今回は説明をあまり省略しなかったので会話文が多くなってしまいました。
「う〜ん…………ムニャムニャ……」
二対の大きいテスラコイルのようなものと窓が一つしか存在しない無機質な部屋。その部屋の中央で、連れ去られたはずのドラえもんは眠っていた。バチバチと二対のテスラコイルらしきものから電気が生じ始め、生じた電気が二対を繋ぐことで生じる電気を増幅させ、増幅した電気がまるで雷のようにビシャンと音を立てて、ドラえもんに降り注いだ。
「わあっ!! う〜ん、ここは…………?」
「目ガ覚メタカ、ポンコツたぬき。コレカラオ前ノ取リ調べヲオコナウ」
「誰だっ……偉そうに! 隠れてないで出てこい!!」
「ダマレ!!」
電気が降り注いだことによって意識を取り戻したドラえもんは、部屋に鳴り響いた声に対して反抗的な態度を取る。突然連れ去られ、無機質な部屋に閉じ込められて偉そうな態度を取られたら、誰でも不愉快だと思うだろう。しかし、声の主は反抗的なドラえもんの態度が気に食わなかったのか、ドラえもんに怒号を浴びせる。
「聞カレタコトニ答エレバイイノダ!」
「あっかんべーだ!! ……うわあっ!?」
舌を出して怒りながら煽るドラえもんに対し、声の主は堪忍袋の緒が切れたのか、ドラえもんに強力な電撃を浴びせた。
「素直ニ白状シナイト壊シテシマウゾ」
「うう……」
「サピオトソノ仲間ハアノ島デ何ヲ企ンデイル?」
「サピオなんて知らないよ。僕らはホテルへ遊びに……」
「シラバックレルナ!!」
再びドラえもんに電撃が降り注ぐ。声の主はロボットであるドラえもんがあの島にいた事から、ドラえもんがサピオ達の仲間だと思っているのだ。確かに、サピオ達は島にいたし、反乱軍の打倒と人々の救出を企てていた。しかし、ドラえもんはその事情を聞くこともサピオ達に会うこともなく彼らに連れ去られてしまったため、本当に知らなかった。タイミングが良いのか悪いのか。いや、きっと悪いのだろう。
「ホテルノ地下ニハ大迷宮ガアルハズダ。ソノ大迷宮ノ謎ヲ教エロ!」
「だから、本当に知らないんだってば……」
「ムウ! 強情ナ奴メ!!」
「うぎゃあ!!」
「電圧ヲ最大ニシロ!」
またもや、ドラえもんに電撃が降り注ぐ。しかも、一発ではなく何発も電撃を浴びせ、電圧を最大にして浴びせようともしていた。ドラえもんは本当に何も知らないのだが、彼らにとってはそんな事情は知る由もない。ドラえもんはサピオ達の仲間だという認識が彼らの中で固まっているからだ。
「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
電圧最大の電撃を浴びたドラえもんは、まるで雷に撃たれたかの如く黒焦げており、ピクリとも動かなくなった。
「コンピュータガ焼ケチャッタミタイデス」
「コリャドウニモナランナ。スクラップトシテ海ニデモ捨テテシマエ」
ドラえもんが動かなくなってしまった理由は、コンピュータが先程の雷のような電撃によって焼け焦げたからであり、ドラえもんなどのロボットにとって死に等しいこと。
海へと捨てられたドラえもんは、同じように捨てられた大量のゴミやスクラップと一緒に、深い海の底へと沈んでいくのであった…………。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
チャモチャ星へと連れ去られたドラえもんを救出し、ナポギストラー一世率いる反乱軍を打倒してチャモチャ星の人々を救う。それが、吾輩達の目標となっている。だが、敵のことを知らねば敵を倒すのは難しい。それ故に、今は食事をしながらサピオから話を聞くことにした。昨日はのび太達が疲れきっていて、食事した後はすぐ眠ってしまったからな。宇宙ロケットがチャモチャ星へと向かうためワープしている間に聞いておけば対策も少しは考えられるだろう。
「昔はチャモチャ星もいい星でした。恵まれた自然の中で高い文明を育てていたのです。チャモチャ星人は争いを好まず、子供のように無邪気で明るい人々でした。遊ぶことが大好き、楽しいことが大好き、いつものんびり遊んで暮らすのが夢だったのです」
「その気持ち、わかるなぁ……」
「すっごくよくわかるな!」
「ええ!」
『ふむ……』
「だから、科学もその方向へと進んでいったのです。農場や工場、交通機関、役所、商店、警察や軍隊まで様々な分野のロボットが開発され、仕事を任されていきました。しかし、次から次にロボットを発明していくうちに発明するのも面倒になってしまって、ついに全身がほとんどコンピューターでできている発明家ロボット『ナポギストラー博士』を作ったのです」
