ネコ   作:ミーちゃん

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複数の教授に囲まれながら質問に淀みなく答えなければならない口頭試験ッ……!
発表の前座として軽い地獄を味わえ、ということなのか……?


ふしぎ風使い編
45話 ビョードー・心・精霊


Ж月〇〇日

 

 今日から、新しい配下……部下……とにかくそれに類する者を創ろうと思う。基本的に、冥もぬいぐるみ達も科学の力で超常現象を起こしているから、魔法を扱える者が欲しいと思ったのだ。冥にも魔法を教えはしたのだが、魔法事典の魔法しか使うことができなかったしな。恐らく、機械ではない肉体じゃないと魔法世界の魔法は使えないのだろう。

 とりあえず、魔法を使える者を創るとして……問題は方法と材料だ。材料に関してはあてがある。魔法世界の悪魔とドラゴン、それから特殊な武具だ。これらは既に吾輩が手に入れて蔵にしまってある。これらを材料にすれば、少なくとも魔法世界の魔法は使えるようになると思う。あとは、適当に魔法事典とか他の役に立ちそうな材料を混ぜる予定だ。魔法世界の動物を従えて連れてくる事も考えたが、どうやら使える魔法が限られているようで、それだと吾輩の理想に届かないと判断した。故に、合成獣を創ることにしたのだ。ただ単に合成獣を創るなら、以前ドラえもんが使っていたウルトラミキサーを用いればいいのだが、あれは機能と姿で分かれるのだ。例えば、壺とトイレを合成した場合は壺の見た目をしたトイレが誕生する。生物だと両方の姿が混ざるが、それでも機能と姿に分かれるのは変わらない。つまるところ、機能や特性が増えるわけではないので、ウルトラミキサーを用いることはやめたのだ。

 

 材料はいいとして、問題は創る方法だろう。案のいくつかは、ドラえもんたちが人気スターの人形をとっていた時に聞いてあるが……まだ決めかねている。『架空動物製造機』という道具を使って創るか、『精霊よびだしうでわ』を用いるか、魔法を用いて創るか、生命創造が可能な世界の技術を学んで創るかだな。だが、一つ目の架空動物製造機はドラえもん曰く、強力な超能力を持つミュータントが誕生してしまうから販売中止になってしまっているらしい。誕生したミュータントは勝手に仲間を増やして反逆し、未来世界では国連軍が出てくるまでの大騒ぎにもなったからだと。吾輩的には、エスパーぼうしで鍛えれば人間も強力な超能力を得られるのだから、ミュータントも大して変わらないと思うのだが……未来世界ではそう思わなかったようだ。

 一つ目の案はとりあえず最終手段として保留にしている。吾輩が迷っているのは、二つ目と三つ目、それから四つ目の案だな。二つ目の案である精霊よびだしうでわは、火や水などの属性がある精霊を呼び出すことができ、一つ目ほど危険ではないが制御が難しい道具ではあるようなのだ。火の精霊はとにかく何でも燃やしたがるとか、雷の精霊ならどこかに雷を落としたがるとかだ。三つ目の案である魔法についてだが、魔法世界の魔法もちょっとした生命創造の魔法は存在するから、それを使うという案だ。グラビモスくんとかまさにそれだな。だが、架空動物製造機レベルの魔法は未だ存在しないらしいのだ。四つ目の案は単純だな。生命創造が可能な世界へその技術を学びにいくというものだが……例えば、『ドラゴンボール』の世界や『ワンピース』の世界とかだな。

 

 どれにしようか…………

 

 

 

Ж月〇▽日

 

 結局、一つ目以外のすべての案を複合的に採用することにした。つまり、異世界で生命創造の技術を学んだうえで精霊よびだしうでわと魔法世界の魔法を用いるのだ。一つの案にこだわる必要はないだろうからな。

 故に、新たな仲間の創造は少し時間がかかってしまう。学ぶ時間が必要だからな。しかし、学んだ技術は吾輩の力にもなるから、決して無駄にはならない。これも、いつかは神に一矢報いるための力になるだろう。

 

 ということで、今度はどの世界に行くのか迷っている。『ドラゴンボール』の世界か『ワンピース』の世界かあるいは別の世界か……全部でも良いのだが、そうすると莫大な時間がかかってしまう。吾輩が天才であればよかったのだが、生憎そうではないからな。学習するのに時間がかかってしまう以上、一つの世界、多くても二つの世界に絞る必要があるだろう。ちなみに、違う世界に行く手段として『もしもボックス』を改造したものを考えている。もしもボックスは並行世界へ飛ばすか、使用者の望み通り新たな世界を創る道具だからな。吾輩の記憶にある漫画の世界にも行くことは十分可能だと思う。まだ試してないから実際はなんとも言えないが。

