ネコ   作:ミーちゃん

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え!? もう1年経つんですか!? は、速すぎる……いつから作者はメイド・イン・ヘブンの影響を受けていたんだ……。

新年 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。




55話 浮気

 

 

 ――犬や猫が住まう街――

 

 山猫軒。そこは、のび太達が1000年前に置き忘れた『無料フード製造機』を改造した機械で料理を出す店。注文の多そうな名前だが、実際はそんなことはない。しかし、ただの料理店というわけでもない。無料フード製造機は水と空気とクロレラを培養して、個人の好きな味を出すことができる……つまり、無料で必ず美味しい料理が食べられる店なのである。

 

「うぅんまあいぃぃ!!」

 

 山猫軒のハンバーグを口にしたジャイアンはそう叫んだ。

 周りの他の客は突然の叫び声にビクッと肩を震わせ、あいつなんで下着でメシ食って叫んでるんだ……狂人か……?というような視線を向けている。ドラえもん達の服は到着時と変わらないが、犬猫達の文化では薄着=下着となってしまうのだ。その証拠に、他の客達は似通ったデザインの厚手の服を着ている。是非もナシ。

 

「良い味付け……」

 

 ナプキンの内側の端で口を拭いたスネ夫はそう呟いた。それを見た周囲の客は、マナーは良いのになんで下着なんだ……狂人か……?といいたげな視線を向けていた。

 

「ねぇ、これって……」

 

「うん、のび太君が忘れてった無料フード製造機で作ったんだと思うよ?」

 

「だからゴメンってばぁ……」

 

 料理についてのび太に聞かれたドラえもんは、ジトーっとした目でのび太を見ながら答えた。高かったひみつ道具を購入して1日で1000年前に置き忘れられた怒りもあるのか、返答には皮肉も混ざっていた。

 二人のやりとりを見た周囲の客は、あの猫族なんで素っ裸なんだ……羞恥心がないのか……狂人か……?といいたげな視線を向けていた。

 

「…………」

 

 一方、黙々と料理を食べる冥。その所作は美しく丁寧で、料理を運んだウェイターは満足そうにしている。周囲の客は、アイエエエ!メイドッ!?メイドナンデェ!?と驚愕していた。この時代ではメイドの希少価値が高いのかもしれない。あるいは……

 

 

 

 

 

 

 

『皆様! 今日はお越しくださりありがとうございます。予定の時間となりましたので始まります。シャミー……ショー!!』

 

 ドラえもん達が料理をほとんど食べ終えた時、突然照明が落ちて真っ暗になると、店内に響き渡る放送が始まった。ドラえもん達は知らなかったが、この山猫軒ではこの時間にショーを予定していた。それが、シャミーショー。

 冥は周囲の客をチラリと見てみたが、なんだなんだと動揺しているのはドラえもん達だけで、他の客はむしろ待ってたんだ……というような顔つきであった。

 

 〜〜♪〜〜♫〜〜♬〜〜 〜〜…………

 

 曲が始まると同時にスポットライトが店の舞台とその上を照らす。そして、透明感のある澄んだ歌声がスポットライトで照らされている舞台上部から聴こえてきた。

 

 ゆっくりとリズムに乗ってユラユラ揺れながら降りてくるブランコ。そこには、ピンクのノースリーブを着た白桃のような毛色の妖艶な猫族が座っていた。可愛らしくチャーミングな歌声や華奢な体型から女性と思われる。

 やがてブランコは止まり、そこから舞台に降りた彼女は舞台の上を踊るように歩きながら歌い続ける。そして、複数の猫族の雄を魅了するようなウィンクをした。

 うっ♡……と店内にいる雄の猫族の大半はそれにやられてしまう。一緒に来ていた雌の猫族は雄達に冷たい視線を送っていた。犬族は、ふーん……エッチじゃん……といった感想を抱く程度にしか効いていなかった。

 

「はうぅッ!♡?」

 

 ドラえもんは魔性のウィンクから逃れられなかったようだ。姿を見た時点で多少なりとも興奮してはいたが、ウィンクがトドメをさしたらしい。黄色とピンクの小さい悲鳴をあげながら目を♡♡にして倒れた。