発明するのも面倒で発明家ロボットを作るとは……宇宙ロケットの内部に大迷宮を作るご先祖もいるあたり、チャモチャ星人は吾輩の予想の斜め上をいくなぁ。というか、開発したロボットにロボット三原則みたいなシステムは組み込まなかったのか。発明家ロボットならなおさら組み込んでおかないとダメだろうに。ナポギストラー博士という名前からして、こいつが反乱軍を率いるナポギストラー一世という奴なのだろうし。
「ナポギストラー博士は人間がさらに楽をするための発明を続け、やがて人間は働く必要がなくなり、毎日が日曜日になりました」
「チクショー、羨ましい!!」
「素敵ね」
「ナポギストラー博士最大の発明は『イメージ・コントロール』、通称イメコンと呼ばれています。イメコンは心に思うだけでロボットに伝えるシステムで、人間は指一本動かさずに暮らせることになりました」
「天国だ!! ぼくらもそんな星に生まれたかった!!」
「そう思う……?」
どうやら、のび太達はイメコンのデメリットに気付いていないらしい。指一本動かさずに暮らせれるようになるのは幸せかも知れんが、人間の体は動かさなければどんどん悪くなっていく。体を動かさなければ肥満となり、肥満を原因として糖尿病や高血圧、脂質異常症などの病気になる。
仮に栄養状態をどうにかするロボットがいたとしても、体を動かさなければ筋肉が固まってしまい、まともに動くことすら難しくなっていく。サピオがカプセルに入っていないと、まともに動くことすらできないというのは……十中八九このイメコンが原因だろうな。
おそらく、反乱が起きずに文明が進んでいた場合は肉体を捨てて機械やロボットに意識を移すか、別方面へと肉体が進化していただろう。進化していた場合、皆がよくイメージするタコやクラゲのような見た目になっていた可能性が高い。
『肉体は使わなければ衰えていく。イメコンは便利であると同時にそのようなリスクもあるのだろう? まぁ、それに気づいて普段から運動していれば問題ないはずだが……』
「その通りです。そして、クロさんの考えた危険に真っ先に気づいたのは僕の父『ガリオン・ブリーキン』公爵でした。父は科学者だったのです。父はアンラック王にイメコンの使用中止を訴えましたが、まともに取り合ってもらえませんでした。さらに、ナポギストラー博士はイメコンのデメリット対策として僕が今も乗っているこのカプセルを発明し、国中にカプセルを広めました」
「対策としての発明をしたなら、イメコンは大丈夫じゃないの?」
「のび太さん、サピオさんが乗っているカプセルはイメコンの根本的な対策になっていないのです……」
「えっ、そうなの冥さん?」
『さっきも言ったが、肉体は使わなければ衰えていく。そして、肉体が衰えていくと様々な病気になりやすくなる上に、動くことすら難しくなるのだ。根本的な対策をするならば、イメコンを使わないか、健康を保てる程度の運動をさせる機械やロボットの開発でも良かった。だが、カプセルの機能は昨日から見る限り手足の延長線上程度で肉体を動かすようなことはしない。つまり、カプセルはイメコンによって加速的に肉体が衰えていくことを止められないのだ』
「なるほど?」
「つまりどういうことなんだ?」
「ナポギストラー博士が開発したカプセルはイメコンの対策としては不十分ということです」
ナポギストラー博士が発明家ロボットである以上、カプセル以外の機械やロボットを作ることができたはずだ。いつから反逆を企てていたのかは知らないが、イメコンとカプセルの開発は人類の抵抗力を削ぐための策である可能性が高いな。というか、発明家ロボットに発明以外の機能をつけるなよ。
「僕の父はイメコンの使用やカプセルの使用を止められないと判断して、このブリキン島にある大迷宮の中央ホールで一年もの間何かを研究し、その研究を完成させたらしいのです」
「研究……? それってどんな?」
「それは僕も詳しくは聞かされていないのです。そして、研究を完成させた父は母さんと一緒に王様に会いに向かいましたが、それが僕の見た両親の最後の姿でした…………」
「どうして?」
「両親が王様に会いに行って数日後に、ナポギストラー博士がロボットたちを従えて反乱を起こしたからです」
「「「ロボットの反乱!!??」」」
「じゃあ、王宮へ出かけたご両親は!?」
