防ぐためだった。いいのか、そんな理由で。爆弾を次々落としている飛行物体に近づいていくのは並の覚悟じゃできない。あるいは、先のことまで考えが及んでいないだけか。

 

 

「危ないッ!!」

 

「うわっ!」

 

 

 走っていたジャイアンに爆弾が当たりそうになり、自分と違って何の装備も力もないジャイアンがいきなり危険地帯に自ら走り出したことに驚き思考停止していた冥が復活し、一瞬でのび太たちの所からジャイアンの所まで移動し、爆弾が当たる直前でジャイアンを抱えて危険地帯を脱した。ジャイアンに当たらなかった爆弾は地面に当たって爆発し、ジャイアンを抱えて危険地帯を脱した冥のところまで爆風が及ぶ。

 

 

「くっ……! 危ないところでした、大丈夫ですか?」

 

「た、助かった……」

 

「どうやら怪我はないようですね。よかった……」

 

 

 やはり、自分が爆弾に当たるかもしれない、あるいは爆発に巻き込まれるかもしれないという可能性に考えが及んでいなかったのだろうか。冥はジャイアンが無事なことにひとまず安堵した。しかし、先ほどまでホテルの周辺を飛び回っていたブリキの飛行機がこちらに向かっていることを察知した冥は、即座に警戒態勢に入る。

 

 

「皆さん、私の近くにいてください!」

 

「これは……!?」

 

 

 のび太としずかちゃん、スネ夫、ジャイアンが集まり自分の近くに来たことを確認した冥は、円形の透明な膜を冥を中心として瞬時に展開し、五人を覆う。五人を覆った透明な膜は、ブリキの飛行機が撃ち出す弾や爆弾を受けても傷一つ付かず、中にいる五人に衝撃すら通さない。

 

 五人を覆う透明な円形の膜はクロが『安全カバー』を改造したもので、万が一の時のために冥の体に組み込まれていた道具である。改造された安全カバー……いや、『安全膜』は円形の膜であるため地面の中まで覆われている。そのため、安全膜が展開されている間は誰も中にいる者を傷つけることができないのだ。

 

 

「これであちらからの攻撃は届きません」

 

「スゲェ!」

 

「後はあのブリキの飛行機に対処するだけですね…………バンッ!」

 

 

 冥は人差し指をブリキの飛行機に差し向けて、キーとなる言葉を放つ。すると、指先から衝撃波が放たれ、安全膜をすり抜けてブリキの飛行機へと直撃し、飛行機を破壊する。

 

 

「今のって、空気ピストル?」

 

「ええ。安全膜と同じように私に組み込まれている道具の一つです」

 

 

 正確には『空気ピストルの薬』である。冥が意識すれば、指先から自動的に空気ピストルの薬が出てくるようになっているのだ。この道具の難点は、撃つ度に必ず「バンッ」と言わなければならない事だろう。指先から衝撃波を放ち、次々と飛行機を破壊していく。

 

 

「あ! 奥の大きい飛行機が逃げてく!!」

 

「くっ……ここからでは届きません」

 

「追いかけて正体を突き止めようぜ!」

 

「うん!」

 

 

 冥の攻撃が届かない場所にいた飛行機は、状況が悪いと判断したのか山や森がある方へと去っていく。そして、その去っていく飛行機を追ってジャイアンが安全膜から飛び出し、飛び出していったジャイアンを追いかけてのび太達や冥も走っていく。

 

 

「はぁ…はぁ…、ちょっと……待ってッ……!」

 

 

 しかし、走り始めて十秒でのび太がダウンしてしまった。いくらなんでも早すぎである。バウワンコに向かう際は歩いているので、運動不足ということはないだろう。加えて、定期的にジャイアンやスネ夫たちと一緒に野球をしているはずなのに、一体どういうことなのか。

 

 

「飛行機が飛んでいっちまうだろうが!」

 

「こういう時、ドラちゃんならタケコプターを出してるのに……」

 

「あっ……忘れてた! タケコプターなら僕が持ってるや」

 

「もーこれだもの!! それを早く出せよー!!」

 