 あと、純粋に漫画の世界を冒険してみたいというのもある。吾輩、人間はやめてしまったが男の……少年の心までは失っておらんのでな。

 

 

 

Ж月〇◇日

 

 拠点から日本に戻ってきたら、大変なことになっていた。

 老若男女全ての人間が、運や物忘れ、頭の出来、根性が酷くなっていたのだ。街中で買い物をしようにも、店の人間が金額を計算できず諦める。テレビの放送に映っていた議会の人間は皆堂々と居眠りをしていて、テレビのアナウンサーも簡単な漢字すら読めなくなって諦めていた。

 

 まるでのび太のようだ…………そう感じてから吾輩の行動は早かった。すぐさまのび太の家へと向かい、ドラえもんに何をしたのかを問い詰めたのだ。ドラえもんものび太のように物忘れが酷く諦め癖がついていて大変だったが、なんとかこうなった理由はわかった。どうやら、『ビョードーばくだん』というひみつ道具を使った結果らしい。標準にする対象の体の一部(爪の垢とか)を煎じた爆弾を空中に発射して爆発させ、中の粉を浴びた者を対象者と同じレベルにするようだ。身体能力から運、普段の癖まで全て等しくする。今回はのび太を標準の対象にしていたから、そのせいだった。小学生とはいえ、全員がのび太レベルになると社会が終わりそうになるとは……とんでもないな。

 ドラえもんはビョードーばくだんの効果を受けていて役に立たなかったから、『ふりだしにもどる』で爆弾を使う前まで戻させた。のび太の不平等さを嘆く言葉がきっかけだったようだが、のび太と同じになるとここまでとは思わなかった。今後は、ほんの少しだけ優しくしてやろう。

 

Ж月▲〇日

 

 今日はドラえもんに頼まれてのび太の説得を行った。

 のび太は普段、嫌な思いをした時には学校の裏山に行っているらしく、ゴミが落ちていたら自分の部屋が汚れされているように感じてゴミ掃除もするそうだ。まず最初にドラえもんからそれを聞いた吾輩は、のび太お前……漫画とかお菓子の食べかすとかが散らばってて普段から部屋は汚いのに何を言っているんだと思ったな。まぁ良い。それで、裏山のゴミを片付けるのび太を見たドラえもんはその姿に感動して『心の土』というひみつ道具をのび太に与えたと言う。心の土は砕いてそれを蒔いた土地に心を育む効果がある道具で、のび太はそれを裏山に蒔いた。その結果、裏山には心が生まれ、のび太と心を通わすようになったそうだ。最初は、のび太も前向きになって良かったのだが、段々と友人や家族などの人間関係を蔑ろにするようになり、ついには心配になって注意しに来たドラえもんを山を使って追い返してしまったらしいのだ。それで、一人では厳しいと判断したドラえもんは吾輩に手伝いを頼んだというのが事の経緯だった。

 

 ずっと山に篭り、人との関係を断ち切るという行為は容易ではない。加えて、勉強もせずただ食って寝てトイレをするだけというのは、ただの獣と変わらない。いや、獣ですら他者と関係を持つ。その点では、今のまま進むとのび太は獣以下の存在になってしまうだろう。それは良くないことだ。

 

 吾輩とドラえもんは裏山へと入り、夜になってもムキになって帰ろうとしないのび太を説得しようとしたのだが、のび太は聞く耳をもたなかった。しまいには大量のスズメバチを嗾けたり、突然落とし穴を生成したりと、友と呼ぶ裏山に吾輩達を攻撃させる始末。裏山の繰り出す攻撃は吾輩が全て防いだのだが、のび太は頑固になって話を聞こうともしなかった。故に、仕方なく吾輩達は裏山の方を説得することにした。のび太は優しい裏山に完全に依存しきっているから、裏山の方がのび太を拒絶すればのび太も諦めがつくだろうと思ったのだ。

 

 『心よびだし機』で呼んだ裏山の心は女性のような姿をしていて、のび太のことが大好きで、のび太のためなら何でもするような性格だった。それ故か、のび太を不愉快にさせる吾輩とドラえもんを恐ろしい目に合わすと脅してもきた。だが、今のび太がとっている行為が本人のためにならないことを懇切丁寧に説明すると、裏山の心は理解してくれたのか、悲しそうな色を滲ませながらものび太を説得し、家に帰らせることに協力してくれた。

 

 のび太を山から追い払うことに悲しみつつも、のび太のために協力してくれた裏山の心は、本当にのび太のことが大好きだったのだと伝わってきたな……。

 

 

 

Ж月〇◆日

 

