許して……許して……
「あれっ!? のび太君が勉強してる!?!?」
扉を開けると、机に向かって勉強しているのび太がいたため、ドラえもんは目玉が飛び出る程驚いた。
『いや、吾輩が念動力で無理矢理押さえて勉強させているだけだ』
「ドラえもーん”!」
しかし、実際のところはクロが念動力でのび太がサボらないようにケツと椅子を固定して止め、冥がわからない箇所を教えていただけであり、のび太が自主的に行っているわけではない。
『それで、ジャイアン達はどうしたのだ?』
「実は、ジャイアン達も一緒に行きたいらしくて、そのためにのび太君の宿題を手伝ってくれるみたいなんだ」
『ほう……それは良いな。吾輩達が無理矢理進めさせるよりは、友達と一緒にやった方がのび太もやる気がでるだろう』
ジャイアン達がのび太の宿題を進める手伝いをしてくれることを聞いたクロは、のび太の拘束を解き、ジャイアン達に任せることにした。のび太はやっと動けるようになったと鉛筆を放り投げて喜んでいたが、ジャイアンがのび太の両肩に手を置き、しずかちゃんとスネ夫がのび太の隣に立ち、冥に三人がやってきた経緯を伝えられることで、宿題を進めなきゃいけない事に変わりないことを知る。
「いいか、のび太……絶対に今日中で終わらせるぞ。もし、途中でサボろうとしたら俺がぶん殴るからな」
「は、はい…………」
ジャイアンの言葉をきっかけにして、鉛筆を手に取り宿題に向き合うのび太。スネ夫が側でやる気を出すように言葉で励まし、しずかちゃんがわからない所を教え、ジャイアンが脅す。中々いい組み合わせじゃないか……そう考えたクロは、冥とドラえもんの三人で温かい目をして見守ることにした。
そして…………
「「「「終わったー!!」」」」
何時間か経ち、太陽が真上に差し掛かる頃、ようやくのび太の夏休みの宿題は終わりを迎えた。さすがに何時間も温かい目をすることはできないので、クロは丸くなって眠り、冥はそんなクロを膝の上に乗せながらドラえもんとどら焼きを食べながらおしゃべりをしていた。
「あー!! ひどいよドラえもん! ぼくがこんなに頑張って宿題をやってたのに、その間どら焼きを食べていたなんて!」
「大丈夫、ちゃんと皆の分も用意してあるよ」
「本当?」
「丁度良かった。俺、のび太の手伝いで腹減っちまったからよ」
「僕もお腹すいちゃった」
「私もいただいていいかしら?」
「うん。皆ありがとうね!」
わーい!! とドラえもんから差し出されるどら焼きを手に取って食べるのび太達。ドラえもんはそれを見ながらハッと思い出し、もぐもぐとどら焼きを食べているのび太に釘を刺しておく。
「あ、そうだ。のび太君はそれ食べ終わったらママに報告しに行くんだよ?」
「わふぁっへふよ(わかってるよ)」
食べながら返事をするのび太。食べながら返事をしたせいで言葉になっていないが、ニュアンスでなんとなくのび太が言ったことを理解し、頷くドラえもん。とりあえず、食事中に話すのは行儀が悪いのでやめよう。
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のび太が終わらせた宿題をママに報告して無事にキャンプに行く許可を得ることができたため、クロ達は今、人がいない浜辺にやってきていた。クロとドラえもん、冥以外は既に、ドラえもんからテキオー灯の光を説明を受けながら浴びていた。つまり、いつでも海に潜れる状況にある。早く行こうぜ!……とジャイアンが急かし、どうやって太平洋に行くのかを質問するスネ夫。
それに応えるようにクロが話だし、蔵を出現させる。
『うむ、太平洋までは吾輩の作ったこのシン・ヴィマーナで向かう。6人乗りだから全員乗れるはずだ』
空中に開かれた巨大な黄金の波紋……クロの所持する蔵からシン・ヴィマーナがゆっくりと出てくる。それを見たジャイアンとスネ夫はおぉ……!と驚き、見るのは二度目になるのび太とドラえもんんは入り口はどこだろう? と探し、しずかちゃんはわぁ……大きいと感心するだけであった。
クロの指示に従ってシン・ヴィマーナへと搭乗するドラえもん達。最後に冥がクロを抱いた状態で乗り込むと、入口が閉まり、360度全ての外部の景色が映された。