「多分、他の人たちと一緒に捕らえられてどこかに……」
「反乱が起きてどのくらいの時間が経っているのですか?」
「おそらく半年程です……」
半年となると、捕らえらた人々が無事である可能性はかなり低いな。ロボットが反乱を起こせたり、ホテルを爆破した爆弾や軍隊がある以上、人間を傷つけることに躊躇いなどないだろう。ナポギストラーが何らかの理由で生かしていない限り、生きている可能性すら低いだろうな。
『凡そ事の経緯と戦うべき相手についてはわかった。次は作戦会議をしたいが……ワープ完了まで後どれくらいなのだ?』
「えっと…………残り一時間くらいです」
『それなら時間はあるな。サピオ、どこか作戦会議に向いた場所はないか?』
「それなら、このホテルの屋根裏にある隠し部屋が最適でしょう」
「「「「「隠し部屋!?」」」」」
食事を済ませ、話を聞き終えた吾輩たちはサピオと執事のブリキンの案内に従って食堂を出て、中央の階段を上り、最上階の部屋からホテルの屋根裏にある隠し部屋へと向かった。
「これが……」
『隠し部屋か……』
屋根裏の隠し部屋は、意外と広く、のび太達5人と吾輩にサピオ達が一緒にいても余裕があるくらいだ。部屋の中央に大きなテーブル、正面には大きなモニターが設置されており、何かを操作しているのかロボットがモニターの前に座っている。
『あれは、何を操作しているのだ?』
「人工重力や空気層など、このブリキン島を管理しながら操作しています」
『なるほど……』
空や宇宙に飛び上がっても息苦しくならなかったのは、どうやらここで管理及び操作していたからのようだ。他にも何か管理や操作ができるのだろうが、それでもこの島の環境を弄る程度だろう。
一通りこの隠し部屋の疑問を消費できた吾輩達は、中央の大きなテーブルとモニターを使って作戦会議を行った。
『さて、まず吾輩達の最優先目標は【ドラえもんの救出】と【反乱軍の打倒】、【チャモチャ星の人々の救出】とする。これに異論はあるか?』
「ないよ!」
「ないわ」
「ないぜ!」
「ないけど……」
「ありません」
「僕も異論ありません」
『わかった。ならば、次にこれらの目標を達成するための策を考えよう』
全員が作戦目標に異論がないとの事らしいので、作戦内容を考えることにした。本当ならブレインストーミングをしたいところだが、そこまでの時間はさすがにない。
『3つの目標に共通する必要な作戦は、居場所の確認だな。誰かが偵察役として行動する必要がある』
「確かに……」
「なら、それの偵察役は俺達に任せてもらおう!」
「え、それ……僕も?」
「おう!」
『スネ夫とジャイアンだけでは不安だ……。吾輩も一緒に行こう』
ジャイアンがスネ夫を勝手に含めて自ら偵察役を買って出た。だが、二人だけでは心配なので吾輩も共に偵察役を担うことにした。
「ぼくも行くよ!」
吾輩も偵察役になることを伝えると、驚くことにのび太も行きたいと言い出した。
「どうしたんだよのび太、珍しいじゃん」
「だって、ドラえもんをいち早く助けるなら偵察役の方がいいんでしょ?」
『状況によるがな』
「なら、ぼくも行くよ!」
連れ去られたドラえもんをいち早く助けたいがための立候補だったらしい。その気持ちを吾輩は否定することができないし、三人をきちんと吾輩が守れば問題もない。偵察役は吾輩とのび太、ジャイアン、スネ夫の四人で行うことになった。
「なら、その作戦と平行して大迷宮の攻略を提案したいのですが……」
偵察任務とそれを行う担当が決まると、サピオの方から大迷宮の攻略という作戦の提案があった。しかし、その作戦がどうして今回の目標に関わるのかが理解できない。大迷宮を攻略することに何か意味があるのだろうが、一体…………
「なんで大迷宮の攻略?」
「大迷宮の中央ホールに父の研究室があるのです。そこで、父が完成させた研究が何かを確かめたいのです」
『ああ、それなら吾輩が知ってるぞ』
「「「「「「ええッ!?」」」」」」
『吾輩は大迷宮を攻略したからな。当然、中央ホールも通過した。その時に部屋の様子が気になってな、いろいろと探っていたら出てきたのだ。ほれ……』
「これが……」
なぜ、サピオが大迷宮の攻略を提案したのか。それは、中央ホールで行われたサピオの父の研究がどのようなものだったのかを確かめたかったかららしい。しかし、先ほども言ったが吾輩は既にあの大迷宮を攻略済みなのだ。
