ネコ   作:ミーちゃん

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オリ展開にしたせいでキャラの絡みとかが難しくなった。でも、自業自得なんだよね。


36話 人魚姫

 

「私はソフィア、人魚族の姫です。それで……あなた達は一体何者なの?」

 

「人魚族? えっと、ぼくは野比のび太。こっちは……」

 

「わたしは源静香っていうの。それよりも……ソフィアさん、お姫様だったの!?

 

「え、ええ……そうよ。それで……」

 

「何者ってよくわからないけど、ぼくらは地上から来たんだよ」

 

「地上から!?」

 

 人魚族の姫、ソフィアはのび太達が地上から来たと知って驚き声を上げた。海中で泳ぐための道具や深海でも耐えられるような装備を身に着けているようには見えず、どうやって地上人が深海で息をしているのかなど、伝聞と違うことが多すぎて混乱してしまう。

 

「皆さん、そろそろシン・ヴィマーナに戻って下さい。彼等を捕縛しましたが、この場所に長居は無用なので」

 

 ソフィアが驚き混乱しているのを見て、どうしたんだろう?と疑問に思うのび太としずか。そんな時、ジャイアンとスネ夫の後ろ襟を掴んだままの冥が声をかける。

 姫であるソフィアを襲っていた彼等の記憶をクロが覗き、この場所に留まるのは危険だと判断したのだろう。

 

「貴方も良ければ乗ってくださいませんか?」

 

「でも冥さん、定員が6名だから一人余っちゃうよ?」

 

「大丈夫です。私はクロ様と一緒に別の道具を用いて移動することになりましたので。シン・ヴィマーナの運転はドラえもんさんに頼みました」

 

 ソフィアにも乗らないかと問う冥に対して、定員オーバーを心配するスネ夫。しかし、冥はそんな心配に大丈夫だと返す。

 

「私も乗って大丈夫なのかしら……?」

 

「はい。それに、またあの者達に会ったとしてもそのままでいるよりは余程安全ですよ」

 

 ソフィアは冥が見たところなんの武器も携帯しているようには見えなかった。そのような状態で先を進むよりは、乗り物に乗っていた方が安全性は高いだろう。ただし、いくら窮地を助けたとはいえ、彼女にとって未知の機体を引っ提げて突然現れた地上人と名乗る者達と、素直についてきてくれるだろうか? 少なくとも、襲っていた奴らに比べればマシだとは思うが。

 しかし、そんな冥の考えはソフィアが「……その通りね。なら、お言葉に甘えさせてもらうわ」と言って、サラッとのび太達の後に続いてシン・ヴィマーナへ搭乗してしまったため、杞憂に終わった。

 

「ソフィアさん、大丈夫でしょうか……」

 

『……襲われたばかりで大丈夫とは言い難いだろうな。ただ、武器もなくたった一人しかいない状況では、迎撃も捕縛も不可能だと奴らの襲撃で身に染みてわかっているだろうし、無意味な抵抗はしないと思うぞ』

 

「無意味な抵抗ですか……?」

 

『ああ。複数人に囲まれた状況で抵抗する理由は、大凡最終的に「相手から逃げるため」となる。だが、肉体が超人的なものでない限り、素手で出来ることなどたかが知れている。武器を持った複数人の敵に加えて、武装された船が二隻もあった。それらを瞬時に無力化する程の存在にどうやって素手で抵抗するのだ? それに、吾輩達の目的もわからないだろうしな』

 

「…………」

 

『抵抗しても意味が無いなら、それは「無意味な抵抗」と言えるだろう? それなら、警戒だけして目的を探った方が良いと思わないか?』

 

「それは……」

 

『まぁ、今のはあくまで吾輩の推測だ。素人の推測なぞ、間違っている可能性は大きい。それに、本人が語るまで真実はわからん。…………そろそろ吾輩たちも出発しよう。話している間に置いていかれてしまった』

 

「はい。了解しました……」

 

 ソフィアの気持ちと行動について冥が考え、クロが推測を述べる。しかし、あくまで推測であるため、本人から聞かない限り真相はわからないままだ。そう結論づけて話が終わったクロと冥は、先に出発してしまってクロ達を置き去りにしたドラえもん達を追いかけるため、動き出した。

 

 