「「「すごーい!!」」」
「「スゲー!」」
『ふふん。内部の構造にも拘ったからな。海の中なら、水族館のように景色を堪能できるだろう』
「流石です、クロ様」
『うむ。では、行こうか』
クロがそう言うのと同時にシン・ヴィマーナがフワリと浮かび上がり、目の前の海へと静かに潜っていく。
海の中に潜ったシン・ヴィマーナは、のび太達が魚や景色を堪能できるようにゆったりと進みながら、より深くへと潜っていく。そして、深度が増したことで、ウミガメや魚、イソギンチャクなどが多く存在した環境からガラリと変わり、水圧が強くなっていることから生物が少なく、まるで荒野のような景色が目に入るようになっていた。
「おお!! 海底に山がある!!」
「しかも、あんなに大きな山が何百も連なって……」
海底にある山々を見て興奮するのび太達。ジャイアンとスネ夫、のび太は降りたそうにソワソワしているが、クロとドラえもんが決めた目的地にはまだ到着していないので、降ろすことはしない。その代わり、のび太達が飽きてしまわないように速度を上げて、目的地まで急ぐことを決めたクロ。
クロは冥に合図を出し、冥にシン・ヴィマーナの操作を任せる。すると、冥は自身の座っている席のみについてる操作盤を取り出し、あるボタンを押した。冥がボタンを押した直後、シン・ヴィマーナの両翼がゆっくりと開き始めた。そして、今まで閉じていたシン・ヴィマーナの翼が開くと、赤い残光が走り一瞬で周囲の景色を置いてけぼりにする。
「わぁ! すごいスピード!」
「ねぇ、クロ。これ速度出し過ぎじゃない? ぶつかったりしたら大変なことに……」
『問題ない。船には自動で周囲の障害物を探知し、自動で避けるようにプログラムしてあるからな。ぶつかることはない』
「なら良いんだけど……」
とてつもない速度で進むので海底の山にぶつからないか不安に思い、クロに訊ねるドラえもん。それに対し、シン・ヴィマーナを作った時に組み込んだプログラムのことを話すクロ。
シン・ヴィマーナは音速に近い速度で進んでいるため、山や岩壁などにぶつかると普通なら木端微塵になる。しかし、そういう可能性を事前に考えていたクロは全自動で障害物を感知して避ける機能をプログラムしており、出力ギリギリの速度でない限りぶつかることはないと言えるだろう。また、バリアを形成する機能もついているため、万が一ぶつかったとしても大破することはない。
「ん? ねぇ、あれって何だろう?」
「クロ、一回船を止めてくれないかしら?」
『む? ……わかった』
赤い残光を走らせながら超スピードで目的地まで進んでいると、途中でスネ夫が何かに気づき声を上げる。そして、しずかちゃんも気づいたのか、クロに船を止めるようにお願いするのであった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「逃すなぁ!! 絶対に捕まろ!!」
「グオオオオオオ!!」
「ハァ……ハァ……ハァ……」
巨大なウツボとその横を併走する二隻のアンコウ型の船に追われながら、私は一心不乱に逃げる。武器の一つでも携帯していれば、現状を打破することができたかもしれないけれど、持ってきていない以上は仕方がない。奴らに捕まるわけにはいかないのだから。
一体、どうしてこんなことに…………
私が都から抜け出して地上を目指していたら突然サメに追われて、やっと撒いたと思ったら今度は巨大なウツボと奴らに追いかけられる。私はただ、私達の故郷である星を見たかっただけなのに……
「グアアアアアアアア!!」
「ハッ! ……しまった!」
「ハハハハハ! やっと追い詰めたぞ!」
「……おっと、これ以上無駄な抵抗はするな。俺たちもアンタを傷物にするわけにはいかないんでね」
私を追いかけていたはずの巨大ウツボが目の前の地面を突き破って現れ、前方を塞がれてしまった。加えて、後方は奴らが乗っているアンコウ型の船が二隻。横から逃げ出そうとすれば、船の先端からビームを放って牽制してきた。
完全に包囲され、船から降りてきた奴らに為す術なく私は捕らえられてしまった。そして、奴らの船に乗せられそうになったその時、不思議なことが起こった……!