 突然倒れたドラえもんに、側に座っていたのび太としずかちゃんは驚き、ドラえもんの目を見て呆れた。それを見てた冥は、ミイちゃんのことはいいのでしょうか……と思って首を傾げていた。

 

『山猫軒の歌姫、シャミーでした!』

 

 彼女……シャミーが歌い終わると、店内に明かりが戻り、アナウンスが響く。シャミーは歌姫と呼ばれているようだ。確かに、その多くを魅了する美貌と歌声は【歌姫】という称号に相応しいのかもしれない。

 

「シャミー……?ちゃああああんッ!」

 

「ッ!?」

 

 アナウンスを聞いたドラえもんは、自身を魅了した美しき歌姫の名を知り、冥すら驚く速度で舞台上のシャミーに近寄った。その動きは軽く物理法則を無視しているようだったが……未来のロボットならそれくらいはやってのけるのかもしれない。

 

「ボク、ドラえもんです!さっきの歌とても良かったです!」

 

 自己紹介をしながらポケットから色とりどりの花束やどら焼きを出して、シャミーに渡すドラえもん。それをちょっと引きながらも受け取るシャミー。

 

「ありがとう……初めて見る猫族ね?」

 

「猫ォー! ボクのこと猫って言ってくれたの!?」

 

「え、えぇ。ちょっと独特な体型と色だけど……その耳と尻尾は猫族でしょう?」

 

「あ、あっ、嬉しいィーッ!! これ、七色の鈴をどうぞ!」

 

「まぁ! ドラちゃんは色んな物を持ってるのね」

 

「だってボクは未来から来た、22世紀の猫型ロボットですから!えへへへ……」

 

「えっ!?」

 

 ドラえもんを初見で猫と言ってくれた久しぶりの相手……それも今まさに自分が夢中になっている相手ともなれば、ドラえもんの嬉しさの感情はとどまることをしらなかった。

 ポケットから七色……いわゆる虹色に光る鈴をプレゼントするドラえもん。花束、どら焼き、そして七色の鈴……次々にポケットから色んな物を出すその姿は、質量保存の法則を無視しているようにしか感じられなかった。シャミーは珍しいマジックを見た気分でお礼と感想を述べたが、それに対するドラえもんの返答を聞き驚きの声をあげてしまう。

 

「シャミーさん、そろそろ時間が……」

 

「あっ!ごめんなさい。それじゃあ、また会いましょうドラちゃん」

 

「えっ?」

 

 スケジュールが詰まってるのか、歌い終わっても中々戻ってこないシャミーに焦りを感じたマネージャーが、時間が押してきていることを耳打ちする。

 耳打ちされたことでシャミーはこの後に重要な予定があることを思い出し、ドラえもんとの会話を終わらせた。

 

(あの方にお伝えしなければ……)

 

 そう思いながら、シャミーは舞台から裏へと戻っていく。マネージャーもシャミーの後を慌ただしくついていき、その二人の後ろ姿をドラえもんは未練がましい気持ちで見送った。

 

「さぁ、そろそろ行くよドラえもん」

 

「腹も満たされたしな!」

 

「歌も良かったわね」

 

 のび太がドラえもんに声を掛け、ジャイアンとしずかちゃんは感想を言い合う。美味い料理に良いサービスで皆満足したようだ。

 

「うーん……やっぱり諦めきれないッ!」

 

「えっ!?ちょっ、ドラえもん!?!?」

 

「シャミーちゃああああん!!」

 

 前言撤回。どうやら一人だけ満足できなかったようだ。ドラえもんはシャミーの名前を言いながら、彼女の消えていった裏へと走っていく。

 五人は走り去っていくドラえもんに一瞬呆気にとられ、遅れてからドラえもんを追いかけていくのだった……。

 

 

 

 

 

□□□□□□□□□□

 

 

 

 

「あら……? どうしたの?」

 

「シャミーちゃん……あのォ……そのォ……ボク……」

 

 裏でマネージャーと次の場所の確認を行っていたシャミーは、ドラえもんがモジモジしながらやって来たのに気づいた。何かモゴモゴと言っているようだが、小さくてシャミーは聞き取れなかった。

 

「キャッ!」

 

「へっへん! いっただきィ!!」

 