 冥がメイド服を着た通常形態から、光速飛行形態である戦闘機に酷似した姿へと変形する。そして、変形した冥の中へクロが乗り込み、冥に内蔵されているある道具を起動させた。起動した道具は冥と中にいるクロを特殊な状態へと移行させ、クロを乗せた冥が出発してから、その道具の効果は判明する。

 冥は高速、音速、光速へと速度を上げていきながら山や岩、深海魚などの障害を、まるで幻かのように透過しながら進んでゆく。三次元に存在する万物を透過する状態になっているのだ。そして、万物を透過しながら光速移動したため、あっという間に先に出発したシン・ヴィマーナへと追いついていた。

 

【クロ様、シン・ヴィマーナに追いつきました】

 

『うむ。吾輩にも見えているが……ドラえもん達は降りているようだな』

 

【そのようです。こちらでスキャンしてみましたが、反応はありませんでした】

 

『一体何処に…………?』 

 

 シン・ヴィマーナに追いついたものの、中にドラえもん達はいなかった。クロ達が置いていかれてから追いつくまでに約十分程。この場所はパラオ諸島の近海ではあるが、景色はさっきまでいた伊豆・小笠原海溝とそう変わっていない。冥が海上に上がったのかと考え浮上するも、ドラえもん達の姿は何処にも無かった。

 

『外は夜だったから、何処かでキャンプしてると思ったのだが……』

 

【周辺もレーダーを用いて探しましたが、ドラえもんさん達の反応はありませんでした】

 

『ふむ…………タイムテレビで過去を見てみるか』

 

 タイムテレビを使えばいいと気づいたクロは、蔵からタイムテレビを出し、ドラえもん達が何処へ行ったのかを確認する。

 

『これはッ!』

 

 過去を覗いたクロは、驚きを隠せなかった。

 

 タイムテレビには、ソフィアを除いたドラえもん達が黄色いハリセンボンのような人魚と鎧を着て槍らしき武器を持った複数の人魚に捕らえられ、マンボウのようでありエイにも似た船に乗せられて消えていく映像が映し出されていた。

 

 

 

 

 

 

 

 時は少し遡る。

 シン・ヴィマーナにドラえもん達が乗り込み、クロと冥を置いて先に出発してしまった頃。凄まじい速度で進むシン・ヴィマーナの中で、ドラえもん達はソフィアと話しあっていた。

 

「それじゃ、ドラえもんさん達は遊ぶためにわざわざ地上からやって来たの?」

 

「遊ぶためというか……」

 

「キャンプしに来たんだ!」

 

「キャンプ……? そのキャンプとは何なの?」

 

「「「ソフィアさん、キャンプを知らないの!?」」」

 

 深海にキャンプしに来たというのび太達の言葉に首を傾げ、疑問符を浮かべるソフィア。今までずっと海の中で王族として……姫として過ごしてきたソフィアにとって、キャンプという言葉は聞いたこともなかった。

 

「キャンプを知らないなんて、ソフィアさんは人生の半分を損してるよ」

 

「半分も……?」

 

「ずっと海底に住んでたから、地上のことは何にも知らないのね」

 

「そうだ! ぼくが地上のことを教えてあげるよ!」

 

「ハハハッ! のび太が教えられることなんて、あやとりくらいだろ!」

 

「そんなことないよ!」

 

「ウフフ。のび太さん、地上のことについて、教えてもらえるかしら?」

 

「うん! 任せてよ!」

 

 ソフィアはのび太から地上にある様々な物や知識、常識、遊びなどを教わり、学んでいく。聞いたこともない言葉、聞いたこともない遊び、聞いたこともない乗り物。それらについて知るたびソフィアは瞳を輝かせ、地上について思いを馳せる。

 

「地上にはいろんなものがあるのね…………ねぇ、星を見るためにはどうすればいいの? どこへ行けばいいの?」

 

「星? 星なんて夜に空を見上げれば見れるでしょ?」

 

「ヨル? ソラ?」

 

「そうか……海には昼も夜もないんだ……」

 

 ソフィアが星を見る方法をのび太達に聞き、スネ夫が常識のように方法を語る。しかし、その常識はまだのび太から教わっていなかったため、ソフィアは理解できなかった。

 ソフィアの様子を見て、ドラえもんは海……特に海底では太陽の光が届かないため、ソフィアの住む都には「昼」や「夜」などの概念が存在しないことを悟る。

 

「でも、どうして星を見たいの?」

 

「それは私達人魚族の故郷……アクア星を見るためなの」

 

「アクア星?」

 