「バカタレ!」

 

「でも、四つしかないわ。これだと冥さんの分が……」

 

「いえ、私は万能メイドとして作られたので独自で空を飛ぶ手段があります。なので、大丈夫ですよ」

 

「それなら良かった」

 

 

 なぜか四人分のタケコプターをのび太が持っていたため、のび太、しずかちゃん、ジャイアン、スネ夫の四人は急いでタケコプターを装着して飛び上がる。冥も足の側面からブースターを出し、背中からは機械の翼を生やして空を飛んだ。

 空へと飛び上がった五人は、見失ってしまった飛行機を探すために森の上を飛行し、怪しい場所を探す。しかし、森は広くそう簡単には怪しい場所は見つからない。

 のび太、ジャイアン、スネ夫、しずかちゃんはあちこちを飛び回って探し、冥は四人と同じように飛び回りながら自身に組みこまれている『マイクロ補聴器』を使いながら探していた。

 

 『マイクロ補聴器』は、本来はイヤホン型の小型補聴器でどんな小さな音も聞き取ることができる道具だ。クロは安全膜と同じようにマイクロ補聴器をイヤホン型ではなく鼓膜型として改造し、冥の機能の一つとして組み込んでいた。これによって冥は、どんな小さな音でも聞き取ることができるようになるのだ。

 

 太陽が沈みかけた頃……とても小さな話し声を聞き取った冥がバラバラにあちこちを探していた四人を呼び、音を頼りにして五人で移動していると、音の発信源の方に怪しい建造物を発見した。

 大きな球体に複数の窓と思われるものがついており、球体の上部にある突起物にも同じように窓と思われるものがついている。また、球体の下部の方にはロケットブースターらしきものが四つ取り付けられている。おそらくは、ロケットなのだろう。

 

 5人はロケットの方へと近づいて窓を覗いたり、下部の方に入り口がないかを探って、ロケットの内部の様子を知ろうとする。

 

 

「ロケットにしては小さすぎる。これは一体……?」

 

「中は暗くてよく見えないや……」

 

「何か音がするわ!」

 

 

 5人でロケットを探っていると、しずかちゃんがロケットの中からする音を聞き取った。その次の瞬間、ロケットの内側から声が聞こえてくる。

 

 

「ソコへ来タノハコノ星ノ人間カ?」

 

 

 ロケットの内側から聞こえてきた声は拡声器でも使っているのか、とても大きな声で5人にそう尋ねてきた。この星のという言い方をする辺り、おそらくロケットの内部にいるのは宇宙人なのだろう。それも、地球の言葉を用いて話せる技術を持った。

 

 

「この星の……ってことは、君は宇宙人!?」

 

「フンッ、ヨクモ我々ノ飛行機ヲ落トシテクレタナ。ダガ、たぬき型ロボットハコッチガ捕エタゾ」

 

「たぬき型ロボット……? ひょっとしてドラえもん!?」

 

 

 たぬき型ロボットというのは、十中八九ドラえもんのことだろう。地球以外にもたぬきは同じ姿や概念として存在するらしい。また、この宇宙人の言葉を信用するなら、ホテルに残って地下室を探っているクロの読みは的外れだったことが確定する。

 

 

「ドラえもんをどうしたの!?」

 

「ドラえもんを返せ! 返さないとただじゃおかないぞ!!」

 

「……なッ! 危ない!」

 

 

 ドラえもんが宇宙人に捕らえられたと知ったのび太達は、宇宙人の乗るロケットを叩いたりして抗議する。だが、その抗議を当然の如く宇宙人は無視し、ロケットを離陸させる。

 

 ブースターから火を吹いて離陸していくロケットの近くにいたのび太達は、その危険性に気づいた冥が安全膜を展開して覆うことで、ブースターから放たれる火と煙から守られた。

 

 ドラえもんを乗せたロケットはかなりの速度で空を進み、宇宙へ飛び出そうとしている。それを見て安全膜から飛び出そうとするのび太をジャイアンが抑える。

 

 

「ドラえもーん!!」

 