 何を言ったのかシャミーが聞き返そうとすると、急に横から走ってきた何者かがシャミーの手から七色の鈴を奪い取っていく。その衝撃と驚きで、シャミーは軽く悲鳴をあげながら尻もちをついてしまった。

 

「シャミーちゃん大丈夫!?」

 

「ええ……なんとか」

 

「良かったあ……それにしても、許せない!」

 

 尻もちをついたシャミーにドラえもんは駆け寄り、怪我がないか確認し、怪我がないとわかると安堵した。そしてすぐに先程の蛮行を思い出し、それを行った盗っ人を絶対に許さないと息巻く。

 

「あっちの方に逃げたよ!」

 

「追いかけましょう!」

 

「うん!」

 

 その場面にタイミングよく来たのび太達五人は、激おこプンプン丸のドラえもんを筆頭に、逃げた盗っ人を追いかけていく。

 

「ひっ!?」

 

 山猫軒の裏、その狭い通路を走り抜けながら盗っ人であるダックスフントの犬族はチラリと後ろを確認し、恐ろしい形相で追いかけてくるドラえもんを見て慄く。青かった体が、怒りで顔中に血管を浮かび上がらせながら朱くなって、血走った目で睨みつけていたからだ。

 

「ダク! ここは俺に任せて先に行け!」

 

「気をつけてブルタロー! あいつら色んな意味でヤバいよ!」

 

 出口の扉を乱暴に開け放って出ていく犯人。逃がすまいとすぐ後ろを追いかけたいたドラえもん達は、出口の向こうから聞こえてきた会話から仲間がいることを悟る。セリフからおそらく、先を行かせないために立ち塞がるつもりなのだろう。

 案の定、出口を抜けてからドラえもん達が周囲を見渡すと、店内の通路よりは広いもののそれでも狭い小道を走っていく犯人と、その途中で仁王立ちしているブルドッグの犬族がいた。大柄でちょうどジャイアンくらいの身長だ。先程の犯人の会話から、彼奴がブルタローと呼ばれていた人物なのだろう。そして、逃走中の犯人がダグという名前であることも推測できた。

 

「そりゃあ!」

 

「うおっ! くっ……ドラえもん達はあいつを追いかけてくれ!」

 

「わかった、頼んだよ!」

 

 ブルタローとジャイアンがぶつかり、取っ組み合う。ジャイアンもブルドッグに近い犬種のつけ耳をしてるからか、デカいブルドッグ二匹が喧嘩しているようにも見える。いや、犬猫達からは実際にそう見えているのだろう。

 ドラえもんはジャイアンにその場を任せて、のび太・しずかちゃん・スネ夫と共に犯人の後を追いかけていった。冥は立ち止まり、心配そうにジャイアンを見つめたが……当のジャイアンからニヒルな笑みを取っ組み合いながら返された。その笑みを見た冥は苦笑して、先を行ったドラえもん達を追いかけていった。

 

 

 

 

 




【無料フード製造機】
ドラえもんが未来デパートで奮発して買った道具。水と空気とクロレラを培養して犬猫などの動物が好きな食べ物を出すことができる。1000年で成長した犬猫達に改造された。

【シャミー】
他に比べて人間要素が多い猫族。髪の毛が生えてる犬猫キャラは片手で数えられる程度しかいない。ドラえもん達の服が下着と言われる中、シャミー着ていた服はそれ以上に露出度が高く薄い。つまり…………えっちぃ服……ってコト!?

【七色の鈴】
文字通り七色に光り輝く鈴。眩しすぎて目に悪い。しかも手のひらサイズなので、おそらく観賞用である。

【ドラえもん】
シャミーへのプレゼントを眼の前で強奪されたうえに渾身の告白も中断されて、怒りが天元突破グレンラガンした。
???「野郎ブッコロしてやる!!」

映画編の日常と戦闘描写についてなのだ

  • 戦闘シーンは省略するのだ
  • そのままでよいのだ
  • 戦闘シーンはいくらあっても困らないのだ
  • 早く新しい挿絵を追加するのだ
  • モンハンと人間以外にも変身するのだ
  • 冥との絡みを増やすべきなのだ
  • クロはもっと無双RTAしてよいのだ
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