 海中で生活していて、どうして星を見たいのか気になったのび太がソフィアに質問をする。すると、ソフィアは一族の故郷の惑星……アクア星を見るためだと答えた。

 

「ええ。私達人魚族はアクア星を飛び出して、五千年も前にこの地球にやって来たの」

 

「じゃ、じゃあ……宇宙人ってこと?」

 

「五千年も前なんて……」

 

 ソフィアの一族が、五千年前にアクア星からこの地球に移り住んでいたことが判明し、その事に驚くのび太達。伝説にもなっている人魚が、実は宇宙人だと知ってしまえば、驚くのも無理はないだろう。今のところ、海中で過ごしていること以外、ソフィアに人魚要素は殆ど無いが。

 

「でも、どうして地球に?」

 

「……アクア星はとてもとても大きい星で、この地球の何十倍もの大きさなの。その分、アクア星の海も大きく広くて優しい海だったと聞いているわ」

 

「そうなんだ」

 

「ええ。だけど、やがて汚染が進み、真っ黒な海となって誰も住める星ではなくなったの……」

 

「それで地球にやって来たのね……」

 

「そうなの」

 

 ソフィアの一族が地球にやって来たの経緯を知ったのび太達。海の中に住みながら星を渡る技術があっても、海の汚染はどうにもできなかったようだった。

 

「よーし! それじゃ、ボクが今すぐ星を見れるようにしよう!」

 

「えっ!?」

 

「今すぐ?」

 

「今って夜なの?」

 

「わかんねぇ」

 

 暗くなってしまった空気を払拭するかのように、ドラえもんが明るい雰囲気でソフィアに告げる。

 

 突然、今すぐ星を見れると聞いて困惑するソフィア達。テキオー灯を浴びているのび太達には深海でも昼間のように明るく見えているが、そうじゃないソフィアには深度によって明るさが変わる。どちらにとっても、浮上してみない限り昼か夜かを判断することができない。浮上しても昼だった場合は今すぐに星を見ることはできないはず。ならば、どうやって今すぐに星を見るのか。

 そんなソフィアとのび太達の困惑を無視して、ドラえもんは進ませていたシン・ヴィマーナを止め、ドアを開けてから外へ飛び出した。

 

「ほら、皆もおいでよ!」

 

 外に出たドラえもんが、まだ中にいるソフィアとのび太達に向けて大きな声で伝える。ドラえもんの声を聞いたソフィアとのび太達はとりあえず出てみようと思い、シン・ヴィマーナから降りてドラえもんのいるところまで歩く。皆が降りてからドラえもんのいる所まで歩くと、ドラえもんはニコニコし出してポケットに手を突っ込み、毛糸玉を取り出した。

 

「『空まです通しフレーム』! 大きく広がれ! そして、空まです通しモードON!」

 

 ドラえもんが取り出した『空まです通しフレーム』はドラえもんの言葉に合わせて動き出し、『空まです通しフレーム』の糸が六人も入るくらい大きな円……フレームを作り出すと、フレームの内部がだんだんと透けて宇宙が見えるようになった。

 

「さらに、フレームの中にみんなを入れちゃう」

 

「「「「「わっ!?」」」」」

 

 そして、ドラえもんは作り出したフレームを内部に映し出されている宇宙に注目していたソフィアとのび太達に向けて振り下ろし、フレームの内部に入れた。

 

「す、す、スゲェ!!」

 

「水も海も消えたわ!?」

 

「それどころか地球が消えちゃったんだ!」

 

「足元まで宇宙!!」

 

「すごいわ、浮いてるみたい!!」

 

 フレームの内部に入って驚いている五人を見つめてニヤニヤするドラえもん。手に持っていた『空まです通しフレーム』を足元に置くと、ドラえもん自身もフレームの中に入っていった。

 

「これらひとつひとつに惑星があって生き物が暮らしているかもしれないんだ」

 

「これが宇宙……これが星……こんなにたくさんあるなんて……」

 

「ソフィアさん、アクア星はどれかしら」

 

「ごめんなさい、私にもわからないの。ただ、アクア星と周囲の衛星を結ぶと五角形になると聞いているわ」

 

「五角形?」

 

 ドラえもんのおかげで星を見ることができるようになった五人は、驚きながらも目の前に広がる宇宙から様々な星を見る。しずかちゃんはソフィアの言っていたアクア星を探すが、ソフィア自身にもアクア星は見つけることができていなかった。しかし、アクア星の特徴は聞いていたようで、その情報をもとにしてのび太達も探し出し始めた。