 今日はふしぎな出会いがあった。

 朝はいつものように冥と散歩して、昼には道具の開発を行う予定だったのだが、空から降ってきた謎の青い球によってその予定が崩れたのだ。青い球は拠点のバリアに阻まれて夏ゾーン側の海へと落ちたのだが、海中の見回りをさせていたイルカのぬいぐるみがその球を拾ってきてしまった。まぁ、拾ってきてしまった以上は仕方がない。そう思った吾輩は、イルカが拾い手渡してきたこの青い球がどこから飛んできたのか、一体何なのかを調べたのだ。

 調査の結果、分かった事は2つある。まず、どこから飛んできたのかについてだが……モンゴル辺りからだった。正確な位置までは割り出せなかったのだ。この青い球ともう一つ何かが日本の方にも飛んで行ったようなのだが、それは一旦後回しにすることにした。次に分かったことは、青い球は卵だったということだろう。拠点の館の方まで持ち帰り、調べている最中に球の中心からヒビが入り、そこからパカっと犬に似た青い風の生命体が出てきたのだ。吾輩と冥、そしてミニドラ達が解析のためにその場にいたからなのか、あるいは親とでも思っているのか、やけにスリスリしてきたな。触れた感触としては、ひんやりとしていてまるで冷気の塊のようだった。この時期には丁度良い温度だな。

 

 卵から孵った生命体にはとりあえず「アスール」という名前をつけた。生き物だし、名前が無いと呼びづらいからな。アスールはまさに風の子の如く拠点の至る所を飛び回り、ぬいぐるみ達と戯れていた。だが、ある程度遊ぶと突然元気を失い始めたのはビックリしたぞ。どうやら、近くに冷気がないと存在を保てないらしい。それがわかった吾輩は、すぐさま衰弱してしまったアスールを冷蔵庫に入れた。冷蔵庫にアスールを入れて1分くらい経った頃だろうか。元気になったアスールが冷蔵庫の扉を吹っ飛ばして出てきたのは。開け方が分からないから仕方ないとはいえ、できれば壊さないで欲しかったな。

 とりあえず、せっかく元気になったのにまた衰弱してしまうと困るため、アスールには冷気を作り出す装置を組み込んだぬいぐるみの中に入ってもらった。

 

 明日は日本に飛んで行ったもう一つの球を探してみようと思う。

 

 

 




【架空動物製造機】
 又の名を人間製造機。その名のとおり、人間を作り出す機械。身の周りにある品物を材料として、その中から人体を構成する物質を抽出して再構成し、人工的に人間を作り出す。人体錬成と違ってちゃんと健常な人間を作ることができる。ただし、元気すぎて他者を支配しようとするが。一応、架空の動物も製造できるが、材料の調達難易度……捕獲レベルが跳ね上がる。例として「タイタンの石」や「絶滅した恐竜のウンチ」など。
 他の道具もそうだが、子供の遊びで生命を容易く作り出せるようにするのはどうなのだろうか……

【精霊よびだしうでわ】
 精霊を人工的に作り出して呼び出す道具。手首につけて「——の精」と唱え腕輪を擦るとその精霊を呼び出すことができる。呼び出された精霊はギリシャ風の服装で姿を現すが、性別はランダムか使用者のイメージが影響している可能性がある。ただし、精霊は触媒となるものが近くになければ存在することができない。
 仮に使用者のイメージが影響するのなら、やろうと思えば美男美女の精霊を作り出せるかもしれない。

【ビョードーばくだん】
 小型の打上花火台に似たひみつ道具。「平等」の基準にしたい人の爪の垢を煎じて仕込まれた弾頭を打ち上げると、これが上空で爆発し灰をまき散らし、この灰を被った者は皆、爪の垢の主と同程度の知能、体力になってしまう。つまり、出来杉くんの爪の垢を煎じれば……?

【心の土】
 ハート型の土の塊。これをほぐして地面に撒くと、周囲の土地と心を通い合わせることができる。なぜか、土地に住う動物や昆虫達も助けてくれる。土地から生える草とか土を食ったからか?

【ふりだしにもどる】
 サイコロを模した道具で、これを振ると出た目の数だけ時間が巻きもどる。現在は出た目の数だけ日数が戻っていることが多いが、昔はサイコロの目一つにつき1分ということもあったそう。タイムマシンやタイムベルトと違って過去を遡るのではなく時間を戻しているので、違う時間軸の同一人物が同じ時間に存在する、ということがない。

【アスール】
 おや? タマゴの様子が…………という感じで誕生した風の子。もう一匹対になる存在が日本にもいるらしい。一体何ー子なんだ……

映画編の日常と戦闘描写についてなのだ

  • 戦闘シーンは省略するのだ
  • そのままでよいのだ
  • 戦闘シーンはいくらあっても困らないのだ
  • 早く新しい挿絵を追加するのだ
  • モンハンと人間以外にも変身するのだ
  • 冥との絡みを増やすべきなのだ
  • クロはもっと無双RTAしてよいのだ
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