「うわっ!? なんだこの鎖はぁ!?」
「身動きが取れねぇ! それに、動くほど縛りが強くッ……!?」
「グワッ!?」
「これは一体……どうなってるの……?」
突然、どこからともなく何本もの鎖が現れて奴らと船、巨大ウツボを縛り上げてしまった。奴らが鎖に縛り上げられたおかげで逃げ出すことができた私は、鎖がどこから現れたのか出所を辿って見たわ。そうしたら、鎖はどれも宙に浮かんでいる金色の波紋から出ていたの。あまりにも唐突で不思議な光景に、私は混乱を隠しきれなかった。
さらに、驚きの連続で混乱している私に追い討ちをかけるように、見たこともない船のようなものがやってきた。それは夜の海よりも黒い漆黒で、両端には火よりも赤く煌く翼が存在し、後部には砲身のようなものが見える。
「わっ! すごいよジャイアン、こんな大きなウツボ見たことない!」
「スゲェ! でっけぇ!! ……グェッ」
「お二人とも、危ないので離れないでください。本当に」
『よくやったぞ冥。そのまま二人を離さないでおいてくれ』
私が謎の船を観察していると、船の壁の一部分がゆっくりと外側へ開き始め、まるで階段のようになった。そして、中から子供たちが現れ、その内の二人が階段を降りて鎖で縛られている巨大ウツボの方へと向かおうとすると、中から物凄いスピードで現れた女性が後ろ襟を掴んで持ち上げ、向かうのを阻止していた。あの持ち方は私も昔、おばあさまにされたことがあるわ。あと、黒いフグのような生物も側にいるわね。なんなのかしら。
「君、大丈夫? ケガはない?」
「私たちはあなたが襲われているのを見て、助けに来たの」
「ありがとう。それで、失礼だけれど……あなた達は一体何者なの? 見たこともない船に乗って不思議な波紋から鎖を出すなんて……」
呆気にとられている私に声をかけてきたのは、眼鏡を掛け優しげな顔をした男の子とおさげ髪の可愛らしい女の子だった。声をかけられた私は、隣に立っている青い大きなフグのような生物は何なのか気になりながらも、私を助けに来たという彼らが一体何者なのかを聞くことにしたわ。
【目玉が飛び出る】
漫画のギャグシーンなどでよく用いられる表現。目玉だけでなく歯茎ごと飛び出ることもある。
【テキオー灯】
劇場版において、使用回数がそこそこ多いひみつ道具。海底鬼岩城、竜の騎士、雲の王国、ブリキの迷宮、人魚大海戦、ねじ巻き都市冒険記などで用いられている。テキオー灯の光を浴びれば、時間制限はあるものの、どんな環境でも生活することができる。なぜか、ゲストキャラが独自に開発していて使用することがある。なお、見た目は22世紀のものと同じ模様。技術提供でも受けた?
【マッハ20】
25/12/4
この説明は修正に伴い削除されました。
修正前だと、この速度で走行中……周囲の違和感に気づけたスネ夫は人外になっちゃいます。
【都から抜け出した少女?】
挙動の一つ一つに高貴さを感じさせる少女。頭に、赤い宝石が装飾された金のティアラを着けているらしい。
【その時、不思議なことが起こった!】
某作品のご都合主義。これによって、都から抜け出した少女が衝撃波に襲われることもなく、間一髪で主人公らに助けられた。
映画編の日常と戦闘描写についてなのだ
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戦闘シーンは省略するのだ
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そのままでよいのだ
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戦闘シーンはいくらあっても困らないのだ
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早く新しい挿絵を追加するのだ
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モンハンと人間以外にも変身するのだ
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冥との絡みを増やすべきなのだ
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クロはもっと無双RTAしてよいのだ