 

「五角形……五角形……」

 

「なぁスネ夫、五角形の星座って何があるんだ?」

 

「馭者座とかかな。でも、こんなにいっぱい星があると探しきれないよ」

 

「ドラえもん『アクア星探し機』なんてないの?」

 

「そんなもん探す道具なんてあるわけないだろ!!」

 

「ちょっと二人とも!!」

 

「「あ……」」

 

 一生懸命に探すが、視界全てに広がる数多の星々の中からアクア星を見つけるのは難しく、誰も見つけられなかった。のび太はあんまりにも見つからないので、アクア星を探すための道具はないのかと無茶苦茶言い始めた。そんなのび太にドラえもんは怒ってそんな道具はないと言い返すが、言い方がマズかった。しずかちゃん的にはのび太もドラえもんもアウトだったらしい。ソフィアの故郷の星でありソフィア自身が見たがっているのに、のび太は自力で探すことを諦めたこと、ドラえもんは「そんなもん」と言ってしまったことに怒ったのだろう。

 

「「ご、ごめんね、ソフィアさん……」」

 

「ううん、もういいの。みんな、ありがとう」

 

 しずかちゃんに怒られた二人がソフィアに謝り、ソフィアはそんな二人を許し、笑顔で全員にお礼を述べた。笑顔を浮かべている今のソフィアに、クロや冥が考えていたような警戒は一切存在しなかった。

 

 

 

 

 ソフィアが満足したので、のび太達もアクア星探しは終えてフレームの内部から出ていき、共に外に出たドラえもんは『空まです通しフレーム』を片づけ、ポケットに戻した。そして、その瞬間……ソフィアを除いたドラえもん達五人は遠くから放たれた電撃を浴びてしまう。

 

「そんなッ!? しずかさん! のび太さん! みんなッ……!?」

 

 電撃を浴びて気絶してしまった五人に駆け寄り、体を揺すりながら声をかけるソフィア。しかし、五人は気絶しているため、ソフィアの声に何の反応も返さない。ソフィアが放たれた電撃の発生元を睨むと、そこには黄色いハリセンボンのような人魚を筆頭にして複数の鎧を着た人魚と仮面を着けて剥き出しの剣を持った二人組の人間がいた。

 

 

 

 

 




【人魚族】
 ソフィア達の一族? 種族? 元々アクア星に住んでいた地球外生命体。海中を自由に泳ぐために特殊なスーツを用いる。このスーツを着けた状態は鱗がなく服を着た人魚そのもの。ちなみに、大長編と劇場版で彼らの年齢が大分変わってくる。もしかすると、ソフィアは五千歳の可能性も……?

【光速飛行形態】
 冥の通常形態での飛行はブリキの迷宮で見せたものとなる。その点、この光速飛行形態は移動に特化した形態であり、冥の面影が全くなくなる。とはいえ、人格が消えたりするわけではないので、普通に会話は可能。実は可変型万能メイドロボだったのだ……!

【空まです通しフレーム】
 大長編……というか人魚大海戦の漫画版で登場したひみつ道具。見た目は完全に毛糸玉。ただし、原作の方だと見た目は針金のようになっている。
 これで枠を作って空にかざすと、家の天井や厚い雲、果ては太陽光が拡散した大気圏をつき抜け、宇宙空間が素通し状態で見えるようになる。本来は天体観測の際に障害物を素通しすることが目的だが、昼間に使用すれば、天井や雲をよけて太陽光線を降り注がせ、光や太陽熱を手元に導くこともできる。

【アクア星】
 劇場版では五角形から馭者座がそれにあたるのではないかと予想されていたものの、結局わからないままだった。しかし、漫画版では明確にアクア星だとされる星が描写されていた。馭者座にアクア星は含まれていたのか、それとも違う星座だったのか。詳しく知りたい方は、漫画版を読むか作者がその話を書くまで待ってて欲しい。作者的には漫画版がおすすめ。

映画編の日常と戦闘描写についてなのだ

  • 戦闘シーンは省略するのだ
  • そのままでよいのだ
  • 戦闘シーンはいくらあっても困らないのだ
  • 早く新しい挿絵を追加するのだ
  • モンハンと人間以外にも変身するのだ
  • 冥との絡みを増やすべきなのだ
  • クロはもっと無双RTAしてよいのだ
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