吾輩が蔵から取り出したのは、中央ホールで見つけたスチール製の小箱。おそらく、この小箱がサピオの父の研究とやらだろう。この箱は金庫の中に隠されていたが、吾輩の千里眼と超能力による空間転移の前では無力だった。
ピン♫ ポロポ〜ン♪
『ナポギストラーの反乱を予感し、その日に備えてこのディスクを残す』
「お父さんの声だ!」
小さな箱を開けると中にはディスクが入っており、ディスクを入れていた箱の方から不思議な音と共にサピオの父の声が再生された。
『これはロボットたちのコンピュータを狂わせるプログラムで、しかも伝染性を持つ。その効力は感染後数時間で発し……』
「さっぱりわかんない。何のこと?」
「つまり、このディスクは私やドラえもんさんのようなロボットを病気にしてしまうということです」
ディスクの効果について理解しきれなかったのび太が疑問の声を上げ、冥がそれにわかりやすい答えを返す。この時代(地球)のコンピュータはまだまだ発展途上で、テレビなんかはブラウン管だ。わからないのも仕方ないのかもしれない。
『ロボットたちに気づかれぬうちに、短時間で全反乱ロボットに感染させるには、まずナポギストラーにインプットすべきであろう。おそらく彼は、イメコンのチャンネルを通じてあらゆるロボットのコンピュータに働きかけ……』
「これは……」
「敵の親玉であるナポギストラーの頭にこのディスクをインプット……植え付けるということです。そうすれば、ロボット達は次から次へと病気になっていって大変になります」
「すごい発明じゃん!」
コンピュータウイルスの元であるこのディスクを、ナポギストラーにインプットすることができれば、ナポギストラーから感染してロボット達を一掃できる。これが、サピオの父が完成させた研究だった。
「これがあればロボット達を一気に倒せるんでしょ? なら早速行こうよ!」
『ナポギストラーの居場所が分からん。だから偵察しに行くんだ』
「もう一つは、どうやってディスクをインプットするかですね……」
「うーん……」
ディスクをどうやってナポギストラーに気づかれぬようにインプットすればいいのか。空間転移で頭の中に移動させることはできても、インプットすることはできない。ナポギストラーを気絶させて、その間にインプットするというのがいいかもしれないが、気絶している間に何かされたかもしれないと気づく可能性もある。如何せん、いい案が浮かばない。
皆でウンウン悩んでいると、不思議な音が島中に響いた。
ボボオ! ボボオ! ボボオ!
『この音は……』
「ッ! この音は、目的地が近くなったのでワープ空間を出る合図です!」
「ということは、いったん作戦会議は中断した方がいいかもしれませんね」
不思議な音の正体は、ワープ空間から出るための合図だった。作戦会議を中断して正面のモニターを見ると、大きくて綺麗で美しいチャモチャ星が映っている。高度な文明を築いている場合は、星が汚くなっているイメージがあったが、チャモチャ星はそんなことはなかった。
「綺麗…………」
クロ達は、地球にも引けを取らない美しさを持つチャモチャ星に見惚れながら、ドラえもんと人々の救出及びナポギストラー率いる反乱軍の打倒を再び決意するのであった。
(|) ボボオ! とか ピン♫ ポロポ〜ン♪ とか愉快な擬音語ですけど、原作がこれなんですよ。面白いですよね。
映画編の日常と戦闘描写についてなのだ
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戦闘シーンは省略するのだ
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そのままでよいのだ
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戦闘シーンはいくらあっても困らないのだ
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早く新しい挿絵を追加するのだ
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モンハンと人間以外にも変身するのだ
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冥との絡みを増やすべきなのだ
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クロはもっと無双RTAしてよいのだ