「落ち着けのび太! 今追いかけても、タケコプターじゃ間に合わねぇ!」

 

「冥さん、何とかロケットを止める方法はないかしら?」

 

「申し訳ございません。撃ち落とすことなら可能なのですが、中にいるドラえもんさんに影響が出ないように動いているロケットを止めるとなると……」

 

「クロが使ってた鎖は?」

 

「無限の鎖はクロ様のみが所持しておりますので……」

 

「そんな……」

 

 

 宇宙へと飛び去っていくロケットを見ていることしかできないのか。五人がそう思いかけた時、のび太がある考えを思いつく。

 

 

「そうだ! 『宇宙救命ボート』で追いかけようよ!」

 

 

 『宇宙救命ボート』とは全自動式の小型宇宙船だ。ボタンを押すだけで、地球人が住めそうな星を自動で探し出し、目的地の星まで勝手に飛んでいくことができる。その他にも、その星にしかない物質や目的地に関わりのあるものを探知ユニットに入れれば、その目的地まで全自動で航行するという機能も存在する。おそらく、のび太は先程破壊した飛行機かドラえもんに関わりのあるものを探知ユニットに入れておいかけるつもりなのだろう。悪い考えではない。だが……

 

 

「でも、それってドラえもんの道具でしょ? 」

 

「あっ……そっか……」

 

 

 のび太の考えは、ドラえもんが道具を出してくれるという前提があった。しかし、道具を出してくれるであろう肝心のドラえもんが宇宙人に捕らえられ連れて行かれたのだ。悪い考えではないが、良い考えでもない。さりとて、実行不可能というわけでもないのだ。

 

 

「いえ、クロ様はハツメイカーを所持しています。多少お時間はかかるでしょうが、宇宙救命ボートを作ることは可能なので、のび太様のお考えは実行可能かもしれません」

 

「そうなの? なら、今すぐクロに頼みに行こうよ!」

 

「急ぎましょう!」

 

 

 のび太の考えが実行可能かもしれないと知った五人は、冥が安全膜をしまってから急いでクロのいるホテルへ向かおうとする。その直前、突如として大地が大きく揺れだした。揺れは人が立っていられないほど大きく、五人は空中に飛び上がることで難を逃れる。

 

 

「何これ、地震!?」

 

「なら尚更急がないと!」

 

「あれ? 海が沈んでいく!?」

 

「いや、ちょっと待て。これは地震じゃねぇ! 島が空に飛び上がってるんだ!!」

 

 

 空中に飛び上がった五人は急いでホテルの方へと向かうが、その途中で海が沈んでいく光景を見て、大地の揺れが地震によるものではなく、島が空へと飛び上がったことによるものだと気づく。なぜ、どうやって島が飛び上がっているのか。巨大な飛行石でも積んであるのか。はたまた、大規模な風石の鉱脈でも存在するのか。

 

 

「グングン高度が上がってる! このままだと何処に連れて行かれるかわからないぞ!!」

 

「とにかく、クロと合流しよう! クロならどうにかできるかもしれないし」

 

「そういえば、ここら辺に門も置きっぱなしだったから、それも回収しないと……」

 

「忘れてた……なら、急いで回収してからホテルの方へ行こう!!」

 

 

 ドラえもんが連れ去られ、島が突如として空へと飛び上がるという驚きが連続する。クロならこの現状もどうにかできるかもしれないという思いを頼りに、五人はホテルへと急ぐのだった。

 

 

 




 ジャイアンに少し無茶無謀をさせすぎてしまったかなと反省。

 『安全カバー』は透明ポリ袋のような外観をした道具で、この中に体を入れるとあらゆる衝撃から身を守ることができます。

映画編の日常と戦闘描写についてなのだ

  • 戦闘シーンは省略するのだ
  • そのままでよいのだ
  • 戦闘シーンはいくらあっても困らないのだ
  • 早く新しい挿絵を追加するのだ
  • モンハンと人間以外にも変身するのだ
  • 冥との絡みを増やすべきなのだ
  • クロはもっと無双RTAしてよいのだ
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